知られざる日々の鍛錬に迫る

ワンダーフォーゲル

 体育各部、というと試合に出て結果を残すために日々奮闘しているイメージが強い。しかし体育各部の中には試合がない部活もある。ワンダーフォーゲル部がその一つだ。部員は年7回の合宿を中心とした活動に備えて毎日トレーニングを行っている。今回は早朝トレーニングに密着し、生身のワンダーフォーゲル部に迫った。

 早朝の戸山公園。ひときわ静かなこの時間帯に続々とワンダーフォーゲル部の部員が集まってくる。ワンダーフォーゲル部では登山や沢登りなどのアクティビティに必要な力を鍛えるため日々トレーニングに励んでいる。6時40分という早い時間でも眠気を一切見せずに各自がストレッチに励む姿からは活動への士気が高まっている様子が見られた。

この日は下半身強化のトレーニングを行った

 7時になり集合がかかるとストレッチのときは笑顔を見せていた部員も別人のように引き締まった表情を見せる。そして間もなく軽いランニングに移り、全員が帰ってくるとトレーニングが始まった。トレーニングは医療トレーニング係が毎回違うメニューを考え、先導する。今回は下半身中心のメニューであり、スクワット、フォアードランジ、サイドランジなどをそれぞれ20回、3タームこなす。全てこなすには根気が必要なトレーニングだが全員が円になり、顔を見合わせ、互いに声を出し合って鼓舞していくことで苦しさを乗り越えていく。トレーニングが終わると20分間のランニングを行った。夏合宿が近かったため夏合宿での班に分かれて行い、メンバー同士の連携を図る。ランニングでは男女の部員の間で速さに差が見られたが「山では男女一緒にやる」(小林麻衣子、教4=神奈川・湘南)ことを意識し、全員がそれぞれのペースで自分の限界を高めるためにランニングを行う。体育部出身ではない部員も多いワンダーフォーゲル部。体力に差はあるが、だからといって妥協する姿は見られない。ここでの頑張りは全て山で自分の身を守ることに繋がっていることを熟知しているからだ。持久力を強化したあとは最後のメニューである筋力トレーニングとダッシュに移った。筋力トレーニングでは片足や手押し車の態勢で決められた範囲を動く。さまざまな声が飛び交う中、全員で出し切れ、との声も飛んでくる。全員で活動を全うすることに意義があり、その意識を練習の時点から持ち続けていた。

各自が自分のペースで走り続ける

 練習の成果は試合のようにわかりやすい形では表れない。しかし「前の合宿よりもその次の合宿でちゃんと動けるように」なると小林が語るように部員は確かな手ごたえを感じている。日本のありとあらゆる自然を踏破するため、ワンダーフォーゲル部はきょうも進み続ける。

自分の限界を超えようと毎日練習に励む

(記事 茂呂紗英香、写真 加藤佑紀乃)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

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コメント

小林麻衣子(教4=神奈川・湘南)

――火曜日と金曜日が朝練習ということですが朝早くからの練習は大変ではないのでしょうか

今までは空きコマにやるという形だったのですが全員でやった方がモチベーションが上がるということなので朝は結構きついんですが、(部員が)本キャンの学生で授業も結構ある人が多いのでその中でみんなが集まれる時間というと朝と夕方にやるのがベストかなと思ってやっています。

――やはり全員でやることに意義があると

そうですね。やはり分かれ(て練習をす)ると少人数になってしまうのでそれで盛り上げていくよりはこの24人でやった方が盛り上がるということなので。

――日頃どのような点に意識して練習を行っていますか

登山は基本的に競技ではないので競技力を上げるというよりは体力を上げるということなんですけど、体力というのも走るメニューを中心にやっていてどっちかというと筋力の方が主要で、前までは走るのが中心だったのですがやはり下半身の筋力強化というのを今は中心にやっているという感じですね。

――トレーニングの成果が生かされていると思うときはどのようなときですか

目で見える成果が出る場所がなかなか少ないのですが合宿に行くときに前の合宿よりもその次の合宿でちゃんと動けるようにだったりだとか山の中でついて来れるようになるというときですかね。

――女子部員が男子部員と同じメニューをこなすことの大変さがあると思うのですが

そうですね。基本山では男女一緒にやるので人数が少ないのでトレーニングを分かれてやるのもどうかなというので一緒にやっているんですけど筋トレも自重だしランニングも遅かったら遅かったで自分のペースで出来るので置いていかれるのはつらいんですけどみんなでやった方がいいんじゃないかなというので一緒にやっています。