ついに関東大学女子サッカーリーグ戦(関カレ)が開幕した。初戦の相手は、今季1部に昇格した帝京平成大。前半は、何度も訪れたCKのチャンスを得点までつなげることができず、一進一退の攻防であった。しかし後半37分、MF中村みづき(スポ3=浦和レッズレディース)が鮮やかなループシュートを決め、そのまま逃げ切り1-0で開幕戦を勝利で飾った。
大事な開幕戦を白星で飾った
立ち上がりは、高いボール保持率でゲームを支配し、何度もCKのチャンスを得る。12分には、「相手のキーパーが結構パンチングで弾いていたのが1、2本目で分かったので、ファーに大きく意識して蹴りました」と語るキッカーMF柳澤紗希(スポ
2=浦和レッズレディースユース)のクロスにFW大井美波(社学2=大阪・大商学園)
が頭で合わせるも、惜しくもゴールにはならなかった。その後は、相手の猛攻を受ける場面もあったが、GK木付優衣(スポ2=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)のセーブでゴールを守り切り、0-0で前半を折り返した。
試合終了間際、ついに中村が先制に成功した
迎えた後半、ワセダは何度も帝京平成大ゴールに迫る。65分、MF柳澤がドリブル
で持ち込み、ためてシュートを放つも相手GKにセーブされる。ワセダペースで試合を進めていた82分、途中出場のFW山田仁衣菜(スポ1=大阪・大商学園)のアシストからMF中村が鮮やかなループシュートを決めついに先制。「前半トップにいいかたちで入ることがなかったんですけど、うまく(山田)仁衣奈にいいかたちで入って、自分が思い切って飛び出して打てて良かったです」(中村)と振り返るゴールが決勝点となり、1-0で白星を得た。
一進一退の攻防を制し、開幕戦を白星で飾ったワセダ。「初戦は大事なものなので、
先制点を取ることを意識したんですけど、なかなか点を取れずにチャンスを決めきれなかったので、もっと自分たちのチャンスをしっかりとものにして楽な試合展開にしたかったと思います」とFW平國瑞希(スポ3=宮城・常盤木学園)は試合を振り返る。次節の大東大戦、ワセダの躍動への期待が高まる。
(記事 下長根沙羅、写真 篠原希沙、守屋郁宏)
スターティングメンバー
関東大学女子リーグ開幕戦 | ||||
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早大 | 1 | 0-0 1-0 |
0 | 帝京平成大 |
【得点者】(早)82中村 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 16 | 木付優衣 | スポ2 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディース |
DF | 2 | 渡部那月 | 社2 | 兵庫・日ノ本学園 |
DF | 3 | 奥川千沙 | スポ3 | 静岡・藤枝順心 |
DF | 4 | 三浦紗津紀 | スポ2 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 32 | 中田有紀 | スポ1 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 6 | 柳澤紗希 | スポ2 | 浦和レッズレディースユース |
FW | →70分 | 山田仁衣奈 | スポ1 | 大阪・大商学園 |
MF | 8 | 中井仁美 | スポ3 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | →76分 | 高瀬はな | スポ1 | ジェフ千葉レディースユース |
FW | 9 | 平國瑞希 | スポ3 | 宮城・常盤木学園 |
MF | ◎10 | 中村みづき | スポ3 | 浦和レッズレディース |
FW | 26 | 大井美波 | 社2 | 大阪・大商学園 |
FW | →88分 | 阿部由希子 | スポ2 | 宮城・聖和学園 |
FW | 7 | 河野朱里 | スポ2 | 静岡・藤枝順心 | ◎はゲームキャプテン 監督:福島廣樹(昭45教卒) |
コメント
DF奥川千沙(スポ3=静岡・藤枝順心)
――今日の試合を振り返ってください
内容的に全然だめだったので、これからしっかり改善しないといけないと思います。
――初戦ということで重要な試合だったと思うんですが、入り方で意識したことは
相手は1回も戦ったことがなかったので、どんな相手かわからないので、立ち上がりはセーフティにやろうと思っていました。
――実際にピッチに立って、相手の印象はいかがでしたか
立ち上がりは自分たちが結構チャンスを作れていて、シュートのシーンも多かったんですけど、そこで決めきれなくて、相手を勢いに乗らせてしまった感じでした。
――カウンターを狙っていた相手に対して意識したことは
相手FWにひとり上手な選手がいたので、そのケアをすることを意識していたんですけど、あまりうまくいかなかったので、そこも改善しないといけないと思います。
――体を張った守りでゼロに抑えました
こういう試合は結果が全てだと思うので、内容は悪かったんですけど、無失点で勝てたことがよかったと思います。
――次の試合に向けて
次はホームの伏見でやれるので、きょうよりもいいサッカーをしてしっかり勝ちたいです。
MF中村みづき(スポ3=浦和レッズレディース)
――帝京平成大との対戦を振り返っていかがですか
前半はいいかたちで攻撃ができましたが、後半はいいかたちでボールをつなげず前線にボールを回すことができませんでした。自分たちがやりたいサッカーができない中でのゲーム展開だったのですが、後半は展開しながらア女らしいサッカーができたと思います。ですが、まだまだ関東女子リーグ戦でできていたことがあまり表現できなかったのが課題でもあります。
――相手の選手にマークされプレーをしずらい点はありましたか
きょうの個人的な感想は、中盤で自分と柳澤が高い位置を2人で取りすぎてしまったところがあるので、それで自分たちのポジション取りがずれて朱里(河野)とうまく連携できなかった面があります。なので、次節以降はもっと関係性を大事にしていきたいと思います。中井も入れて3人でバランス良く攻撃と守備をできたらいいです。
――U-23で得られたことは何でしょうか
U-23では普段あまり一緒になることのない大学生以外の選手と練習することができ、レベルが高い選手と練習をして意識も高くできました。最近のことなので、経験ををア女に持ち帰って活かせているかどうかはまだ分かりません。しかしU-23の合宿でもア女の合宿でもチーム全体の総力を上げることができたと思います。
――82分の中村選手の得点が勝利が決勝点となりました
なかなか前半トップにいいかたちで入ることがなかったんですけど、うまく(山田)仁衣奈にいいかたちで入って、自分が思い切って飛び出して打てて良かったです。
FW河野朱里(スポ2=静岡・藤枝順心)
――きょうの試合を振り返って
開幕戦ということでいろんな人が観に来ていて、その中で自分たちのサッカーをできなかったというのが今回の大きな反省点だと思います。
――初戦ならではの緊張感などはありましたか
関東リーグは今まで無敗できていて、勝つのが当たり前みたいな感じが出てきちゃっていたので、緊張というか少し自分たちの力を信じすぎたという部分があると思いました。なので、水曜日の試合からもう少し気を引き締めてやっていかないといけないなと思います。
――帝京平成大とは初めての対戦となりました
今まで公式戦でも練習試合でもやったことがない相手で、試合の前に1回だけスカウティングのミーティングを開いただけで、あんまり相手の情報がないなかで試合に臨んだという感じでした。やっぱり相手の情報がないと長所も潰し辛いですし、自分たちの長所をどう生かすかというのも試合中につかまなくちゃいけないのにそれもできなくて。それが自分たちのサッカーができなかった要因の1つかなと思います。
――実際に戦ってみて、相手の印象はいかがでしたか
14番の選手が1人で展開していくっていうイメージそのままだったんですけど、この人を潰せなかったというのが何回もピンチを招いた原因になったと思います。
――Uー20の代表にも選ばれていました。この夏はいかがでしたか
今回もドイツの遠征に選んで頂いて参加させて頂いたんですが、やっぱり普段とは全く違う環境で、海外っていうのもそうなんですけど、メンバーも意識が高い中でやっている人しかいなくて。そんな中大学生は自分1人で、自分の力をどれだけ発揮できるかっていう気持ちで臨んだんですけど、及ばない点がいくつもあっていつも行く度にもっとがんばらないとなと思わされるような場ですね。
――それでは次戦に向けての意気込みをお願いします
しあさってにまた試合があるので、きょうかあしたのうちに疲れを取りきって、水曜日に万全の状態で試合に臨めるようにしようと思います。相手はこの大東文化大なのでしっかり試合を見て、次戦はもっといい形で勝ちを取れるようにしたいです。
GK木付優衣(スポ2=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
――きょうの試合を振り返ってみて
前半の早い時間に結構自分たちのペースはつかめていたんですけど、決めきれなくて相手にもっていかれたという感じだったので、チームとしては決め切っていくことが大事だなと思いました。
――初戦ならではの緊張感などについてチームでは
特にチームで初戦についてということはなかったんですけど、個人的には、私は人前でプレーするのが久しぶりな感じだったのでけっこういろんな人が観に来ていて、こういうピッチに立つ時のドキドキ感というかそういうのがありました。
――相手の帝京平成大は昇格組ということもあり、ワセダは初めての対戦となりました
昇格してきて勢いのあるチームだと思っていて、あと、自分の出身校のチームメイトが多く行っているところだったので、結構手の内はしっているというか。それが脅威でもあり、こちら側からしても有利な面であるかなとは思っていました。
――実際に戦ってみて印象はいかがでしたか
やっぱりトップの14番、あいつのプレーは好きです(笑)、すごく(笑)。
――きょう、GKとして特に意識していたことは
なかなかきょうみたいに点が決めきれない時に、点を取られてしまうと流れを完全に持って行かれてしまうことがあるので、しっかり落ち着いて無失点に抑えながらも、チームを鼓舞しながら、落ち着かせながらといったゲームコントロールをしていきたいなと思ってやっていました。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
関カレがきょうから始まったんですが、結果を残して、しっかり無失点で終えたいなを思います。
FW山田仁衣奈(スポ1=大阪・大商学園)
――こう着した状況の中で投入されましたが、どんなことを意識しましたか
初戦ということでみんな結構緊張していて、あまり自分たちのプレーができていなかったので、まず自分が前でしっかりボールを収めて、自分が流れを変えられるようにやろうという意識で試合に入りました。
――自身のプレーを振り返って
前で落ち着いてボールは収められたんですけど、その後のアイデアであったり、最後にパスが通ったのはよかったんですけど、その前に何本もミスはしているので、そこはもっと改善していきたいと思いました。
――データが少ない昇格組のチームが相手だったと思うのですが、戦いにくさはありましたか
14番や7番の選手がキーマンだというのは分析のミーティングで分かっていたので、警戒はしていたのですけど、それよりもやっぱり緊張が結構あって硬かったかなというのはありました。
――次節に向けて
次からも負けられない試合が続くので、今日の反省をしっかり生かして、次の試合は圧倒して勝てるように頑張っていきたいです。