今季は三冠を達成し、名実ともに関東の頂点に返り咲いたワセダ。そんな常勝軍団の活躍を、後方から支えたのがＤＦ大島瑞稀（社４＝宮城・常盤木学園）とＤＦ堀口佳織（スポ４＝千葉・幕張総合）だ。引退を目前に控えた今、二人はいったい何を思うのか。大舞台への思いと合わせて、これまでのラストイヤーについて語っていただいた。
※この取材は１２月１２日に行われたものです。
「ほっとした」（大島）
今季は前線での活躍も目立った大島
――春から現在まで振り返ってみていかがですか
大島 苦しい試合が多かったなっていうことが一番です。関東女子リーグ戦（関東リーグ）で浦和レッズレディースユースに負けて、関東リーグの前期も最後になんとか１位で折り返せたくらいで、関東大学女子リーグ戦（関カレ）もずっと２位で最後に日体大に勝って優勝できたっていうことと、あとは最近の関東リーグの後期でも楽な試合がなかったなっていう。
堀口 同じ感じなんですけど、なんだかんだ結果はついてきたかなっていう感じですが、過程の段階で自分たちの力だけじゃなくて相手の力もあって結果がついてきたって感じでした。失点が多かったですし、なかなか得点が取れないだとか、難しい試合が多かったなっていう印象です。
――そんな中でも、関東リーグ優勝を果たしました
大島 一番は「ほっとした」って感じですね。今まで、きょねんもなんとかって感じはあったんですけど、自分たちが２年のときまでは圧勝していたわけではないですけど、優勝することが当たり前になっていて、いざ自分たちの代になったときに優勝することの重みというか、ギリギリまで優勝できるか分からなかったですし、苦しかったというところでさっきと一緒のようになってしまうんですけど。勝ち切れたことは良かったなと思いますし、うれしいです。
――関東リーグで印象に残った試合は
堀口 自分はあんまり試合に出場する機会がなかったという中で、最近の浦和レッズレディースユース戦（○２－１）がうれしかったというか、印象に残っています。
――関カレも優勝を果たしました
堀口 関カレの優勝についてはさっきガチャ（大島）が言っていた通り２位っていう立場で引き分けがあったりと苦しい流れでした。相手が完全なるＡチームじゃなかったっていうのはあるんですけど、最後日体大に勝ち切れたというのは良かったなという印象です。
――関カレで印象に残った試合は日体大戦ですか
大島 慶大戦（○１－０）とか印象に残っています。早慶定期戦で勝ち切れなくて（△１－１）自分たちも慶大には苦手意識がありました。守備を徹底して１－０っていうなんとか勝てたっていう試合だったんですけど、勝ち切れたことがほっとしたというか、そこは良かったなって思います。しかし、内容はあまり良くなかったので、印象に残っていますね。まだ苦手意識をぬぐいきれないというか、自分たちに対して慶大がやっているサッカーをまだ攻略できていない部分があるので、悔いが残ったり、もっといろいろ試合中にチャレンジしてみればよかったなって思う部分は結構あります。
――次は皇后杯全日本選手権（皇后杯）関東予選についてです。トーナメント形式のこの大会を勝ち抜くことができたことは意義があると思うのですが、いかがでしょうか
大島 皇后杯関東予選の優勝が自分的には一番うれしかったです。いままで苦手と言われていたアウェイということもあったし、連戦も得意ではないという印象があったんですけど。皇后杯関東予選は行ってる組といっていない組でメンバーは分かれてしまったんですけど、行ってる組で、「来てない人に帰って良い報告しよう」ってみんなが思っていたと思います。その試合は連戦だったこともあってメンバー交代が多く行われた中で、途中から入った選手も結果を残せたり、活躍してたことがすごく良いなと思っていたので、優勝はうれしかったです。
――最終戦の方は３連戦と、今振り返ってもきつかったですか
大島、堀口 きつかったです（笑）。
大島 レッズも同じ状況だったと思うんですけど、気持ちの戦いみたいになっていましたね。
堀口 それこそ苦手だったアウェイでの試合という中で、横浜ＦＣシーガールスとの試合（○３－２）も２点最初に先制される苦しい展開だったんですけど、行ったメンバーは行っていないメンバーのためにっていう部分でそこでチームが１つになれたターニングポイントでもあったのかなっていうのは感じています。
――皇后杯ではベスト１６という結果を残されました
堀口 目標はそこではなかったので、結果からしたら悔しい部分はあったんですけど、やっぱりでかかったなと。相手のレベルの壁がでかかったなというのが一番で。自分は試合に出られていなかったんですけど、外から見ていても、その中でも得られるものはが多かったのではないかなと思いました。負けは悔しかったんですけど、チームにとってすごくプラスになるゲームでした。そこから「どうしていけばいいのかな」って考えるポイントも増えたので良い機会だったのかなって思います。/p>
――日テレ・ベレーザ（ベレーザ）との試合（●０－５）は印象に残りましたか
大島 はい。初めての体験というか、スピード感が違うし、技術も違うし、自分の考えでは「守って相手の隙をちょっとでもつけたらいいな」みたいな感じだったんですけど、まず隙がなくて、守るのも守り切れないみたいな、そんな状態でした。今までとレベルが全然違うっていうのを感じました。なでしこでも、ベレーザは中でもトップのチームで質の高いところなので、そこと戦えたということはチームにとっても経験になりますし、得るものはあったんですけど。最初に試合開始のときに感じたあの「今までと違う」っていう衝撃が強かったです。最初の方に一本簡単に裏を取られたときがあって、そのときに「これは…」みたいな（笑）。相手のＦＷのスピード感とか、「これはすごいぞ」と感じました。
――ベレーザのサッカーはア式女子蹴球部（ア女）が目指しているサッカーだというお話をうかがいましたが
堀口 目指しているというか、お手本にはしたいですよね。
大島 戦ってからより一層みんな思っていますね。あそこまでなれたら最強ですよね（笑）。
――ベレーザ戦を経てチームが変わったということでしたが、どのように変わっていきましたか
大島 （ベレーザは）基礎からしっかりしていたので、基礎的なこと、パス１個にしても意識している人は意識していると思います。
堀口 試合が終わった後に、試合を観ていたメンバーが思ったことを聞き出したミーティングがあって、そのときに行っていないメンバーも「ここを意識したらいい」っていうのを書き出したことによってみんなの頭の中に入ったから、最近練習前に監督（福島廣樹監督、昭４５教卒）が「課題を持って取り組もう」っていうことをおっしゃっていて、その中でも自分が意識したことが明確になったのかなと思います。
――今季の自分自身のパフォーマンスに点数を付けるとしたら
大島 ６０くらいかな（笑）。
堀口 もっと高くていいんじゃない？
大島 いやいやいや（笑）。
堀口 謙虚（笑）。
大島 今まで結構出させてもらっていて、経験がついてきたということで試合に対して上がらなくなりました。緊張して自分のプレーがダメになっちゃったっていうことはそこまでなくなったっていうことと、そこがおっきいところなんですけど、段々試合を通して、流れが前よりかは読めるようになったかなと思います（笑）。あとは、まだインカレ（全日本大学女子選手権）があるので、伸びしろとして４０パーセントくらい残して一気に上げていこうかなって思います。
堀口 私は４０点くらいです。正直言ったらきょねん１年間やっていなかったっていうのが自分の中では大きくて、そこから思ったようなパフォーマンスが出せない、自分に歯がゆさを感じている今があって、自分がもっとできるんじゃないかって自分に思っちゃっている部分があるので、この点数です。監督が代わって１年目はやっていなかったので、チームが変わって求められる部分っていうのが違くて、正直言ったら自分に何が求められているのか分からない時期とかもありました。最近でもちょっとずつ試合にも出させてもらったり、練習でもやっていく中で自分の良さっていうのがちょっとずつ出せてきたので、今後に期待して４０点にしました（笑）。
――自分に対して何が求められているとお考えですか
堀口 今は自分の考えではＤＦとして１対１でやられないことだったり、守備面のこととかずっと言われ続けているので、そこは大前提で、その中でも攻撃参加であったり自分のスピードを生かした部分が自分の良いところだと思っているので、そこを出せたらいいのかなって思います。
――離脱期間はどういった思いで過ごされていましたか
堀口 チームにとってはプラスのことじゃないので、焦りとかはあったんですけど、その中でも自分がチームのために何ができるのかなっていうことをすごく考えて過ごしていました。
――具体的に何が求められていると思い、どのような行動をとったのでしょうか
堀口 監督からは「いつ復帰できるんだ」っていうことは言われていたので、第一は１日でも早く復帰することが求められていたと思うんですけど、そうもいかない状況があったので、その中で自分は離脱するとチームのことが外から客観的に見えていたので、悩んでいる選手がいたら積極的に声を掛けたりだとか、プレー面でも自分が思ったことは外から見た意見として伝えるっていうことをしていました。
――大島選手はＤＦながら得点するなど、攻撃参加にも定評がありますが、意識しているのでしょうか
大島 攻撃は好きなのでチャンスがあったらガンガン上がっていきたいなっていうのは思っているんですけど、ことしは全体的に守備が求められているのでそこはちゃんと外さないようにしています。いけるかなと思ってもセーブしたりっていうことはときどきあります。
――堀口選手もクロスを供給するなど、前への意識が見られますが
堀口 監督からは「前へ前へ急ぎ過ぎ」って言われているんですけど。クロスの精度は自信があるわけではないんですが…。
大島 大丈夫だよ、上手いよ。
一同 （笑）。
堀口 右からのクロスは自信があるわけではないんですけど（笑）、苦手ではないと思うので、選手にピンポイントで合わせられるようなボールを蹴れるように意識しています。
――大島選手はムードメーカとしてここまでやってきていかがですか
大島 ムードメーカーなの？（笑）
堀口 ムードメーカーだよ（笑）。
大島 どうなんですかね（笑）。
――あまりそういう意識はなかったのですか
大島 感情がすぐ出ちゃうんですよ（笑）。だから周りも自分がどう思っているかっていうのが感じやすいと思うので、それなりの対応を取ってくれてるんだろうなっていうのは思うんですけど（笑）。
――良いときも悪いときも出てしまうのですか
大島 そうなんですよ。
堀口 でもさ、安定したんじゃない？
大島 「やばいな」と思ったら少し離れて「大丈夫、落ち着いて落ち着いて」って自分に言い聞かせます（笑）。
堀口 きょねんの方が顔に出てた（笑）。でも、外から見ていて、ことしはあんまりないと思うんだけど。どう？
大島 うーん、そうかな？
堀口 顔に出るので、すぐ（笑）。言われたときの対応の仕方とかがすごい分かりやすくて、「あ、イライラしてる」とかは分かるんですけど、ことしはそれがあんまりないです。まあ、言われる回数が減ったからかな？
大島 まあ、それもあるんですけど、「抑えよう抑えよう」とは思っています。とりあえず怒らないで真顔になろうって思っています。
一同 （笑）。
大島 「ほっ」ってなって、「ほっ」ってなります（笑）。「ほっ」ってしてから気持ちの整理をつけています。
――一方堀口選手は４年生としてチームを引っ張る立場ですが
堀口 自分はあんまり試合に定着しているわけじゃないので、メンバー外であったり試合に出られていない子たちのケアじゃないけど、そっちの部分を気にするように心掛けています。メンバーの子たちはサッカーのことに入っていくと親しく話せて盛り上がれるんですけど、入れなかったりという子たちもいるし、そういう子たちにどう動くかっていうのが４年生として大事なことなので、自分ができるのはそこなのかなって意識的には声掛けたりとかはしてます。
「オフの思い出もア女が大きい」
和やかなムードの中で行われた対談
――試合前の自分なりのルーティーンはありますか
大島 スパイクを毎試合磨いています。磨くとどんどん柔らかくなって、成長みたいな。ひたすら磨くんですけど、試合前だからって特別なことはないですかね。でもハーフタイムでは『即効元気』を飲みます（笑）。結構みんな『ＷＥＩＤＥＲ』を飲むんですけど、私は『即効元気』っていうオレンジ色のやつを飲んでいます。それは譲れないです。試合前にやることある？
堀口 ピッチに入る時に、芝を触ってすね当てを触るというのは自然とやっているかも。
――昔からですか
堀口 高校の時からやっていて、「がんばろ」って（笑）。癖じゃないけど、そんな感じです。
――最近のオフは何をされていますか
堀口 ああ。卒論と教習所。卒業前にしないといけないことに追われてます。
大島 そんな遊んでないんですよ。前とかはＴｗｉｔｔｅｒとかでいま流行りのものとか出てくるじゃないですか。そういうのに結構敏感で、チェックしながら今度ここ行きたいなって友だちを誘って行ったりしていたのですが、就活の時にいろいろ情報をシャットダウンしていたんですよ。で、いざ終わってみると遊び方がわからなくなってしまって（笑）。就活している時とかは情報が入ってきて、あれしたい、これしたいとかあって…。
堀口 すっごいわかる。
大島 でも終わった瞬間に、何したかったっけって。
一同 （笑）。
――オフの日はサッカーとは距離を置きたいという気持ちがあったりしますか
大島 そういうわけではないですけど、私は友達の数があまり多くないので、遊ぶとしたらア女なんですよ（笑）。なっちゃん（ＭＧ荒川菜摘、スポ４＝福岡・明善）とかとも（ＭＦ松川智主将、スポ４＝大阪桐蔭）とかと遊ぶんですけど、卒論が私はなくて、みんなそれで忙しくなっちゃって、すごいつまんないです。誘いづらいし、卒論あるとか言われるとさみしいです。
――一人暮らしだと家事があると思いますが
堀口 好きな家事はないですね。強いて言うなら…言いたくないな。
大島 言えばいいじゃん（笑）。
堀口 お菓子作りです。
――作るとなったら本気になりますか
堀口 調味料とかは、すごいあります。かたちから入りたいタイプなので、料理とかも凝ったりします。
――大島選手は実家暮らしですが、お料理とかは
大島 全然しないです（笑）。
堀口 最近炒飯作ってくるじゃん。
大島 そう最近、卵溶いて、ご飯入れて、炒飯の素を入れて…。
堀口 素で作ってたんだ。
大島 素が安定したおいしさよ。あと、お昼にうどんをゆでるくらいです。やるタイミングがないんですよね。
堀口 実家のいいところだよね。うらやましいです。
――ア女の選手と過ごされるという話でしたがどのようなことを
大島 結構自分たちの学年仲良くて、いろいろ行きます。
堀口 ことしはディズニーとアスレチックじゃないかな。
大島 アスレチックは本当に体力勝負だったよね。蟻地獄で、鬼ごっこしたんですよ。なっちゃんが鬼で、顔面強打して。
一同 （笑）。
堀口 あざつくっていました。あと、どれやばかったっけ。
大島 池とかもやばくて。なっちゃんが落ちて。全部なっちゃんが持っていてくれて（笑）。
――ムードメーカーですね
大島 そうですね。あと、高木（ＭＦ高木ひかり、スポ４＝静岡・常葉学園橘）の実家に行きました。
堀口 車２台借りてドライブで。静岡の方まで行って。次の日は海に行って帰ってきました。
大島 ほぼア女なんですよね。
堀口 オフの思い出はア女が大きいですね（笑）。
大島 合宿直後の連続オフをア女に使うっていう。
堀口 でも朝からちゃんとみんなで脈測って（笑）。
――チームはものすごく和気藹々（あいあい）としていますね
大島 ミーティングとかしていても最終的には笑っている。
堀口 だんだんずれていくよね。
――プレーしているときと選手間で関係が変わったりしますか
堀口 言いたいことはずばっと言ってくれるので、みんなわかりやすいよね。話しかけないでオーラとか。学年でいることが多いし。
――ポジションで学年の垣根を越えての関わり合いはあまりないですか
堀口 上下関係とかもないんで、うち仲いいと思ってんだけど、どうよ。
大島 仲いいと思ってる（笑）。４年の自己満かもしれない。
堀口 かもしれないね。でも結構うっちー（ＭＦ内山穂南、スポ３＝東京・十文字）とかリハメンは仲いいかも。毎日「よっ」って挨拶してるし。
大島 それで仲いいになるの（笑）。
堀口 深い話とかするのも多いから。後輩と遊びに行ったりする？
大島 あんまり（笑）。 でもなつき（ＤＦ渡部那月、社１＝兵庫・日ノ本学園）とかはかわいいなって思ったりする。あんまり後輩をかわいいとは思わなかったんですけど、ことしの一年生とかめっちゃ絡んでくるんですよ。めっちゃ来るから、とってもかわいい。
堀口 それはちょっとわかる。１年と４年ってでかい。１年生めっちゃかわいいって思っちゃう。かわいくて仕方ないです（笑）。
――生まれ変わったらなりたいア女の選手は
堀口 超恥ずかしい質問じゃない。
大島 私はいないって言っていましたか（笑）。
堀口 覚えていないの？いまは…。
大島 出てこないんだよね。かおりからいこ。
堀口 いろんな人のこといいなと思っちゃうんですけど、プライベートとサッカーで分けていいですか。でもすごい嫌だな～（笑）。サッカー面で言ったら…小声でいいですか（笑）。まや（ＭＦ山本摩也副将、スポ４＝スフィーダ世田谷）がすごいなって思って。理由は自分が難しい立場に置かれても、腐らずにチームのことを考えてプレー面だったり、プレー以外でのサポートであったり、選手に声掛けたりするという部分で、すごいなって思います。自分自身見習いたいなって思う部分です。
大島 オフ面は？
堀口 オフ面は…一旦考えさせて（笑）。
――大島選手のプレー面でなりたい選手は
大島 オフ面はないわ。プレー面はかなこ（ＭＦ正野可菜子、社４＝兵庫・日ノ本学園）みたいな感じがいいです。とりあえずうまいし、本当に足元うまいなって思うんですけど、本当に守備が献身的で、サイドをやっていても絶対に戻ってきてくれるし、最後まで体力落ちないし。本当に献身的なプレーというのと結構人をすごく見ているので、その人に合った声掛けができるというか、励ました方がいい選手には励まして、使い分けができるのが自分にはないので、そこがすごいと思います。プレー面はかなこになってもいいけど、全てにおいてかなこになりたくはない（笑）。あのこすごい人見知りなんですよ。それにはなりたくない。オフ面は私でいいです。
堀口 そうですね、私も（笑）。
――お互いＤＦという同じポジションでやってきて、変化したところ、変わってないところありますか
大島 結構１、２年の時はケガをしていなかったので、試合に出ていて、自分は出ていなかったんですけど、１、２年の時は素直に頑張っているなと。
堀口 （笑）。
大島 自分が言うのもあれですけど、本当に素直で、言われたこと全部「はい」みたいな。それですごい怒られやすいんですよ（笑）。
堀口 言われやすいんだろうね。
大島 怒られても素直だから嫌になることなく「はい、はい」みたいな。試合中とかも返事がすごいんですよ。
堀口 必死なんだもん。言われたことを全てやらなきゃって（笑）。
大島 すごい素直で、いまでも素直なんですけど、いまは何かケガの時に、周りを見るようになったというか、全体を見るようになったとこっちから見てもわかるし、本当にチームのためにいろいろ意見をくれるので助かってます。自分が本当に何様って感じなんですけど（笑）。
堀口 いいよ、言って言って。
大島 いろいろ大きくなったよね。
堀口 メンタル的にもだいぶ強くなったよね。
大島 まとめるとすごい大きくなりました。
一同 （笑）。
堀口 ちょっと語弊あるんだけど。
――堀口選手から見ていかがですか
堀口 さっき自分でも言っていたように、１年生の時、一緒に出る機会があったんですけど、３年生からチームのキーマンとして戦うようになってきて、何と言うか、メンタルでもプレー面でも安定したと外から見ていて感じました。一緒に出ている時もキックとか波があったんですけど、キックとかもすごい練習していて。
大島 へたくそだったからね。
堀口 一緒に試合に出る時とかは、一緒に帰りながらキックのことを話していたんですけど、結構心の浮き沈みが影響する部分があったんですけど、それが安定して、気持ち的に負けないというのが強いし、本当チームのキーマンになったなと。自分も何様という感じなですけど（笑）、期待する部分は大きい選手だなって思います。
大島 恥ずかしい。
一同 （笑）。
堀口 こっちも恥ずかしいよ。
――インカレが終わってからしたいことはありますか
大島 旅行です。
堀口 うんうん。
――やはりア女の選手たちとですか
堀口 決めてないね。
大島 本当はみんなで行きたいねって言っていたんですけど、みんな進路がばらばらで、プロ行く人は練習参加ですぐにいなくなって、なかなか行けないかなってなっているので、かおりとかなっちゃんとかは普通に就職組なので。どこ行くかは決めていないんですけど。
堀口 行きます（笑）。
大島 アジア系を攻めたい。シンガポール行きたい。
堀口 シンガポールあり。
大島・堀口 じゃあシンガポールで（笑）。
「笑って終わりたい」（堀口）
終始笑顔で取材に応じる堀口
――ここからはインカレに話題を移していきたいと思います。今、インカレへ向けてチームの状況はいかがですか
大島 今結構練習試合が多いんですけど、そこでちょっとまだ波があるかなっていうのがあって。もうちょっと高めていかないといけないところが多々あるのかなっていうのはあります。
――危機感があるのですね
大島 危機感は強いと思う。でも、ちょっと楽しみでもあるから。危機感はありますけど、そこまで焦ってるわけではないです。私は（笑）。
堀口 練習試合とかも失点が多かったり課題も多いので、危機感は正直に言ったらありますけど、それこそガチャが言ったように、自分たちがどれだけできるのかっていうことだったり、日本一に対する思いが４年生ということで強いので、そういう部分では前しか見えていないという部分があります。
――きょねんのインカレは初戦敗退という結果に終わりましたが
大島 そのときも結構自信があったので、「いけるんじゃないか」ってそのとき本当に思っていたし、実際試合中でも自分たちが優勢でボールを保持していました。でも、最初の立ち上がりで失点してそこから点を取り切れなかったっていうのがあるので。自信だけあってもやっぱりダメだなっていうことと、あとは前の期間で「やっと仕上がってきたな」っていう実感がそのときあったんですけど、細かいところがまだ詰め切れていなかったのかなっていうことを、負けたからなんですけど、感じました。
――トーナメント表はもうすでにご覧になっていると思うのですが、意識している大学はありますか
堀口 私自身はトーナメント見たときに意識した大学はなくて、結局優勝するにはどこに当たっても一緒だし、どこかで当たらなきゃいけないなって思ったので、特に意識してる大学はなかったです。一戦一戦大切な試合なのかなって感じました。
大島 私は初戦です。慶大か吉備国際大なんですけど、吉備国際大だったら自分は戦ったことがないので、どんなチームなのかなっていうのは思いますし、戦ってみたいですし、楽しみっていうのもあります。慶大が来た場合も、苦手意識じゃないですけど、しっかり勝ち切りたい。ワセダとして…なんて言うんだろ…分かる？（笑）
一同 （笑）。
大島 本当に勝ち切りたい！勝ち切りたいんです！っていう思いが強いので、初戦はどっちになるか分からないですけど、初戦です。
――皇后杯予選、皇后杯本戦を経てトーナメント形式の大会への苦手意識はぬぐえましたか
堀口 苦手意識はないよね？
大島 苦手意識はないですね。ギリギリでも勝てているっていう試合が今年度多かったので。大丈夫って思っているわけではないんですけど、最後まで粘り強く戦うっていう意味では諦めないというか。
――インカレで引退となりますが、引退を控えて思うことは
大島 本当に日本一になりたいです。
堀口 サッカーを今まで続けてきて、笑って終わりたいっていう気持ちが強いです。
――ともに引退を迎える同期への思いは
堀口 なんだかんだ悩んだときとか相談に乗ってくれたりとか近くにいたのは同期だなって振り返って思うので、やっぱりこのメンバーで日本一を獲りたいっていう思いが強いです。
大島 本当に同期大好きなので、優勝してみんなで終わろうね！って感じです（笑）。
――後輩への思いや、残したいものは
大島 後輩に残したいもの？ 何持ってるかな…。残せるものあるかな…。
堀口 経験じゃない？ 自分ら日本一って経験してないじゃん。経験してないから分からないじゃん。だから、その経験って大きいのかなって思うので、結果残すことが大事なのかなって思います。
――インカレで個人的に活躍を期待している選手
大島 私は朱里（ＦＷ河野、スポ１＝静岡・藤枝順心）で。やっぱり勝負所で点決めてくれていますし、１年生だけどことしの１年生頼りになる人が多くて、その中でも落ち着いているんですよ、彼女。だからやっぱりキーパーソンですね。
堀口 私は大島選手を。
大島 いいのか、そんなこと言って（笑）
堀口 だから先に言ってって思った（笑）。期待してます。攻撃面でも守備面でもガチャは前へ前へという推進力がすごくあって、チームの勢い付けになってるなって感じているので、同期ということもあって大島選手に期待したいです！
――それを受けていかがですか
大島 えー、うれしい（笑）。照れ。頑張ります（笑）。
――インカレではどういったプレーでチームに貢献したいですか
大島 自分に求められていることは守備と前へ前へいくことだと思っているので、最後まで諦めずに走り切りたいです。
堀口 私もまず守備面でやられないことと、チャンスがあれば攻撃参加して質の良いクロスを上げて得点に結びつけられたらいいなって思います。
――最後に、インカレへ向けて一言意気込みをお願いします
堀口 日本一になります！
大島 私も日本一しかないです！（笑）
――ありがとうございました！
（取材・編集 佐藤諒、豊田光司）
お二人で「Ｗ」の文字を作っていただきました！
◆大島 瑞稀（おおしま・みずき）（※写真右）
１９９３年（平５）４月３日生まれ。身長１６５センチ。宮城・常盤木学園高出身。社会科学部４年。持ち前の明るさで対談を盛り上げてくれた大島選手。荒川選手の顔面強打や池に落ちる証拠映像も見せてくれ、場を和ませてくれました。インカレのピッチ上でもゲームを盛り上げてくれることでしょう。
◆堀口 佳織（ほりぐち・かおり）（※写真左）
１９９４年（平６）２月１５日生まれ。身長１６４センチ。千葉・幕張総合高出身。スポーツ科学部４年。趣味のサイクリングで、近所の知らないところを探索してリフレッシュするそう。卒論ではフォーメーションの違いで走行距離の長短を研究しているそうです。頭も使って敵陣をかき乱します。