関東学生女子リーグ戦(関カレ)、3連勝無失点と順当に勝ち点をつかんできた早大。第4節は、今季四度目となる早慶戦となった。これまでの3戦は全て大勝し、因縁の相手、慶大に力の差を見せつけてきた早大であったが、今節は苦戦を強いられる展開に。立ち上がりから果敢に相手陣へと攻めるが、最後の精度に欠けなかなかゴールへ持ち込めない。後半も徹底して守備を固めてくる相手に対し、少ないチャンスで得点を挙げようとするも最後までスコアは動かずまさかのドロー。0ー0で試合終了となった。
途中出場の熊谷がドリブルで何度もゴールへと迫るも得点にはつながらず
これまで三敗を喫してきた分気迫のこもったプレーをする相手に対し、早大も高いポゼッション率でゴールへと攻め立てる。16分にはFW大井美波(社2=大阪・大商学園)がこの日最初のシュート。その4分後には再び大井が持ち味のヘディングを放つも、これは惜しくも左へ逸れてしまう。攻勢に出る早大は、その後も得意とするサイド攻撃を展開し何度もゴール前へクロスを送り込む。33分にもMF安部由希子(スポ2=宮城・聖和学園)のクロスからFW河野朱里(スポ2=静岡・藤枝順心)がヘディングで押し込もうとするが、うまく合わない。攻撃の時間は長かったものの、最後の最後で精度に欠け、得点できぬまま前半を折り返した。
終盤のセットプレーもものにできず、悔しい結果となった
後半で何としても得点が欲しい早大は貪欲にチャンスを狙っていく。60分に左サイドをドリブルで駆け上がったFW熊谷汐華(スポ2=東京・十文字)が放ったクロスはMF中村みづき(スポ3=浦和レッズレディース)へ。しかし相手の堅固な守備に対し、これはシュートにまで持ち込めない。パスカットからカウンターを喰らう場面も見られるなど、徐々に相手の攻撃もヒートアップ。対して早大は守りに入ってしまい、ラインが下がる時間帯が続いてしまうなど混戦状態の流れを打開することができない。83分から続けて得たCKで何とかセットプレーをものにしたかったものの、やはり得点までは遠かった。スコアレスドローのまま試合終了のホイッスルが鳴り響き、連勝は3で途絶えることとなった。
「プレーの質と気持ちがケイオーに負けたのかなと思います。要するに、ハードワークをしたり、一生懸命1つ1つのことにこだわるということがケイオーの方が勝っていました」。そう福島廣樹(昭45教卒)監督が試合後に語ったように、早大の持ち味が十分に活かせない結果となった今節。チャンスは早大の方が多かったものの、相手の堅実な守備を崩し切れず最後まで得点を挙げることができなかった。誰もが悔しがる結果となってしまったが、明確となった課題を克服し今後につなげることができればさらにチームとして一回り強くなるはずだ。まずは昨年ドローで終わった(△1-1)順大との対戦となる次節で、今節の分も雪辱を果たしたいところだ。
(記事、写真 新庄佳恵)
※掲載が遅くなり申し訳ございません。
スターティングメンバー
関東大学女子リーグ第4節 | ||||
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早大 | 0 | 0-0 0-0 |
0 | 慶大 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 16 | 木付優衣 | スポ2 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディース |
DF | 2 | 渡部那月 | 社2 | 兵庫・日ノ本学園 |
DF | 3 | 奥川千沙 | スポ3 | 静岡・藤枝順心 |
DF | 4 | 三浦紗津紀 | スポ2 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 32 | 中田有紀 | スポ1 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 8 | 中井仁美 | スポ3 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | ◎10 | 中村みづき | スポ3 | 浦和レッズレディース |
MF | 23 | 阿部由希子 | スポ2 | 宮城・聖和学園 |
FW | →HT | 熊谷汐華 | スポ2 | 東京・十文字 |
FW | 9 | 平國瑞希 | スポ3 | 宮城・常盤木学園 |
MF | →82分 | 八神友梨弥 | スポ2 | 宮城・常盤木学園 |
FW | 26 | 大井美波 | 社2 | 大阪・大商学園 |
MF | →77分 | 高瀬はな | スポ1 | ジェフ千葉レディースユース |
FW | 7 | 河野朱里 | スポ2 | 静岡・藤枝順心 | ◎はゲームキャプテン 監督:福島廣樹(昭45教卒) |
コメント
福島廣樹監督(昭45教卒)
――スコアレスドローで終わった今節の早慶戦を振り返っていかがですか
プレーの質と気持ちがケイオーに負けたのかなと思います。要するに、ハードワークをしたり、一生懸命1つ1つのことにこだわるということがケイオーの方が勝っていた。ということで、得点にも結びつけることができなかった結果でした。
――今季四度目の早慶戦ということで、相手にも研究されている印象を受けました
ケイオーの監督さんは、これまでのワセダの関カレの試合の全てを観てスカウトをしにいらしていて、ワセダの特徴を知っています。ワセダの特徴を消そうという取り組みでこの試合に臨んでいたと思います。それは当然我々も分かっていたことなので、打開するにはどうすればいいかということは話してあったのですが、うまく機能しなかった、ということですね。
――前節が快勝であった分、惜しい結果となりました
先週は誰が観てもいい試合をしていたので、相手がケイオーさんだろうと、真剣に勝つための取り組みをしないとなかなか勝てないということですね。そこは注意していたのですが、うまく機能しませんでした。
――何度もチャンスはありましたが、最後まで得点には結び付きませんでした。その要因は何だとお考えでしょうか
気持ちはあっても身体が動かない。心配で守って下がってしまう。というようなことを繰り返して、前から潰して点を取るんだというところまでいかなかった。気持ちはあるんだけれども、身体で表現できなかった。チャンスは何度もあってもなかなか決められないのがサッカーであるし、決め切れるのが強いチームです。チャンスにどれだけ体を投げ出して取るかというところがちょっと足りなかったかなと思います。
――今後はそういったところが肝となってくるということでしょうか
そうですね。インカレであっても引き分けたらPK合戦になるし、勝てるチームには絶対に勝たなければいけない。これを一つの教訓として、みんなでメンタル、あるいは戦術的にも上げてくれれば、この引き分けがいい結果を生むかもしれないと思っています。
――中日が少ない中次節は順天大戦となりますが、意気込みをお願いします
きょねんの関カレで引き分けたのが順天です。なのでそこは勝たなければいけないと思っています。ケイオーに引き分けている分絶対に勝つ、という強い気持ちで臨みます。技術的には、もうそんなに日にちもないのでそう簡単に伸びるものではありません。あとは取り組む姿勢と強い気持ちが結果を生むので、そういうところを注意していきます。皇后杯の初戦の相手は非常に強い神大となります1が、やはり気持ちで勝たないと試合には勝てないということを強調していきたいと思います。
MF中村みづき(スポ3=浦和レッズレディース)
――本日の試合を振り返っていかがでしょうか
きょうのゲームは立ち上がりがあまり良くなくて、前からかけていこうということであったり、少ないタッチでパスを回すといった自分たちがやらなくてはいけなかったことができませんでした。それに対して裏を狙いたいという意思であったり、色んな思いをそれぞれがバラバラに考えてしまっていて、チームとして一つの考えを表現できなかったことが引き分けになってしまった要因だと思っています。
――これまで三敗を喫している相手に研究をされている印象を受けました
ケイオーがワセダのことを研究してくるということは分かっていたので、ア女としてケイオーに対して何か対策を打ちのめすようなことができていれば良かったのですが、そこが甘かったです。他にも個人個人としてまだまだ未熟な部分があったので、この引き分けは負けに等しいものだと思っています。この結果を受け止めて、まだまだ続く関カレにもつなげられるようにしていきたいと思います。あとは、まだボールを回すのか、どのタイミングで裏を狙うべきなのかだったり、あとは技術的な部分でまだまだな部分があったと思います。相手の方が気持ちも強かったですし、弱みにつけこまれたかなといった感じですね。
――今節の課題を今後に活かすためにはどういった点が大切になってくるとお考えですか
試合ごとでうまくいかない原因は違うと思いますし、逆にいうとその原因は必ず試合ごとにあると思うので、それをしっかり試合中に出ている選手たちで気づくことができればいいと思います。自分たちで試合中に改善して、それをみんなが共通意識として一つのものに向かってプレーできればいいと思います。
――次節の順大戦に向けて意気込みをお願いします
きょうは結果が何も良くないままで終わってしまいました。昨年の順大戦も、今回のように内容も結果も良くなかったということで、次節は今回の課題をうまいかたちで表すことができればいいと思います。まずはみんなが勝ちたいという意識を持って、いまも一生懸命なのですが、一生懸命プレーができればいいと思います。