宿敵撃破だ!準決勝へと駒を進めたワセダの次なる相手は、優勝候補・日体大。強力な相手を前に、前半13分までに2点のビハインドを負う苦しい立ち上がりとなる。それでもCKからFW河野朱里(スポ1=静岡・藤枝順心)が頭で合わせ1点差とすると、迎えた後半、DF松原有沙(スポ2=大阪・大商学園)のスーパーゴールで同点に。その後は両チーム決め手を欠き、試合は緊迫のPK戦へともつれ込む。全員がネットを揺らしたワセダに対し、日体大は2人が失敗。この結果、見事にライバルを退けたア女が3年ぶりに決勝戦への切符をつかみ取った!
全日本大学女子選手権(インカレ)開幕前、ワセダの多くの選手がこの言葉を口にした。「日体大に勝ちたい」――。対する日体大はFW植村祥子を筆頭に、普段は日体大FIELDS横浜として、なでしこリーグ2部で戦う強力な布陣だ。迎えたきょう、その言葉を現実とするための舞台が幕を開けた。立ち上がり、ポゼッションを高めたいワセダであったが、硬さからか安易なボールロストを繰り返してしまう。そして前半4分には早くも失点。中央からDFラインの裏へ絶妙なスルーパスを通されると、抜け出した植村に難なく仕留められる。13分には同じかたちから早くも2失点目。警戒していたプレーを防ぐことができず、大きなビハインドを背負う。それでも徐々に本来のペースを取り戻すと、28分には左CKに河野が飛び込み、早い段階でその差を縮めることに成功。この1点に勢い付いたワセダはポジティブな流れを維持して前半を終了した。
直接FKで同点に追い付き、はにかむ松原(左)
後半開始と同時にワセダはMF熊谷汐華(スポ1=東京・十文字)を投入。さらにDF大島瑞稀(社4=宮城・常盤木学園)のポジションを一列前に上げ、好機を演出していたサイド攻撃にさらに厚みを加える采配をとった。49分、左サイドでFKを獲得。この時、ボールをセットした松原は大きく前にポジションを取る相手GKを見逃さなかった。狙い澄まされたロングシュートは相手GKの意表を突き、静かにネットに吸い込まれる。「自分もびっくりしました」と語る驚がくのゴールにより、大きな1点がスコアボードに刻まれた。サイド攻撃からチャンスをうかがうワセダに対し、日体大はエース・植村にボールを集める。次の1点を目指す両チームの熱い攻防、試合は一進一退の展開に。お互い譲らぬまま時間だけが過ぎ、そのまま後半終了のホイッスル。熱戦の決着は運命のPK戦へと委ねられた。
迎えたPK戦、ワセダの1人目はMF高木ひかり(スポ4=静岡・常葉学園橘)。「自信があった」と振り返る中盤の大黒柱がネット左へ豪快に決めると、後攻の日体大のシュートをGK山田紅葉(スポ3=東京・十文字)が見事にシャットアウト。その後、両者が確実に決め、迎えた日体大の4本目。静寂の中放たれたシュートがクロスバーを叩く。それはワセダが因縁の宿敵を破り、思い憧れた決勝戦へのチケットをつかみ取った瞬間だった。
1発目の相手シュートを仕留めた山田紅
長年にわたり大学女子サッカーをけん引し、しのぎを削り合ってきた両校。タイトルを目指す道のりには常にライバルが立ちはだかる。そして、それはこの日も変わることはなかった。激戦を制し、ついに決勝へとたどり着いたワセダ。「最終目標である『日本一』を絶対につかみたい」。MF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)は語気を強め、そう語った。泣いても笑っても次がラスト。ピッチで戦う者、ベンチで支える者、スタンドで祈る者。全ての思いを一つに、ア女は全身全霊でインカレの王座を奪いにいく。失うものはなにもない。さあ、その力を証明せよ。
(記事 桝田大暉、写真 豊田光司、渡部歩美)
試合後に真っ先に向かった応援席。決勝もチーム一丸となって戦う
結果
第24回全日本大学女子選手権準決勝 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 2 | 1-2 1-0 (PK4-2) |
2 | 日体大 |
【得点者】(早)28河野、49松原(日)7、13植村 |
早大メンバー | ||||
---|---|---|---|---|
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 16 | 山田紅葉 | スポ3 | 東京・十文字 |
DF | 4 | 大島瑞稀 | 社4 | 宮城・常盤木学園 |
DF | 5 | 松原有沙 | スポ2 | 大阪・大商学園 |
DF | 34 | 三浦紗津紀 | スポ1 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 24 | 渡部那月 | 社1 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 6◎ | 松川智 | スポ4 | 大阪桐蔭 |
DF | 7 | 高木ひかり | スポ4 | 静岡・常葉学園橘 |
MF | 8 | 山本摩也 | スポ4 | スフィーダ世田谷 |
DF | →45分 | 堀口佳織 | スポ4 | 千葉・幕張総合 |
MF | 15 | 中村みづき | スポ2 | 浦和レッズレディース |
MF | 10 | 正野可菜子 | 社4 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | →45分 | 熊谷汐華 | スポ1 | 東京・十文字 |
FW | 31 | 河野朱里 | スポ1 | 静岡・藤枝順心 |
◎はゲームキャプテン 監督は福島廣樹(昭45教卒) |
コメント
MF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)
――決勝戦進出ということで、いまのお気持ちをお願いします
日体大には3年前の決勝戦で敗れているので、今回このようなかたちで勝てて良かったです。
――準々決勝からは期間が空きましたが、どのような対策を取ってきましたか
日体大は縦に速い選手が多いのでその対策として、ディフェンスラインとキーパーの連携であったり、自分たちの中盤とディフェンスラインの提携を徹底してきました。
――立ち上がりに2失点を喫しましたが、ピッチ上で意識したこととは
そうですね、15分以内に2失点してしまって、焦った選手もいたと思うのですが、その中でも時間はたっぷりあったので「ここから行ける」と話していました。
――実際に流れをつかみ始めたきっかけは何かありましたか
流れをつかんだというよりかは、自分たちが落ち着き始めたころって感じですかね。後半の中盤あたりを過ぎてからは、自分たちのペースに持っていけましたし、下からもビルドアップがあって自分たちの良さが出せたのかなと思います。
――日体大とは関東大学女子リーグ戦(関カレ)でも対戦しましたが、その時のチーム構成とは違う印象を受けましたか
そうですね。なでしこリーグ2部の試合に出場している選手も結構出てきていました。あの時は植村祥子選手(日体大)などなでしこリーグで活躍している選手はいなかったので、今回この準決勝では出てくるということは前々からわかっていたことでしたし、それなりの対策はしていました。
――きょうの試合では下級生の得点が勝利につながり、選手層の厚さを見せつけましたね
下級生も本当に技術の高い選手が多いので、きょうの試合では朱里(FW河野、スポ1=静岡・藤枝順心)と有沙(DF松原、スポ2=大阪・大商学園)には「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。
――きょうの試合において松川主将が意識していたこととは
最初から2失点してしまったのですが、足元で負けていたというわけではなかったので、パスを回せるところはしっかり回しました。スイッチを入れるパスを特に意識していて、守備の面でも競りでは負けないこと意識していました。
――3年前の決勝戦で敗れた日体大でしたが、思いもそれだけ強かったのではないでしょうか
その舞台を経験していたのは私たち4年生だけであったのでそれぞれに特別な思いはあったと思います。2年前も皇后杯全日本女子選手権関東予選でも敗れていましたし、ことしは日体大とやる機会が2戦あった中で、両方とも勝てたことは自信にもつながりました。4年間戦ってきた中で、一番苦戦してた相手だったので、このようなかたちで勝ててよかったと思います。
――あさっては決勝戦ということで、ずっと追い求めてきた戦いとなりますが、意気込みをお願いします
ワセダのア女を引退する最後の試合でもあるので、最後には全員が笑って終われるように、またこの4年間で日本一をつかむことができていないので、最終目標である「日本一」を絶対つかみたいです。
GK山田紅葉(スポ3=東京・十文字)
――いまのお気持ちを教えてください
みんなでつないだ勝利だなというふうに思います。
――立ち上がりの2失点ですが、1対1というかなり厳しい状況でしたが振り返っていかがですか
自分のストロングでもあったので、1対1は止められるかなっていうふうに思っていたんですけど、相手の方が上だったのかなと。
――後半再び1対1の状況を作られてしまいましたが、見事に止めましたね
相手も疲れてきていたのでそれも込みで、あと自分的にも2本決められているのと、2-2という状況でもあったので、絶対に止めたいなって思いもあって(止めることができました)。良かったです。
――日体大はミドルシュートもあるチームでした
ミドルに対してはシュートされそうなタイミングで下がっていました。自分たちの得点も1本フリーキックでロングで撃ってGKの頭を超えているのがあったので、自分もそこを気を付けなきゃなというふうに思っていたので、準備を少し早めにしてミドルシュートには対応していたつもりです。
――勝負の行方がPK戦にゆだねられることになったときのお気持ちはいかがでしたか
今季PKでの負けっていうのがなく、PKは皇后杯全日本女子選手権でも勝ってきたっていう強みでもあったので、いつも通りという気持ちでした。
――1発目を止めましたね
コースも甘かったので、ラッキーと言えばラッキーなんですけど、止められて良かったです。
――勝利が決まった瞬間のお気持ちはいかがでしたか
まず、勝てたっていうのと、私いま3年生なんですけど、1,2年生のときに初戦敗敗退して、味の素フィールド西が丘も初なんです。それから決勝に初めていけるんだっていう思いがこみ上げてきてつないだっていう思いでいっぱいです。
――日体大に勝ったというのはやはり大きいですね
ずっと負け続けてきた相手だったのでことしは関カレ(関東大学女子リーグ戦)でもインカレ(全日本大学女子選手権)でも勝てたのでチームの力っていうのを感じました。
――最後に決勝に向けて意気込みをお願いします
4年生とできるのも最後なので悔いの残らないように全力で戦いたいと思います。
DF大島瑞稀(社4=宮城・常磐木学園)
――PK戦の末勝利しました。いまのお気持ちは
PKですけど、日体大に勝てたのは素直にうれしいです。
――チームメイトが蹴っていく場面をどのような気持ちで見ていましたか
自分の蹴る番がいつもは後ろの方なんですけど、6番目になっちゃって。来るかなと思っていましたが、来てもいけると思っていました。
――相手の1本目を山田紅選手が止めてくれました
その時には自分のところまで来ないなと思いました(笑)。
――前回の試合から期間が空きましたが、どのように調整してきましたか
日体大に合わせてきたので、対策をやってきました。
――その中で、立ち上がりに2失点する展開でしたが、守備の連携はいかがでしたか
相手がそのような攻撃をしてくるのはわかっていたんですけど、ただ下がるだけだと相手に好きなようにさせてしまうということがあって、ラインを取ろうとしてたんですけど、そのラインの完成度がまだまだだったから、簡単に裏を取られてしまったというのがあるので、そこをやっぱり無理にラインを取らずに下がって修正していくこともできたら良かったと思います。
――警戒していた相手の『11』(植村祥子選手)に決められてしまいました
いま言ったようにラインばかりに気を取られて、飛び出しに付いていけなかったり、ラインを下げるということをもうちょっと早くできたら良かったと思います。
――その後、大島選手の攻撃参加からワセダの流れが出来ていったように感じました
前半の内にオーバーラップした時に、直感なんですけど、ボール持てるというのと前に運べると感じました。結構ワセダの左サイドが封じられていたので、自分の方からならいけるかなと思い、攻撃参加していました。
――1点を返して良い流れのまま後半に入れたと思いますが、ハーフタイムではどのようなやり取りをしましたか
修正するところはラインで、11番のところを最後誰がマークするかはっきりさせていこうという話をしたので、そこはしっかりDF陣が修正してくれていたので、そこのこわさはなかったです。
――後半は前のポジションでしたが、どのような意識でいましたか
前半に感じた前に運べるという感覚があったので、前に勝負していけるところは勝負していこうとやりました。
――前回覇者に勝ったことは自信になると思いますが
日体だけを見てきたというか、その思いが強かったので、そこに勝てたのはすごいうれしいです。
――また4年生で迎える決勝戦になりますが
結構順調に来ているので、やり切りたいという思いが強いです。
――意気込みをお願いします
相手がどっちになるかわからないのですが、どっちも1回対戦したことがあって、どっちも勝ち切れていないので、リベンジの気持ちを持って、絶対に勝ちたいと思います。
DF松原有沙(スポ2=大阪・大商学園)
――決勝進出おめでとうございます。今の気持ちをお聞かせください
本当に決勝の舞台に立てるといううれしさだけです。
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
前半の15分までに2失点してしまい苦しい展開だったのですが、その後改善することができ無失点に抑えることができたことはよかったです。攻撃面も2得点することができ、粘って最後勝つことができたのでよかったです。
――今回の相手は前回王者の日体大でした。どういった準備、意識でのぞみましたか
相手の攻撃に対してしっかり対応し、ディフェンスラインをしっかりコントロールすることを意識していました。
――その準備してきた中でも相手のFW植村祥子選手に苦戦するシーンが多くありました。想像していた動きとはやはり違いましたか
そうですね。植村選手は裏に抜け出すタイミングと位置がすごくうまく、死角から現れてくるといった感じだったので対応が難しく序盤は裏に何本か抜けられることがありましたが、そのあとはDF陣でしっかり声掛けして指示を送っていたので対応できたと思います。
――後半には直接FKを決めたシーンのありました
普通なら中にボールを入れるのですが、監督から「ニア空いてるぞ」という指示があり、自分のキックにも自信がありました。ただ本当に入ったので自分もビックリしました(笑)。ただチームに貢献できたということが一番です。
――今回の試合もPK戦となりました。すごくチームに勢いがあると感じましたが、チーム内での雰囲気、勢いはいかがでしたか
2、3回戦とPKで勝ってきていたのでPKには自信がありました。PKは最後は気持ちなのでチーム全員で気持ちを一つにすることができたと思うので結果につながったと思います。
――最後に念願の日本一に向けて、決勝戦への意気込みをお願いします
次も難しい試合になると思いますが今季のチームはそういった厳しい試合を勝ち抜けるチームなので、今までの集大成として望みア女らしさを前面に出して日本一になりたいと思います。
DF三浦紗津紀(スポ1=浦和レッズレディースユース)
――試合開始15分までに2失点と苦しい状態を迎えましたが
きついなと思いました。ただ2-0が、相手にとっては恐いスコアだと言われているので、まだこれからいけると諦めることはありませんでした。
――2失点の原因は
相手の11番の選手(植村祥子選手)が上手く、スピードがあるということは分かっていたので、その対策としてDFのラインを高くとってオフサイドを仕掛けようという話でした。しかし想像以上に相手が上手く、やられてしまいました。もう少しできたなら良かったと思います。
――試合中の修正は
その2失点の後からは柔軟に対応ができるようになったと思います。またハーフタイムになって監督(福島廣樹、昭45教卒)からディフェンスラインを下げるように言われました。やってみたらうまくいき、そこから無失点で抑えられて良かったです。
――後半はワセダが優勢に回ることも多くなりましたが
守備から入ろうといつも意識しています。そこでチームに勢い付けられたらいいなと思いプレーしていました。
――同点に追いついてからの意気込み
ここまできたらもう1点取って勝ちたいと勢いに乗るようにしました。なかなか点は取れませんでしたが、最後の方は自分たちも楽しめていて負ける気がしませんでした。
――相手は球際や足元の技術という面で上手なところもあったと思いますが
みんな代表を経験しているだけあって予想以上にうまくてびっくりしました。一方でワセダの前線も頑張ってくれていましたし、最後のところでやられなければ負けないと思っていたので抑えられて良かったです。
――PK戦を迎えるにあたって、チームの雰囲気が良い印象でしたが
今シーズンはPK戦が何度もあり、勝っていました。ここまできたら勝つしかないと盛り上がって臨めたと思います。
――PK戦を制したあと、ご自身は号泣されていましたが
私は以前の試合でPKを大きく外してしまって、PK戦に恐怖を感じていました。みんなが勝たせてくれて嬉しかったことと感謝で泣いてしまいました。
――中1日で迎える決勝への意気込み
相手も状況は同じできついと思います。絶対に負けないという気持ちと、4年生を勝たせてあげたいことはもちろん自分たちも勝ちたいと思っています。絶対に日本一になって終えたいので、頑張ります。
DF渡部那月(社1=兵庫・日ノ本学園)
――逆転勝利となりましたが、いまの気持ちはいかがですか
本当にうれしいです。良かったです。
――やはり日体大は手強い相手でしたか
はい。でも最初に2失点してしまったのですが、朱里(FW河野朱里、スポ1=静岡・藤枝順心)が前半のうちに1点返してくれたのでまだまだいけるなと思っていました。
――序盤での2失点されてしまいましたが
相手のエースを結構注意していたのですが、なかなかラインがうまく取れなくて2点とも裏に飛び出されてしまいました。そこからは反省してディフェンスライン全員で声を掛けていました。エースにしかボールが出ないと思ったので、そこだけを潰すために1人は選手にいって、もう1人はカバーしようということを2失点したあとに話しました。
――試合前はそのエース以外にも注意しているところはあったのですか
自分がマッチアップするサイドハーフの選手の足が速いのでそこも最初は注意してやっていました。でもそこにあまりボールが出なかったので、そこよりも真ん中を気をつけようということになりました。
――2失点したあとはディフェンス陣で話をする場面がありましたが
1枚はボールを持っている人に寄せて、もう1枚はカバーということを話していました。あと、ボールの出どころの選手がフリーで、自由にやらせてしまって良いボールを供給されていたので、そこを潰そうということは話しました。
――後半に入るときは最終ラインの選手の変更もありましたが
かおさん(DF堀口佳織、スポ4=千葉・幕張総合)は足も速いし、対応できていたので、別に心配することはなかったです。
――後半は相手エースを抑えることができていたと感じましたが、振り返っていかがですか
11番(植村祥子)は後半にセンターバックの二人が防いでくれていたので、相手も相手で結構イラついていて、自分たちにとってはチャンスかなと思っていました。山さん(GK山田紅葉、スポ3=東京・十文字)も1対1の場面で危なかったのですが止めてくれたので良かったなと思います。
――試合終盤は体を張った守備も目立ちましたがどのような思いでプレーしていましたか
最後は相手にやらせないという気持ちの方が強かったと思います。
――PK戦を迎える前はチームがとても盛り上がっていましたが
みんな緊張感を超えて盛り上がっちゃって(笑)。
――一人一人大きな声を出していたように見えました
監督(福島廣樹、昭45教卒)がPKを蹴る人を一人一人指名していて、そこで盛り上がっていました。
――渡部選手は4番目のキッカーでしたね
大学に入ってから初めて公式戦で蹴ったのですが、落ち着いて蹴れたので良かったです。
――4番という重要な場面でしたが何を考えて蹴りましたか
PKは練習でも外していなかったのでいつも通り蹴ろうと思っていました。
――PK戦を制し決勝進出が決まりましたね
そうですね。あとは優勝しかないなと思います。
――その決勝戦が2日後に行われます。そこへの意気込みをお願いします
いまチームが一つになっているので、最後は4年生のためにも絶対に優勝して終わりたいなと思います。
MF高木ひかり(スポ4=静岡・常葉学園橘)
――決勝進出おめでとうございます。いまのお気持ちをお聞かせください
なんか奇跡的すぎて、自分たちの粘り強さにびっくりしています。それくらいうれしいです。
――「絶対に勝ちたい」と話していた日体大を退けました
相手がチャンスを外してくれた分こっちに運がまわってきたかなという感じですね。
――3回戦の後から日程が空きましたが、その間はやはり日体大対策をしてきたのでしょうか
そうですね。ラインコントロールの部分を徹底したり、足の速い男子チームと対戦してきました。ですがきょうの前半はそれを生かすことができなかったので、いいかたちをもっとつくれたかと思うと、反省点は多いですね。
――やはり相手のFW植村祥子選手を意識してのトレーニングということでしょうか
そうですね。それに他の選手も足が速くて、相手の攻撃のチャンスを潰すには自分たちから仕掛けていかないと潰せないと思っていました。
――2失点とも植村選手に裏のスペースへ抜け出されたかたちとなりましたが、振り返っていかがでしょうか
相手のスキルの方が上回っていましたし、(植村選手が)抜け出すタイミングだったり、そこへ出すボールの質もすべてうまかったなと思っています。
――特に前半はパスの出し手に寄せ切れていない印象をうけましたが
そうですね、ハーフタイムにその話があって、パスの出し手にいいかたちでボールを出させすぎている、もっとプレスにいこうという話でした。後半はそこの部分が改善されて、相手にチャンスをつくらせなかったかなと思います。
――ハーフタイムで大きく修正できたといった感じでしょうか
それもありますし、前半15分以降はワセダのペースでプレーできていたので、そこのところで自分たちで気持ちを切り替えられたという試合でした。
――立ち上がりの悪さが出てしまったのでしょうか
3回戦までは自分たちからアグレッシブにいけていたのですが、きょうは消極的になってしまったので、そこは反省点ですね。
――前半の内に1点を返すことができたのは心理的に大きかったのではないでしょうか
それは本当に大きかったと思っていますね。あれがなかったら後半も追い付けなかったし、やってやろうという気持ちをさらに出すことはできなかったかなと思います。
――後半開始からDF大島瑞稀(社4=宮城・常盤木学園)選手を一列上げましたが、やはりサイド攻撃に厚みを持たせようという判断だったのでしょうか
そうですね。ボールを足元で受けすぎて奪われる場面が多かったので、前にいくために足の速い選手をサイドに投入して、中盤もそこにボールを出すようにという指示を受けました。
――後半に入り、高木選手も攻撃参加する時間が増えましたが振り返っていかがでしょうか
それでも前よりも守備的になりすぎてしまったので、もっとハードワークして攻撃に関わる場面を増やせればよかったかなと思います。
――積極的にシュートを打つ姿勢が見られましたが
自分がこの1週間の間でロングシュートを練習していたので、そこはだせたかなと思います。
――PK戦では一番手を務めましたが、順番はどのようにして決まったのですか
監督(福島廣樹、昭45教卒)から言われたのですが、後半が終わってPK戦が決まった瞬間に「一番蹴りたいな」って思っていたので自信がありました。
――緊張もなかったのですね
はい、緊張はしなかったですね。どっちに蹴っても入るように結構練習していました。
――念願の決勝進出となりました
自分が1年生の時に決勝で負けているので、緊張せずに平常心で自分のプレーを出しながら絶対に優勝したいです。
――泣いても笑っても次がラストとなります。意気込みをお聞かせください
同期や後輩のみんなとサッカーできるのもこれが最後なので、サッカーを楽しんで、しっかりワセダらしいサッカーを見せて楽しんでもらえるように自分たちも楽しんでがんばりたいと思います!
MF熊谷汐華(スポ1=東京・十文字)
――熊谷汐選手は後半からの出場でしたが、どういった指示の下ピッチに立ちましたか
自分の強みである縦への突破力を生かそうということを言われていました。あとは自分の出来ていない守備への切り替えや、球際に強く当たることを意識するよう言われていたのでそこを意識して試合に入りました。
――準々決勝からは期間がありましたが、どのような意識の下練習に励んでいましたか
期間が空くということで、まずは気を緩めないようにすることと一つ一つ意識していくことと、相手が日体大で縦へのスピードに対する対策を意識した練習はずっとしていました。
――関カレでも対戦しましたが、その時のチームとは異なる印象を受けましたか
そうですね。相手がリーグとは違ってトップの選手に、縦に速い選手を起用したりしていたので、そこを本当に意識しました。縦への対策は全員で意識していたのはあります。
――準決勝に対する意気込みはいかがでしたか
本当にこの試合に勝つか負けるかっていうのは大きくて、絶対負けたくなかったですし、そういった気持ちの面で相手に勝てたのかなと思います。
――あさってには決勝戦となります。また今シーズン最後の公式戦となりますが、意気込みをお願いします
自分は4年生のために勝利に貢献したいと思っていて、自分の強みである突破力を生かして絶対優勝したいです。
FW河野朱里(スポ1=静岡・藤枝順心)
――決勝進出を決めて、いまのお気持ちはいかがですか
決勝の舞台に進むのは高校の時の一回だけなので緊張しています。きょうは勝てて本当によかったです。
――きょうはどういった意気込みで臨まれましたか
ファーストシュートで1点入れるっていう目標で臨みました。ファーストタッチがあの(得点シーンの)ヘッドだったんかなというくらいで、もうちょっとボールにさわれてから決められたらよかったんですけど、それでも目標は達成できたのでよかったです。
――日体大の印象はいかがですか
祥子さん(FW植村祥子選手)が藤枝順心高出身なので自分の先輩なんですけど、あの人が速くてそこに対応するのに時間がかかりました。ただDF陣がうまく対応してくれたので、安心して任せることができました。
――再び大事な試合で得点を挙げることができましたが、感想は
インカレでいままで1点も決めていなかったので、FWとしてそろそろ貢献しないといけないなと思っていました。どんなかたちでも1点は1点なので、きょうの試合で得点を取れてよかったです。
――得点シーンを振り返っていかがですか
いつもは自分、相手キーパーの前にいてあまり動かないんですよね。ただ、相手のDFが激しかったので、キーパーの後ろ、ゴールの中を一回通ってフリーの状態をつくって、そこから打てたのはうまく対応できたのかなと思います。
――PKも蹴られて、力強く振り切っていましたね
自分PKはあまり得意じゃないんですよ。いろんなコースに蹴ることがあるんですけど、たいていは自分から見て左のコースに思い切り蹴るっていうのが、自分の中で決まっていて。その通りにできたのはよかったです。
――ではプレッシャーもかなり感じていたのですか
はい(笑)。実は自分あんまり蹴りたくないんですけど、監督(福島廣樹監督、昭45教卒)が2番目、3番目で選んでくれるので、その期待に応えられればなという気持ちで蹴りました。
――決勝ではどんなプレーで勝利に貢献したいですか
神奈川大も自分たちは試合で負けているので、挑戦者として、自分はFWとして絶対に1点入れること、1点以上入れることを目標にして頑張りたいと思います。