開幕から2勝1分と順調に歩みを進めるワセダはアウェイで東京国際大と対戦。立ち上がりから徐々にボールを支配し主導権を握るとFW河野朱里(スポ2=静岡・藤枝順心)が先制ゴール。その後も攻めたて、前半だけで3点のリードを奪う。後半は危なげなく試合を進め、終わってみれば大量5得点。快勝で関東女子リーグ戦(関東リーグ)無敗を維持した。
完璧な試合展開で今季一の出来を見せたエンジイレブン
連勝を狙うワセダは前節、強豪の浦和レッズレディースユースを下した東京国際大学と相見えた。敵地に乗り込んだこの試合、ワセダは立ち上がりから連動した守備でボールを奪い、相手を敵陣に押し込んでいく。高い支配率のまま迎えた34分、ついに試合が動いた。相手ゴールキックをカットしたMF中村みづき(スポ3=浦和レッズレディース)が一人を交わし、すぐさまディフェンスラインの裏へスルーパス。この日キャプテンマークを巻いた司令塔からの絶妙なボールを河野が冷静に沈め、待望の先制点を奪う。「(中村と)息が合った」(河野)と振り返るゴールで均衡を破ると、その直後にもFW大井美波(社2=大阪・大商学園)がヘディングで2点目。さらに追加点を奪ったワセダは3点リードという納得のプレーで最初の45分を終えた。
後半の立ち上がりは追いすがる東京国際大にボールを持たれる展開に。それでもこぼれ球に反応した河野が再びネットを揺らし相手を突き放すことに成功する。エースの活躍で試合を決定づけると、68分にはFW平國瑞希(スポ3=宮城・常盤木学園)がPA内左から強烈なシュートを突き刺し5点目。その後は守備陣が前節(関東学園大戦、◯3-1)の反省を生かし相手をシャットアウト。大量得点かつ、クリーンシートという圧巻の試合運びで東京国際大を退けた。
ゲームキャプテンの中村を軸として多彩な攻撃スタイルを見せた
会心の内容で勝利を収めた今節。流れの中からだけでなく、セットプレーからも得点を決めるなど多彩な攻撃を結果に結び付けられた。加えて、守備においても高い位置で奪う意識を体現。「今回得た色々なバリエーションの攻撃や無失点で抑えられたことを次節に続けていければ良い」(中村)。チーム全体で今季一の出来を見せたこの試合は今後に向けて大きな収穫となった。次節は再びホーム・東伏見に戻り、ジェフ市原・千葉レディースU-18との一戦。この勢いを維持することができれば、次も勝利をつかみとれるだろう。
(記事 桝田大暉、写真 大森葵、梶井夏葉)
スターティングメンバー
関東女子リーグ戦第4節 | ||||
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早大 | 5 | 3-0 2-0 |
0 | 東京国際大 |
【得点者】(早)34,56河野,35大井,45,68平國 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 16 | 木付優衣 | スポ2 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディース |
DF | 2 | 渡部那月 | 社2 | 兵庫・日ノ本学園 |
DF | 3 | 奥川千沙 | スポ3 | 静岡・藤枝順心 |
DF | 4 | 三浦紗津紀 | スポ2 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 32 | 中田有紀 | スポ1 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 8 | 中井仁美 | スポ3 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | →HT | 安部由希子 | スポ2 | 宮城・聖和学園 |
MF | ◎10 | 中村みづき | スポ3 | 浦和レッズレディース |
FW | 7 | 河野朱里 | スポ2 | 静岡・藤枝順心 |
FW | →76分 | 山田仁衣奈 | スポ1 | 大阪・大商学園 |
FW | 9 | 平國瑞希 | スポ3 | 宮城・常盤木学園 |
FW | 22 | 熊谷汐華 | スポ2 | 東京・十文字 |
MF | →67分 | 熊谷遥楓 | スポ3 | 北海道大谷室蘭 |
FW | 26 | 大井美波 | 社2 | 大阪・大商学園 |
MF | →60分 | 柳澤紗希 | スポ2 | 浦和レッズレディースユース | ◎はゲームキャプテン 監督 福島廣樹(昭45教卒) |
コメント
MF中村みづき(スポ3=浦和レッズレディース)
――5-0での勝利となりましたが試合を全体的に振り返っていかがですか
前半の序盤はなかなか落ち着かない展開だったのですが、15分過ぎたあたりからこっちのペースで試合を進めることができたと思います。CKなどのセットプレーで風をうまく使うこともできて、流れをつかむことができたことが大きかったなと思います。
――相手の印象はいかがでしたか
両サイドバックに足が速い選手がいたのでそこをうまく使わせないようにするということで、結構こっちの両サイドハーフが押していて相手の強みを出させなかったのがよかったと思います。
――チームとして5点を奪った攻撃面について
崩して点を取れたかたちもありましたし、大きい展開から裏を狙うこともできたので、色々なかたちで得点をすることができて良かったと思います。
――ご自身のアシストもありましたがそのシーンを振り返っていかがですか
丁度相手をかわした時に朱里(河野)が良い抜け出しをしていたので、それをちゃんと見ることができたのは良かったと思いますし、朱里もそういう動きは得意なのでもっと生かしていければ良いなと思います。
――きょうは風が強いコンディションでしたが注意した点などはありますか
前半に攻めている時はコーナーキックで巻くのを意識して、攻撃の時も流れてしまうのでシュートを狙っていくこととパスを流れすぎないようにすることをそれぞれが意識したと思います。後半は逆にセットプレーが危なくなってしまうので、相手にCKを取られないことを意識してやって、結果的に相手のセットプレーが少なくできたので良かったです。
――次の試合への意気込みをお願いします
尾瀬合宿をしたのですが、それが終わって良いかたちで今回は勝利を収めることができました。今回得た色々なバリエーションの攻撃や無失点で抑えられたことを次節に続けていければ良いと思います。
FW平國瑞希(スポ3=宮城・常盤木学園)
――きょうの試合を振り返って
最初は結構流れが悪かったんですけど、朱里(河野)が1点決めてくれてからプレーしやすくなったので、先制点をはやめに取れたのが良かったと思います。
――前半、ボールを保持しながらも点が取れない時間が続きましたが
焦りは特になかったんですけど、みんなどうやって崩そうみたいな感じで、そこでパスミスとかがあったので、もっと最初から自分たちのサッカーをできるようにしたいなと思います。
――大量得点での勝利となりました
尾瀬合宿で30分ハーフでの試合をしていて、短い時間で点を取らなくてはいけなくて、その成果がこの試合で出たかなと思います。
――きょうの試合は風が強かったですが
尾瀬でも風が強かったので大丈夫でした。
――合宿で得たものが、きょうの試合につながったいうことですか
はい、そうですね。
――ご自身の1点目を振り返っていかがですか
1点目は丁度いいところにこぼれてきて、打って、入ったので良かったです(笑)。
――2点目はいかがですか
ユキ(MF安部由希子、スポ2=宮城・聖和学園)がスローインの時にアイコンタクトで裏が空いていると言ってきたので、そこに走って迷わず打ちました。
――決まった後はガッツポーズされていましたね
気持ち良かったです。
――きょうの試合が終わって、3勝1分という結果ですが、チームとしてはいかがですか
筑波戦の時より、どんどんみんな自分たちのサッカーができてきているので、もっと最初から自分たちが主導権を握れるような、攻撃をして、早めに先制点を取っていきたいです。
――次節に向けて
次節も自分がハードワークして、得点に絡めるように練習から頑張っていきたいです。
FW大井美波(社2=大阪・大商学園)
――本日は無失点で快勝となりました。試合を全体的に振り返っていかがですか
前から全員で守備ができて、高い位置で奪えたのでそこから良い攻撃につなげられたと思います。
――5-0という結果についてはいかがでしょうか
全員が1点取って、また1点を取りたいという気持ちで前からいけたのでそれが5点につながったと思います。
――大井選手の得点シーンを振り返っていかがですか
あの時間帯はみんながいい感じで前掛かりになっていて、あとは合わせるだけでした。熊谷さん(MF熊谷汐華、スポ2=東京・十文字)が良いボールを上げてくれたので、合わせるだけでしたね。
――先週からスタメンとして出場されていますが、関東リーグでの手ごたえはいかがでしょうか
前回は全然自分の思ったプレーができなかったんですけど、その反省を合宿で自分なりに考えて、その結果この試合でもスタメンとして出させていただけたと思っています。これからも自分なりに考えていきたいと思います。
――具体的に合宿で強化されたことは何でしょうか
自分の課題として前に向かうプレーが少なかったので、前に向かうプレーと少ないタッチ数で出ることを意識していました。あとは走ることですね。ハードワークを意識していました。
――ハードワークが大切だと福島廣樹監督(昭45教卒)もハーフタイムでおっしゃっていましたね
はい。前半は良い流れだったので、反省点などは話し合っていませんでしたが、和やかな雰囲気のまま前半通りに前に出ようと話し合っていました。
――今後関東リーグで戦っていく上で、大井選手自身はどんなプレーをしていきたいとお考えでしょうか
自分の特徴を生かしながら得点に絡んでいきたいなと思います。
――最後に次戦に向けて意気込みをお願いします
今回いいかたちで勝てたので、次もいい流れのまましっかり点を取って勝ちたいと思います。
FW河野朱里(スポ2=静岡・藤枝順心)
――試合を振り返っていかがでしょうか
最近の課題になっていた得点力不足という面がこの試合では改善できたところがあったので良かったと思います。
――2得点となったご自身のパフォーマンスはいかがでしたか
1点目はみっちゃん(中村)と息が合って崩せました。2点目はラッキーなとこもあったので、もっと自分から主導的に動いて得点に絡めたら良かったのかなと思います。
――1点目はディフェンスの裏に抜け出し仕留めた納得のゴールだったのではないでしょうか
そうですね。ディフェンスがボールウォッチャーになっていたので、その裏を一瞬でつけたのは良かったと思います。
――しっかりダイレクトで決めることができましたね
キーパーと一対一というか、ああいったルーズボールは得意なので、決め切れたのは良かったです。
――多彩な攻めで5得点を奪った攻撃を振り返っていかがでしょうか
いろんな人が決められましたし、いろんな人が絡んで得点までいけたのはこれからの攻撃の厚みというところで使えていけると思います。そういうところをもっと増やして、いろんな人が点を取って、ゴールに絡むサッカーをしていきたいです。
――チーム全体で高い位置から奪うことができました
きょうは監督が「いつもより早く前に(プレッシャーを)掛けろ」とか「ハードワーク」ということを試合前に言っていたので、それをチームとして体現できたのは今回の収穫だと思います。
――前節の反省を生かすことができましたか
ディフェンスラインも風を意識しながらプレーできてたし、相手のキープレイヤーの10番をうまく潰せていたのでディフェンスの部分は改善できたと思います。
――2年目となることしはどのような意識で試合に臨んでいますか
昨シーズンは試合に出ることと点を取ることを意識してたんですけど、ことしはさらに他の選手を生かしながら自分も生かすというか、他の人との連携を去年よりかは意識してます。それをもっと他の人にも伝えて、もっと連携ができれば自分も生かせると思うので工夫していきたいです。
――昨シーズンからメンバーが大きく替わりましたが、いまのところ連携面の手応えはいかがですか
やっぱりうまくいかないことも多くて、フォーメーションも変わるので対応するのは大変なんですけど、みんなそれぞれ技術があって、コミュニケーションをとれば伝わるしうまくプレーに出せるので、もっと連携もうまくいくと思います。
――きょうの内容は今後に向け一つのカギになりそうですか
そうですね。みんなが得点を意識できたのは結構珍しいというか、良い試合だったと思います。
――次節に向け意気込みをお願いします
クラブチームに対して苦手な部分もあるので、相手を気にしつつ気にしないで、自分たちのプレーを最大限に生かしてきょうよりも多く点を取って、無失点で勝ちたいて思います。
GK木付優衣(スポ2=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
――5-0で大差での勝利となりましたが試合を振り返っていかがでしょうか
1点目が取れるまでは全体的に見てあまり良くありませんでした。1点取れてからはこっちの流れができて、ちゃんとみんなが結果を残してくれて、やりやすいゲームとなりました。
――今季初、スタメンとして関東リーグに出場されましたが、手応えはいかがでしたか
あまりシュートを打たれていないという点では成果であるなと思います。私はシュートは打たせなかったら勝てると思っているので。しっかり声で味方をコントロールして、協力をして守ることができたと思います。課題としてあげるのであれば、もう少し前線にしっかりとしたボールを配球できれば、もっと攻撃がスムーズにいけたかなとは思います。
――木付選手自身の今季の目標は何でしょうか
存在感を示せるキーパーになりたいです。
――最後に今後の関東リーグに向けて抱負をお願いします
次出場するかはわからないのですが、出れるように頑張っていきたいと思います。出てしっかり無失点に抑えたいです。