全グレへ暗雲か ライバル対決制せず

レクリング

 ことしは54年ぶりに東京で行われている国民体育大会。ワセダからは5人の選手が郷土の代表に選ばれて出場した。今回の5人は全てグレコローマンスタイル(グレコローマン)への出場となり、本来フリースタイル(フリー)の選手である北村公平(教4=京都八幡)が84キロ級で3位になる健闘もあった。しかし、期待の96キロ級・大坂昂主将(スポ4=秋田商)、120キロ級・前川勝利(スポ3=茨城・霞ヶ浦)はライバルに敗れ、優勝はならなかった。

大坂は米平に連敗となった

 「調整もうまくいった」と自ら振り返るように順調に勝ち上がった大坂は、準決勝で米平安寛(日体大)と対戦。8月末の全日本学生選手権(インカレ)の決勝の再戦、敗れた大坂にとっては雪辱戦となった。しかし試合は今回も米平に先制点を取られる苦しい展開となる。なんとか追いつきたい大坂は懸命に攻めるが、米平を崩すことができない。結局、最初のポイント以降は点が動かずに敗退。「(インカレから)差が開いている」(大坂)と語る試合になった。

 120キロ級では前川が準々決勝で園田新(拓大)と対戦。こちらは6月の明治杯全日本選抜選手権(明治杯)決勝の再戦になった。連勝を狙う前川は相手を押し込み、消極的姿勢への警告を誘ってグラウンドでの攻撃権を得る。ここまでは前川の持ち味が出て、ペースを握っていた。ところがローリングを仕掛けたところで逆に切り返されて失点。さらに立ち上がったところを場外へ押し出され、一瞬にして2点のビハインドを背負った。その後、追いつきたい前川は積極的にスタンド技を狙うが決めきれず、カウンターで失点を重ねる。結局2ピリオド1分57秒でテクニカルフォール負けとなってしまった。

大坂は米平に連敗となった

 苦しい戦いが続く中で、北村は健闘を見せた。本来はフリー74キロ級を専門とするが、グレコローマン84キロ級に出場。違うスタイルの重い選手を相手にして、逆に「気負うことなく楽しめた」(北村)と堂々の3位入賞を果たす。また1階級上げて74キロ級に出場した花山和寛(教4=愛媛・八幡浜工)も5位に入った。

 ライバルに負けた。試合後の選手の表情にはその悔しさが見て取れた。しかし戦いは終わりではない。10日後には全日本大学グレコローマン選手権(全グレ)がある。個人だけでなく、大学ごとの団体得点も競う全グレこそが決着戦。「絶対に負けたくない」(大坂)勝負へ。今こそ闘魂を見せる時だ。

(記事 三尾和寛、写真 田島光一郎)

結果

▽グレコローマンスタイル

60キロ級 池田圭介(スポ4=群馬・館林) 1回戦敗退

74キロ級 花山 5位

84キロ級 北村 3位

96キロ級 大坂主将 3位

120キロ級 前川 5位

コメント

大坂昂主将(スポ4=秋田商)

――米平選手と再戦となりましたが

見た通り僕が何もできなかったので。実力差が出てますね。ちょっと。インカレで負けた時よりもちょっと悔しいですね。あの時は準決勝でバテバテだったのでいろいろな意味でよく開き直れたのですが、今回は万全で調整も上手くいきましたし、試合前のアップもすごい良いかたちでできていたので、なす術無いという。実力差は感じました。

――差は開いていっていますか

開いてますね。あと僕がポイントを取られたのはバランスを崩したので、バランスも自分の中で悪いですし、ちょっとこのままだと、というのがあります。10日後に全グレがあるので、どう調整するか、あそこだけは絶対に負けたくないので、調整して、課題ですね。

北村公平(教4=京都八幡)

――きょうはいつもとは違うグレコローマンスタイル(グレコローマン)84キロ級に出場した理由を教えてください

単純に京都府のチーム事情で、京都府はフリースタイルがすごく強いので、僕の場合は本来の階級より上げているというのもあり、グレコローマンができるという理由もあってチームの関係でグレコローマンに出てくれということで出場しました。

――出場した感想は

グレコローマンは難しいですね。でも本来のスタイルではないので気負うことなく楽しめたと思います

――全日本大学グレコローマン選手権(全グレ)には出場しますか

はい、出ます。

――それの向けてどのような調整をしていきますか

もうそんなに調整する期間もないので、自分が持っている力を出すだけです。今回はあまり結果にこだわらず楽しんだ分次の全グレは結果にこだわりたいです。優勝できるように頑張ります。

はい、出ます。
――それの向けてどのような調整をしていきますか
もうそんなに調整する期間もないので、自分が持っている力を出すだけです。今回はあまり結果にこだわらず楽しんだ分次の全グレは結果にこだわりたいです。優勝できるように頑張ります。