関東女子リーグ戦(関東リーグ)第3節の武蔵丘女子短大戦は、開幕2連勝と好調同士の対決となった。立ち上がりから攻めるワセダは16分にFW一原梓(スポ4=宮城・常盤木学園)のシュートで先制すると、続く20分に2点目を追加。しかし流れをつかんだと思われた45分、相手にFKからの失点を許し2-1で前半を終える。後半は相手にボールを回される場面があるも、その悪い流れを断ち切るべくFW平國瑞希(スポ1=宮城・常盤木学園)が追加点を奪う。3-1で勝利を挙げ、開幕3連勝とした。
先制点を決めた一原
大会3連勝を懸け臨んだ今節。ワセダの苦手とするアウェー戦であったが、開始から積極的に攻めの姿勢を見せると、16分に一原がカーブのかかった華麗なシュートを放ち貴重な1点目を奪う。そのままワセダのペースで試合が進むと、20分にはFW川原奈央(スポ2=兵庫・日ノ本学園)が相手DFを振り切り力強いゴールを挙げた。その後も攻撃の手を緩めることなく多くのシュートを放つも、相手に狭まれ得点につながらず。45分にはPA前で相手にFKを与えてしまい惜しくも失点するが、終始ワセダが試合の主導権を握るかたちで前半を終えた。
前節から後半でのプレーが課題とされていたが、今節でも運動量が落ちた後半は前半ほどの勢いは見られず、相手にボールを回される時間が続く。しかし、後半から出場した1年生FWの平國が79分にドリブルで相手をかわし、落ち着いて1点を奪った。後半での失点が目立った前節から一転、今節では決定打を許すことはなく無失点で抑えた。後半を振り返って一原は「無失点で抑えられたことは良かったが、相手が波に乗ってきた時に対応し切れず、体力面と集中力に課題がある」とさらなる課題を指摘した。
大学入学後初ゴールを決めた平國
今季からフォーメーションが変わり不安要素もあったが、前節からの課題もクリアし白星を飾ることができた。GWにはフィジカル強化を目的とした合宿が控えているが、そこではまた「サッカー面とその他についても共通理解を深めたい」とDF小野田莉子主将(スポ4=宮城・常盤木学園)は意気込んだ。この合宿を終え、成長したワセダの姿を次節の筑波大戦に期待したい。
(記事 中澤奈々、写真 丸山美帆)
※記事中に誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。
スターティングメンバ―
関東大学リーグ戦第3節 | ||||
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早大 | 3 | 2-1 1-0 |
1 | 武蔵丘女子短大 |
【得点者】(早)16一原、20川原、79平國 (武)45井 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 前所属 | 学部学年 |
GK | 1 | 三田一紗代 | 京都精華 | 社4 |
DF | 3 | 大島茉莉花 | 鹿児島・神村学園 | スポ4 |
DF | ◎4 | 小野田莉子 | 宮城・常盤木学園 | スポ4 |
DF | 5 | 松原有沙 | 大阪・大商学園 | スポ1 |
DF | 23 | 奥川千沙 | 静岡・藤枝順心 | スポ1 |
MF | 7 | 高木ひかり | 静岡・常葉学園橘 | スポ3 |
DF | →59分 | 大島瑞稀 | 宮城・常盤木学園 | 社3 |
MF | 8 | 権野貴子 | 宮城・常磐木学園 | スポ4 |
MF | 10 | 正野可菜子 | 兵庫・日ノ本学園 | 社3 |
FW | →45分 | 平國瑞希 | 宮城・常盤木学園 | スポ1 |
MF | 13 | 山本摩也 | スフィーダ世田谷 | スポ3 |
FW | 11 | 川原奈央 | 兵庫・日ノ本学園 | スポ2 |
FW | 14 | 一原梓 | 宮城・常盤木学園 | スポ4 |
MF | →81分 | 高須咲帆 | 福井工大附属福井 | スポ4 |
◎はゲームキャプテン 監督は福島廣樹(昭45教卒) |
コメント
DF小野田莉子主将(スポ4=宮城・常盤木学園)
――2連勝同士の対決で勝利を挙げられました。試合を終えて感想をお願いします
相手も2勝しているということで絶対に勝たなければいけない試合と思い臨みました。前半はそういう気持ちも出せて、個々の運動量も多く速いプレッシャーから速い攻撃というのができていたと思うんですけど、縦に速い攻撃だったためそこで体力を使ってしまい、後半になって少し運動量が落ちてしまいました。相手にフリーで持たせてしまう時間が長くなりましたが、その中でも後半は無失点で相手を抑えられて、しかも3点目をこちらが追加できたことは大きかったなと思います。
――相手の武蔵丘短大には2節を終えた時点で4得点を挙げている選手がいますが、DF陣として対策は
木曜にスカウティングをしていて相手の選手の特徴を見ていましたし、きょねんも何回か試合をして特徴も分かっていました。スペースを与えたらやられると思っていたので、そこはDF間で1人目がいって潰して、奪えなくても2人目がいこうと話していました。そんなに引き気味にならずに1人目からいこうと話していたので、相手に自由にさせなかったのは良かったのかなと思います。
――立ち上がりから多くのチャンスをつくっていき2点を奪いましたが、前半に関して
1節、2節と試合をやってきた中で、きょうの前半のサッカーが一番良かったと思います。
――2-0と順調に得点を重ねていた前半の終了間際に、FKから失点してしまいました。前節でも2失点を喫したセットプレーからの失点については
前節の失点は、自分たちのミスであったり少し集中が切れてしまったところからセットプレーを与えてしまったというのがありましたが、きょうに関してはそんなに下を向く必要は無いのかなと思っていて、失点というよりは失点の後に流れが悪くなってしまったのが反省かなと思います。失点されたのにそれまでと同じようなサッカーをしようとしてしまって、相手に詰められて低い位置で奪われるということがあったので、そういうときは一回大きく蹴ったりして打開できれば良かったなと思います。
――後半からは下級生含めたくさんの選手が途中出場しましたが、体力面でも厳しかった中でチームは活性化しました
体力面のこともあると思いますし、途中から入ったDF大島瑞稀(社3=宮城・常盤木学園)であったら、対人やセットプレーに強く中盤のプレッシャーが弱くなってたから入れたんだなという意図は感じました。
――相手にボールを持たれる時間が続いた中で、1年生のFW平國瑞希(スポ1=宮城・常盤木学園)選手が流れを変えるゴールを決めました
ずっと外していたので、やっと入ったなって(笑)。ようやく決めてくれたので、うれしいです。
――今節は3得点全てがFWの選手のゴールとなりました
FWの選手が決めてくれるとチーム全体としても波に乗ると思います。それでも逃しているシーンというのはきょうとても多かったと思うので、もっと決めるところは決めて楽な試合展開ができるようにしていきたいなと思います。
――1週間後には合宿が控えていますが、どんな点を改善していきますか
合宿はとりあえずフィジカルを強化するということと、サッカー面に関してもサッカー外についても共通理解を深められる場にしていきたいです。しっかり走って、これから走り負けない体をつくっていきたいなと思っています。
FW一原梓(スポ4=宮城・常盤木学園)
――3-1の快勝となりました。試合を終えて率直な感想をお願いします
無失点で抑えられたことは良かったと思うんですけど、やっぱり相手が波に乗ってきたときに対応し切れなかったかなとは思っていて、体力面と集中力というのはもう少し課題があるかなと思います。
――武蔵丘女子短大の印象というのは
足元がすごくうまくて、こちらのDFが一つでもタイミングがずれてしまうと相手のパスがうまくて回されてしまうというイメージがあったので、そこで前からプレスを掛けるという意識はありましたが、後半は少し崩れてしまいましたね。
――立ち上がりから多くのチャンスをつくれていましたが、その中でご自身が先制点を決められました
FWもしっかり前からプレスを掛けようと決めていたのができたのは良かったですし、先制点を決めることができてすごくほっとしました。あんまり意識はしていなかったんですけど、気が付いたらああいうシュートになっていました(笑)。入って良かったです。
――前半はチャンスが多くあった中で、惜しい場面も多くありました
結構右サイドが空いていたのに得点に結び付けられなかったというのが反省点になりますね。
――後半はボールを回されてしまう時間ができてしまいました
個人的な反省になってしまうんですけど、後半私がトップ下にいた時にもう少し前に出て相手のボランチを見ることができたら、後ろももう少しやりやすかったのかなということがあります。
――悪い流れを断ち切るように1年生のFW平國瑞希(スポ1=宮城・常盤木学園)選手が3点目を決めました
自分も刺激を受けますし、負けられないという気持ちにもなります。
――今節の3得点全てがFW陣ということについては
本当に良かったです。前節は決められなかったので、今節こそはという思いで臨みました。
――次節は1週間空いてアウェーの筑波大戦となりますが、意気込みをお願いします
合宿があるので、そこでフィジカルを強化してチームの共通理解も増やして、さらにレベルアップできたらと思います。
DF松原有沙(スポ1=大阪・大商学園)
――きょうの試合を振り返って
前半のいい時間に先制点を決めることができたのですが、その後なかなかチャンスを決め切れず、苦しい時間があり前半の終盤に失点してしまったのは残念です。結果としては3-1で勝てたのでそこはプラスに考えたいです。
――今季セットプレーからの失点が課題の1つとしても挙げられると思うのですが、DF陣の最終ラインからみて
狙える位置ではなく、相手が合わせてくると思われる所はDFのラインを合わせて相手が蹴る前にラインを下げてしまっていたのですが、そこを修正してカバーするということは話し合いました。
――同様の課題として後半に失点が目立っていましたが、きょうの試合では無失点で終えることができましたが、課題は克服できたということでしょうか
後半に少し間延びするところがあったと思うんですが、そこをみんなで声を掛け合って無失点にできたので良かったです。
――2節を終えて得点王の選手が武蔵丘短期大にはいましたが、その選手の印象について
スピードがある選手だったので少し距離を取るようにしたり、周りにもカバーを掛けてもらえるようにしました。
――今季、自身の目標をお願いします
最初は無失点と決めていたのですが既に失点してしまったので、これからを無失点で抑えるのとしっかり自分のプレーをしてチームに貢献していきたいと思います。
――GWの合宿に対する意気込みは
合宿の目的がフィジカル強化とコミュニケーションを取ることなので、その目的をしっかり果たせるように頑張りたいです。
――次節、筑波大戦に向けて一言
筑波大はインカレ上位をとって自分たちより上のレベルだと思うので、チャレンジャーの気持ちをもってワセダらしいサッカーをしていきたいです。
FW平國瑞希(スポ1=宮城・常盤木学園)
――本日は後半からの出場となりましたが、どのような気持ちで試合に臨まれましたか
FWなので、とにかく点を取ろうという気持ちで臨みました。
――公式戦初ゴールとなりましたが、振り返って
1節、2節とチャンスを外していたので、きょう決められて良かったです。
――今回、1節、2節と比べて長く出場されていましたが
きょうは特別に出られたので、もっと結果にこだわってやっていきたいです。
――きょうのシュートは後半の悪い流れを断ち切るシュートでしたが、意識されていたことは
前半は流れが良かったのですが、後半の初めは悪かったので、流れを変えなければと思って裏に飛び出しました。
――開幕3連勝となりましたが、ご感想は
まだまだ私は決めるべきところで決められていないので、チームのために、自分の得点で勝てるようになりたいです。
――GWに合宿をなさるそうですが、どのようなところに取り組んでいきたいですか
フィジカルを強くして、1対1で負けない体作りをしていきたいです。
――ご自身の今季の目標は
FWとして、得点という形でもっとチームに貢献していきたいです。
――次節、筑波戦へ向けての意気込みをお願いします
途中出場だとしても、得点を取れるように、練習からもっとアピールして、筑波大戦に出られるよう頑張りたいです。