【連載】天皇杯全日本選手権直前特集 第2回 齋藤隼佑×宇井大和×松本直毅×野本州汰

レクリング

 最上級生としてグレコローマンチームを引っ張ってきた齋藤隼佑(スポ4=群馬・館林)、初タイトルを獲得するなど飛躍の年となった松本直毅(スポ3=神奈川・横浜清陵総合)、全日本学生グレコローマン選手権優勝など上り調子の宇井大和(スポ3=和歌山・新宮)、そして先日の東日本学生秋季新人選手権で優勝を果たし、初めて全日本の舞台への切符をつかんだ野本州汰(スポ2=群馬・館林)。今回は天皇杯全日本選手権(天皇杯)に男子グレコローマン(グレコ)で出場する4人にお話を伺った。

※この取材は12月7日に行われたものです。

それぞれの1年

初対談となった野本

――野本選手は先日の東日本学生秋季選手権で優勝なさいました

一同 うお〜、おめでとう!

野本 やっぱり1年の秋の新人戦で3位だったので、2年では絶対1つタイトルを獲れたらなと思っていたので、最後ギリギリで獲れてよかったというのが一番です。

――他の皆さんは野本選手が優勝したと聞いていかがでしたか

齋藤 今聞いたので、本当にびっくりしちゃって。

野本 僕一番に報告しましたよ!隼佑先輩に一番に報告したじゃないですか(笑)。

齋藤 いや〜嬉しいですね、はい。

宇井 去年この大会で3位だったので、上の人がいなくなったので、優勝は当たり前というか、しないとクビみたいなもんだったので(笑)。

野本 厳しいですね(笑)。でもまあ、実際そうでしたね。

齋藤 州汰が優勝したのがちょうど僕と同じタイミングなんですよ。僕も2年の秋の新人戦で初めて優勝して。結局それっきりになっちゃいましたけど・・・。

――今年は基本フリーとグレコ両方で出ていましたが、試合数的に厳しかったりはしませんでしたか

野本 僕勝てていなかったので、経験を積むために。1年のときにグレコでやろうと思ったんですけど、グレコで勝てない時期があったのもあって。隼佑先輩のアドバイスなんですけど、1回グレコで詰まったらフリーに戻ってみろって。

齋藤 おいやめろよ(笑)。ガチでいい先輩みたいになっちゃうじゃないかよ〜(笑)。

野本 それでフリーに戻ってみて1回気持ちがリセットできたみたいなところがあって。

――宇井選手は全日本大学グレコローマン選手権優勝などもありましたが、今季を振り返ってみていかがですか

宇井 コンスタントに成績を残せたので、結果で見ればよかったのかなと思いますけど、全日本がベスト8止まりで。大きい大会で上まで行けなかったなとは思いますね。

――シーズンが進むにつれてコンディションが上がっている印象がありました

宇井 そうですね、全グレに相性が良くて、個人的にも思い入れのある大会だったので、そこにピークを持ってきやすかったっていうのもあるかもしれません。

――ジュニアの年代ではなくなって試合数が少なくなりましたが、調整などに影響はありましたか

宇井 去年が逆に多すぎたっていうのもあったので、今年ぐらいの、2、3ヶ月に1回ぐらいっていうのがちょうどいいかなと思いますね。

――松本選手はJOCジュニアオリンピック杯優勝から始まりましたが、振り返ってみていかがですか

松本 最初は調子が良かったんですけど、後半はだんだん落ちてきちゃって、全然結果が残せていないので、天皇杯ではちょっと頑張りたいなと思います。

齋藤 今年前半すごかったもんな、態度のでかさ。

松本 まだ言うんですかそのネタ(笑)。

齋藤 もう肩で風切って馬場歩きして、寮生にぶつかったら「なんだよ」みたいな感じで。

一同 (笑)。

松本 まずぶつかったことないですから。

齋藤 本当にすごくてもう。俺がこういう話してるから話伸びるんだよな。

――今年は国際大会にも出場されましたが、得るものなどはありましたか

松本 2試合しかやっていないので、なんとも言えないんですけど、雰囲気とかはわかったかなと思います。

――斎藤選手はラストイヤーでしたが、今年を振り返っていかがですか

齋藤 いやー、勝てませんでしたね今年1年は。全部負けましたね、見事に。

――グレコのリーダーとして引っ張っていきたいと言うお話をされていましたが

齋藤 そうですね、やっぱり自分的には今年1年間グレコチームっていうのを引っ張っていきたかったんですけど、自分が負けてしまって情けないです。その思いは天皇杯で晴らしたいですね。目標はベスト8で州汰と当たりたいなという。天皇杯では松本くんの記録を超えたいですね。

――宇井選手は去年「州汰をグレラーにしたい」とおっしゃっていましたが

宇井 勝手になったというか。

一同 (笑)。

宇井 自分の知らないところで羽ばたいて、先に行っちゃったので、自分は背中を見ているだけです。もうスパーリングとかも恐れ多くて・・・

野本 何言ってるんですか(笑)。大和さんにいつも胸を借りて練習してもらっています。

齋藤 優勝した次の日とかキャンパスすごかったですもん、ヒーローみたいな。州汰と一緒の授業取ってて、そしたら「えー、州汰くんすごーい!」って。そしたら州汰も「うーっす」みたいな。別に優勝して当たり前ですみたいな感じで。

一同 (笑)。

野本 違うじゃないですか!「おめでとう」って言われたのはそうですけど、そんな当たり前みたいな態度は取ってないですよ。

――優勝して「おめでとう」とか声を掛けられることは多かったですか

野本 そうですね、部活動の繋がりで友達がいるので、そういった友達からは結構言われましたね。

――みなさんレスリングを始めたきっかけというのは

齋藤 そういう血だったんでしょうね。さだめというか。

一同 かっけえ。

齋藤 保育園時代に『刃牙』を読んで、花山薫の男気っていうのに憧れて。小学校1年の時に始めましたね。

宇井 絶対嘘じゃん(笑)。

野本 花山薫レスリングやってないですよ(笑)。

宇井 自分小学校の時にやっていて1回辞めて高校からもう一回始めたんですけど。

――中学の頃は野球をやっていたそうですね

宇井 そうですね。小学校のときに野球とレスリングをやっていて、中学校では野球をやっていて。でも野球が全くセンスなくて、友達がみんなやるからなんとなく野球をやっていたんですけど。それで高校で母校の先生に誘われてもう1回始めましたね。

――ちなみに野球ではどこを守っていたんですか

宇井 外野ですね。

齋藤 どうせ9番ライトとかですよ。

宇井 いやいや、センターですね。野球はもう全くセンスがなくて・・・。レスリングをやってよかったですね。

――松本選手はどうでしたか

松本 自分は高校の顧問に誘われて始めました。

齋藤 相撲部屋か迷ってたんだもんな。

松本 違いますよ(笑)。柔道ですね。中学まではずっと柔道をやっていて、高校から転向しました。

――野本選手は何がきっかけで始めましたか

野本 自分も中学の頃はずっと柔道をやっていて、父親が三兄弟なんですけど、全員レスリングやってるんですよ。父親も高校からレスリングを始めたので、それで憧れてはないですけど、近くにレスリングのクラブチームがあったので、そこで始めたのがきっかけですね。

――早大に進学した理由は

齋藤 練習の雰囲気が良かったからですね。

宇井 高校の時に早大はいつも和歌山で合宿しているのでいつも参加させてもらっていたんですけど、やっぱりチームの雰囲気がいいなっていうのもありましたし、学歴もあるので(笑)。バランスがいいかなと思って選びました。

松本 自分は高校の先生が早大のレスリング部出身でそれもあって、練習する機会もあったので、それでいいなと思って選びました。

野本 自分も早大に進学したらいろいろな道が開けるからって言われて。あとやっぱり隼佑先輩がいたのも大きかったですね。高校の時にずっとお世話になっていたので。外部のコーチも顧問の先生もどっちも早大出身だったので、早大に行きたいなと思っていました。

――早大に進学する時に齋藤選手からアドバイスをもらったりはしましたか

野本 いただきましたね。「面接は緊張しないでちゃんと喋れば大丈夫だぞ」みたいな。

齋藤 やっぱりそうやってアドバイスをしてあげることで後輩の道が開けるので。

一同 おぉ〜(笑)。

「グレコローマンの方がたまたま向いていたんでしょうね」(齋藤)

齋藤は冗談を交えながら対談をリードした

――今年の1年生の印象というのはいかがですか

齋藤 小西くん(拳、スポ1=岩手・盛岡工)のことですか?世界チャンピオンもいますけど。まぁ特色豊かで。

松本 普通に強い。みんな強いです本当に。自分は技とか結構教えてもらっています。安楽龍馬(スポ1=山梨・韮崎工)とかに。

野本 やっぱり小西は周りが強い中でなかなか結果が出なくて、自分とすごく境遇が似ているので、頑張って欲しいなと思います。

松本 小西は1年の頃の自分を見ているようで。なので彼には頑張って欲しいですね。

――野本選手以外の3人はグレラーになったきっかけというのは何かありましたか

齋藤 フリーで勝てないから。1年の時はグレコやってなかったんすよ。

宇井 自分も高校の時にグレコの方が成績が良かったからですね。

齋藤 単純に逃げっす(笑)。

松本 自分も最初はフリーでした。

齋藤 まぁそっちの方がたまたま向いていたんでしょうね。

――野本選手と齋藤選手は同じ館林高出身ですが、最初の衣装としてはいかがですか

齋藤 本当の最初の印象言っていいですか?いや、眉毛太いなこいつって。

野本 高校時代本当にやばいんすよ。

齋藤 本当に額まで全部眉毛だったんですよ。ギリギリまつげと眉毛が離れてるかなっていう感じで。

宇井 それが今はパーマまでかけて。

齋藤 それで最近は狙ってる女の子になんだっけ?マグカップかなんか渡して。

一同 (笑)。

野本 違いますよ。クッキーです(笑)。

――お互いの第一印象はいかがですか

宇井 俺松本覚えてる。ちょうど10月ごろの入試の前で監督とかと面談する機会があって、自分と松本だったんですけど、自分が先にいて後から松本が入ってきて「なんだこいつ」と思って。自分全然他の選手のことを知らなかったので、なんか、足太いなと思って(笑)。

松本 自分は全然覚えてないです。

齋藤 まぁ、単純な印象で言ったら眉毛(野本)、イケメン(宇井)、高血圧(松本)。

一同 (笑)。

齋藤 一番最初ですよ、本当にパッと見た印象です。

野本 やっぱり大和先輩はかっこいいなと思いましたね。松本先輩は、やっぱり太ってる人って親しみやすさがあるじゃないですか。実際に気さくに話しかけてくれたんで、優しい先輩だなと思いました。

松本 最初こいつ(野本)自分のこと勝手にアニメオタクだと勘違いしてて。

野本 そうなんですよ。自分結構アニメとか見たりするんですけど、最初松本先輩を見た時「あっ、同胞見つけた」と思って。

松本 完全に見た目だけで。

野本 話してみたら全然違くて、ショックでした。

――レスリング部はどちらかといえばアイドル好きが多い印象ですが

齋藤 情けない・・・。

宇井 隼佑さんもファンだったじゃないですか。

齋藤 元ね。でもなんか大和見てたら客観視しちゃって、自分を。もう2年ぐらい前ですね。なんか急にスッて冷めちゃったんですよね。

宇井 それ言っちゃったら終わりですよ。

松本 自分は最近行ってないですね。

――今年のアイドル活動を振り返っていかがですか

宇井 結構、数えてみたら6回ぐらい行きましたね。ちょうど3日前ぐらいにも乃木坂46の武道館ライブに行ってきました。多分それのおかげで試合でいい結果残せてたのかなと思います。

齋藤 お前が歯医者で休むって言ってた日か。

一同 (笑)。

宇井 やばいやばい。

――山﨑選手や他の大学の選手と一緒に行くことが多いとお聞きしました

宇井 周りにあんまりいないっていうのもあって。2人で応募しあってどっちかが当たれば行くっていうかたちですね。他大の選手で言ったら明大の二ノ宮(寛斗)ですね。ちょうど3日前の武道館も一緒に行ってきました。それか拓大の吉田隆起と弥十朗の4人でグループとかを作ってそれで行ったりしていますね。

――休日とかは何をしていらっしゃいますか

野本 自分はアニメとかゲームが好きなので。ゲームだったら死にゲーって言われてるゲームだったり、バイオハザードみたいなホラーゲムといったジャンルをやっています。アニメは色々見ますね。二次元の女の子が出てくるようなアニメも見ますし、少年ジャンプみたいなジャンルも見ます。

松本 自分は寮でゴロゴロしてますね。録画したテレビとかを見ています。

宇井 自分もオタ活であったり、新宿出てぶらぶらしてご飯食べて本屋行ったり、映画行ったり、パチンコ行ったり(笑)。結構一人の時間を過ごすのが好きなんですよね。

齋藤 そうですね、自分は動画鑑賞ですね。ジャンルは様々。それと暇な時結構ラーメン二郎行ったりしてます、ひばりヶ丘とか。暇だったら遠く行ったりしますね。あとチームマスカッツで集まったり。

――チームマスカッツというのは一体なんでしょう

齋藤 その、マスカッツ班っていうLINEグループがあって、立ち上げが俺と2個上の先輩で大和と俺と同部屋だった土赤耕陽(平29スポ卒)っていうので。その人の部屋で毎週集まって、『恵比寿マスカッツ』っていう深夜番組があって、くだらなくておもしろいから見てたんですよ。それの部屋で見てたメンバーでグループを作ったらちょうど大和とか松本で。土赤さんと入れ替わりで州汰が入ったので交代式をやって。今一応現役のリーダーで。まぁー、そのメンバーがたまたまこのグレコのメンバーだったんですよね。前はよく部屋で集まったりしてましたね。最近はやっぱり個人がいいなっていうのもありまして。でも新年会はやろうと思います。

――4年生同士は仲がいい印象があります

齋藤 特別良すぎるわけでもないですし、悪いわけでもないので、うまくやってる感じですよね。

――米澤圭選手(スポ4=秋田商)が3年生は真面目な学年だとおっしゃっていました。

宇井 練習の時は真面目ですね。ちゃんとやることやってね。一番しっかりしているって監督も言ってたし。

松本 そうだね。

宇井 一番しっかりしているって監督も言ってたし。

――2年生はどういった学年でしょうか

野本 2年生もたまにみんなでご飯に行ったりしますね。この間の早慶戦の後も慶大の2年生と早大の2年生でみんなでご飯を食べて親睦を深めましたし、仲がいいなと思います。

――部内で一番おもしろいと思う人はどなたですか

齋藤 俺幸さん(洞口幸雄、平28スポ卒)ですね。俺の三つ上の先輩なんですけど、あの人がダントツで面白かったですね。あれは超えられないですね、なかなか。

宇井 やっぱり駿さんとか、隼佑さんとか。

齋藤 その二人ぐらいしか喋ってないからな(笑)。ずっとベラベラベラベラ喋ってるから。

宇井 圭さん(米澤、スポ4=秋田商)はそういうイメージじゃないんですよね。かっこいいみたいな。

齋藤 なにその、俺がかっこ悪いみたいな(笑)。

宇井 あと星良さんも。星良さんは単体でいても面白くないとおもうんですけど(笑)、駿さんと合わさったり、周りに人がいることによって美味しく調理されるみたいな(笑)。やっぱり駿さんとか隼佑さんはそういうところがうまいんですよね。

「全力を出し切りたい」(松本)

笑いの絶えない対談となった

――齋藤選手は去年意識している選手は松本選手だとおっしゃっていましたがそれは今年も変わりませんか

齋藤 それはもう1年間変わりませんよ。俺は松本を目標としてきたんで。レスリングを始めたきっかけも松本なんで。

松本 自分の方が始めたの後ですよ。

一同 (笑)。

齋藤 やっぱりその頃から追いかけてきた背中でもあるので、最後の天皇杯っていうのもあるんで、松本の背中に追いつけ追い越せで頑張っていきたいなと思います。

松本 実際のところは自分が追いつきたいというか、スパーリングでもボコボコにされるので、なんとか卒業までには勝てるように頑張りたいです。

――意識する選手だったり、目標にしている選手はいらっしゃいますか

宇井 自分はあまりいないですね。他人にあまり興味がないというか・・・。

齋藤 サイコパス(笑)。

野本 自分は隼佑先輩と大和先輩を足して2で割ったようなレスリングをしていなと思っています。大和先輩のしっかり構えて押していくスタイルだったりとか、隼佑先輩のテクニカルなスタイルを真似したいですね。

――お互いのレスリングの印象だったり、強みというものはどこにあると思いますか

齋藤 州汰は力の良さ、大和は押しの強さ、松本は押しの強さ。

宇井 なんか別のこと言ってくださいよ!(笑)

齋藤 松本は最近グラウンド力が付いたので、足腰の強さっていうのはあると思います。

宇井 隼佑さんは変則的な。普通どっしりと構えるのに、突っ立ってるから(笑)。でもいざ試合になるとガンガン押してたりるんですけど、そこの使い分けが上手いと思いますね。松本は重量級にしては体力があるので。練習も普段からしっかりとしてますし、そういうスタミナ的なところが強いのかなと思います。技術は全然ですけど(笑)。

松本 州汰は勢いがある、時がある。勢いがあるときは結構強いですね。隼佑さんは他にないレスリング、真似できないレスリングって感じですね。

齋藤 すげえ俺かっこいいじゃん(笑)。

松本 大和は安定感があって確実に手堅く勝てるレスリングかなと思います。

――宇井選手は投げ技が印象的ですよね

宇井 グラウンド技ですよね。自分スタンドで技がないので、ちょうど今のルールに合って勝てているのかなっていうのはあります。

――齋藤選手、宇井選手、松本選手は今年の明治杯全日本選抜選手権を振り返っていかがですか

齋藤 ベスト8で1分ぐらいで普通にフォールされて負けてしまったので、なんか笑えてきちゃった(笑)。なので、天皇杯の目標はメダルですね。今までずっとベスト8だったので、そこの壁を超えてみたいです。

宇井 明治杯はベスト8で負けてしまったんですけど、ぼろ負けという内容でもなかったので、手ごたえはありました。今調子も上がってきているので、天皇杯では準決勝、決勝までは行きたいなと思っているんですけど、やっぱり五輪の予選が始まるということで、上と下(の階級)から強い人が移動してきて、厳しいかなっていう思いもありますね。23、4人出るみたいで、ちょっと萎えています(笑)。

松本 自分は3位だったんですけど、めちゃくちゃくじ運良くて、大きい山で1回勝っただけなので、あまり実力通りではないなっていう感じですね。準決勝も28秒でフォール負けしているので。もうちょっと頑張りたいですね。

――野本選手は初出場となります

野本 やっぱり初出場なので、1つでも多く勝てるようにっていうのが現状の目標で、入賞はしたいですね。次につながるようにベスト8には入りたいと思います。

――現状の課題というのはありますか

野本 自分はセオリーがないので、自分のかたちをつくっていきたいです。

齋藤 自分も今出る階級3キロアンダーしているので、しっかり体づくりをしていきたいなと思っています。

宇井 自分は減量があるのでしっかり体重を落として、良い調子で試合を迎えられればいいなと思っています。

松本 体が小さいので、体づくりと、ポイントを取る技がないので、技術面ですね。

――やはり体づくりの面が今の時期は最優先ですか

宇井 そうですね、特にグレコは技術もそうなんですけど、力とか体力でなんとかなる部分も大きいので、大事ですね。

――では最後に、天皇杯に向けて意気込みをお願いします

齋藤  同じことになってしまうんですけど、やっぱり3位というところを目標に頑張っていきたいですね。

宇井 自分は五輪階級ということで、ちょっとでもその争いに絡んでいければなと思います。

松本 自分はベスト8を目標に。強い選手ばかりなので、とりあえず全力をしっかり出し切りたいですね。

野本 自分は隼佑先輩と同じ階級で、当たるかもしれないんですけど、それも含めて、来年以降いいスタートを切れるようにしたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 林大貴)

チームグレコの仲の良さをうかがわせる賑やかな対談となりました!

◆齋藤隼佑(さいとう・しゅんすけ)(※写真中央右)

1996(平8)年5月20日生まれ。172センチ。男子グレコローマン72キロ級。群馬・館林高出身。スポーツ科学部4年。なぜか色紙では2年連続でバナナマンのラジオ番組『バナナムーン』の宣伝を行なった齋藤選手。レスリングでもその型にはまらない独特のスタイルで最後の天皇杯での躍進を期待します!

◆宇井大和(うい・やまと)(※写真右)

1997(平9)年10月23日生まれ。170センチ。男子グレコローマン67キロ級。和歌山・新宮高出身。スポーツ科学部3年。部内一のイケメンと称される宇井選手ですが、レスリングのスタイルは豪快そのもの。「オフの日は一人で過ごすのが好き」と宇井選手。「ジコチューで」全日本の頂点へと突き進みます!

◆松本直毅(まつもと・なおき)(※写真左)

1998(平10)年1月2日生まれ。171センチ。男子グレコローマン97キロ級神奈川・横浜清陵総合高出身。スポーツ科学部3年。JOC優勝、明治杯3位入賞など飛躍の年となった松本選手。『完全燃焼』でさらなる飛躍を誓います!

◆野本州汰(のもと・しゅうた)(※写真中央左)

1998(平10)年12月19日生まれ。170センチ。男子グレコローマン72キロ級。群馬・館林高出身。スポーツ科学部2年。初めての対談となった野本選手。先輩たちにいじられながらも、ハキハキとした受け答えが印象的でした。『無心一途』で初出場となる天皇杯に臨みます!