関東大学女子リーグ戦(関カレ)、今夏の成果を測る絶好の大会が始まる。4月に開幕した関東女子リーグ戦(関東リーグ)では、全14試合中12試合を終え9勝を挙げるなど、順調に首位に立っているワセダ。関カレでは5連覇という偉業に挑む。
ことしのワセダの武器は明確だ。他チームと比べると珍しい3バックという布陣。前線に枚数を掛けることでより攻撃的なチームづくりが可能となった。その戦術の礎となっているのが、『チーム内での共通理解』。シーズン当初から選手が最も口にしてきた言葉だ。実際に関東リーグにおいて、FWだけでなく様々な選手が複数得点を決めるなど、攻撃的な雰囲気がチーム全体から伝わる。先日行われた早関定期戦では大量16得点など、順調なチームづくりが伺える。
関東リーグでチーム最多8得点を誇る正野選手。攻撃の要となる
しかし、3バックという布陣は攻撃に大きなメリットを持つ反面、守備にリスクも抱えている。関東リーグでは相手のカウンターへの対応に課題が見られた。12失点という数字は、これまでと比べると決して少ないとは言えない。しかし、関東リーグ、そして合宿を経て、積極的なコミュニケーションがチームの共通理解は飛躍的に向上させている。DF小野田莉子主将(スポ4=宮城・常盤木学園)ら守備陣が、今季のワセダの猛攻を支える。
1年生ながらに関東リーグ全試合フル出場の奥川
この大会最大の山場となるのは、最終節の日体大戦であろう。27回の歴史を持つ今大会において、全チーム中最多16回の優勝を誇る強豪校だ。社会人チームも多く所属するチャレンジリーグにおいて、今季は13勝3分1敗、得失点差も+40と圧倒的な強さを見せている。2年前の全日本大学女子選手権では決勝で敗れるなど、ワセダにとって最大のライバルだ。日体大の特徴はその得点力。17試合51得点と群を抜いている。注意すべきは平田ひかり、植村祥子両選手だ。8月10日時点での得点ランキングでは2,3位に名を連ねる。ワセダの守備陣がこの2選手をどう抑え込むかに注目だ。名門・ワセダとは言え、5連覇への道は決して容易ではない。『皇后杯・インカレ優勝』という今季最大の目標に向け、この大会でしっかり頂点をつかんでおきたい。
(記事 芦川葉子、写真 桝田大暉、橘高安津子)