全日本学生選手権(インカレ)3日目は男子フリースタイルの試合が行われた。57キロ級に出場した6名全員があす行われる4回戦へと駒を進める。優勝候補筆頭の多胡島伸佳(スポ4=秋田・明桜)や米澤圭(スポ2=秋田商)はテクニカルフォール勝ちで順当に勝ち進んだ。また61キロ級の吉川航平主将(社4=秋田商)は最後のインカレで惜しくも4回戦敗退。涙を飲む結果となった。
57キロ級の先陣を切った橋本星良(人2=茨城・土浦日大)は各試合で地道にポイントを重ね、3回戦までの接戦を勝ち抜く。この流れに乗り、57キロ級に出場した6名全員が3回戦を制した。昨年3位の伊藤奨(スポ3=長崎・島原)は2回戦、1-2の劣勢から投げ技で4点を追加し逆転。3回戦では第1ピリオド(P)終了間際にフォール勝ちを決めた。4年の青木祐聡(スポ4=岐阜・岐南工)も3回戦の序盤に2点を許すも、背後を取り回転技をかけ逆転する。藤川聖士(スポ4=埼玉栄)は4回戦を終始自分のペースで試合を進め6-1で勝利を収めた。ルーキーの吉村拓海(スポ1=埼玉栄)と岩澤侃(スポ1=秋田商)も初のインカレで奮闘し、4回戦へと進んだ。
チームに流れを引き寄せた橋本
61キロ級に出場した矢野富三家(スポ3=島根・隠岐島前)は、2回戦で第1シードの選手と対戦。返し技で先制点を奪うものの、後半に足を取られ2-6で敗北を喫した。初戦でテクニカルフォール勝ちを収めた吉川。4回戦は開始15秒で2点を許す苦しい立ち上がりとなったが、しばらく粘りを見せる。しかし第2Pでさらなる追加点を許してしまう。終盤に相手を場外に押し出したものの反撃ならず。自身最後のインカレは4回戦目で姿を消すこととなった。
第1シードの選手相手に先制点を奪った矢野
太田拓弥コーチが「57キロ級の6人がどこまでやれるか」というように、あすはワセダ対決も行われる57キロ級の展開が見所だ。さらにコーチが「早大の軸」と太鼓判を押す多胡島、米澤、山﨑弥十朗(スポ1=埼玉栄)の優勝にも期待がかかる。ことしもインカレならではのドラマは起きるのか。ワセダの名にかけて、一人でも多くの選手が勝利を収めてほしい。
(記事 寺脇知佳 写真 杉野利恵、平松史帆)
結果
男子フリースタイル
▽57キロ級 青木 4回戦進出 藤川 4回戦進出 伊藤奨 4回戦進出 橋本 4回戦進出 岩澤 4回戦進出 吉村 4回戦進出 ▽61キロ級 吉川 4回戦敗退 矢野 3回戦敗退 小田修一郎(スポ1=大阪・関大高) 2回戦敗退
丸山大三郎(教3=埼玉・早大本庄) 1回戦敗退 ▽65キロ級 米澤 4回戦進出 ▽70キロ級
多胡島 4回戦進出 伊藤駿(スポ2=京都・網野) 棄権 ▽74キロ級 山﨑 3回戦進出 ▽86キロ級 堀江一馬(社4=富山・富岡商) 3回戦敗退 齋藤隼佑(スポ2=群馬・館林) 1回戦敗退 ▽97キロ級 土赤耕陽(スポ4=山形商) 3回戦進出 松本直毅(スポ1=神奈川・横浜清陵総合) 2回戦敗退
コメント
太田拓弥コーチ
――きょうの試合を振り返っていかがですか
勝った人と負けた人との差が大きく開いてしまっている、というのが正直な感想ですね。負けたなかでも吉川がよく頑張ったとは言えないけど、改善をすれば勝てるだろうという内容でした。他のメンバーはちょっとセオリーもないですし、勝利へのこだわりが少し足りないかなと思いました。
――57キロ級では全員があしたの試合へと進みました
内容はともかく、本当に全員が自分のレスリングをできていたかなと思います。
――多胡島伸佳選手(スポ4=秋田・明桜)、米澤圭選手(スポ2=秋田商)、山﨑弥十朗選手(スポ1=埼玉栄)は順当に勝ち進められました
この3人は早大の軸ですし優勝できる力を持っているので、勝たしてやりたいなと思います。あと57キロ級の6人がどこまでやれるかというところですね。
――きょう印象に残った試合はありますか
負けている人と勝っている人との差が開いているのを感じました。57キロ級は接戦をものにした試合もありましたが、力の差があって、チームとしてのレベルが上と下に分かれてしまっているのが現状なので、去年から言っている『底上げ』をしないと、内閣総理大臣杯全日本大学選手権での団体優勝は難しいかなと感じましたね。
――あしたに向けて一言お願いします
自分の形、セオリーをしっかりと持っていますので、1人でも多く優勝させて前期を終わりたいと思います