2日目も快勝で前半戦を終える

レクリング

 東日本学生リーグ戦(リーグ戦)初日であるきのうは大勝で、絶好のスタートを切った早大。きょうは明大、神奈川大と対戦した。軽量級では攻められる場面もあったが、96キロ級の大坂昂主将(スポ4=秋田商)をはじめ多くの階級で完勝を収めて2試合とも7-0で勝利。大坂や120キロ級の前川勝利(スポ3=茨城・霞ヶ浦)といった重量級の活躍が目立った。

得意のローリングで得点を重ねた大坂主将

 きょうはいずれも昨年のリーグ戦で早大よりも順位が下だったチームとの対戦となった。しかし、リーグ戦は格下の相手には確実に勝つことが求められる大会。そこでチームを引っ張ったのが大坂主将だった。「僕にはこれしかない」と語るほどこだわっているローリングがきのうに引き続きさえわたる。きょうは2試合で合計4ピリオド(P)を戦ったが、いずれも30秒かからずに6点以上を取ってテクニカルフォール勝ちを収めた。また120キロ級の前川も好調さを示している。明大戦ではスタンドでの技からそのままフォールにつなげて、きのうからの連続フォール勝ちの数を3とした。続く神奈川大戦ではフォール勝ちとはいかなかったものの、2Pともテクニカルフォールを奪う完勝。団体戦の『トリ』を務める2人は盤石だ。

 好調だった重量級に対して、やや危ない試合展開だったのが軽量級の選手達。明大戦では60キロ級の黒澤翔(スポ2=茨城・鹿島学園)が、神奈川大戦では66キロ級の桑原諒(スポ3=静岡・飛龍)が1Pを取られて、山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)に「(軽量級は)重量級に頼っている部分がある」と評される内容になった。しかし、黒澤、桑原ともに残りの2Pはしっかり取って勝利し、黒澤は神奈川大戦でフォール勝ちを収めて本来の力を見せた。リーグ戦は軽い階級から試合を行っていくだけに、その実力を出して流れをつくる試合が求められる。その後に出場する74キロ級の保坂健(スポ3=埼玉栄)はきょう2フォールを挙げる活躍、84キロ級の北村公平(教4=京都八幡)も好調を維持しており、あした以降の強豪との対戦ではまず軽量級がカギとなってきそうだ。

黒澤ら軽量級陣には奮起が期待される

 「取りこぼしが無いように」(山方監督)、「この2日間は7-0で勝つ」(太田拓弥コーチ)という目標だった大会の前半2日間。4戦して全て7-0での勝利とその目標は超えてきている。あしたは今までより力のある専大、国士舘大との対戦になる。しかし、優勝のためには負けることは許されない。きょうまでの流れを維持して一気に栄冠へと進みたい。

(記事 三尾和寛 写真 井上義之)

結果

▽1部Bブロック

3回戦 ○早大7-0明大

4回戦 ○早大7-0神奈川大

コメント

山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)

――2日間終わっての感想は

きのうきょうは実力差のある大学が対戦相手なので、気を抜いたり、相手をなめたりといった試合をしないようにということと、取りこぼしが無いようにということ、それからあしたからが本当の勝負という形になるのでそれに対して良い流れに持っていこうというようなことで臨んだ初日、2日目でした。内容は物足りなさのある部分もあったんですけど、雰囲気は良い流れできているので、まあまずまずなのかなと思います。

――軽量級の内容というのは少し課題かなという気がしましたが

ミーティングの時にも言ったのですが、軽量級が良い流れというのをつくれていないよと。重量級に頼っている部分があると。それはやっぱりあしたからの勝負では良い流れでいけるように、自分のレスリングをするようにという形ですね。軽量級は故障明けだったり、負傷が治っていなかったりというのがあるので、正直試合前は心配している部分もあったのですが、まず中身はどうあれ体はあしたに臨める状況なので、それはそれで良かったのかなと。あとは気持ちが、3日目ということで、もっと高ぶってくると思うので、バタバタしないように落ち着いてやらせたいなと思います。

――では好調な重量級はいかがでしょうか

重量級はやっぱり実力差がかなりある中なので当然の勝ち方といえば当然の勝ち方なのですが、やっぱり力を抜かずに全力でいっていることで、他の人が見ても良い流れと感じる試合ができていると思います。

――あした以降へなにかありましたらお願いします

あとは試合に出る者は1試合1試合、出ない者も1試合1試合の応援とサポートと、1人1人が一つになれば良い結果がおのずとついてくるのかなと思います。1試合1試合、1人1人の勝ち負けを見ながら最後には笑いたいなと思います。

太田拓弥コーチ

――2日間終えていい結果できていると思いますがいかがですか

1つも落とせない状況なので、この2日間は絶対7ー0で勝つというのがテーマでした。結果的に全て勝つことができて、個人個人の課題はありますが、結果的には良かったかなと思います。

――中でも大坂主将は好調だと思いますが

そうですね。大坂キャプテンはじめ、北村、前川の重量級、後ろ3人が気持ちの入ったレスリングをしてくれているので、次の試合にも気持ちが入ると思います。しかし、優勝するためには軽量級の力が絶対必要なので、いま軽量級は重量級に流れつくってもらっているので、あした以降は軽量級が重量級にいい形でバトンタッチできるような試合展開にしてもらいたいなと思いますね

――1年生で66キロ級に出ている多胡島選手はいかがでしょう

1年生ですけど、伸び伸びとレスリングをやっているなと思います。JOC杯ジュニアオリンピックで優勝した経験が活かされているかなと思いますね。

――落ち着いた試合運びを見せていますね

まあきのうの1試合目はちょっと足が動いていなかったのがありましたけど、きょうは足も動いていたので緊張がほぐれたのではないかなと思います。

――軽量級の他の選手はいかがでしょうか

55キロ級の西、60キロ級の黒澤がもう少し本来の力を出さないと優勝は厳しいかなと思います。

――あした以降の強豪との対戦に向けて意気込みは

軽量級で良い流れをつくって、一つ一つ確実にポイントを取って、まずグループ優勝目指して頑張っていきたいです。

大坂昂主将(スポ4=秋田商)

――2日目も素晴らしい結果だったのではないでしょうか

そうですね、みんなの調子もだんだん上がってきています。1試合目の黒澤にしろ、2試合目の(桑原)マコトにしろ、3Pまでもつれた接戦を勝ってくれて、今のところ全試合7-0で勝利しているので、よい流れで来ていると思います。

――その中であえて反省点を上げるとしたらどこでしょうか

僕はいまのところ特にないですね。相手もあまりレベルの高くない大学で、モチベーションを保つのが難しくなりますが、その中でもしっかりと勝ちきれたのは、よい事だと思います。

――今日も得意の形でポイントを積み重ねました

僕はあのかたちしかないので(笑)。バックを取ったら、3回ローリングで終わるので。それしかないと思っていますし、きのう、自分が試合に臨むにあたって何がしたいのかをはっきりさせようと選手には伝えました。それが僕の場合では、バックでローリングで返すということを描いてやっていて、それを実際の試合でもできました。でも明日からは相手のレベルも上がってくるので、その中でどこまで練習してきたことを出せるかですね。

――明日からはその強豪校との対戦も始まりますが、特に注意している大学はありますか

明日から戦う大学は全て強いですし、うちを倒しに来ると思うので、気持ちの勝負になってくると思います。これまで、どれだけ練習してきたかが自信に繋がると思います。自分がこれだけ練習してきたから負けるわけがないと思えるか、そこの気持ちの差が最後に出てくると思います。

――明日への意気込みをお願いします

やはり気持ちの勝負になってくると思います。気持ちを前面に出して、チーム一丸となって優勝を目指して頑張りたいと思います。

北村公平(教4=京都八幡)

――きのう、きょうとここまでいかがですか

そんなにレベルの高いチームとやっているわけではないので、落ち着いて自分のコンディションを整えながらやっています。いま現在ケガを抱えているのですが、最終日に合わせて、調整をしながらケガを悪化させないことを第一としながらやっています。ケガが言い訳で負けるようなことはありません(笑)。

――普段より1つ上の84キロ級で出場していますが

相手が重かったり、大きかったりっていうので力という面ではやりづらさなどはあります。普段、練習で大坂だったり、洞口など重たい選手とやっているので、そんなに苦戦するっていうことにはなっていないです。

――逆に勝っていると感じるポイントなどはありますか

スピードとスタミナですね。今のところ、2Pで終わっているので、影響はありませんが、仮に3Pまでもつれた時に、やはり体力で勝つ自信はあります。それを見越してフェイントで相手を反応させてみたりして序盤から動かしていくということは意識しています。

――北村選手は他の選手の試合にアドバイスしていたりしていたのが印象的でした

僕が1、2年生の時に、先輩方がそういう風にしてくださったことが下級生として試合に臨む際に背中を押してくれることにつながり、自信になっていたので、その安心感を逆に下級生に伝えるのがただ勝つだけではなく僕に求められていることではないかと思います。

前川勝利(スポ3=茨城・霞ヶ浦)

――3試合連続フォールと良い結果ですが調子はいかがでしょうか

調子は良いですね。相手が(本来は)120キロ級の選手じゃない場合というのもあってパワーの差もありました。対戦校も神奈川大などで、あした以降は拓大や国士舘大など強い選手が出てくると思います。まあ今のところは良い調子です。

――試合前に監督やコーチからなにかアドバイスされましたか

技術的には言われていませんが、落ち着いてということを言われました。

――グラウンド、スタンドともに技が出ていましたが、内容的にはいかがでしたか

全体的に見てもスタンドで技が出て、きょうの初戦もフォールできましたし、2試合目もフォールはできなかったですがテクニカルフォールでバンバンバンと決まったので良かったです。

――あしたから強い相手が出てくると思いますが

そうですね。国士舘大やあさっての拓大、そして決勝と強い選手がくるので。自分去年は怪我でリーグ戦出られなくて、今回はどうしても勝って優勝したいという気持ちがあるので、しっかり気を引き締めて一つ一つ勝っていきたいです。

――目標は優勝しかないという感じですか

天皇杯前のインタビューのようになってしまうのですが、もう優勝するしかないと思っています。特に今回は個人戦ではなくて、チーム一丸となっていかなければいけないという所もあるので、みんなで力を合わせて優勝したいと思います。

――チームの雰囲気も良いですか

そうですね。今のところ全部勝っているので、全部7ー0なので、すごく良いと思います。