関東大学女子リーグ戦(関カレ)第3節、対するは大東大。試合は相手の守備的布陣に苦戦し前半をスコアレスで折り返すも、試合終了間際の85分に途中出場のMF山本摩也(スポ2=スフィーダ世田谷)のFKが直接決まり劇的勝利。勝ち点を伸ばしワセダは単独首位に立った。
勝ち点で並ぶ関東学園大を突き放すために確実に勝利が欲しい一戦。序盤からワセダはボールを支配するも、なかなかゴール前でのチャンスをつくり出せない。引いて守る相手に対し、パスが前線まで通らず苦戦する。30分頃からようやくFW川原奈央(スポ1=兵庫・日ノ本学園)のクロスにFW瀬口七海(スポ3=兵庫・日ノ本学園)がヘディングで合わせるなどゴールに迫るシーンが見られるようになるが、決定的なチャンスに結び付けられず無得点のまま試合は後半へ。
チームに勝利をもたらす華麗なFKを決めた山本
両翼を替え挑んだ後半。MF渡井汐莉(スポ4=鹿児島・鳳凰)のFKを起点に、MF正野可菜子(社2=兵庫・日ノ本学園)がヘディングシュートを放ち、再びFKからDF千葉梢恵主将(スポ4=宮城・常盤木学園)が頭で落として瀬口が走り込むもシュートは枠を捉えず。セットプレーからチャンスをつくり出すも1点が奪えない時間が続く。このまま引き分けるかに見えた試合終了間際、ゴール前正面の絶好の位置でFKを得る。相手は壁8枚で対応してくるが、千葉梢主将のフェイントの後、途中出場した山本が蹴ったボールは緩やかなカーブを描きゴール右隅へ。「自信があった、コースもしっかり捉えられていた」(山本)という言葉通り、GKは全く動けないままボールはゴールに吸い込まれ、山本の関カレ初ゴールが決まった。そのまま試合は終了し、1―0で大東大を下した。
鉄壁のDF陣を統率する千葉梢主将
同時刻に行われた試合で関東学園大が引き分けたため、ワセダは単独首位に立つことに成功。しかしこの後も負けられない戦いは続く。関東学園大は2位に退いたものの、宿敵・日体大が同率2位に浮上してきたため上位争いはさらにし烈を極めることが予想される。次節は、今季2戦2分で勝利を挙げられていない筑波大戦となるが、「プレーをもっと丁寧にやり一つ一つこだわってやれば自然に得点につながる」(千葉梢主将)、「苦手意識を払拭(ふっしょく)してしっかり勝ち切りたい」(山本)と自信は十分。白星を積み上げた先には関カレ4連覇、そして大学サッカー女王の称号の奪還が見えてくるはずだ。
(記事 芦川葉子、写真 大口穂菜美)
結果
○早大1―0大東大(0―0、1―0)
【得点者】85山本
※現在の順位=1位
大東戦スタメン表
早大メンバー | ||||
---|---|---|---|---|
位置 | 背番号 | 名前 | 前所属 | 学部学年 |
GK | 1 | 三田一紗代 | 京都精華 | 社3 |
DF | 2 | 石田みなみ | 静岡・常葉学園橘 | スポ4 |
DF | 3 | 千葉望愛 | 浦和レッズレディースユース | スポ4 |
DF | ◎4 | 千葉梢恵 | 宮城・常磐木学園 | スポ4 |
DF | 13 | 大島茉莉花 | 鹿児島・神村学園 | スポ3 |
MF | 6 | 渡井汐莉 | 鹿児島・鳳凰 | スポ4 |
MF | → | 大島瑞稀 | 宮城・常磐木学園 | 社2 |
MF | 7 | 高木ひかり | 静岡・常葉学園橘 | スポ2 |
MF | 8 | 福沢真菜美 | 北海道・室蘭大谷 | スポ4 |
MF | →HT | 正野可菜子 | 兵庫・日ノ本学園 | 社2 |
FW | 10 | 大宮玲央奈 | 浦和レッズレディースユース | スポ4 |
FW | → | 山本摩也 | スフィーダ世田谷 | スポ2 |
FW | 9 | 瀬口七海 | 兵庫・日ノ本学園 | スポ3 |
FW | 11 | 川原奈央 | 兵庫・日ノ本学園 | スポ1 |
FW | →HT | 権野貴子 | 宮城・常磐木学園 | スポ3 |
コメント
DF千葉梢恵主将(スポ4=宮城・常盤木学園)
――試合を振り返って感想をお願いします
点数を見てわかるように前半は0点だったし、なかなか(ゴールが)入らなくて、もうちょっとチャンスで決めなきゃなと…。きょうはあんまりチャンスはなかったんですけど、プレーが少し雑になってしまったので、もう少し一つ一つ丁寧にやっていかなきゃいけないかなと思います。
――いままで無失点で関カレを勝ち進んでいますが、ディフェンスの精度はいかがですか
きょうは雨だったし、カバーリングとかをしっかり意識してやろうと言っていたんですが、それは結構やれていたので良かったと思います。きょうの試合に関しては、前回クリアが小さくなってしまったのでそういうところも反省してクリアは大きくいこうという話をしていて、それが結果につながったかなと思います。
――主将から見て、今季のチームの調子はいかがですか
まだまだできると思うし、もうちょっとたくさん点を取れるチームだと思うので、点を取れるようになってくれば調子が上がってくるんじゃないかなと思います。まだまだ上がれるかなと感じています。
――次節に当たる筑波大は今季まだ勝利を挙げられていない相手ですが、次戦に向けて課題と意気込みを教えてください
きょうのように相手が守備を固めてくる試合が予想されるので、プレーをもっとしっかり丁寧にやるということを意識して、一つ一つこだわってやれば自然に得点につながるんじゃないかなと思っています。
MF高木ひかり(スポ2=静岡・常葉学園橘)
――試合を振り返っていかがですか
ほとんどボールを支配していたんですけど、ゴール前で良いチャンスをつくり出す機会が少なくて、サイドで終わってしまう形が多かったです。ハーフタイムにコーチに、ボランチが全体を見て空いているスペースにボールを散らせって言われたんですけど、それもなかなかできなくて、課題の残った試合だったなと思います。
――ボランチから前線へパスがつながっていない印象を受けました
バランスがうまく取れていなくて、両方上がってしまうことだったり引いてしまうことだったり、そういうのがチームにも伝わったのかボールがうまく収まらなくて。ボランチが起点になって展開してゲームをつくっていくポジションだと思うので、そういうことをやっていかないと次の試合には勝てなくなってしまうので改善していきたいです。
――高木選手はダブルボランチでのプレーが続いていますが手応えはいかがですか
ボランチ2枚のときは基本的に攻撃参加を意識していて、汐莉さん(MF渡井、スポ4=鹿児島・鳳凰)がアンカーになるんですけど、きょうは相手が引いてることもあって二人とも上がろうとしてしまいました。後ろの中盤の空いたスペースでバランスを取って、ボールを散らすことを考えてプレーできたら良かったと思います。状況判断をしっかりできていなくて、まだまだボランチとしては未熟だなと思います。
――大東大の印象を教えてください
勝てると思っていたんですけど、相手が引いてくることはわかっていたので、それをどう崩すかということにチームとしても個人としてもあまりうまくできていなかったと感じます。
――次節は今季2戦2分の筑波大との対戦となりますが意気込みをお願いします
苦手意識を持ってしまったら相手も立ち上がりからガツガツ来ると思うので、積極的に前からプレスを掛けて前線から奪いに行けば、得点を奪うことができると思います。きょういろいろ課題が出た分、自分が試合に出たときには、チームの中心として攻撃を組み立てていけたらいいなと思います。
MF山本摩也(スポ2=スフィーダ世田谷)
――ベンチから見ていた前半は
スカウティングもしていたんですけど、相手は前半良いということでやっぱり立ち上がりから勢い良く来ていました。ワセダはチャンスらしいチャンスは少ない中でもボールを保持できていましたが、今一つシュートまでの形がいけてなかったので、もし自分が出たらもっとボールを動かしていきたいなと思っていました。出る前にも監督(長岡義一監督、昭43商卒=京都・山城)から言われていて、自分も意識していたので、自分が入って流れを変えたいなと思いました。
――FKはあの場所を狙っていましたか
練習の中では汐莉さん(MF渡井、スポ4=鹿児島・鳳凰)やこずさん(DF千葉梢恵主将、スポ4=宮城・常盤木学園)だったりが蹴っていて、きょうのあの時もこずさんが蹴るかなと思ったんですけれども、こずさんが蹴っていいよって言ってくれました。自分でも自信がありましたし、コースもしっかり捉えられたので、決められて良かったです。
――次節は筑波大戦となりますが、今季まだ白星を挙げられていません
結果を見て分かる通り勝ててないし、苦手というのもありますが、それを言っていたらいつまでも勝てないので、次で払拭(ふっしょく)するというか、しっかり勝ち切りたいと思います。