3月9日のアジア選手権代表決定プレーオフで、アジア選手権と男子フリースタイルワールドカップ(ワールドカップ)2つの代表権を獲得した保坂健(スポ4=埼玉栄)。まずは団体戦のワールドカップに臨んだ。保坂はフリー70キロ級に出場。個人成績は2勝3敗。日本代表チームは8位入賞を果たした。
1回戦の相手はグルジア。両選手共に、大きな技を決められない。1ピリオド(1P)1分50秒すぎ、保坂が相手の攻撃を返しバックポイントを奪った。しかし直後に相手にタックルを決められ接戦になる。2ピリオド(2P)では右足首をつかみタックル、続けてバックポイントを追加。接戦を勝ち取った。2回戦はモンゴルとの対決。1Pからタックルが決まり、有利な試合展開を見せる。徐々にポイントを重ね、テクニカルフォール勝ちを収めた。
一方、3〜5回戦では力の差を見せつけられたようだ。3回戦のウクライナ戦1P、組み合っているときに保坂は体を起こされてしまう。その隙をつかれタックルをかけられる。その後も反撃を試みるが、結局1ポイントも奪えずに終わった。続くロシア戦では開始早々、相手にペースを持っていかれる。1P30秒ほどで相手に技をかけられる。必死に体勢を戻そうとしたが、両肩をマットに付けてしまいフォール負け。1分10秒で試合終了となった。最終試合はトルコとの順位決定戦。保坂は1P開始直後に有利な体勢に持ち込む。しかし、相手にうまく返され4ポイントの失点。バックポイントを奪う場面もあった。だが相手の攻撃力には及ばず、テクニカルフォール負けとなった。
2勝3敗は及第点の結果だ。この大会は代表入りが決定してから1週間と、調整が難しかったかもしれない。だが2月から続く海外遠征も、世界レベルのレスリングを体感する良いチャンスだ。4月のアジア選手権では今大会で得た経験を生かし、戦ってほしい。
(記事 高畑幸)