2日にわたって行われる全日本大学グレコローマン選手権(全グレ)。全7階級に各大学1人ずつ選手が出場し、順位に応じて点数が与えられ、その合計得点で大学対抗得点を競い合う。初日のきょうはワセダからは4人の選手が出場した。66キロ級では中井堅太(社3=南京都)が見事優勝。しかし、優勝の期待がかかった74キロ級の花山和寛(社4=愛媛・八幡浜工)は3位に終わり、他2選手も得点を挙げることができず、点数を伸ばせなかった。初日を終え総合得点18点で首位の日体大を21点差で追うかたちとなり、総合優勝は難しくなった。
全試合テクニカルフォールで勝ちを収め、優勝を果たした中井。しかし試合後には「強い人ばかりで全然優勝できると思っていなかった」と口にした。3試合目では全日本学生選手権(インカレ)3位の日体大・屋比久翔平と対戦。第1ピリオド(P)は中井がバックを取って2ポイントを先取するもチャンスを生かせずそのまま第2Pへ。第2Pでは2回の警告を取られグラウンドの守りに入るが耐え抜き、相手に得点を与えない。終盤には相手を持ち上げて投げ5ポイントを取り、テクニカルフォールで勝利を収めた。「泥仕合になっても6分間戦い抜くつもりだった」と中井が語るように苦戦が予想されたこの一戦。相手に1ポイントも与えることなく圧勝し、中井は波に乗る。準決勝では相手に先制されるも得点を重ね勝利。決勝戦では相手にポイントを取られることなくテクニカルフォールを決め、優勝を果たした。「入学してから1番良かった」と中井も納得のレスリングだ。
豪快な投げ技を決める中井
66キロ級のインカレ王者の花山は階級を1つ上げて出場。優勝を期待されたが準決勝で「自分の持ち味を出すことができなかった」(花山)とフォール負けで優勝を逃す。しかし敗者復活戦では「気持ちを切り替えて、自分の持ち味が出せなくても勝ちに行こうと思った」と2戦連続で相手に点を与えることなくフォール勝ち。相手を圧倒し、3位を勝ち取り意地を見せた。
2階級制覇ならなかったが3位に入った花山
中井の優勝という明るい材料はあったものの、総合優勝に向け厳しい結果となった初日。最終日のあすは、太田拓弥コーチが「自分のレスリングをやってその結果総合優勝なりがついてくる」と言うように1つでも上の順位を目指し、日体大に食らいついていきたい。
記事 谷田部友香、写真 三尾和寛)
結果
大学対抗得点 3位 18点
55キロ級 西洸大(スポ4=京都・網野) 1回戦敗退
60キロ級 池田圭介(スポ4=群馬・館林) 1回戦敗退
66キロ級 中井 優勝 12点
74キロ級 花山 3位 6点
コメント
太田拓弥コーチ
――初日を終えて18点ですが、どう受け止めていらっしゃいますか
四年生3人が最低でも3位以内、花山(花山和寛、社4=愛媛・八幡浜工)と池田(池田圭介、スポ4=群馬・館林)に関しては悪くても決勝と考えていたので、団体優勝するにはちょっと厳しいですね。
――その中で、3年の中井堅太(社3=南京都)選手が優勝しました
インカレ(全日本学生選手権)3位になった屋比久選手にもしっかり勝ちましたし、自分の得意とするパターンに持っていって、(屋比久戦の)最後も持ち上げて投げることができて、自分のレスリングを100パーセントできたことがあの結果につながったかなと思います。
――屋比久選手との試合が一つの鍵になりましたか
意外と楽に勝たせてもらった感じはありますね。それよりは準決勝の方がちょっと手こずったような内容だったので。(屋比久戦は)5点リードした時に持ち上げられるかなという不安もありましたけど、よくしのいで、相手も焦ってきたのできっちり勝つことができて良かったと思います。
――花山選手はいかがですか
まず本来の階級ではないというのがあって。結果的に(花山に勝った)彼が優勝したので、花山にも十分優勝するチャンスはあったと思います。ただ、最低限の3位というかたちはやってくれたと思いますが、本来であれば中井と花山で悪くても決勝進出とこちらでは考えていたので、正直あそこでは勝ってもらいたかったなと思います。勝てる力も十分にあったので。
――池田選手はいかがですか
ケガの影響があったかなとは思います。
――足のケガですか
足首をちょっとケガしてしまったのですが、そんなこと言っていられない状況だったので。最後の学生選手権を何とか勝たせてやりたいという気持ちはありましたが、普段の動きはできなかったですね。
――あしたの残り3階級はどうでしょうか
総合優勝はちょっと厳しくなりましたけども、とにかく中井みたいなかたちで自分のレスリングをやってもらって、その結果総合優勝なりがついてくるかなと思いますね。
花山和寛(社4=愛媛・八幡浜工)
――今のお気持ちは
メンタルやられてますね。優勝逃しちゃったので。p>
――敗れてしまった準々決勝はいかがでしたか。大きい相手との対戦でしたが
体は大きかったですね。自分の持ち味を出せずに、組み手を練習していたのですがそれも出せず、今まで練習してきた投げ技もかからず。不完全燃焼な試合ですね。 (2回投げ技を受けて)2回目の投げは耐えられそうだったのですが、最後コロッといっちゃって。
――敗者復活戦はいかがでしたか
敗者復活戦は気持ち切り替えて、自分の持ち味出せなくても勝ちにいこうと思っていました。体力負けもしないと思いましたし。まあ、勝てて良かったです。
――3位という結果には満足していないですか
満足していないですね。優勝目指していたので。
――中井選手の決勝とあしたの残りの階級の試合に向けていかがでしょうか
自分らの試合が終わって、あしたに良い流れというのは中井が勝つかどうかにかかってますし、良い流れでいって、自分らはサポートするだけなのであしたの応援頑張りたいです。
中井堅太(社3=南京都)
< b>――きょうの優勝という結果についていかがですか
正直、予選から強い人ばかりで全然優勝できるなんて思っていなかったのですが、いざ始まってみたら今日は自分のレスリングができていて、決勝までいって、優勝しかないなと思い、優勝できてほっとしています。
――試合内容についてどのように評価しますか
入学してから今までで多分1番良かったのではないかと思います。あまり点も取られることなく自分のレスリングが試合中続けることができて、あとは体力がどれだけ上がるかというのが今後の課題だと思います。
――3回戦の日体大の屋比久選手との試合を振り返っていかがですか
接戦になって泥仕合になっても6分間戦い抜くつもりでいたのですが、2点ずつ取っていって結果としてテクニカルフォールをとれて満足です。
――きょうはチームに貢献することができましたね
そうですね。本当に3位とかだと思っていたので、まさか優勝してチームに貢献できるとは思っていませんでした。
――今後の目標を教えてください
後半はあとは天皇杯(天皇杯全日本選手権)しか残っていないので、ことしの明治杯(明治杯全日本選抜選手権)は3位だったので1つでも上にいけるようにして、あとは課題にしている体力の向上です。