連載第4回目は4年生トリオが登場。GK河邊花観(スポ4=宮城・常盤木学園)、広報・DF田中宏実(法4=広島大付福山)、MG荒川菜摘(スポ4=福岡・明善)の三人は、裏方としてもチームを支えてきた。終始笑顔を絶やさず、普段のお仕事から今季の振り返り、インカレへ懸ける思いを語っていただいた。
※この取材は12月12日に行われたものです。
「自分たちならなんとかできる」(田中)
広報として様々な活動に貢献する田中
――今季はどのようなお仕事をされていましたか
荒川 私はマネージャーと主務という役職で、主に練習の手伝いや色々なことをやってきました。
田中 私は広報という仕事で、主に練習試合の結果などを載せるのですが、地域貢献活動もしているので、そういう活動もしています。チームとして、サッカーで日本一になるだけではなく人間性でも日本一になりたいということがあるので、そこの部分を外に発信したいなと思ってやってきました。
河邊 私はことしスカウティングとして次の対戦相手の映像を山本(MF摩也副将、スポ4=スフィーダ世田谷)と一緒に見て、次の相手はこういうチームだからここを注意しようということをチームに共有してきました。
――地域貢献活動とはどのようなことをなさっているのですか
田中 ことしはサッカー教室、あとお祭りの手伝いと伴走ガイドです。お祭りでは東伏見の活動させてもらっているところで、地域の方々に感謝を込めてお手伝いさせていただいています。
河邊 ことしは小学校にア式と一緒に行って掃除をしたり、幼稚園でスクールをしたりとか、きょねんまでは個人でワセダクラブサッカーでやっている人が多かったんですけど、地域貢献したいという話になり、担当を作ってそういう活動はありませんかと聞いて参加するようになりました。
――そのような活動はいつされていらっしゃるのですか
荒川 試合の後とか、試合が空いた日曜日とか。
河邊 試合の中断期には練習じゃなくて朝伴走に行ったり。結構ガチで走るので(笑)。
――伴走ガイドとは
田中 競技スポーツセンターから連絡が来て始めました。目の見えない方がマラソン大会に出たりするのですが、その練習を代々木公園で一か月に一度くらいやるんですよ。
河邊それに、自分たちがそのような経験をさせてもらうということで紐を持って一緒に走るんですけど、うちらがリードしなきゃいけないのに、リードされるっていう(笑)。ついていくのも結構大変です。
――荒川さんは体育祭実行委員もやっていらっしゃるとのことでしたが
荒川 ワセダのスポーツを盛り上げることと、横のつながりを強化するためのイベントを開催したり、競技スポーツセンターの方と協力して告知をしたりしています。
――現在の役職につかれたきっかけは
田中 基本的には2年生になるときに4年生から役職を発表されるんですけど、たぶん広報に向いてるって思われたのか分かりませんが広報に配属されました。
荒川 この学年で文章を書ける人を探したら宏実だったんじゃない。
田中 文章書くの結構好きだし。
荒川 私はマネージャーとして入ったときからゆくゆくは主務になるという感じだったので、順当になりましたね。
河邊 2年から3年までは自分は学連の方をやっていて、4年になって役職を決めることになったときスカウティングになりました。今までスカウティングはそんなに重視されていなくて、でもそんなところから最近結果を残せていないのではないかとなってスカウティングを作り、自分がなりました。きょねんまでは相手の選手の特徴をコーチ陣から聞いたりということが多かったんですけど、それだけじゃイメージできないので映像を用いて、さらに自分たちの試合の分析も行うことにしました。
――どのようなことを意識してご自分の役お仕事をされているのですか
田中 菜摘は実行委員とかで横のつながりを作ろうと言ってくれています。今までア女は、私たちの学年は特に、交流下手が多いので、ア女しか友達がいなかったというか。
河邊 ほかの部活の試合とか教えてくれるので。
田中 ア女皆で応援に行ったりとか、他の部活の友達が増えたりしました。
――ピッチの内外から見た今季のチームの印象は
河邊 出だしは悪かったんです。関東大学女子リーグ戦(関カレ)とか。私も試合に出させてもらっていたのですが、今までになく失点数が多かったり、負けや引き分けが多くて。夏合宿が終わってから上がってきているんですけど、夏前は結果も悪いし内容も悪いしという感じでした。
田中 でも何か持っているというか、最後まで分からなかったです。ぎりぎりの試合で最初に点を入れられたとしても、結果的に最後まで粘り強く戦って逆転できるとか、そういうところは今までとは違うと思いました。
――調子が上がってきたことへのターニングポイントなどはあったのでしょうか
荒川 試合を重ねるにつれて、いつの間にか粘り強くなりました。ことしは失点しても、まだいけるという最後まで自分たちならなんとかできるという気持ちの強さを少しずつ積み重ねてきたのかなと思います。チームの印象として、私たちの学年である4年生は結構試合に出ている人が多いのですが、それでも下の学年、特に1年生が色々と意見を言ってくれるので、その意見を4年生が取り入れていって、そうやってまとまってきたという印象があります。
――皆さんは4年生でチームを引っ張る立場ですが、後輩との意思疎通はどのようにされているのですか
荒川 私はマネージャーなので、壁なく色々な選手と話せます。下級生が持っている愚痴とかも、彼女たちよりは聞けるので(笑)。聞いて、オブラートに包みながら4年生に伝えてきたので、上手く潤滑油としての役割は担えたと思います。
田中 それぞれ仲の良い後輩がいて、そこから個別に聞いたりもしていました。
河邊 それぞれ仲良い下級生がばらばらだから、良い具合に情報を収集できる(笑)。
――関東女子リーグ戦(関東リーグ)、関カレ、皇后杯全日本女子選手権(皇后杯)関東予選の3冠という結果を振り返って
荒川 3冠したのは私が1年生のときなんですけど、1年生のときはそれが当たり前だと思っていました。けれど4年生になって色々経験して、当たり前じゃないということも知ったし、それを獲れたことの嬉しさが一番大きいです。
河邊 当たり前だと思っていたものが段々獲れなくなって、逆に2年3年と獲れなかったからこそ、当たり前じゃなかったんだと思ったからことし何もないところから始めました。
田中 そういうところからスカウティングとかを作ったりして、自分らは上じゃないんだって。その精神がこの結果につながったのかなと思います。
――今季一番印象に残っている試合は
荒川 私は早慶戦が一番印象に残っています。運営で携わったのもありますが、引き分けで今でも悔しいのは早慶戦です。
河邊 ことし逆転が多すぎて。ドラマティックだよね。個人的に印象に残っているのは皇后杯予選の横浜FCシーガルズとの試合です。宏実はいなくて、自分もずっとベンチだったんですけど、最初に先制されて。しかもその少し前に4年生と監督で色々あって4年生はほとんどベンチスタートで。後半から4年生が出て点をとったのも全員4年で。自分は出られなかったけど嬉しかったです。
荒川 それはビデオ撮りながら泣いた。
田中 一番と言われたら、同じなんですけど悔しかったという意味で早慶戦ですね。先制されて、ついに初めて慶大に黒星になるのかというくらい気持ちになりましたが、全員で点を入れに行くという気持ちがピッチの中から伝わってきて、それで可菜子(MF正野、社4=兵庫・日ノ本学園)のゴールで。結果同点は悔しかったですけど、チームの一体感があったので印象に残っています。
選手への思いが人一倍熱い荒川
――サッカーを始めたきっかけは
荒川 大学に入ったら部活をやろうと決めていて、色々考えたんですけど、智(MF松川主将、スポ4=大阪桐蔭)と花と同じクラスだったんですけど、智が『ア女来おへん?』って言ってきて、『いいよ』という感じでア女に入りました。
河邊 『マネージャーを見つけないとマジで死ぬよ』と4年生とかに言われていたので、入学式の自己紹介で、智は全然(自己紹介を)聞いていなかったので、その分めっちゃ聞いてて。菜摘がマネージャー志望ということを知りました。でも声をかけるのは苦手だから『あの子マネージャー志望だよ』って智に情報だけ(笑)。そうしたら菜摘が来てくれました。
荒川 引っかかりました(笑)。
田中 私は兄がサッカーをやっていて、たまについて行ってたんですけど、それでサッカーは楽しいなと思って休憩時間にも男子に混じってやっていて、気が付いたらサッカー部に入っていましたね。クラブに入ったのは小学4年生です。
河邊 自分には兄が二人いてサッカーをやっていて、でもそこは少年団だったので女の子は入れないと言われ、なんで駄目なのと言ったら2年生から入れることになりました。そこからずっとやっています。
――男の子に混じってサッカーをされていたということですが
田中 花観は男みたいだもんね(笑)。
河邊 少年団に入る前は髪の毛はロングだった!ロングで、三つ編みとかしてた(笑)。
田中 想像できない(笑)。
荒川 だって弟とめっちゃ似とるやん。
河邊 それはちょっと関係ないかな(笑)。うち兄妹全員似てるんですよ。上二人、下二人で全員男なんですけど。だからそんなに違和感はありませんでした。兄弟とやってる一環でサッカーやっているみたいな。小5くらいから自分じゃなくて周りのお母さん方が気にし始めたけど(笑)。
――早大のア女に入られたきっかけは
田中 最初にワセダを意識したのは、小学校のときの監督がサッカーをするならワセダがいいと言っていたのをずっと覚えていたことです。それで大学を決めるときにワセダでサッカーをしたいというのが徐々に生まれてきて。でもそのときはまだ完全に入ろうとは思っていませんでした。勉強もちゃんとやりたくて、迷っていました。でもワセダのグラウンドに行って試合をしているのを見て、女子でこんな高いレベルでプレーできるんだ、と感じて、自分もこの中でやってみたいなと思い入部を決意しました。
荒川 熱いね!
河邊 私は冷めてる(笑)。高校までは大学サッカーの存在を知らなかったんです。高校卒業のときの、やるとしてもサッカーは大学までで、どうせやるなら強いところがいいなと思って色々探していたんです。でも他の大学だと卒業したときにサッカーだけになっちゃうなと思って、ちゃんと就職とかも考えられるところがいいなと。一つ上の先輩が沢山来ていたので、無理かもしれないけど受けてみたら合格しちゃって。
――お互いの第一印象は
河邊 菜摘はめっちゃ可愛かった。
荒川 今も可愛いよ!(笑)。方言が抜けなくて。花は、智の隣にいて、女子サッカーって男の子なんだなあって。
河邊 待って、あの頃の自分もっと女の子っぽかったよ。髪の毛長かったよ。
田中 ぱっと見の印象は覚えていないんですけど、花は練習中にいつもアドバイスをくれました。ディフェンスをやっていると、今のディフェンスもっとこうしてほしかったとか。
河邊 それ最初の印象じゃなくない?最初話しかけられないもん(笑)。
荒川 私と宏実は後から入ったよね。4月と5月の間くらいに。
河邊 宏は突然来たよね。しかも見学や体験じゃなくて入りますって。
田中 確かに、いきなりだったね。
河邊 印象じゃないけど、法学部って聞いたときに法学部来た!って思った。
荒川 すごいよね!法学部で。ア女で一番尊敬するもん。合宿のときとかも勉強しているんです。皆お昼寝しているのに。マネできないなあって。うるさくてもやれるのがすごい。
河邊 自分を貫くところね。
——法学部での勉強はやはり大変なのでしょうか
田中 私は大学院を受験することを目指していたので、その勉強があって大変だったというのはありますね。
――体育会の部活はスポーツ科学部の選手が多いかと思いますが、法学部の選手は珍しいのですか
河邊 ア女はスポ科と社学の集まりで、たまに人科の人がいます。法学部は絶滅危惧種です(笑)。
——法学部では具体的にどんな勉強をしているのですか
田中 ゼミでは民法をやっているんですけど、主に判例研究というのをやっています。例えばある事件があったとして、判決が出たときに、その一つの判決に対して学者や弁護士が「その判決はおかしい」と異議を唱えたりするものです。この学説を取ったら、こっちに有利な判決が出て、また他の学説を取れば反対の方に有利な判決が出るということもあって。実際の事件はどっちを勝たせるのが良いのかというのがあって、特に民事事件だとよくありますね。そのようなことを議論しています。
——スポーツ科学部である荒川さんと河邊選手はどのような勉強をされているのでしょうか
荒川 私はトレーナーのゼミに所属をしています。私がこのゼミに入ろうと決めた時期は、ア女のスタッフも少なくて、何か自分にできることを探したいと思ってトレーナーのゼミに入りました。ゼミは結構きついのですが、部活に生かせることが多いので楽しいです。
——具体的にはどう部活に生かされているのですか
荒川 ケガをしている子に具体的に話してあげられたりしています。
田中 ケガしている方としては、聞いてくれるだけで結構うれしいし、メンタルケアにもなります。ケガのケアはトレーナーがやってくれるけど、菜摘はどちらかというとメンタルケアだよね。
荒川 私本当にできていた?
河邊 知識がしっかりついてきているからね。
荒川 ケガのケアはできないから、話し相手になれればなと思って始めたので成功ですね(笑)。
河邊・田中 大成功だね。
田中 1回テーピングを巻いてくれたこともあったよね。
荒川 私、テーピング巻けるんです。高校のときにはバスケ部のマネージャーをしていたので。
河邊 自分はコーチングのゼミに入っています。将来的にも指導者になりたいと思っていたので。最初にコーチングの基本的な知識を一通り学んだのですが、その後はただただきつかったです。でもそのゼミに入ったおかげで将来の進路を決めるのにもつながったので、良かったと思っています。
荒川 じゃあみんな大成功だね(笑)。
河邊・田中 そうだね(笑)。
——授業がないプライベートの日は、ア女の選手と遊ばれたりするのですか
荒川 私はDF大島瑞稀(社4=宮城・常磐木学園)と智あたりと遊ぶ約束することが多いです。やりたいことがあれば、とりあえずいきたいところのURLを送りつけます(笑)。
河邊 たまに学年LINEに張り付けられるときもあるけど、誰も反応しないよね(笑)。
田中 私はご飯には誰かと行っていますが、遊びに行くとなったらみんなで遊びにくらいしかないですね。
河邊 というかあまり遊ぼうとはならいよね。出かけようとなったときにはご飯くらいしか行かないです。
荒川 焼肉によく行くよね。誰かが言い出すと、行く人が挙手するという感じです。
——焼肉常連組はいらっしゃいますか
田中 それは菜摘ですね。あとはがちゃ(大島)もノリは良いです。
荒川 花観はよく遅刻して来るよね(笑)。
河邊 東伏見で食べようってなったら、みんなはすぐ着くけど私は遠いんだもん(笑)。
荒川 来たときにはもうすでにみんな食べ終わってることもあるよね(笑)。
——オフの過ごし方はそれぞれどうされていますか
田中 寝てるか、勉強しかしていないです(笑)。
河邊 日曜の午前中が試合の日とかは、午後がオフのときに遊んだりします。
荒川 そうだね。がちゃと、この前遊び方を忘れたことについて話していました。いまは遊び方を模索しています(笑)。
河邊 この前久しぶりに日曜が一日中オフで、その日は高校の友人が来ていたので同じ高校のがちゃも呼んで遊びに行ったのですが、時間がありすぎて、遊ぶって何だろうって話していました(笑)。結局水族館に行ってきました。
田中 私はがちゃと体感ボートにも行きました。
——昨年のインカレ対談ではクリスマスパーティーのことについてお話を伺ったのですが、ことしはあるのでしょうか
荒川 19日にあります。
——どなたが企画をされるのですか
田中 イベント係の人ですね。
河邊 ことし初のイベントだよね。全部潰れちゃったからね(笑)。
荒川 全部流れたんだよね。天気が悪くて、花火もバーベキューもなくなったから初めてだよね。
——ことしイベント係はどなたなのでしょうか
河邊 MF宮沢里彩(スポ3=FC岐阜BELTA)とFW平國瑞希(スポ2=宮城・常磐木学園)です。
荒川 日程を決める上でもみんなの意見に流されやすいから、いつもどうしようどうしよう言ってるよね(笑)。
——個人的にア女の選手で仲の良い選手はどなたですか
荒川 松川です。
松川(傍で別の対談をしている最中に)仲良くないです。
荒川 MF山本摩也副将(スポ4=スフィーダ世田谷)とは仲良くないです。
山本 (松川同様傍で別の対談をしている最中に)卒業したら絶縁だよ。
荒川 全然仲は良いのですが、あの2人がいじめてくるんですよね。だから私のこと好きなんだなって思っています(笑)。
田中 常にいじられてるもんね(笑)。
荒川 何かあればデブって言ってきます。
河邊 あの2人は人をいじるのが好きだからね。
荒川 じゃあ仲の良い選手は、がちゃでお願いします。
河邊 うちは佳織(DF堀口佳織、スポ4=千葉・幕張総合)かな。なんだかんだ一緒にいる時間が多いです。
田中 私は特定の人はいないかな。話すとしたらつみき(副務・MG松田つみき、スポ3=愛知・瑞陵)か花観かな。
河邊 やったー!
田中 この人と特に遊ぶとかはないですね。部室で面白い話をしていたらその中に入っていったりします。
河邊 宏実は気づいたら部室にいて、気づいたらいなくなってるよね(笑)。基本部室にいる時間が短い。あとたまにマックで見る。
田中 マックが私の勉強場所です。
——みなさんは4年生ということで、卒業後の進路は決まっているのですか
河邊 私はサッカーを続けることにしました。将来は指導者にもなれるようにという感じです。あと数年は本気でやろうと思っています。
荒川・田中 頑張ってね!
河邊 リーグは下の方にいるので、上の方に上がれるように頑張ります。
田中 私は弁護士を目指しているので、来年からは早稲田の法科大学院に進みます。
荒川 早稲田魂だね(笑)。私は地元の銀行に就職をします。
「インカレで爆発させたい」(河邊)
インカレへの思いを語る河邊
——これからはインカレに向けてのお伺いさせていただきます。みなさんはことしが最後のインカレとなりますが、どのようなかたちでチームに貢献したいと思っていますか。
河邊 やはり私は選手なので、ピッチに立ちたいです。3冠取ったときには後輩の山田(GK山田紅葉、スポ3=東京・十文字)がPKを止めたりだとかMVP級の活躍をしたり、決勝で全部止めて優勝をしているので、自分もピッチで活躍して優勝するのが目標ですね。
田中 私は選手としてピッチに立つのを目標にするのももちろんなのですが、実際4年間試合に出れていないという現実があって。そうすると、出てない立場からチームに何ができるかずっと考えていました。試合に出ていない立場だからこそチームに言える意見があるし、試合に出ていない他のメンバーにもできることはあると考えています。そういうところでア女の日本一に貢献したいです。
荒川 私は試合が始まるまでしか関われないというか、キックオフした瞬間から選手に託すしかないので、それまでどれだけ私の思いが伝わって毎日の練習にこだわってもらえるかですね。私がどれだけ頑張っても勝てないということは分かっているので、私は怒ってばっかなのですが、最後は全員で笑ってみんなに胴上げしてもらいたいです。
田中 胴上げできるかな?(笑)
荒川 痩せます(笑)。
——いまのチームの雰囲気はいかがですか
荒川 いまは、いい意味でのうまくいかない感じですね。もっとうまくやりたいという意味です。
田中 この前にベレーザ戦があって、それでボロボロに負けてしまったのですが、自分たちもああいうサッカーがしたいというのは一人一人思っていると思います。それを目指しているけど、まだうまくいっていないのがピンポイントの状況です。
河邊 満足はしていないけど、これから良い状態に向かっている最中かな。
荒川 ポジティブな意味でののびしろが多いかなと思います。
河邊 良かったというのは、最後に結果が出てから言うものだと思うので、それに向かっている途中です。
——インカレは2年連続予選敗退ですが、振り返っていかがですか
河邊 思い返すと悔しさしかないよね。
——昨年はPK戦での敗退となりました
荒川 そうですね。
河邊 うちらの代がみんな外したよね。
荒川 昨年ピッチに立っていた選手も多い分、ことしは勝ちたいです。最後の年ということもありますし、昨年の借りを返したいというのもありますね。1回戦は慶大と当たっても、吉備国際大と当たっても借りは返せるし、勝って2回戦で独協大と当たってもおととしの借りは返せるよね。日体大と当たっても1年生のときの借りが返せます。
——チームの中でキーパーソンとなる選手はどなたですか
荒川 私はやっぱり4年生全員に頑張ってほしいとおうのと、活躍したら一番うれしいので4年生です。
河邊 いっぱいいるのですが、個人的には摩也かな。ことしを振り返って、チームが動かなくなったときに動きをつけてくれたりします。摩也の声ってすごく通るし、みんな落ち着いていないときも摩也の声で安心します。なんだかんだ摩也も出たり出なかったりで苦労しているので、インカレでも結果を残してくれると思っています。
田中 4年生で出ている選手は多いですし、みんな結果を残しているのですごいと思うし頑張ってほしいのですが、その中でも摩也は常に出ているわけではないけど、出たらチームの流れを変えて結果を残しているので、インカレで苦しい場面でも変えてくれるのではないかという期待も込めて摩也ですね。摩也を誉めすぎてるね(笑)。
河邊 ちょっとけなす?笑
荒川 摩也はおちゃらけているように見えるけど、みんな頼っちゃうよね。
田中 ミーティングでも的確だよね。
荒川 自分の感情とは別に、こうするべきだと思うことを言えるしね。
——では最後にインカレに向けて意気込みを思う存分かたってくだい
田中 私は立場上、チーム全員がこうなればいいなというのを思っていて、1年からア女で過ごしてきて最後に試合に出る人と出ない人で心が離れているのを感じていました。出てる人も出てない人も、一体となって優勝できたなと思えるようにしたいです。
河邊 いままで散々同期には迷惑をかけてきたし、見た目からおじいちゃんとか自信なさそうといままで言われてきたので、大学最後の大会は出れても出れなくても、少しは頼れる巨人と言われるようにインカレで爆発しようと思います。
荒川 私は日本一になりたくてワセダに来たので、絶対に日本一になりたいです。私のいままでやってきたことは、ことしは主務としてベストな選択をしなければいけないというつらいこともあったし、楽しいことばかりではなかったのです。ですがこの1年間の全員の努力に応えられるように、納得してこの1年を終えられるようには結果が必要なので、毎日練習ではダウンに行けと怒りたいです(笑)。私にできる仕事はまだまだあると思うことを全部をやってインカレに臨みたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 丸山美帆、新庄佳恵)
チームスローガンである「追求」を書いていただきました!
◆主務・マネージャー荒川菜摘(あらかわ・なつみ)(※写真中央)
1993年4月12日生まれ。身長164センチ。福岡・明善高出身。スポーツ科学部4年。ア女のマネージャーだけでなく、体育各部実行委員長を務めるなどデキ女の鏡。プレイヤー同等、それ以上に「日本一」にかける思いはとても熱いものです。これまで全力でチームを支えてきた荒川さんを「日本一」のマネージャーに!そしてみんなで胴上げしましょう!
◆GK河邊花観(かわべ・はなみ)(※写真右)
1993年8月7日生まれ。身長170センチ。宮城・常磐木学園高出身。スポーツ科学部4年。兄弟に感化されてサッカーを始めた河邊選手。同期からはおじいちゃんと評されることもしばしばあるようで、対談中にも穏やかな雰囲気が伝わってきました!最後のインカレでは、悔しい思いをしてきた全ての思いをぶつけてほしいですね!
◆DF田中宏実(たなか・ひろみ)(※写真左)
1994年2月22日生まれ。身長159センチ。広島大付福山高出身。法学部4年。体育会では「絶滅危惧種」と語られた法学部に所属する田中選手。サッカーのみならず地域貢献活動などにも盛んに参加し、空き時間には勉強に励む、と早大生の誇りです。自分にできることでア女の日本一に貢献したい、と意気込みバッチリです!