少ないチャンスをものにし、しっかり勝ち点3を手にする!

ア式蹴球女子

 関東大学女子リーグ戦(関カレ)第5節終了時点で、トップの日体大との勝ち点の差は4。関カレ優勝を狙うために、なんとしてでも差を詰めたい。今節の相手は武蔵丘女子短大。出だしは、勝利への気持ちを前面に出すかのように強いプレスで、ゴールまで果敢に攻め込む。中盤にはなかなか好機を得ることができなかったが、後半開始早々FW川原奈央(スポ3=兵庫・日ノ本学園)のカットインにMF中井仁美(スポ2=兵庫・日ノ本学園)が押し込み待望の先制点を獲得。そのまま試合は大きく動くことなく、1-0で終了した。

 立ち上がりは高い位置での攻撃を軸に、大胆にプレスを仕掛けていく。開始2分で中井がファーストシュート。惜しくも放ったボールはGKに阻まれてしまったが、ワセダが優位に試合を進めていく。しかし中盤からはこれまでの良いテンポと打って変わり、徐々にペースをもっていかれてしまう。前線でボールを収めてはいるものの、パスの連携がうまくいかない。そんなもどかしい時間が続く中、何度もCKを与えてしまうなど危ない場面も見られる。攻撃は滞ったが、大きなピンチを招くことなく前半を終えた。

強みを生かしたドリブルでミドルシュートに持ち込んだ川原

 迎えた後半、流れを覆すかのようなプレスでねじりこんでいく。47分、川原がカットインからミドルシュートを放ち、中井がバーに跳ね返ったボールを押し込み待ちに待った先制点をゲット。しかしその後はプレスが近くなる分サイドを使ったワイドな展開を繰り広げられず、相手の守備を突破することができない。「もっとバリエーションのある攻撃をつくれば良かった」とMF高木ひかり(スポ4=静岡・常葉学園橘)が振り返るように、単調な球回しから決定機を得られない。そんな中、76分に再びワセダにチャンスが訪れた。MF山本摩也副将(スポ4=スフィーダ世田谷)がゴール前にきたボールを頭で合わせようとしたものの、惜しくも右にそれる。終盤には、相手に仕掛けられシュートを打たれるも、動きを読み取ったGK山田紅葉(スポ3=東京・十文字)がしっかりキャッチ。スコアは動くことなくワセダが勝利を手にした。

こぼれ球をすかさず押し込んだ中井。試合終了間際まで役割を全うした

 「勝ち切れたことは一つの成長だと感じる」(MF松川智主将、スポ4=大阪桐蔭)。引き分けが続いていた時期もありながら、今節は少ないチャンスを手放すことなく勝ち点3を積み重ねた。後半戦に突入したいま、悲願の優勝のためには一試合たりとも負けるわけにはいかない。ラストスパートに向け、浮き出た課題を念入りに修正し、次の関東学園大戦ではさらなるパフォーマンスを見せてほしい。

(記事 新庄佳恵、写真 難波亮誠、栗村智弘)

スターティングメンバー

結果
関東大学女子リーグ戦第6節
早大 0-0
1-0
武蔵丘女子短大
【得点者】(早)47中井
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 16 山田紅葉 スポ3 東京・十文字
DF 大島瑞稀 社4 宮城・常盤木学園
DF 松原有沙 スポ2 大阪・大商学園
DF 34 三浦紗津紀 スポ1 浦和レッズレディースユース
DF 24 渡部那月 社1 兵庫・日ノ本学園
MF 高木ひかり スポ4 静岡・常葉学園橘
MF 6◎ 松川智 スポ4 大阪桐蔭
MF 10 正野可菜子 社4 兵庫・日ノ本学園
MF 15 中村みづき スポ2 浦和レッズレディース
MF →45分 山本摩也 スポ4 スフィーダ世田谷
FW 11 川原奈央 スポ3 兵庫・日ノ本学園
MF 12 中井仁美 スポ2 兵庫・日ノ本学園
◎はゲームキャプテン
監督は福島廣樹(昭45教卒)
コメント

MF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)

――少ないチャンスの中で勝利をつかみましたね

開始早々は自分たちのプレスの速さが目立ってゴールまで行くことができましたが、そこから相手ペースに持って行かれて流れを変えることができずにそのまま終わりました。後半になってからは気を引き締めてプレス速くということを意識できて開始早々で得点できるチャンスをつかんで、決めることができてよかったです。

――ファーストシュートこそ早かったものの、その後チャンスを得られなかった要因とは

始めの方は自分たち的にも前がかりになっていたのですが、そこから相手に対応されて自分たちも相手のペースに乗せてしまう部分があったのかなと思います。

――中盤を打開できないという展開が見られましたが、後半はどのような意識をしましたか

結構相手がコンパクトに戦うチームだったので、そこで自分たちもプレスが近くなってしまったシーンが多かったと思うのですが、そういったときにサイドも絞ってる分そこから展開できることができず難しくなってしまいました。サイドに振れればよかったのですが、もっとDFラインから回してボールの出し入れをできたらよかったと感じました。

――後半立ち上がりでの得点となりましたが

あそこは奈央(FW川原奈央、スポ3=兵庫・日ノ本学園)の持ち味である左サイドを生かしてシュートが打ちやすかったというのはありますが、あそこで仁美(MF中井仁美、スポ2=兵庫・日ノ本学園)もよく詰めてくれたなと思います。

――最後まで中井選手が攻め上がっている中で、松川選手もラインを上げていましたね

仁美が前に行く分、意識的にラインを上げなくてはならないというのもあってそこで押し上げてセカンドボールを拾えたらなと思いました。仁美との距離感が少し空いてしまっていたので、もっと全体で押し上げてっていうのがチーム全体でできたらなと思います。

――前節に引き続き、勝利を収めましたがチームとしては良い方向に向かっていますか

引き分けが続いてた時と比べるといい方向に向かっていると思いますし、大量得点して勝った前節に引き続き、得点する力を見せることができてよかったです。今回は1-0だったのですが、勝ち切ることができて一つの成長だと感じます。

――次節に向けての意気込みをお願いします

関東学園大は、関東女子リーグ戦(関東リーグ)でも当たってる相手ですが中でドリブルしてくる選手がいます。そこで自分たちの球際の強さを生かしてワイドに大きく展開っていうのを大事に、タッチ数少なくやっていきたいです。

MF高木ひかり(スポ4=静岡・常葉学園橘)

――内容が良くない中での勝利となりましたがいかがでしょうか

後半は自分たちのペースではなかったですし、ハーフタイムにもめっちゃ怒られました。選手的には悪くないなという感じでプレーをしていたんですけど、周りから見ている感じと中でプレーしている感じでは違いますし。周りは客観的に見ていると思うので、悪かったという印象があれば悪いプレーだったんだという受け取り方をしました。なので後半は最初から気を引き締めてやったんですけど、相手もうまさに対応できなかったのが反省点かなと思います。

――前半は相手の3センターの中盤に苦しんでいた印象を受けましたが

相手の中盤の選手は技術があって、1人で抜いてきたり仲間を使ってドリブルで抜いてきたので、それに対して一発で行かないであったり粘って守備をして簡単に行かせないことを意識しました。

――前半はさらにパスコースをつくれない展開でした

やっぱり(パスを)出した後にもう一回動き直す、顔を出すことが少なく出したら止まる場面が多かったです。タッチ数が少ない連動ができていなかったので練習から変えていかないとなと思います。

――その中でもMF中村みづき選手(スポ2=浦和レッズレディース)に良いかたちでボールが入ることが少なかったように思えますが

前半はみづきに(ボールが)入ったとしてもその後がなくて、パスコースを探しているうちに取られてしまうということが多かったです。トップ下にパスが入った時にサポートに顔を出して落としてもらったりして、もっとバリエーションのある攻撃をつくれれば良かったです。

――総じて、前半は連動性に欠けていたということでしょうか

要所要所で良いプレーはあったのですが、それを連続して続けられなかったり一発で終わってしまう感じでした。流れを持続させるということを意識できれば良かったです。

――無失点で折り返せた点では悪くない印象だったのでしょうか

チャンスが多かったわけではないので、無失点で終われたのは良かったです。最近はあまり点を取られていないので、全体の守備意識が高まってるのは良いと思います。

――少ないチャンスをものにして、しっかり勝ち点3を取れました

リーグ戦の中で一個一個勝っていかないとなと感じていますし、自力優勝がなくなって勝っていくしかないので勝てて良かったです。

――次戦に向けていかがでしょうか

関東学園大はあまり調子が良くないみたいなので、ちゃんと点を取って無失点で勝つことが大事だと思います。

FW川原奈央(スポ3=兵庫・日ノ本学園)

――きょうの試合を振り返って

前半の立ち上がりは最初の15分くらいは良くて、自分たちのペースでいけるかなと思ったのですが、段々相手にペースをつかまれてしまって、自分たちでリズムが悪くなってしまいました。なのでそこは改善しないといけないなと思いました。

――武蔵丘女子短大の印象は

やっぱり個々の能力が高いので、それを止めないと駄目であるとチームで決めていましま。関東リーグの前期ではそれを止めれずに負けてしまったんですけど、きょうは結構厳しくプレスもして相手に自由にさせないようにしていたので良かったです。

――47分、川原選手のカットインからのミドルシュートが先制点獲得につながりましたね

仁美(MF中井仁美、スポ2=兵庫・日ノ本学園)がゴール前にいたので、自分がシュートを狙って弾いたところを詰めれば入るのかなと思いました。その通りになって良かったです。

――チャンスが少ない中でもしっかりとものにできましたね

そうですね。

――次戦に生かせる課題はありますか

やっぱり90分を通して自分たちのサッカーをすることがいつもできないので、チームでもっと共通理解をして90分戦えたら良いと思います。

――次戦の関東学園大戦への意気込みをお願いします

きょう出た課題をもっとチームで良くして次戦へと臨みたいと思います。

MF中村みづき(スポ2=浦和レッズレディース)

――きょうの試合はいかがでしたか

最初は攻撃のかたちをつくることもできて、いい出だしになったと思うのですが、徐々にボールを持っている人へのサポートの数が少なくなったり、一人一人がボールを持ち過ぎてしまったりして、中盤で取られる回数が多くなってしまったという印象です。

――前半での交代となりましたが、そのことに対する率直なお気持ちは

悔しいですね。何もできなかったです。

――交代となってしまった原因は何だとお考えですか

パスミスも多かったですし、パスを出すタイミングをチームメイトに合わせることもできなかったので、そういったところを改善していきたいです。

――この1週間どういった取り組みをしていきたいとお考えですか

今は本当にいいリズムを維持できていて、試合の中でもしっかり首を振ったり、周りを見たりできているので、そういったところをさらに意識的に取り組んで、より早く判断できるようにしていきたいです。

――次節に向けての意気込みをお願いします

きょうはシュートが打てなかったので、次節はシュートを打つということと、しっかりパスをつなぐことをより意識して、もっと楽しくプレーできるようにしたいと思います。

MF中井仁美(スポ2=兵庫・日ノ本学園)

――きょうの試合振り返って

前半があまり良くなかったのですが、ハーフタイムでコーチとか監督から話があって後半は球際強くしっかりいけたかなと思います。

――今季初のワントップはいかがでしたか

試合でられればどこでもいいので大丈夫でした。

――自身の運動量に対して

自分がワントップで出たら、前線からしっかり守備をするのと、結果を出すこと、しっかりボールを納めることは徹底してやろうと思っていたので最後まで走れたかなと思います。

――相手のテンポも速くボールが取りづらかったと思いますが守備で意識した点は

武蔵丘女子短大は技術があるので足だけで突っ込まずにしっかり対応してついて行くようにはチーム全体で意識しました。

――前後半で変えた点は

一番は守備のところで、しっかり球際強く行くこと。あとは自分たちのミスでピンチを作っていることが多かったので基本的なミスを無くすことです。

――負けられない試合が続く中でチームの雰囲気は

しっかりコミュニケーションもとれていると思いますし、4年生がしっかり引っ張っていってくれているので自分たちよりも4年生のためにという気持ちはあります。

――次節に向けて改善していく点は

前半出来なかったことと後半出来たことがあるので、そこをしっかり分析していきます。出来なかったことは次、前半の最初からやりたいです。