4日連続で行われる東日本学生リーグ戦(リーグ戦)も後半戦に入った3日目に、早大は国士舘大、専大と対戦した。国士舘大戦は互いに1勝ずつ取り合う形で2-2まで進んだ84キロ級でフォールを奪われて王手をかけられる。しかし、続く大坂昂主将(スポ4=秋田商)が勝利すると、前川勝利(スポ3=茨城・霞ヶ浦)も勝って逆転勝ち。早大は続く専大戦も6-1で取り、通算で6戦6勝として3日目を終えた。
後が無い場面で勝利し、喜びを爆発させた大坂主将
試合終了。その瞬間、大坂主将は大きく腕を上げて、部員のいる観客席からの声援に応えた。国士舘大に先に3勝され、後の無い状況での試合となった96キロ級。1ピリオド(P)は背の低い相手にてこずってポイントを奪えず、クリンチの攻撃権も相手に取られるという苦しい展開になる。しかし、このクリンチを上手く逃げ切って1Pを奪取。すると続く2Pは足払いからバックについて、すかさず得意のローリングを2度決める。その後は相手に得点を与えずに勝利すると、試合後は喜びがあふれた。主将のこの勝利で成績は早大の3勝3敗となり、勝負は最後の120キロ級の前川へ。3勝3敗での試合は初めてだったという前川だが、圧力をかけて前に出る攻撃でポイントを重ねて、4勝目をもぎ取った。
続く専大戦の初戦、55キロ級に登場した西洸大(スポ4=京都・網野)の相手は専大主将の竹田展大(4年)。試合は3Pまでもつれこむ熱戦となったが、相手の反則で西が勝利。これで相手のエースを倒した早大は、60キロ級を落としたものの、66キロ級から3連勝して勝利を確定させる。特に66キロ級の多胡島伸佳(スポ1=秋田・明桜)は国士舘大戦に続いて個人できょうの2勝目を挙げ、リーグ戦全体でも4連勝とした。さらに96キロ級も大坂が取ると、最後は120キロ級の大坂が締めくくる。「タックルに入ってくるだろうというのはわかっていた」と語る通りに相手のタックルを全て潰して、最後は1P1分21秒でフォール勝ち。最高の形であしたへと流れをつなげた。
きょう最後の試合を締めくくった前川
4-3という際どい勝負を制して全勝を守った早大のあしたの相手は拓大。拓大も早大と同じく全勝で3日目を終えたため、この1戦がグループ優勝を賭けた試合となった。そしてその勝者がやはりあした行われる決勝へ進出する。いよいよ大詰めを迎えたリーグ戦。まずはグループ優勝、そして2年ぶりの栄冠へ、一つ一つが重要な意味を持つ試合だ。
(記事、写真 三尾和寛)
結果
▽1部Bブロック
5回戦 ○早大4-3国士舘大
6回戦 ○早大6-1専大
コメント
山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)
――強豪との試合で勝利しましたが、内容はいかがでしたか
内容はいろいろありますが、まず勝つということ。2つ勝てたのであしたにつながったと思っています。
――国士舘大戦は先に3勝される展開でしたが
相手も必死にくるので、実力は勝っているとしてもちょっとした気の緩みというので、あしたも何があるかわからないですし、一つ一つ気を抜かないでいかないといけないなというのを感じました。おととしも青山学院大に4-3で勝って気を引き締め直して優勝というのがあったので、内容はともかく、あくまでもチャレンジャーとして気を引き締めていこうという話をしました。
――大坂主将の戦いはいかがでしたか
昂は、本来はグレコローマンスタイルの選手なのですが、うまいところ対応しています。もうちょっと強気にいってもいいかなと思うところはあります。ただ強気にいっても勝たなければいけないので、勝ちにこだわった試合はしているかなという風に思っています。
――連勝した西選手はいかがでしょうか
西は全部の試合に出場していて疲れもあると思うのですが、気持ちであした1日波を生み出してもらえればなと思っています。期待しています。
――あしたはまず拓大と、そこで勝てばおそらく山梨学院大との戦いになりますが
まず拓大とやって勝たないと山梨学院大とはやれないので、あしたも1試合1試合、で最終的に気づいたら結果が優勝と、それを目指して頑張ります。
大坂昂主将(スポ4=秋田商)
――国士舘大戦は96キロ級の前までで2勝3敗という状況でしたが、どういった気持ちで試合に臨みましたか
最初から勝つつもり気持ちでいたので、やることは変わらないなと。俺は絶対勝つという、ありえないですけど負けている状況できたとしても、先にこちらの4勝が決まっていたとしてもやることは変わらないので。絶対負けない、勝ってやるという気持ちでやりました。
――その試合ですが1Pはきわどい勝負なりました。
そうですね。クリンチで。まあラッキーですね。あれは取られてもしょうがないなと思っていたので、あそこで守りきれたことはラッキーです(笑)。相手の身長が低くてパワーがあって、僕としてはちょっとやりにくかったのですが、その中でしっかり勝ちきれたことは良かったと思います。
――その後の2P目は余裕のある勝ち方でした
あれもたまたま足払いが決まって。足払いはたまにはやりますが、僕のパターンではないので、たまたま勝ったと言った方がいいのかなと思います。国士舘大戦は。
――専大戦はいかがでしょう
(相手の)パワーがすごく強くて、ちょっと押され気味だったのでした。その中でも1P目を足払いで取れて。僕は(本来)グレコローマンスタイルなので、差し主体のレスリングをしてバックに回るというのは変わらないので、足払いも一つの方法だと思います。しっかり勝ちきれて良かったかなと。
――チーム全体としてはどうでしょう
僕は優勝するという事をチームの中でずっと意識づけさせて、優勝するためにやっているという事をみんなに伝えてきているので、(きょう勝って)あしたの拓大戦に臨めるのかなと思います。
――拓大との全勝対決に向けて一言お願いします
きょうの国士舘大と専大も強い相手だったのですが、拓大も強くて。負けられない試合があしたありますけど、俺らは優勝するためにやってきているので負けていられないなという気持ちです。
前川勝利(スポ3=茨城・霞ヶ浦)
――初戦は3勝3敗での試合になりました
高校も含めて3勝3敗というのは始めてでしたが、相手も1年生だという事を知っていて自分にも楽な部分があったので、バババッと決めてチームにも勢いを取り戻そうかなと。
――試合としては楽でしたか
そうですね。
――2試合目はいかがでしょうか
2試合目の相手も1年生で、正確にはわからないのですが階級が下ですが、高校の時から上の階級に出ている選手だというのは聞いていました。軽量級なので絶対タックルに入ってくるだろうというのはわかっていたので、入ってきたところを潰して最後フォールできてよかったと思います。
――あしたの試合、拓大とおそらく決勝に出てくる山梨学院大と強豪との勝負になると思います
そうですね。重量級が一番の勝負ですね。拓大は村木先輩(村木孝太郎)と園田(園田新)という新入生のどちらかが来て。村木先輩からはきょねん2勝していて、それでも気は抜けないです。やはり強い選手なので。園田選手も強いので、どちらが出てきても勝てるようにしなくてはいけないなと思います。決勝は山梨学院大戦ということで、山梨学院大は軽量級も強いので、また3-3の勝負になって回ってくることもあると思います。(120キロ級は)カザフスタンの選手(アレッグ・ボルチン)なので、相手が(笑)。日大戦でも全日本チャンピオンの岡さん(岡倫之)がフォール負けして。このあいだの全日本合宿の時にカザフスタンが来ていて差しの取り合いをやったのですが、差し手はけっこうとれていて、差しは弱いなというのはわかっているので。後は離れ際のタックルですよね。あれはすごくて。岡選手が持ち上げられていたので、そこは気をつけて、3-3で回ってきたらちゃんと決められるようにしていかなきゃなという準備はしています。