ルーキー計良が3位入賞! 早大4人目の表彰台へ

レクリング

  明治杯全日本選抜選手権(明治杯)第3日目。この日は、フリースタイル65キロ級に安楽龍馬(スポ4=山梨・韮崎工)と計良涼介(スポ1=埼玉・花咲徳栄)、フリースタイル57キロ級に島谷侃(スポ3=秋田商)が出場した。安楽は初戦をフォール勝ちで突破したものの、準決勝で最後の最後に逆転を許し無念の敗退。島谷はシニア選手を相手に実力を出し切れず白星を挙げることができなかった。一方で、ルーキーの計良は2回戦で2020年天皇杯全日本選手権(天皇杯)王者に敗れるも、その後の順位決定戦を勝ち進み、3位入賞。シニアデビュー戦で実力を見せた。

 シニア初挑戦となった島谷は「対戦する選手は実力が上。胸を借りるつもりで」と今大会に臨んだ。初戦は2018年天皇杯で61キロ級を制した藤田雄大(自衛隊)に0-11と完敗。その後の順位決定戦でも相手に試合の主導権を握られ、ポイントに繋がる技を仕掛けることができなかった。3-10で敗れ、シニア選手との実力差を痛感する結果となったが「リベンジしたいというモチベーションを得た」と島谷。まずは学生タイトル獲得、そしてその先の天皇杯出場に向け、気持ちを切り替えた。

藤田雄大と対戦する島谷

 昨年の天皇杯で山口海輝(日体大)に敗れ準優勝に終わった安楽は、今大会で優勝し山口との世界選手権代表決定プレーオフ進出、そして代表権獲得を目指した。2回戦から登場すると、諏訪間新之亮(国士舘大)に残り1秒からフォール勝ちを収めた。「嫌でも通るべき場所」と覚悟を決めて臨んだ準決勝は、米澤圭(平30スポ卒=現・住友金属鉱山)との同門対決に。試合終盤までは安楽が4-2とリードしていたが、最後の組み合いで体勢を崩され、2点を献上。すぐさまビデオ判定(チャレンジ)を要求するも、結果は覆らなかった。このチャレンジ失敗によってさらに1失点し、安楽は4-5で準決勝敗退。土壇場での逆転負けに「最後油断をしてしまい、過去の自分の悪い癖が出てしまった」と悔しさをあらわにした。

同門の米澤圭から場外ポイントを奪う安楽

 上級生が苦戦する一方、早大選手としての初めての大会となった計良は、大会3日目唯一のメダリストに。初戦を残り10秒からの逆転勝利でスタートすると、2回戦では山口海輝(日体大)と対戦。昨年の天皇杯王者に終始ペースを握られ攻め入ることができず、0-10とテクニカルフォール負けを喫した。しかし「冷静に、時計を見ながらしっかりと考えて試合が出来た」という言葉通り、敗者復活戦を勝ち上がって迎えた3位決定戦では、第2P序盤から1点を追う展開が続く中、ラスト1分で片足タックルを決めて3-2と逆転。そして試合終盤、相手の猛攻をしっかり対処した計良は、接戦をものにするとガッツポーズを見せた。

1回戦でポイントを奪う計良

 3位入賞という好成績を残した計良だが「メダルを取れたのはとても大きいこと。しかし、試合に負けたのは変えようのない事実。次は負けないよう練習していきたい」と慢心はない。また、今回悔しさを味わった安楽と島谷は、敗戦を糧にし、今後どこまでレベルアップしていくか。これから先に待つ全日本学生選手権(インカレ)や天皇杯全日本選手権でのタイトル獲得に期待したい。

(記事 鬼頭遥南、写真 日本レスリング協会)

結果

▽フリースタイル57キロ級
島谷 5位
1回戦   ●0-11藤田雄大(自衛隊)
順位決定戦 ●3-10新井陸人(自衛隊)

▽フリースタイル65キロ級
安楽 準決勝敗退
2回戦   〇5-2諏訪間新之亮(国士舘大)
準決勝   ●4-5米澤圭(住友金属鉱山)
順位決定戦 ●(治療のため、不戦敗)

計良 3位
1回戦   〇5-4徳力貫太(専大)
2回戦   ●0-10山口海輝(日体大)
順位決定戦 〇4-0磯次郎(自衛隊)
3位決定戦 〇3-2中田陽(いなべ総合学園高教)

コメント

安楽龍馬(スポ4=山梨・韮崎工)

――試合を終えた心境をお聞かせください

 優勝をして世界選手権に出られるように、この大会に絶対的な自信を持って臨んできましたが、最後油断をしてしまい、過去の自分の悪い癖が出てしまいました。とても悔しい。勝ちに対する想いがまだまだ足りませんでした。

―― 準決勝は同門対決となりました。お互い手の内を分かっている中で、どのような試合を展開しようと考えていましたか

 レスリングの先輩でもあり大学の先輩でもある方と試合というのは嫌でも通るべき場所だと覚悟していました。だからこそ僕の強みでもある、創造力を信じて考えるのではなく、直感を信じて試合展開をしようと考えていました。

――今後への意気込みをお願いします

 すべてが学生最後の試合になります。悔いのないように頑張っていきたいです。
11月に行われる内閣総理大臣杯全日本大学選手権で団体日本一になれるようにまた練習します。

島谷侃(スポ3=秋田商)

――今大会、どのような気持ちで臨まれましたか

 対戦する選手は実力が上の選手だったので、胸を借りるつもりで臨みました。

――試合内容を振り返っていかがでしたか

 もっと互角の試合ができると思っていたのですが、シニアの選手とあって実力差がありました。自分の実力はまだ学生レベルでしかないことを実感しました。

――新井陸人選手(自衛隊)との対戦について。第2ピリオドで突き放されてしまいましたが、敗因はどのよう点ですか

 終始相手のペースで試合運びをされたことです。相手の組み手に合わせていたせいで体力を削られてしまい、得点に繋がる技を仕掛けられなかったです。

――今日の収穫と今後への意気込みを教えてください

 シニアの選手との実力差を実感して非常に悔しいですが、リベンジしたいというモチベーションを得られました。気持ちを新たにまた一から自分のスタイルを築き直して、今年の学生タイトルを獲得し天皇杯に出場してリベンジします。

計良涼介(スポ1=埼玉・花咲徳栄)

――今大会、どのような気持ちで臨まれましたか

 今回初めてのシニアの大会で、チャレンジャー精神を持って積極的な試合がしたいと考えながら試合に臨みました。

――試合内容を振り返っていかがでしたか

 試合内容としては、減量が上手く出来なかったこともあり、足が上手く動かず、決していい内容とは言えないです。しかし、その分頭を使って冷静な試合が出来ました。そのような点は継続したいです。

――3位という結果をどのように受け止めていますか

 今回、初めてのシニアの大会ということもあり、メダルを取れたのはとても大きいことだと思います。しかし、試合に負けたのは変えようのない事実なので、次は負けない様、練習していきたいです。

――3位決定戦について。第2ピリオドで逆転に成功しましたが、勝因はどのよう点ですか

 勝因は冷静に、時計を見ながらしっかりと考えて試合が出来たことだと思います。時間を見れるだけの心の余裕があったことは今回の勝因の大部分を占めると思います。

――今日得た収穫と課題、また今後への意気込みを教えてください

 今日の収穫はシニアのレベルを知れたことです。課題は体力をつけることです。今後、全日本トップの選手にも勝っていけるような実力をつけて、優勝を目指していきたいです。