快勝も、粘り勝ちも。10選手が後半戦へ

レクリング

 全日本学生選手権(インカレ)の3日目は、フリースタイル(フリー)の前半戦が行われた。早大からは15人の選手がエントリー。北村公平(教4=京都八幡)、西洸大(スポ4=京都・網野)といった上級生だけでなく、黒澤翔(スポ2=茨城・鹿島学園)や藤川聖士(スポ1=埼玉栄)などの下級生も勝って、あすの後半戦へ進んだ。

 明治杯全日本選抜選手権で3位となり、今大会では優勝が期待される北村は、2回戦でテクニカルフォール勝ち。最後は得意のタックルで勝負を決める快勝だった。今大会はフリー74キロ級の好敵手である嶋田(国士舘大)が84キロ級で出場しているために念願の初優勝の好機。期待からくるプレッシャーさえ克服できれば、栄冠へ視界良好だ。同じく好調さを示したのが66キロ級の桑原諒(スポ3=静岡・飛龍)。きょう戦った3試合で2フォール、1テクニカルフォールと相手を寄せ付けなかった。その他、55キロ級の西、66キロ級の保坂健(スポ3=埼玉栄)といった実績ある選手もフォール勝ちを挙げて、最終日へ進んだ。

北村はフリー74キロ級優勝候補の筆頭だ

 きょうの試合後、太田拓弥コーチは接戦を競り勝った試合の多さを評価していた。それが現れていたのが、74キロ級・花山和寛(社4=愛媛・八幡浜工)の3回戦。1ピリオド中盤で背後を取られたものの、必死の防御で膝をマットに着けず、そのまま1分間以上耐えてポイントを与えない。グレコローマンスタイル66キロ級を制した翌日に、きのう見せた気持ちのレスリングをまたも発揮した。さらに、6月の東日本春季新人戦を制して勢いに乗るフリー60キロ級の黒澤は2回戦、3回戦ともに逆転劇の末に粘り勝ち。1年生でも50キロ級の青木祐聡(スポ1=岐阜・岐南工)、藤川らが接戦を制して、あすへ勝ち上がった。

接戦を制した藤川

 ことしは、昨年より2人多い10人がフリーの後半戦へ勝ち残った。太田コーチからも「いい形で試合ができている」というコメントが出て、チーム全体が波に乗った状態であることがわかる。いよいよあしたは4日間のインカレの最終日。夏の大一番で最高の結果へ。苦しい戦いも増えると思われるが、勝負所で競り勝つレスリングをまた見せてほしい。

(記事 三尾和寛、写真 高畑幸)
結果

▽フリースタイル

55キロ級 西  4回戦進出

      青木 4回戦進出

      藤川 4回戦進出

60キロ級 黒澤 4回戦進出

      吉川航平(社1=秋田商)      3回戦敗退

      丸山大三郎(教1=埼玉・早大本庄) 2回戦敗退

66キロ級 桑原 4回戦進出

      保坂 4回戦進出

74キロ級 北村 4回戦進出

      花山 4回戦進出

      今村聖(スポ2=群馬・太田商)   3回戦敗退

84キロ級 洞口幸雄(スポ2=岐阜・岐南工)  4回戦進出

      堀江一馬(社1=富山・高岡商)   4回戦進出

96キロ級 土赤耕陽(スポ1=山形商)     2回戦敗退

コメント

山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)

――フリースタイル全体を総括してどうですか

まずは多胡島伸佳(スポ2=秋田・明桜)が決勝に残り、完璧な内容で勝ってくれたことは良かったなと思います。全般と言うと他の選手はちょっと物足りない内容に終わったと感じますね。リーグ戦(東日本学生リーグ戦)以来の課題を克服すると言ってきましたがまだ足りない、取り組んでいるものがあって進歩はしているんですけどまだ結果に結びついていないところもあって正直残念な結果だったなと感じました。

太田拓弥コーチ

――最後に花山選手の粘り勝った試合もあって、いい流れで終えたフリーの

初日だったと思います

そうですね。例年に無いくらいの数の選手が2日目に残っていると思いますし、花山がいい粘りの試合をしてくれたので。本来より1階級上のところ(フリーは74キロ級で出場)なのですが、そういった階級でもよくやってくれているなと思います。

――その流れの中ですが、黒澤翔(スポ2=茨城・鹿島学園)選手はやや勝ち方が危ない印象を受けました

彼の持ち味というか、天性の柔らかさでカバーできている部分はあったのですが、これから上の強い選手と当たっていくうえで、あの変則レスリングは強い選手には通用しないので。ただ、正攻法があっての変則なので、正攻法で自分で攻めてタックル入るという形でいけば十分上位も狙える選手ですね。

――一方で、桑原諒(スポ3=静岡・飛龍)選手はかなり好調に勝ち上がりました

リーグ戦(東日本学生リーグ戦)に出られなかった悔しい思いがあったと思うのですが、そういった気持ちをこの試合にぶつけていくような試合をやってくれていると感じています。

――その他、印象に残った選手はいらっしゃいますか

みんな接戦でも勝つことができて、いい形で試合できているかなと思いますね。1年生の青木(青木祐聡、スポ1=岐阜・岐南工)にしても藤川(藤川聖士、スポ1=埼玉栄)にしても、55キロ級で青木は56キロですし、藤川は53キロとか52キロくらいしかないと思います。試合を見ていても一回り小さいというのがわかると思いますけど。そういった体重差もありながら粘っこく勝ってくれていると思います。

――負けてしまった選手に関してはいかがでしょうか

基本的にフィジカルの面でまだ足りていないので、もう一回しっかり鍛えないと学生のレベルで上に行くことはできないので、そこはもう一回鍛え直して、今回の反省を踏まえて秋の大会につなげていってもらいたいと思います。

――10人の選手があすへ勝ち残りましたが、どういったことを期待されますか

優勝を狙えるメンバーが各階級揃っていると思いますし、1人でも表彰台にあがって、後期の大会につなげていきたいと思います。