第30回関東大学女子リーグ戦 展望

ア式蹴球女子

 ことしで第30回を迎える関東大学女子リーグ戦(関カレ)がいよいよあした開幕する。4月から行われている関東女子リーグ戦(関東リーグ)では、全14試合中13試合が消化され、早大は12勝1分と無敗で首位を独走している。いまだ今季公式戦負けなしという強さを誇る早大。今夏でさらなる成長を遂げたエンジイレブンが、昨年に続く関カレ連覇に挑む。

FW河野朱里(スポ2=静岡・藤枝順心)が攻撃の中枢を担う

 ことしの早大の強みは、何といっても選手全員が見せる守備力である。GK山田紅葉主将(スポ4=東京・十文字)やGK木付優衣(スポ2=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)といった守護神やDF陣の活躍はもちろんのこと、ポジションに関係なく選手全員が守備への高い意識を持っている。その結果が、関東リーグでいまだに3失点という数字にも表れているのであろう。それだけではなく、最後までハードワークを惜しまず全員がゴールへと向かう姿勢も抜群の得点力の背景にある。「選手の取り組み、試合に対しての意気込みやメンタル面、一つも手を抜かないというのがことしの強みだと思っています」と福島廣樹監督(昭45教卒)が言うように、技術の高さだけでなく、一人一人の意識やチーム力の高さも今季の結果につながっているのだろう。

 現時点で挙げられるチームの課題としては、いかに『やり切るサッカーができるか』である。選手それぞれが持っているポテンシャルや技術を関カレでも毎試合で出し切ってほしいところだ。また、U-20日本女子代表に選出され、「代表ではいつも良い刺激を受けていて、しっかり吸収してチームに還元できるように頑張っていきたい」と語った河野、そしてU-23日本女子代表に選出されているMF中村みづき(スポ3=浦和レッズレディース)の2選手が、今夏で日本代表を経て関カレで見せるプレーにも注目だ。

U-23日本女子代表としての活躍も目立つ中村

 全日本大学女子選手権(インカレ)の出場権が懸かっている関カレ。昨シーズンは、因縁の相手であった最大のライバル・日体大を関カレ最終節(○1-0)、そしてインカレ準決勝(○2-2、PK4-2)で下し、早大がタイトルを総なめにした。とはいえども、女子日本代表を多く擁する
、なでしこリーグ2部に所属する、関カレでは最多16回、インカレでも最多優勝回数を誇る相手を侮ることは決してできない。今大会でも最終節に迎える日体大戦が最大のヤマ場となるはずだが、関カレ1部に所属する全10チームとの対戦はどれも負けられない。過去を越えるという意味が込められた、ことしのスローガンである『挑越』。昨シーズンを越えるためにも、まずは関カレでタイトルをつかみ、連覇を成し遂げたい。

(記事 新庄佳恵、写真 進藤翔太、新庄佳恵)