第1回は男子フリースタイルの1、2年生。61キロ級の山口太一(スポ2=東京・自由ヶ丘学園)、70キロ級の計良涼介(スポ2=埼玉・花咲徳栄)、79キロ級の山路健心(社1=和歌山北)のフレッシュな3人だ。笑いが絶えず、3人の仲の良さが伝わってくる対談となった。
今年を振り返ると
東日本学生リーグ戦出場時の計良
――まず、恒例の他己紹介をお願いします
計良 健心は性格はお調子者で、おばちゃんみたいな髪型してるけど、意外と強いので結果は期待できると思います。メダルに何かの色は付いていると思います(笑)。
山路 太一君は中学校の時から知っていて、普通に仲良くて優しいです。真面目で練習も頑張っているので、今回も期待できるかなと思います。
山口 涼介と言えば努力というのが似合うというのは嘘で(笑)、天才というか、センスというか何をやってもできそうだけどちょっと…。そういうところがいいところなんですけど、いい同期だと思います(笑)。
――最近ハマっていることってあったりしますか
山路 サッカーですね。
計良 最近はイルミネーションが始まってきたので、各地のイルミネーションを誰ととは言わないけど、回っています(笑)。
山口 自分は本屋行って本を読もうかなと思って何冊か本を買うっていうのが最近やったことです。
――本のジャンルなどは
山口 ミステリーです。東野圭吾とか。
計良 『マスカレードホテル』とか?
山口 それは読んでない(笑)。
――次に今年1年の振り返りに移ります。今年1年に点数をつけるとすると、何点になりますか
計良 50点くらいですかね。今年夏がケガだったり何だりで練習も試合もやっていなかったので、出てすらいないし、出たのも微妙だったということで、50点くらいですね。
山口 40点くらいです。今回は1回も優勝がなかったですし、ケガで出られていないという大会も多かったので。40点というのは自分的に成長できたかなと思ったので、未来を見据えた大会になったかなと思います。
山路 75点で。
一同 おー。
山路 勝つべきところしっかり勝って、格上には勝てなかったですけどそこそこ可能性が見えたというのもありますし、最近の秋の新人戦で上の階級に出て優勝したし、MVPももらったし、良かったかなと思います。
――今年いい意味で印象に残っている試合は何ですか
計良 1試合しか出ていないので簡単なんですけど、自分が最後の5秒くらいまで勝っていて、最後普通に相手が勝ちたそうだったので諦めちゃってラスト5秒くらいで負けちゃったんですけど、その相手が全日本優勝したので、実質全日本チャンピオンかなと思います(笑)。
山口 自分は明治杯でずっと高校からのライバルだった選手を10-0でぼこせたことが印象深いですね。
山路 一番頑張ったのはリーグ戦の拓大戦です。決勝リーグの拓大戦で出たんですけど、もとから出る予定なくて急きょ出ることが決まって、相手も4年生ということで勝てるかなというところで、チームの初戦で緊張したんですけどしっかり勝てて、リーグ戦の面白さを実感したので、それが一番印象に残っています。
――逆に悪い意味で印象に残っている試合、悔しかったなという試合は何ですか
山口 自分は間違いなくJOCの決勝ですね。決勝で負けたので、それが一番です。勝てそうでしたし、モチベーション高かったので、勝てるだろうなというのが一番強い大会だったので、そこで負けたのが悔しかったです。
計良 自分はリーグ戦を思い返したんですけど、やっぱりJOCかなって。それで勝っていれば実質ではなくて普通に(チャンピオンと)言えたので、諦めなければ良かったな、気持ち弱いなと思いました。
山路 春の新人戦のグレコの決勝です。あれ勝ってたら気持ち良かったなって。悔しいですね。
――次に、自分自身の強みや得意技を教えてください
計良 自分は絡みついたり、相手と近いところが好きなんですけど、大体足かかったらポイント取れるので、試合でもなんとか頑張ろうかなと思います。
山口 僕は片足タックルが強みで、マットでの集中力も自分にあると思っています。
山路 強みというよりかは特徴なんですけど、格上でも格下でも手堅くいく感じが自分かなと思います。誰に対してもリスクないようにいくのが自分かなと思います。
――それぞれライバル視している選手はいますか
計良 今大会は第2シードの選手で大野恵太郎(日体大)さんという人がいるんですけど、その人に昨年の4年生の米澤凌(令4スポ卒)さんがテクニカルで勝っているんですけど、自分がその後同じ大会の凌さんの引退試合で勝っているので、これは勝ちたいなと思います。
山口 僕は明治杯で10-0で勝ったと言った田南部魁星(日体大)で、その人が今回61(キロ級)で、自分も61(キロ級)に上げて出場するので、その人が今61(キロ級)で結果出しているので、もう一回勝ちたいなと思います。
――61キロ級に上げた意図は何ですか
山口 57(キロ級)だと体重的にきつくて、今回は61(キロ級)にしました。
――山路選手はどうですか
山路 ライバルというか、自分がやってきた階級の同じチームにいる深田雄智(スポ3=千葉・日体大柏)さんと山倉孝介(スポ3=千葉・日体大柏)さんはいいターゲットかなと思います。あまり言えないけど、ひそかに狙っています(笑)。
めっちゃいいっす(山路)
東日本学生選手権で春秋連覇を達成した山路
――次は、山路選手にお聞きします。早大に入学を決めた理由を教えてください
山路 高校の時は和歌山にいたんですけど、毎年8月に和歌山で大きな合宿をやっていて、2個前の早稲田の監督(太田拓弥氏)が和歌山出身ということでずっと早稲田の選手を連れてきていたんですよ。その時に早稲田の人とかにやってもらって、いいなと思ってひかれました。あとはブランドでいい名前だなって(笑)。
――お二人はどうですか
計良 もともとレスリングやるのは決まっていたのですが、本気ではやらないと思っていて、慶應と早稲田で悩んでいて、どっちからも声をかけてもらって、最後くらい頑張ろうかなと思って早稲田にしました。
山口 僕はゆくゆくはコーチか教員目線で考えて、スポーツを学びたいなと思って早稲田を選んだのと、そこに早稲田はレスリングが強いということでいいこと2つあるみたいな感じで入りました。
――実際に入学して1年が経ちましたが、どうでしょうか
山路 めっちゃいいっす。人が少ないというのもあって濃い関係というか、上下関係もいい意味でそんなに厳しくなくて楽しくやれているので、練習も楽しいし、めっちゃいいっす。勉強は付いていくのは大変ですけど、4年で卒業できたらいいなと思います。
――山路選手は、中大に双子の兄の太心君がいると思いますが、意識したりはするのですか
山路 試合は見ます。来年もしかしたら階級が同じになるので、対戦するかもしれないというのはあります。気になるっちゃ気になりますね。
全日本選手権へ向けて
明治杯全日本選抜選手権出場時の山口
――全日本選手権への話に移ります。まず、それぞれの目標を教えてください
計良 自分は今まで出た大会全部3位だったので、今回も3位かそれ以上、3位は守りたいと思います(笑)。
山口 メダルはほしいなと思っていますね。調子良かったら実力的に優勝も狙えるんじゃないかと思うので。
――早大から61キロ級に3人出ると思うのですが、それに関してはどうですか
山口 体重的にも動きがいいというのがあって、調子もいいので、勝てるかなと思っています。練習ではそんなに勝ったことはないんですけど、本番で勝ちたいです。
――山路選手はどうですか
山路 一番は上の階級で体もできていなくて小さいのでケガだけしたくないですね。結果はメダル取れるか、四つ角にシードで強い人がいるのでその人らを一人でも倒せたらなと思います。
――今は何に重点を置いて練習していますか
計良 自分は体重が足りないので筋トレ頑張っています。
――やはり体重の調整は難しいですか
計良 自分は下が65キロなんですけど、65キロに落とすとせっかく付けた筋肉がなくなっちゃうので、自分はレスリングより見た目重視でかっこいい体を目指して70にしたので、それは目標にそって筋肉を付けていい体を作りたいと思います(笑)。
――食事も調整したりしますか
計良 全くしないですね(笑)。筋トレしていればある程度付くので。
山路 野菜食わんやん(笑)。
計良 でも最近ビタミンCのサプリ買いました。いつもカレーもたまねぎ1個ずつ抜いています(笑)。
山路 まじビーガンの真逆や。
一同 (笑)。
――山口選手、山路選手はどうですか
山口 僕はタックル処理が課題ですね。この前の内閣(全日本大学選手権)でそれが見つかったので、課題に従って今やっています。
山路 自分は技術というよりかは試合展開で、勝っている、負けているとか、場外際でどれだけ失点を減らせるかとかを意識しながらやって、最後負けていたら自分で取れるように練習しています。
――試合前のルーティンはありますか
計良 対戦相手の前で寝っ転がっていますね。相手がそうすると熱を入れてアップして勝手に疲れてくれて、自分はただ休んでいるだけで疲れないので、その分いなしやすいというか。感情も相手が勝手に「あんな余裕ぶっこいてふざけんな」みたいになってくれるので全部こっちの思うツボという感じですね。
山口 僕は試合前にしっかり栄養補給するということを心掛けていて、それ以外だとないかなと思います。
山路 絶対試合前にブドウ糖取ります。ラムネあるじゃないですか、あれをめっちゃ食って頭さえた状態で行きます。
――最後に意気込みをお願いします
計良 年最後の試合なので、ここでいいところ見せて結果出したら多分みんないろいろ買ってくれるので、ここはプロとして結果出したいかなと思います。
山口 僕は結果も大事なんですけど、自分の思うようなレスリングしたいというのがあって、シンプルに楽しみたいし、最後の大会なので満足して終わりたいというのはあります。
山路 正直いい1年だったので、変な負け方したくないというか、負けたとしてもいい感じに終わっていい年にしたいです。
計良 勝ったらお年玉弾んじゃうよ。勝ったらおばあちゃん喜んじゃうから。
山路 倍くれるかな(笑)。
――質問は以上です。ありがとうございました!
(取材・編集 齋藤汰朗)
色紙に決意を書いていただきました
◆山口太一(やまぐち・たいち)(※写真中央)
2002(平14)年10月13日生まれ。男子フリースタイル61キロ級。東京・自由ヶ丘学園高出身。スポーツ科学部2年。最近は読書をすることが趣味だという山口選手。自身の武器だと語るマット上での集中力も、読書で養われたものなのかもしれません。全日本選手権では、ここ一番の集中力で表彰台を狙います!
◆計良涼介(けら・りょうすけ)(※写真右)
2002(平14)年12月7日生まれ。男子フリースタイル70キロ級。埼玉・花咲徳栄高出身。スポーツ科学部2年。カレーの野菜を1個ずつ抜いていたり、対戦相手の前で寝っ転がって相手に変に気合いを入れさせようとしたりと、独特な生態が明らかになった計良選手。今年最後の試合をいいかたちで締めくくります!
◆山路健心(やまじ・けんしん)
2003(平15)年12月19日生まれ。男子フリースタイル79キロ級。和歌山北高出身。社会科学部1年。東日本学生選手権で春秋連覇を達成するなど、1年生ながら強さを発揮している山路選手。今回の対談では、「おばちゃんみたいな髪型」といじられるなど、先輩方に愛されているのが伝わってきました