「相手の思うようにやられてしまった」と関東女子リーグ戦(関東リーグ)第6節、浦和レッズレディースユース戦を振り返り、悔しさをあらわにしたMF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)。前節(○4-1日テレ・メニーナ)の流れに乗り、攻撃を展開したいところであったが、相手のパスワークに押し込まれ、先制点を奪われてしまうワセダ。その後もなかなかチャンスをつくり出せず、得点を手にできないまま今季2度目の敗戦を喫した。
開始早々CKを獲得し、FW平國瑞希(スポ2=宮城・常盤木学園)がファーストシュートを放つと流れはワセダのものかと思われた。しかし、パスミスによって容易にボールを渡すと、相手にゲームの主導権を握られてしまう。ワセダの持ち味とするポゼッションサッカーを先に繰り広げられ、試合を支配することができない。23分、MF正野可菜子(社4=兵庫・日ノ本学園)のパスにFW河野朱里(静岡・藤枝順心)が抜け出しシュートを放つが、ゴール左にずれてしまう。ゲームの流れをつくり出したいものの、当たりの強い相手のパスワークに押し込まれ自陣を脅かされる。果敢にシュートを放たれ、ピンチを迎えるワセダ。GK河邊花観(スポ4=宮城・常盤木学園)のナイスセーブで失点を逃れるも、一瞬の隙を与えるとクロスボールを押し込まれ、得点を許してしまう展開に。前半終盤にかけて、相手陣で攻撃を繰り広げるがシュートまでは持ち込めない。1点ビハインドを背負い後半に挑んだ。
トップ下でマルチな活躍が期待される正野
前節2得点を決めたMF熊谷汐華(スポ1=東京・十文字)を迎え、ゴールを手にしたいワセダ。福島廣樹監督(昭45教卒)の「ワイドに」といった指示の下、サイドを用いた攻撃でゲームを支配しようとする。しかし、相手のポゼッションサッカーをつぶしきることができず、苦しい時間が続く。65分には正野が自らドリブルでシュートまで持ち込むが、左枠外へ。惜しくも得点にまでは至らない。タイムリミットは刻一刻と近づいてくる。何とかしてゴールにまで結び付けたい。だが最後まで相手の勢いを止めることはできなかった。スピードあるパス回しでPAに侵入され、DF三浦紗津紀(スポ1=浦和レッズレディースユース)らの体を張った粘りでゴールを守る展開に、ワセダはシュートチャンスを得られない。ラストプレーには熊谷がドリブルで仕掛けようとするが、試合終了のホイッスル。浦和レッズレディースユースに6年ぶりの悔しい敗戦となった。
最終節こそ完封勝利を収めたい
「ポゼッション率を高めて、ゴールに迫るべきだった」(平國)と攻撃に対する反省を述べる一方で、今節も得点を許し、強固な守備への難しさを痛感する戦いとなったワセダ。関東リーグ前期も残るはあと一節。この敗戦により首位から1つ順位を落とすこととなったが、最終節では勝ち点3をしっかり手にしたいところだ。いまこそチーム力が問われるとき。一週間後に控える戦いで完封勝利を収めるべく、気持ち新たに歩み始めなくてはならない。
(記事 渡部歩美、写真 桝田大暉)
スターティングメンバー
結果
関東女子リーグ戦第6節 | ||||
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早大 | 0 | 0-1 0-0 |
1 | 浦和レッズレディースユース |
【得点者】(浦)33小嶋 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 河邊花観 | スポ4 | 宮城・常盤木学園 |
DF | 4 | 大島瑞稀 | 社4 | 宮城・常盤木学園 |
DF | 3 | 奥川千沙 | スポ2 | 静岡・藤枝順心 |
DF | 34 | 三浦紗津紀 | スポ1 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 24 | 渡部那月 | 社1 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 7 | 高木ひかり | スポ4 | 静岡・常葉学園橘 |
MF | →59分 | 三田村桃子 | スポ2 | 宮城・常盤木学園 |
MF | 6◎ | 松川智 | スポ4 | 大阪桐蔭 |
MF | →74分 | 中井仁美 | スポ2 | 兵庫・日ノ本学園 |
FW | 9 | 平國瑞希 | スポ2 | 宮城・常盤木学園 |
FW | →84分 | 山田彩未 | スポ1 | ジェフ千葉レディースユース |
MF | 10 | 正野可菜子 | 社4 | 兵庫・日ノ本学園 |
FW | 11 | 川原奈央 | スポ3 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | →45分 | 熊谷汐華 | スポ1 | 東京・十文字 |
FW | 31 | 河野朱里 | スポ1 | 静岡・藤枝順心 |
◎はゲームキャプテン 監督は福島廣樹(昭45教卒) |
コメント
MF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)
――きょうのゲームプランは
浦和レッズレディースユースは、自分たちのサッカーと同じようにパスをつなげるという戦い方であるので、それに対して守備を整えてしっかり展開して、少ないタッチで、っていうのを意識していましたがそれが思うようにいかず相手に思うようにやられてしまいました。
――相手の当たり強さにやられてしまうシーンが見られましたが
そうですね。相手の足元の技術が高くて、そこで自分たちは年齢的にもフィジカル的にも上なので、負けないようにしなくてはならないと思います。
――2度目の敗戦となってしまいましたが
やっぱり全部の試合を通して失点が続いてしまっているというのが現状なので、失点シーンをなくすということをチームとしてやっていかなくてはならないと思います。
――中盤として、ゲームの中で意識していたこととは
狭いところを通そうとする場面が多かったので、大きくプレーをしたいというのはありました。けど、きょうの試合では思うようにいかずサイド展開も少なくて、全体的に押し上げとかっていう場面でも、もっとボランチから押し上げていけたら、と思います。
――きょうの試合で、関東女子リーグ戦(関東リーグ)首位から陥落してしまいましたが
やっぱり首位じゃなくなったというのは事実なので最終節では必ず勝ち切って、関東リーグの順位がどうなるかはわからないのですが来週は勝ち切りたいなというのは思います。
――次節に向けて修正する点というのは
前節と同じなのですが、失点ということが一番の課題だと思うので練習1週間でそこで修正していく場面はしっかりして、まずは守備からという意識を全員で持って戦いたいなと思います。
MF正野可菜子(社4=兵庫・日ノ本学園)
――序盤はボールが
落ち着かない状況が続いていましたが
相手の勢いにのまれていたというのもあります。そこできょねんからの課題の入り方であったり、自分たちのペースをつかむためにどういうプレーをするのかというところで
自信を持ったプレーがなかったのかなと思います。
――パスミスなどミスから悪い状況を作ってしまう印象でしたが、そこのカバーについて
自分たちの流れが悪いときは大抵ミスから攻められるということが多いと思います。そこをいかにカバーであったり、ミスをしない意識や改善をできるかということが試合の中でできていたらうまくいっていたと思います。今回はうまくいかなかったということで、こういう結果になってしまったと思います。
――攻撃については、ベンチからワイドにという声が聞こえましたが
サイドを使ってという監督(福島廣樹監督、昭45教卒)の意図もありますが、それだけにこだわらず自分たちでしっかり攻撃をつくっていかなければいけないと思います。ただサイドに振っただけではもちろん相手を崩すことはできないので、そこからの関わりであったり崩し方をもっと増やさなければいけないかなと思います。
――その中でも良いかたちでのゴールへのプレーもありましたが、そこでの合わせというところで苦戦していましたが
クロスの精度であったり、入り方であったり意思疎通という部分もまだまだ足りないと思うので、そういうところを高めていきたいと思います。
――相手は当たりの強い印象を受けましたが、相手の攻撃について
相手は上手いサッカー、回してくるサッカーをしてきていました。分かるパターンもあったのですが、そこをつぶしきれずにずるずると下がってしまったところが取りきれずにやられていたのかなと思います。
――クリアをしきれずに失点してしまいましたが、今節のDFについては
全体的にDFラインだけとは言わずに、足が止まっていたと思います。特に中盤のところであったり、DFラインのところに行くまでにもっと防げた部分があったと思います。そういうところをしっかりつぶしていかないと、これから強い相手と対戦した時に簡単にやられてしまうので、しっかり徹底していきたいです。
――ご自身はピッチ内を大きく動き回っている印象でしたが
いまトップ下をやらせてもらっていて、いかにいろんなところで関われるかというとこが自分の仕事だと思っています。そこは続けていきたいと思います。
――次節、前期の最終戦への意気込みをお願いします
前期の最終節ということで、今回は負けてしまったのですが次節だけとは言わずにこれからにつなげられるように、火曜日の練習からしっかり取り組んでいきたいと思います。
DF奥川千沙(スポ2=静岡・藤枝順心)
――試合全体としてはいかがでしたか
相手に先に点を取られたという点で、DFとして課題でしたし、いままではそういう展開からでも逆転するということが何試合かあったので、そういうことを踏まえて、先に失点されないことや、無失点でいこうという場面で失点してしまうのはまだまだ課題なのでこれから改善していかなければいけないなと試合中思いました。自分たちで流れを変えることができなかったというのがあって、流れが悪いと分かっていてもその流れを自分たちで変えることができなかったので、そういう点では課題が多く見つかった試合でした。
――失点シーンを振り返ってみて
失点してしまいそうな流れがあった中で、球際の弱さだったり相手にゴール前までボールを運ばせてしまう展開をさせてしまっていたことに対して、DFラインがちゃんと対応していかなければいけないなと思います。
――前半よりも後半はラインが下がってしまい攻めあぐねている印象がありましたが
相手も時間稼ぎで前に蹴ってきたりしてる中で自分たちも疲れてきていましたし、間延びしていたのは反省点ですが、そういった試合の中で自分たちがどうやってプレーして1点を取りにいくかっていうことをチームで決めていかなければいけないと思います。
――相手に当たり負けているシーンが多かったですが
いつも夜の時間帯での練習で昼の暑さにしっかり慣れていかなければいけないですし、あとは走り込みしかないですね。
――奥川選手自身、いいプレーがあった反面、ミスも目立ってしまいましたが
自分でスキルの面では足りないということは分かっているので、日頃の練習から意識して取り組まないといけない課題ですし、判断という面でも相手に攻めさせないような指示だったりの判断を養っていけたらと思います。
――次節への意気込みをお願いします
前期最終節なのでしっかりプレーして無失点で勝ちたいと思います。
FW平國瑞希(スポ2=宮城・常磐木学園)
――率直に今の感想をお願いします
きょうは自分たちのサッカーが全くできなくて、相手の流れに負けていたのでそこが敗因です。
――前節(◯4-1日テレ・メニーナ)良いかたちで勝って迎えた今節、試合前チームではどのような話をしましたか
練習試合で浦和レッズレディースユースに負けていて、(きょうは)勝つっていう勢いは皆あったんですけどそれがプレーに反映できませんでした。
――相手のパスワークに対しての前線からの守備ではどのようなことを意識しましたか
相手は後ろでもダイレクトではたいてパスを回してくるので、自分たちは攻守にわたる早い切り替えを意識していました。しかしなかなかうまく連携できなくて結構パスを回されてしまいました
――パスワークに対して、ボールの取り所をチーム全体で明確にできなかった印象がありますが
ワントップの朱里(FW河野朱里、スポ1=静岡・藤枝順心)が追ってくれていたんですけど後ろがそれに付いていけませんでした。相手のサイドバックの位置で奪い切りたかったんですけれどそれができませんでした。
――きょうは攻撃が少なくシュートまでなかなかいけませんでしたが
まずシュートまでいく流れがなかなかなくて、クロスを上げるシーンも少なかったです。全体的にもっとポゼッション率を高めてゴールに迫るべきだったと思います。
――守備から攻撃に転じる際、ワントップの河野選手が孤立する場面が目立ちました
ワセダはクリアを前に大きく蹴ってそれを朱里が収めてというかたちが多かったのですが、きょうはもっとサイドハーフが早い切り替えで上がるべきだったと思います。
――順位を落とす敗戦となってしまいました
次の試合が前期の最後なので、次の試合では絶対に勝って後期につなげていきたいです。
DF三浦紗津紀(スポ1=浦和レッズレディースユース)
――今節の相手は三浦選手の出身である浦和レッズレディースユースでしたが、どういった思いで試合に臨みましたか
後輩たちに負けられないし、監督には成長した姿を見せてやろうと思って入りました。
――今節はラストパスがなかなかつながらないように見えました
細かいところまでこだわって練習していかないと、そういった部分がつながっていかないと思うので、練習からまたしっかりとやっていきたいと思います。
――体を張って守備をしていた印象を受けました
DFは体を張ってなんぼだと思っているので、そういうところでチームに元気と勢いをつけていけたらいいなと思って守備をしていました。
――ここ2,3試合はスタメンでのプレーが続いていますが、特に意識していることはありますか
ワセダというチームでスタメンで出させてもらっているというのをしっかりと誇りに思って、試合に出られない人の気持ちを考えながらプレーしたいと思ってやっています。
――次節に向けての意気込みをお願いします
優勝のためには次こそ勝たないといけないと思っているので、しっかり準備して絶対勝ちたいと思います。