3日間で行われる東日本学生リーグ戦(リーグ戦)も最終日を迎えた。最後の対戦相手は専大。1つでも勝利し上位を目指したいところだ。しかし61キロ級から4連続で負けを喫してしまい、チームスコア3-4で敗北。これで通算3勝3敗となり最終成績7位で大会を終えた。
これまで敗れた日体大、拓大との試合では、出だしの57キロ級を勝ち取れていない早大。専大戦で起用されたのは藤川聖士(スポ2=埼玉栄)。1点ビハインドで2ピリオド(P)が始まると、開始40秒にタックルが決まり続けて背後に回る。逆転した藤川はその後も得点を重ね勝利を挙げた。これで流れをつかんだように見えた早大。だが61キロ級・伊藤奨(スポ1=長崎・島原)、65キロ級・桑原諒(スポ4=静岡・飛龍)が連続のフォール負け。押されるムードになっていく。
フォール負けとなりうなだれる桑原
3連敗に歯止めをかけたい早大は、70キロ級に今大会無敗の多胡島伸佳(スポ2=秋田・明桜)が出場。試合を優位に進めるかと思いきや、序盤からバックや投げ技を思うままに決められ、1P終了時で8点差を追いかける展開に。一時は3点差に詰め寄ったが、反撃はそこまでだった。残り30秒でだめ押しの追加点を与えると試合終了。専大に1—3と王手をかけられ、74キロ級・今村聖(スポ3=群馬・太田市商)に勝負が託された。今村は1Pを優位に折り返すが、2Pは粘り切れず逆転され敗北。5人目でチームの負けが決まった。86キロ級・保坂健主将(スポ4=埼玉栄)、125キロ級・前川勝利(スポ4=茨城・霞ヶ浦)は圧勝をしたものの、チームスコアは3-4。総合7位で大会を終えた。
前川は1分30秒で試合を決めた
主力を故障で欠きながら挑んだリーグ戦は、3勝3敗の7位に終わった。監督やコーチは「勝ちたいという気持ちがどれくらい強かったのか」(山方隆之監督、平4人卒=福岡・築上西)、「悔しさが全然全面に出ていませんでした」(太田拓弥コーチ)と、勝ちにこだわる姿勢のなさを指摘した。団体戦の1つは終わったが、まだまだシーズンは始まったばかり。6月には明治杯全日本選抜選手権、東日本学生春季新人戦と大会が続いていく。この悔しい敗戦をどう生かすのか、どうつなげていくのか。今こそ再スタートを切る時だ。
(記事 高畑幸 写真 高畑幸、三尾和寛)
結果
●早大3-4専大
一部リーグ 7位
コメント
山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)
――きのうの試合から切り替えということをおっしゃっていましたが、きょうの雰囲気というのは
雰囲気というよりは実力通りだったのかなと思います。一人一人勝ちたいという気持ちがあったのでしょうが、その勝ちたいという気持ちがどれくらい強かったのかということなのかなと思わざるを得ないです。
――心構えに不満がありますか
不満というか、甘さがあったのかなと。それとも本当にどれだけ気持ちを入れても勝てない実力なのか。でも一人一人を見るとそういう実力無くて、勝つつもりでやっていたし、勝つつもりでやってきました。そこで、やはり1試合1試合で勝ちたい気持ちを出せたのかなという、たぶん出しきれていない、あっけなく終ったという。全員ではないと思いますが、それがチームとして一つにまとまった同じ気持ちになれていなかったのかなと感じます。
――それが7位という結果につながったということですか
結果は結果ですが、そうだと思います。ケガしていなければとか、こうしておけばとかということはあると一人一人あると思いますが、全く言い訳にならないので。ケガしたら代わりの選手がいないのは分かりきったことで、もしそういう風に思っていたとしたら勝てるわけがないというところだと思います。
――大学のシーズンとしては序盤で夏秋と続いていきます
そうですね。私もそうですが太田(拓弥)コーチも悔しい思いをしています。ただ監督、コーチ陣が悔しい思いをしていても、選手が悔しい思いをどれだけしているかというのは今後の練習を見ないと分かりません。その思いが今後につながるかつながらないかというところなので、本当に今後に期待しています。学生は悔しいと思っているはずなので、それがどれだけ悔しいのかというのは練習で出していくしかないので。この悔しい気持ちを晴らすためには練習しかありません。今後の練習で監督、コーチがああしろこうしろと言うことではないと思うので、選手がどういう風に思って行動するかというところを見ていきたいと思います。
太田拓弥コーチ
――3日間の大会を振り返ってどうですか
こんな屈辱はないというくらい悔しいです。ただ僕自身が悔しいと言っても戦った選手、試合を見ていた選手たちがどう思うかは分からないので。悔しさが全然全面に出ていませんでした。例えば負けてマットを叩いて悔しがる選手とか1人もいなかったので。ワセダの看板を背負っているプライドが全くなかったと思います。
――専大戦でもメンバー変更しましたが
正直なところ、ケガ人が出てベストメンバーは組めませんでした。その上で出場選手がどれくらいやれるのかが重要でした。伊藤奨(スポ1=長崎・島原)であったり今村聖(スポ3=群馬・太田市商)であったり、ケガ人が出場する代わりに今後のために経験値を積ませようと思いました。特に今村は次の4年生で中心になっていかないといけない選手なので。
――課題は何でしょうか
課題は本当に基本的なことだと思います。構えをしっかりする、崩してからタックルに入る、タックルを決められたらしっかり切る。学生とも話しをしましたが基本的なことができていないから基本的なレスリングができないんじゃないかと。日常生活の中でも基本的なことができない者はレスリングでも勝てないんじゃないかと。挨拶、体操、練習準備など、簡単なこといろいろな面がこの結果につながったと思います。それを指摘できなかった僕の責任もすごく感じているという話しもしました。指導してきて二十年ちょっとになりますが、これほどの屈辱は経験したことないです。若い時と比較して生徒を教える気持ちがなえてきた部分もあるかなと。体は付いていかないかもしれないですけど、僕自身もその思いだけは選手以上に持っていかないといけないなと感じました。
――今後の目標をお願いします
泥くさいレスリング、負けてもいいから攻めていくレスリングを徹底させていきたいです。今回の反省もふまえて自分がどういったレスリングスタイルで、どういったかたちでポイントを取るのか、しっかり部員に教えていきたいと思います。
保坂健主将(スポ4=埼玉栄)
――きょうの試合を振り返ってどうですか
重量級がケガで不在で出られないなか、57キロ級の藤川(聖士、スポ2=埼玉栄)や61キロ級の伊藤(奨、スポ1=長崎・島原)などの下級生が頑張ってくれたんじゃないかと思います。
――きょうは86キロ級で出場されて、相手も強豪の与那覇竜太選手でしたが、どのような意識で試合に臨みましたか
僕に回って来た時にはもう負けが決まっていたので、思いきりやってやろうと思って試合に臨みました。
――主将として見て、他の選手の動きはいかがでしたか
少し硬かったんじゃないかと思います。練習だとみんな良い動きをしていたので、その練習の動きが(試合で)できなかったことは少し残念です。
――リーグ戦7位という結果についてはどうですか
これが現実なので、終わったことをどうしろ言っても仕方がないので、まだことしは始まったばかりなので、ここからまたスタートしてやっていきたいと思います。
――主将として臨んだ初めての団体戦はいかがでしたか
難しいですね。勝つことの難しさというのを改めて感じました。
――今大会で得た収穫や課題はありますか
たくさんありますね。僕1人勝っても勝てない、だからチームでまとまらなければならないということとか、個人個人みんなあると思うので、ここからみんな変わっていって、夏頃には良い結果が出るんじゃないかと思います。
――明治杯への目標と意気込みをお願いします
優勝目指して頑張りたいと思います。