全日本大学グレコローマン選手権もついに最終日。早大からは上位進出が狙える宇井大和(スポ2=和歌山・新宮)と齋藤隼佑(スポ3=群馬・館林)が出場した。宇井は2回戦敗退となるが、その後敗者復活戦に回り「最低限」と語る3位となる。齋藤は決勝までを順調に勝ち上がり、2位となった。
66キロ級のディフェンディングチャンピオンとして臨んだ宇井。その初戦をテクニカルフォール勝ちで制し、2回戦へと進んだ。その2回戦では高校から対戦経験のある成國大志(青学大)との試合になった。第1ピリオド(P)を劣勢で終え、続く第2Pでは低い体勢から投げ技を決め、逆転。しかし残り22秒にバックポイントを許してしまい8-7と1点差に詰め寄られるとその後に相手に逆転を許す。最後は投げ技からフォールに抑え込まれ、敗北を喫した。その後は敗者復活戦に回り、順当に勝利を収めていき3位入賞を決める。「決勝で日体大の文田さんとやってみたいというのはあった」と悔しさの残る結果に終わった。
調整不足もあり、連覇を逃した宇井
齋藤隼佑(スポ3=群馬・館林)は75キロ級に出場。「お互いの手の内を知っていた」という1回戦では、高校時代の県の同期と対戦。先制点を取られるものの、バックポイント、ビッグポイントを重ねていき10-4で初戦を突破した。「ヤマ場だった」と語る2回戦ではテークダウンを取るなど積極的に攻撃を仕掛け、テクニカルフォールで勝利を収める。そして準決勝を勝ち進み、迎えた決勝。何度か攻撃を仕掛ける場面も見られたが、「かみ合ったところは合ったけど、ものにできなかった」と自分のポイントにはできず。その後投げ技を決められ、フォール負けを喫した。
実力を発揮し、決勝まで勝ち残った齋藤
早大は全階級に出場できないながらも、出場者のほとんどが上位進出したことにより、昨年と同じ4位という結果に。とはいえ、チームとして僅差で勝っているときにどのように試合を進めるのかといった点など、まだまだ課題は残る。その課題は、来月の内閣総理大臣杯全日本大学選手権へと引き継がれていくだろう。フリースタイルでは山梨学院大にどれだけ食らいつくことができるのか。「全階級最低でも3番以内に入って、総合優勝を狙いたいです」(太田拓弥監督)。6位に終わった東日本学生リーグ戦のリベンジをしたいところだ。
(記事、写真 杉野利恵)
※グレコローマンスタイルは8点差がつくとテクニカルフォールで試合終了となる
結果
▽66キロ級
宇井 3位
▽75キロ級
齋藤 2位
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コメント
太田拓弥監督
――きょう出場された2人の試合を見て、いかがでしたか
隼佑(齋藤、スポ3=群馬・館林)は接戦をものにしていって決勝までいったというところまでは良かったんですけど、優勝もできる選手だとは思っていたので決勝はもっともっと自分から積極的に仕掛けていってほしかったですね。最初に仕掛けた技が相手のポイントになってしまったので弱気なところが出たので、仕掛けられちゃったかなと思いましたね。大和(宇井、スポ2=和歌山・新宮)に関してはもう少し戦い方を考えていれば勝てた試合だったので、最後は私のセコンドのミスでもあったんですけど、それについては申し訳なかったなと思いますね。1階級下の世界チャンピオンの文田(健一郎、日体大)とやってどれぐらいやれるかなとは楽しみにしてたんですけど、去年優勝している選手なのでちょっと3位だと物足りなかったなという印象ですね。
――齋藤選手は昨年からどんどん順位を上げていっていますが、どういう部分が良くなっただとかありますか
やっぱり思いっきりがいいですし、力もついてきたと思いますし、自分の勝ちパターン、ポイントを取るパターンというのをしっかりと確立してきたので、勝率も上がって順位も上がってきたように感じます。
――齋藤選手の決勝では何度か技が仕掛けられそうな場面があったように思うのですが、いかがですか
ちょっと2点取られちゃったんで躊躇(ちゅうちょ)しちゃったのかなと思いますね。あとは膝のタメとか色んな細かい技術があるんですけど。
――宇井選手は研究される立場になっていると思います
そこでも圧倒的に勝っていかないと、全日本レベルの大会でなかなか上にはいけないですね。
――この2日間でチームとして出た課題などはありますか
3-2とか3点差とか接戦のときにどういった試合運びをすればいいのかというのが課題に残りましたし、それでも順位に入っている者たちは自分のかたちができてきているので、もっともっと精度を上げて、力をつけていけば、来年間違いなく総合優勝できるのではないかなと。総合優勝するための準備は整ったかなという感じですね。
――全階級出られていない中での総合4位という結果についてはいかがでしょうか
去年も4位で、その前は下の順位で、2年連続で4位っていうところで表彰台には上がりたかったんですけど、でもよく頑張ったと思いますし、少ない人数の中で上位進出者は多かったので、ここに拓海(吉村、スポ2=埼玉栄)、大和がもう1つ順位を上げていればというところでしたよね。そこは来年の課題として残って、優勝できるチームづくりは見えてきたかなと思いますね。
――内閣杯(内閣総理大臣杯全日本大学選手権)では優勝を狙われると思いますが、意気込みをお願いします
山梨学院大が頭1つ2つ抜けているのでなんとか食らいついていって、全階級最低でも3番以内に入った上で総合優勝を狙いたいなと思います。
齋藤隼佑(スポ3=群馬・館林)
――今大会ではどのような目標を持って挑みましたか
目標は3番以内です。
――組み合わせを見た時どのように思われましたか
組み合わせが出て、あぁバッチしだなぁと思って。決勝はちょっとダメでしたけど。
――1回戦は前半少し苦戦されてるように見えたのですが、いかがでしたか
1回戦の相手は、高校の時の同じ県の同期なんですよ。お互い手の内を知っていましたね。
――決勝は何度か攻撃を仕掛けられそうな場面もあったと思いますが、いかがでしたか
本当にかみ合ったところは合ったんですけど、そこをものにできなくて、逆にそこで相手にやられてしまったのでそこが敗因だと思います。
――2位という結果自体についてはどう思われますか
やっぱり、ちょっと優勝したかったですね。3番が目標だったんですけど、人間、欲が出ちゃうとダメなんですかね。優勝したかったです。
――準決勝勝ったときはいかがでしたか
準決勝はそこまで強い相手じゃなかったんですけど、今回のヤマ場は2回戦だったんですよね。2回戦の相手がJOC(JOCジュニアオリンピックカップ)のチャンピオンで強くて、そこを乗り切れたので大丈夫かなと思っていました。
――去年はこの大会で5位で、そこからインカレ(全日本学生選手権)では3位、今回で2位と順位を上げられていっていますが、どういうところが要因だと思いますか
今回は完全にくじ運なんですけどね。ワセダはグレコローマンの選手が少ない分、ちょっと考えてやるというのがいいんですかね。自分の周りだと松本(直毅、スポ2=神奈川・横浜清陵総合)も強くなっているし、大和(宇井、スポ2=和歌山・新宮)も国際大会で成績を残しているし。後輩に目標がいるからいいのかなと思います。松本が目標です。
――97キロ級で出場される内閣杯(内閣総理大臣杯全日本大学選手権)での目標をお願いします。
くじ運にも頼りつつ、頑張ります。
宇井大和(スポ2=和歌山・新宮)
――この大会での目標はどのようなものでしたか
去年も優勝していたので、やはり連覇目指してやっていたんですけど、できなかったです。
――2回戦の相手は高校の時から対戦している相手なのでしょうか
高校の時やってて、国体の決勝とかでやってそのときは勝てたんですけど、やられちゃいましたね。強かったです。
――点の取り合いという感じでしたが、思い当たる敗因などはありますか
減量の時からなかなか思うようにいかず、調整ミスだったかなとは思います。
――膝にサポーターをつけられていますが、何かケガなどされていたのでしょうか
半月板が欠けているみたいな感じで、そんなすぐに手術しないといけないわけではないんですけど、違和感がありますね。
――やはり3位という結果は悔しいですか
最低でも決勝までいきたかったですね。決勝で日体大の文田さんとやってみたいというのはありました。最低限3位では終えれたので、そこは良かったかなと思います。
――今大会で何か課題は見つかりましたか
膝の関係で走れていないというのがあって、ちょっと体力が落ちているなという部分もありバテてしまって、スタミナが足りないなと思いましたね。6分の長い試合になると最後の方がきつくてそれで取られてしまいました。
――天皇杯全日本選手権に向けての目標をお願いします。
新階級になってルールも変わるので対応できるか分からないんですけど、いい結果が残せるようにやりたいと思います。