【連載】『反撃のキックオフ』 第3回 大島茉莉花×一原梓×高須咲帆

ア式蹴球女子

 本連載第3回に登場するのは4年生トリオだ。昨年からスタメンに君臨し続け左サイドから好機をつくったDF大島茉莉花(スポ4=鹿児島・神村学園)、今季からスタメンに定着し最終学年の意地を見せてきたFW一原梓(スポ4=宮城・常盤木学園)、スーパーサブとしてチームに誰よりも熱い思いを持つMF高須咲帆(スポ4=福井工大附属福井)。それぞれに見てきたワセダでの4年間、そして来る全日本大学選手権(インカレ)に向けてのそれぞれの思いを語っていただいた。

※この取材は12月26日に行われたものです。

強みはコミュニケーション力

大島茉

――まずは今季を振り返っていきます。ことしは福島新監督(昭和45年教卒)を迎え、フォーメーションも3バックに挑戦するなど、新たな試みから始まりました。シーズン始めのチームはどのような雰囲気でしたか

一原 試行錯誤…じゃなかった?

高須 うん。分からず始まったもんね。どうなるんだろう、みたいな。小学校からずっとサッカーやってきていままでやったことがなくて、3枚ってどうやるんだろうって思ってました。

大島茉 3バックになって自分は(これまでのサイドバックから)ウィングになって、3バックでも5バックだと言われていたので、上がるのか戻るのかというのは戸惑いながらやっていました。

――プレー面についてお伺いしましたが、最終学年になりチーム内でのポジションというのはいかがでしたか

高須 グラウンドマネージャーとして、トレーニングメニューの作成と進行、それを監督とコミュニケーションを取りながら選手たちにもどういう目的でこういうメニューをやっていますっていうのを伝えながらやっていたんですが、なかなかこうやってやりたいっていうのが選手たちに伝わっていないということがあって、監督にもこれじゃ駄目だって言われたこともありました。でもみんなも汲み取ってくれるようになって、できてきたかな?

大島茉 最初は1日のメニューを作るのに1時間かかったりして(笑)。

一原 みんな顔死んでたもん(笑)。

高須 もうやだ~とか言って(笑)。

一原 私はグラウンド管理で、使える時間でTRMを土日に入れたり、試合をいつ入れるかを監督と相談しながらやるという感じです。そんな感じかな!

高須・大島茉 …え、新人監督は?!

一原 あ、忘れてた!(笑)危ない!新人監督もやってました!

高須 やって「ます」でしょ(笑)。

一原 下級生の指導で、ミスしたりとか相談事があったら言ってねみたいな感じだったんですけど…、まあ相談はなかったですよね!

一同 (笑)。

一原 私こんな感じなんでちょっと怖く見られるみたいで…、とりあえず叱る感じだったので、寄ってこなかったですよね(笑)。

高須 ちょっと第一印象が怖いって言われがちなんですよね。

一原 中身はただのあほなんですけど、第一印象で損してるよね、私。

高須 うん、かなり(笑)。おまけに人見知りだし!

――ことしはDF小野田莉子選手(スポ4=宮城・常盤木学園)が主将でGK三田一紗代選手(社4=京都精華女子)が副将ですが、どのような過程を経て決まりましたか

高須 元々莉子(小野田)は学年長を1年のときからやっていて…、うちらの学年は莉子しかいなかったよね。

一原 誰が良いかなみたいな感じにならなかった?

高須 なったね。お互いで(推薦を)出して、次に立候補いるって。普通の決め方と逆だったよね(笑)。推薦が先で、立候補いるかってなって莉子だった。副将は逆に、先に立候補からにして…

一同 (笑)。

高須 不思議な決め方だね。いま思うと。

――主将と副将のお2人について、エピソードみたいなものがあれば

高須 莉子に関しては負けてる試合とかで、引っ張っていく気持ちは持っていると思うので、一番声は出してくれていると思うし、締めるところもちゃんと締めてくれるし、頼れる…?

一原・大島茉 …

高須 頼れる主将です(笑)。

――三田選手については

高須 試合ではしっかり声を出してくれるようになったんだよね。昔はカラオケに行ってもマイクを通しても聞こえない。

一同 (笑)。

一原 本当にそれ!

高須 そうだったんですよ。行ったじゃん3人で行った時。声が大きくなりましたね。

――関東女子リーグ戦(関東リーグ)は4連勝で幕を開けました。先ほど、新チーム発足の際には不安もあったというようなお話もありましたが、チームとしては順調な滑り出しができたのではないでしょうか

大島茉 (開幕戦の)東京国際大戦(○6-0)はめっちゃ良かった印象があります。

一原 3-5-2を確立させる段階の過程という感じで捉えていました。組織的にもなってきたし、お互いどういう風に動けばいいのかというのがだんだん身についてきた時間だったのかなと思います。

高須 私自身あんまり公式戦に関わることが少なくてすごく悔しい思いをしていたんですけど、チームとして勝つのが一番なので、そこでBチームとして4年生としてどう戦うかというところでは、あず(一原梓)が言っていたように3-5-2を確立していく上で良い試合だったり日テレ・メニーナ戦(●0-3)みたいに負けちゃって課題が出た試合であったりと思います。

大島茉 前期は試合をしていくにつれてなあなあになっちゃってた部分があって、4連勝の後の関東学園大戦(△0-0)やメニーナ戦の負けにつながっちゃってた部分があるのかなと思います。3-5-2をやっていて、勝ち続けたことでそれができてしまったんじゃないかとか、3枚で守れちゃうとか、課題があっても勝ってるからというのがあって、ミスの部分を流してしまったのかなと思います。

――今シーズン最初の敗戦となったメニーナ戦はいま振り返ってみるといかがですか

一原 もう見たくない(笑)。

高須 雰囲気もすごくて。私あの試合は確か最後の10分とかで出たんですけど、入ってすごくピッチ内がバタバタしていたし声も少なかったし、個人個人で頑張ってるだけみたいになっちゃってそれが空回りになってたのかなと思います。

大島茉 つなげてるのに点が取れないと焦ってしまう部分があったと思います。

チーム随一のドリブルスピードを誇る大島茉

――夏を経て関東大学女子リーグ戦(関カレ)が始まりました。開幕戦の国士舘大戦(○3-2)はかなりひやりとした試合になりました

大島茉 私めっちゃ外したやつだ。

一原 勝ってスタートするのと負けてスタートするのとじゃ、気持ちがだいぶ違うよね。

高須 ベンチでずっと見ていて、心臓が傷めつけられました(笑)。

――1-2で前半をビハインドで折り返すというのはいままでにない展開だったと思いますが

大島茉 ハーフタイムの雰囲気は、まだ時間もあるし大丈夫みたいな感じだったと思います。前半からチャンスはあったんですけど、後半もあったので、そこで自分が決め切れていればあんなに苦しい試合にはならなかったと思います。積極的にシュートを打つことは意識して取り組んでいたんですけど、そこで自分が決め切れていたらもっと流れも全然変わっていたと思います。

高須 あの試合、きょねんのインカレ(全日本大学女子選手権初戦、●3-4姫路獨協大)を思い出さなかった?

一原 確かに思い出した!でも負けるっていうのはなかったかな。絶対勝てるとは思っていました。でもその試合が蘇るねっていうのは話してたよね。

高須 結構早い時間で先制して、結構いけるっていう雰囲気もあったのに2点取られて…。でも嫌な雰囲気はなくて、気持ちがすごく上に出てたので勝てたんじゃないかなと思います。

――その次に行われたのが皇后杯関東予選でした。まさかの2回戦敗退という悔しい結果に終わってしまいましたが、いま振り返ってみるといかがでしょうか

一原 「皇后杯優勝したい」って4年生で話してチームの目標として掲げたので、それに出場権がないっていうのが私はただただ悔しかったですね。もっともっとやれることあったんじゃないかって、自分でプレー何回も反省するけど、もう終わっちゃったことだしって。結構1日凹んでました。

高須 自分自身試合に出られなかったしチームも負けたし皇后杯出られなくて。何もできない自分にもすごく悔しくて、もうちょっと自分が試合に関われるくらいの実力を持って自分がピッチに入ったことによって何かできるっていうプレーヤーだったら良かったなって、あの時すごく思いました。でも終わってしまったから仕方がないっちゃ仕方がないんですけど、あの試合はもう本当に悔しくて直後は言葉も出なかったし、次頑張ろうって言っても次はないわけで、とにかく悔しかったという思いしかなかったですね。

大島茉 終わった直後は悔しかったし、皇后杯に出ることもその時点でなくなっちゃったんだなっていう感じで、その後の関東学園大戦(関カレ第8節、○6-0)で点数も取って勝てたので、すごくもったいない試合だったなって思います。

――その後関カレが再開して、全勝同士で最終節を迎えました。やはり日体大というのはどうしても意識してしまう相手だったと思いますが

一原 決められた部分しか覚えてないや。

高須 先制されちゃってすごく焦りっていうのがあって、自分たちのサッカーをやれば絶対に勝てた試合だったと思うんですけど、すごく気持ちの面で焦っちゃってました。自分もその試合はピッチの外でずっと見ていたんですけど、落ち着いてやればできるよっていうのをもっと外から声掛けできたら何か変わっていたのかもしれないです。見ていてとにかく点を取られたくないっていうのがすごく見えて、危ないからとにかく蹴っちゃうっていうシーンばかりで、いつも通りに落ち着いてできていたら何か変わっていたんじゃないかなって思うんだけどね。

大島茉 みんな気持ちは入っていたんですけど、心のどこかで「日体」っていう名前にビビっている部分があって、とりあえず失点したくないから咲帆が言ったようにつなぐよりも前に蹴っちゃうみたいな感じで、セカンドボールも全然拾えなくて。失点した後も焦って蹴ることしかできなくて。

高須 たまにあるよね。

大島茉 名前にビビってしまう部分があるので、そういうところを改善していかなくてはいけないというのはあるし、あとはつなげるところはもっとつないで自分たちのプレーをできていれば良かったかなって思います。

――関カレのタイトルは逃してしまいましたが、後期の試合を戦い抜き、最後には関東リーグ6連覇を達成しました

高須 関東リーグ6連覇はしなくてはならないことだったと思うんですけど正直そんなにこだわってはなくて。やっぱり皇后杯優勝に挑む権利すらなくて、あとはインカレ優勝という目標しかなくて、それにつなげるための関東リーグだと思ってやっていました。

大島茉 少しは「6連覇」っていうプレッシャーはあったんですけど、あくまでも自分たちの目標は「インカレ優勝」だったので、それに照準を合わせたりだとか自分たちのサッカーをいかにやっていけるかというところを考えていました。

一原 私は6連覇をあまり良い風に捉えていないというか、結果としては良いことだと思うんですけど、(関カレ最終節で)日体大に負けて、(関東リーグ13節で)メニーナに逆転負け(●2-3)して、レッズ戦も危ない中で勝って終わったっていう感じでした。日体戦での負けというのをメニーナ戦で表現できなかったというのは悔しい部分だったので、関東リーグ後期は全勝で終わりたかったなっていうのは正直思いました。

――ざっと今季を振り返ってきましたが、今季の大会・試合の中でご自身のターニングポイントになったり、印象に残っている試合はありますか

高須 見つけた!私自身いままで3年間公式戦に出ていなくて、きょねんの皇后杯で初めて出たんですけど、やっとア女に貢献できてるのかなって思い始めたのは公式戦初先発したのが関東リーグ前期の筑波大戦(○4-1)です。あの試合が一番かなって思います。あの時確かトップ下での出場で、正直あまり慣れないポジションだったんですけど、本当に心臓が飛び出るくらい緊張して、顔も笑えないし。

大島茉 ただの怖い人じゃん(笑)。

高須 もうそれくらい緊張していたんですけど、最初の10分,15分は本当に緊張してて。自分自身こうやって試合に臨むんだっていう気持ちの持ち方もそこで初めて感じることができたし、それが一番ですかね、やっぱり。その後から途中出場も増えてきて、どうやって試合に臨むかというのも分かってきて、それが一番自分にとって、「ここからだな」と思う試合でした。

大島茉 自分は関カレ開幕戦の国士舘大戦です。あの日に本当にシュートが弱くて入らなかったりとか、思い切りのあるプレーが足りなくて、もっと思いっきりできたらいいのにというのをすごく感じた試合でした。それ以降からはシュートにしても動きにしても思いっきりというのを意識して取り組むようになりました。

一原 関東リーグ前期の開幕戦(○5-0東京国際大)です、一番最初の試合。先発で出るということがいままでなかった中で、今年度初めての公式戦でこうやって立つということの重みであったり、スタメンで出させてもらうっていううれしさもあるし責任もあるし、不安っていうのもすごく覚えてて。それがやっぱりこれからも続けていかなくてはいけないし忘れちゃいけないことなんだなっていうのを噛みしめた試合でした。

――ことしのチームの強みであったり弱みというのをどのようにお考えですか

大島茉 弱い部分は、メンタルです。

高須 間違いない。

大島茉 さっき言ったように相手の名前にビビっちゃう部分やそれで動揺してしまってプレーに出てしまう部分があります。自分たちが気持ちを持って勢いに乗ってスタートできる試合はだいたい勝てるし良い試合をしていると思うので、メンタル面ですかね。

高須 逆転できる試合があったじゃん。あれは強みだなって思ってたんですけど、最近あんまりないね(笑)。そこはきょねんまでと違うなって思ってたんですけど、皇后杯関東予選での負けからあんまりそういうのがなくなっちゃったので。あとは全体的に点が取れるとか!

大島茉 けど決定力不足だよね。

高須 それ弱みにもっていかないで、強みなくなっちゃうから!(笑)あとはチーム全体としてサッカーについてコミュニケーションを取れるようになったよね。良いところみたいになっちゃったんですけど(笑)、チームとしてサッカーをどうしたらいいというのを例年に比べたら話せるようになったのかなと感じます。

試合前には必ず「円陣」(高須)

高須

――次にオフザピッチの面についてお伺いしていきます。4年目の付き合いだと思いますが、第一印象や変わった部分をお互いにあったらお願いします

高須 絶対に私あんまり良くないじゃん。

一同 (笑)。

大島茉 (高須選手についての第一印象は)一番最初に会った日の練習で、最後に長丘ダッシュをしたんですよ。

高須 縦ダッシュのことね!

大島茉 何本かしたんですけど、その2本目で肉離れしてて。

高須 高校を引退してから、正直言うと遊んでしまってサッカーから離れていて結果肉離れになってしまって。たぶんその印象がみんなには強いですね。あっ違う、違うか。でもあずは違うと思う。

一原 (高須選手と)部室で初めて会った時に、「名前何」って聞かれて(笑)。…こいつは無理だと思いました。

一同 (笑)。

高須 でも私全然その記憶ないんですよ。

一原 逆にね。

高須 逆に何。めっちゃ悪い。まあこういう話もあるんですけど、私は自分のこと緊張しいだと思っているんですけど

一原 タチ悪いよね(笑)。

高須 めっちゃ悪い。…私は自分で緊張しいだと思っているんですけど。

一原 いや、全然。

大島茉 それ否定するよ、私は。

高須 でも結構そういうところがあって、あんまり茉莉花(大島茉選手)とかあずの印象は無かった。

大島茉 (一原は)…怖かった。

高須 そう!喋らなくてまじで静かだなって思ってました。もっと喋ろよって。

一原 何喋ればいいの。

一同 (笑)。

一原 何か話題作ってくれたら喋るよ。

高須 あっほんと?じゃあそうする。

一同 (笑)。

一原 茉莉花はなんだろう。まりちゃん(大島茉選手)の方が静かだと思ってたけど

高須 確かに。

大島茉 えー、でもそれは常盤木でいたからじゃん。

高須 常盤木組(宮城・常盤木学園出身)で固まっているなーというのはありました。

大島茉 でもそうならない?

高須 仕方ないけど、茉莉花に関してはマジでなんだったんだろ。いつからしゃべるようになったんだろ。

大島茉 知らないよ。

高須 第一印象は正直無い

一同 (笑)。

――気付いたら仲良くなっていたのですか

高須 はい、いまも一緒に住んでますし。

――お二人でですか

高須 いや、あと三田と堀川(DF堀川玲奈、スポ4=ジュブリーレ鹿児島)の4人でルームシェアをしてます。ここまで全然自転車で通える距離です。超自由だよね

――どんな生活になりますか

高須 夜練後は…。

大島茉 ご飯を作る人がいて、洗濯する人がいて、お風呂に入る人がいます。で、ご飯ができたらみんなで食べます。

高須 あと、土日とか月曜日とかはきょうは何する?みたいな話で楽しくやってます(笑)。めっちゃ楽しいです。

一原 私は所沢で一人暮らしです…。ほらね、こうやって喋れないでしょ。

高須 そうなんだよね。ほんとに話はあるのにさ。(一原選手は)根暗なんだよね。(いつも)何してるの(笑)。

一原 家にずっといます。

高須 ほらね。

――一原選手は家では何をされていますか

一原 何してるんだろうね。気付いたら日が経ってます。

一同 (笑)。

高須 やばいよ、それ。

一原 でも、とりあえずDVDとか基本見ている感じですね。

高須 やばいなー、このままだと根暗で終わるよ、一原さん。

一原 どうしよう。でもいまから嘘のネタつくるのも…。ごろごろしてますね。買い物行くとかも一人のほうが好きなので…。やばいね、これもやばいね。まあそういう感じです。

――高須さんと大島さんはオフの日は何をされていますか。

高須 オフは結構ここで…。

大島茉 誰がどこに行ったとかもわからない。

高須 何してるんだろう、オフは。

大島茉  自分は結構気が向いたところに行って、ぶらぶらしています。

一原 私も一個良いの見つけたよ。

高須 何?

一原  スタバにいる。

高須 一人でしょ、どうせ。

一原 そうだ、結局一人だ。

一同 (笑)。

高須 後期は卒論に追われてましたね。卒論、毎日卒論。

大島茉  その間旅行行ったじゃん。

高須 確かに行った(笑)。先生に怒られた。

――どちらに行かれたのですか

高須 秩父のほうに2年生の山田(GK山田紅葉、スポ2=東京・十文字)と3年生の大島瑞希(DF、社3=宮城・常盤木学園)と4年生の国分真帆(DF、スポ4=東京・十文字)と4人で秩父に行ったら、卒論の先生に「お前秩父言ってたの、ほんとありえねーわ。」「すみません秩父行っちゃいましたー。でも、提出したから良いと思って。」「良いわけねーだろ。」って。最終的に卒論に追われるという形になりました(笑)。

中盤で最後の切り札としてチームに貢献した高須

――3選手ともスポーツ科学部ですが、どのような卒論を書かれましたか

一原 私はえっと…。

高須 ジェンダー。

一原 みんな馬鹿にするよね(笑)。まあジェンダーなんですけど。スポーツとジェンダーで、男女平等というのをテーマにどうしたら今後なくなるかというのを文献とか本をいろいろ読んで、自分なりの結果を出すという感じの卒論です。

高須 私は女子サッカーの今後…じゃないや。なんだっけ、女子サッカーの…

一同 (笑)。

高須 女子サッカーの普及と発展を…、女子サッカーの視点から。

一原 本当に調べた?

高須 調べた、調べた。

大島茉 違う違う。先生が題目考えたから!

高須 でも最終的にそれにした。大学サッカーの視点から大学スポーツを、野球とかラグビーとか駅伝とかそういうのをしたら、大学女子サッカーが盛り上がるんじゃないか。そしたら女子サッカーが盛り上がれるんじゃないかという卒論にしました。

大島茉 自分は高校卒業後の女子サッカー競技継続に関する研究というのをして、アンケートを取って分析してという感じです。

――キャンパスが同じということで、授業も一緒に受けられたりしますか

大島茉 1、2年のときとかは結構一緒に取ってたね。

高須 自分教職とってて、(ここ2人は)教職とってないし、コースも(一原が)文化コースで。

高須 (大島茉が)ビジネスコースで、(私が)教育コースなので、結構4年になってからはばらばらでしたね。でも基本ア女はいます、隣に。

――よく一緒に過ごす同期や後輩はいますか

一原 後輩ですか。

――特に新人監督をやられていたということもあると思いますが

一原 寄って来ないです。

一同 (笑)。

一原 下はいないな。

高須 下だと松川(MF松川智、スポ3=大阪桐蔭)とか、最近だと1年生の中井(MF中井仁美、スポ1=兵庫・日ノ本学園)とか瑞希(FW平國瑞希、スポ1=宮城・常盤木学園)や菜月(DF稲山菜月、スポ1=東京・十文字)とは割と喋るし結構友だちは多いです(笑)。

大島茉 特定の人はいないかな。

――例えば守備の面で、MF陣でいる機会が多いとか、ポジションごとのつながりはありますか

一原 オフのときってことですよね?ないな。引きこもっているのがいけないんだね。

高須 そうだよ、まず外に出よ。

大島茉 なんか家にいてもいるので、いさ(三田)とかが…。

高須 いまのすごく嫌みたいに聞こえるよ。「家にいてもいるんで」って(笑)。

大島茉 いさとかれいなとかがいるので。

高須 そこでは絶対喋るよね。シェアハウスではサッカーの話もするし。

一原 そういえばシェアハウスってディフェンスラインが多いよね。

高須 うん、ディフェンスライン多い。まりちゃんどっちでもいけるなーみたいな。

――先ほどコースが違うというお話がありましたが、卒業後はどのような進路に進みますか

大島茉 スペインのほうに行ってサッカーします。ことしの2月に1カ月ぐらいそのチームで留学に行かせてもらって、行こうかなという感じです。監督がいつでも来て良いよみたいな感じで

一原・高須 軽いな!

一同 (笑)。

高須 いつでも良いよーって。めっちゃ良い人じゃん。

――卒業したらスペインのほうに行かれると

大島茉 インカレが終わったら行きます。

高須 そのせいで大変だよ、うちらは。(インカレが終わって)一週間後に行っちゃうんですよ(笑)。

大島茉 だから卒業旅行とかも全部…。

高須 一週間の間に(イベントを)全部やります!

高須 私もサッカー続けるんですけど、なでしこチャレンジリーグで、らいねんだと2部だよね。AC長野パルセイロレディースに決まっています。練習参加を2日して、あれがセレクションという形かは分からないのですけど、行くと言ったらオッケーが出たので行くということになりました。

一原 私はサッカー辞めてホテルの方に就職することになりました。東京かどこになるかはまだ分からなくて2月にわかります。

高須 名前言ったら

一原 星野リゾートのほうに。

高須 青森ね!

一原 青森じゃないわ!

一同 (笑)。

一原 2月に決まるので、星野リゾートは北海道から沖縄まであってどこに飛ぶか分からないので、みんなに青森に行けって言われてます。

一同 (笑)。

――試合前にやるリラックス法やジンクスなどはありますか

高須 私はない(笑)。緊張するなーって試合入って10分、15分ぐらい経ったらできるんで…、それじゃ駄目かな。

大島茉 結構長くない?

一同 (笑)。

一原 普通の人の回答だよね。

高須 しかも緊張したままだから良くない(笑)。それにジンクス…。無いです(笑)。無いから、いつも通りできるように、練習からやっていきたいと思います。

一原 抱負だね。

一同 (笑)。

大島茉 特に無いんですけど、最近は挨拶とか終わった後に、必ず水を飲んでから試合に入ります。

一原 ジンクス…。首鳴らしちゃう。

高須 それは癖。

一同 (笑)。

一原 癖か。なんだろう、落ち着くの。…スパイク履くとき左から結ばないと、とかそういう感じですね。

高須 癖(笑)?

一原 癖じゃなくない?

大島茉 全部癖に持っていこうとする(笑)。

一原 意識しては履いていないですけど、たぶんそういう感じでルーティーンにはなっていると思います。

高須 かっちょいい!

一同 (笑)。

一原 普通の人の回答だよね。

――試合前にチームで必ずやることは

高須 必ずやるのは円陣ですね。

「試合に出て貢献したい」(一原)

一原

――インカレもまた1年間やり通してきた3バックで戦いますか

高須 違います(笑)。

一原 相手に応じてだよね。

――柔軟に変えていく感じですか

大島茉 いまはいろいろやってます。

高須 4-5-1とか4-4-2とか。最近3バックでやることは少ないです。

大島茉 きのう一回だけやりました。相手に合わせていろいろ変えていくみたいです。

――この冬は積極的にトレーニングマッチを組まれていると思いますが、その中で見えてきたものは何かありますか

高須 日体大戦が終わってからつなぐイメージがしっかりしてつなげるようになってきて、ディフェンスラインから中盤という細かい部分でつなげられているんですけど、それがゴール前までになるとやっぱりパスミスだったり取られたり、合わなかったりすることがあるので、そこはもうちょっとインカレまでに詰めていけたらとすごく感じます。

一原 決定力という部分で、打たなきゃ入らないじゃないですか。結構最近になってみんなにも意識が出て打つようになってきました。ただ入るかといったらまだなので、そういう部分はもっと全体的にチャレンジして、入るようにしていきたい部分だと思います。

大島茉 自分たちは言われたことに対してはすごく素直に受け入れます。つないでって言われたらつなぐんですけど、つなぐことしかできなくて、点が減ってしまって。いままで言われてきたことをいろいろ織り交ぜながらそのときの状況で判断して、試合の流れを読みながら個人個人がプレーしていけるようにもっと頑張っていきます。

長身を生かし攻撃に厚みを持たせる一原

――注目している相手はいますか

一原・高須・大島茉 初戦を。

高須 国士舘大はあんまり良いイメージが無いし。

大島茉 どっちが上がってくるかも分からないので、初戦から一戦一戦確実に取れるようにやっていきたいです。

――おととし準優勝、きょねんは初戦負けと、最近のインカレについていかがですか

高須 うちらが入ってから優勝したことが無くて、(優勝)したいです。

大島茉 おととしもきょねんもどこかでいけるという過信があって、最終的に負けて、そういう反省が出ているので、絶対にそういうところに悔いを残さずにやり切って、最後はみんなで笑えるようにしたいです。

一原 とりあえず優勝したいというのはもちろんなんですけど、試合に出て貢献したいです。出られなかったら出られなかったで実力の世界なのでしょうがないと思いますけど、いまできる中で精一杯尽くして良い結果を出して、出られなくても「良かった」と思える自分でもありたいし、出られたら「こういう風に出られて良かったな」と思える自分でもありたい。

――4年生として最後のインカレになると思いますが

高須 優勝ってどんなのかなってすごく思ってて、2年のときに準優勝で負けた時に私はスタンドで見ていて、負けた上に自分はスタンドにいて悔しい思いをして…。きょねんはベンチにいたんですけど、「えっ負けるの」っていう感じで終わっちゃって。やっぱりことしに入って自分自身少しずつ試合に関れるようになってきて、いまあずも言ったんですけど、試合に関りたいという気持ちはすごくあって、その中で優勝できるのが一番良いんですけど、今後自分自身サッカーを続けるというのもあって、それにつなげられるようなインカレにしたいし、このチームでインカレを最後笑って終われるようにしたいなというのはすごくあります。

大島茉 おととしもきょねんも試合に出させてもらったのに、負けたときに自分何してたんだろうという気持ちが強かったので、ことしは攻守においても、しっかりチームに貢献できるプレーをしていきたいし、インカレ自体を本当にやり切って終わりたいなと思います。

一原 私はもうサッカーをやるのが最後なので、優勝したいのはもちろんですけど、後輩たちにも今までやってきたことが良かったんだよという示しというのにもなると思うし、私たちがやってきたこともこれまでやってきたことが結果に表れて、これからの自信につなげられることだと思うので、優勝したいです。

――最後に意気込みを一言でお願いします

高須 一言にならないんですけど大丈夫ですか。私自身ことしに入って試合に関れるようになってきて、何度もくじけそうになって辞めようかなと思った時もすごくあったんですけど、何事もあきらめちゃいけないことが後輩に伝わっていれば良いなと思って、インカレでもあきらめなければ勝てるということが示せれば良いと思います。なので、絶対インカレを優勝できるように残り後2週間、その中でどれだけ気持ちを入れていけるかというのが大事だと思うので、頑張りたいと思います。

大島茉 いままでやってきたことを出し切って、最後優勝したいと思います。

一原 自分のプレー面では自分の仕事精一杯やってプレー以外でも後輩にちゃんと示せることがあれば示したいですし、そういうことをやっている子たちが強いというのは実感しているので、最後笑顔で終われたらと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 豊田光司、芦川葉子)

4年生として大学最後となるインカレ。それぞれの色紙に意気込みが表れています

◆DF大島茉莉花(おおしま・まりか)(※写真右)

1992年(平4)7月17日生まれ。身長159センチ。鹿児島・神村学園出身。スポーツ科学部4年。対談中は途中で詰まってしまうこともありましたが、一言一言にたくさんの想いを感じました。卒業後はなんとスペインに渡りサッカーを続けるそう。世界をまたいで活躍する大島茉選手の今後に注目です!

◆MF高須咲帆(たかす・さきほ)(※写真中央)

1993年(平5)2月22日。身長157センチ。福井工大附属福井出身。スポーツ科学部4年。対談でも持ち前の明るさで他2人のトークを引っ張っていました。ピッチ内外で仲間の良さを引き出すプレースタイルが高須選手の最大の特徴ですね。長野の地でも頑張ってください!

◆FW一原梓(いちはら・あずさ)(※写真左)

1992(平4)年8月4日生まれ。168.5センチ。宮城・常盤木学園出身。スポーツ科学部4年。オフは一人で過ごすことがほとんどだと話していた一原選手。後輩からは怖がられていると語っていましたが、先輩としても新人監督としても頼りにされていたはずです!