第3回には、クロスカントリー競技の広瀬崚(スポ1=富山・雄山)と星野誉貴(スポ1=群馬・利根商業)の2人が登場する。昨年のインカレで大量にポイントを獲得したこのクロスカントリー競技だが、今年も有望な選手が入部した。活躍が期待されるルーキーの2人は何を語るのだろうか。
※この取材は11月6日に行われたものです。
※当時は未定でしたが、広瀬選手はジュニア世界選手権に出場するためインカレには出場しません。ご了承ください。
「自覚と誇りを1人1人が持っているチーム」(星野)
昨年は悔しいシーズンだったという星野。奮起に期待だ
――スキーを始めたきっかけは
星野 もともと僕は雪深い地域に生まれて。クロスカントリースキーを始めたのは小学6年生なのですが、アルペンスキーは3歳とかですね。物心つく前からスキー場に行って(スキーを)やっていることが多くて、自然とスキーを始めていました。(スキーを)始めた、というよりかは(いつの間にか)していたという感じですね。物心ついた時には板履いて、冬はスキー場に行ってスキーして、ご飯食べて帰ってくるみたいな冬休みばかりでした。
広瀬 僕もクロスカントリースキーを始めようと思っていたというよりかは、僕が入っていたスポーツクラブが冬以外はいろんなスポーツに取り組んで、でも冬はクロスカントリースキーという種目をチームとして大会に出たり練習をしたりと、そういう環境があったので、続けているという感じです。
――スポーツクラブというのは
広瀬 競技だったらドッチボールだったり、野球だったりサッカーだったりっていういろんなスポーツに加えて、例えば鬼ごっこだったりとか遊びの要素も入ったようなスポーツもやっているようなものでした。スキークラブというよりかはスポーツクラブでしたね。
――星野選手は野球をやられていたそうですが
星野 そうですね。僕は小学校5年生と6年生の時に少年野球をやっていて、一応地区の選抜チームにも選ばれたりさせてもらって、野球を結構毎日のようにやっていましたね。小学5、6年生の頃は夏は毎日野球をやって、冬はスキーを日の出ているときにやって、その日の午後、日が暮れたら野球みたいな生活でしたね。中学生の頃も野球を、(野球部の)人数が足りなくて助っ人でやっていたんですけど、それが漫画のような展開でしたね。県大会の決勝まで行ってしまって、結構取り上げられました。新聞とかにも。
――スキーに絞ったのはなぜですか
星野 中学入学して、部活動見学ってあるじゃないですか。その部活動見学で気づいたらスキー部しか行ってなくて仮入部期間終わっちゃって。野球部は一回も行かずにだったし、僕小学5年生から(野球を)始めて、当時の3年生を全然知らない状態だったので、『ちょっと怖いな』と(思い)、仮入部にも行けず、『じゃあスキーにしよう』と思いました。スキー一本になったのは中学生の時ですね。
――これまでスキーをやってきた中で、一番印象に残っている大会などはありますか
広瀬 僕は中学3年生の時の全中大会ですかね。理由としては初めて全国入賞した大会で、なんていうか、すごく感動した記憶があります。僕は全然中学や小学校の時から速かったわけではなかったので、ずっとへなちょこな状態でやってきて、やっとつかんだ全国入賞だったのですごい印象にあります。
星野 僕は広瀬くんが言ったように中学3年の全国大会も印象に残っているのですが、やっぱり高校1年生の時に地元(群馬県)で迎えたインターハイ(全国高等学校スキー大会)が印象に残っているレースですね。中学生の時も全中(全国中学校スキー大会)が地元で行われたのですが、高校の時には運営とかの大変さなどの内部の事情もよくわかってきていて、どれだけインターハイとかの全国大会を開催するのが大変かを理解したうえで大会に臨めて、その上で8位入賞、9位入賞というように二つとも入賞ができて、一つ結果を残して、地元の人とかにも活力を与えられたというか、最低限そのかたちを残せたレースだったので、一番印象に残っています。
――早大に入ったきっかけは
広瀬 今も早稲田大学で准教授をやっていらっしゃる、藤田善也先生(平19スポ卒=北海道・旭川大高)がコーチにいるっていうのが大きくて。藤田先生はジュニアのナショナルチームのコーチもやってらっしゃって、それですごいお世話になっていて、実際に指導してもらって『この人に教えてもらいたい』って思ったので早稲田に来ました。あとはスポーツ科学部という自分の勉強したいことを勉強できる環境が整っているのが大きいですね。
――大学の授業などはいかがですか
広瀬 そうですね。正直全然わからない授業はわからないですけど(笑)、バイオメカニクスだったり、栄養学系のことだったり、コーチング概論だったり、自分の競技に応用が利くような授業がとても多くて。そういう授業は分からなくても自分なりに身につけようと頑張れるので、すごくためになります。
――星野選手はなぜ早大を選んだのでしょうか
星野 元々、ちっちゃい頃から漠然と早稲田に行きたいっていう風に思っていて。スキーで早稲田に行きたいと考えていたわけではなくて、とにかく早稲田に入りたくて。それで一般とかも受けようかなと考えていたのですが、高校に入る時に幸いスキーで成績を残せて、早稲田のスキー部も強いということで、高校からは早稲田のスキー部に入ることを目標にやって行こうかっていうことになったのがきっかけですね。元々早稲田に行きたかったっていうのが、早稲田を選んだきっかけだと思います。
――元々早稲田に行きたかったのはなぜですか
星野 僕の家が旅館をやっていて、旅館に結構早稲田の学生さんが来てくれていて。早稲田って自由な校風なので、楽しそうだなって思って。勉強頑張って早稲田に行けばこういう楽しい人生が待っているのかなと思いながら(笑)、学生とも話をさせてもらったりもして。『早稲田楽しいよ』っていう風に結構聞いていたんで。まあ洗脳されたと言いますか(笑)。そんな感じでした。
――実際に早大のスキー部に入ってみて、雰囲気などはいかがですか
広瀬 先輩達は優しいですね。もちろん優しいだけじゃなくて。自分たちは1年生なのでもちろん寮の仕事もしないといけないですし、なにかと率先して気を配っていかないといけないところもあるので、そういうところはしっかり指導してもらって厳しくあたってくれるところがありがたいです。そういう意味でもすごくいい雰囲気の部活だなという風には思いますね。
星野 やっぱりインカレとかで総合優勝を何度もしていて、強い学校ということで、自覚と誇りを1人1人が持ってやっているチームなんじゃないかな、と思いますね。チームの目標ももちろんあるのですが、まず個々の目標を達成するために自分が今何をすべきかっていうのを1人1人がしっかり常に考えられている、すごいチームだなっていう風に僕は思います。
――尊敬する先輩などはいらっしゃいますか
星野 そうですね。同じランナーの3年生の山下陽暉さん(スポ3=富山・南砺平)は尊敬できますね。練習に対する態度だったりもそうなんですけど、やっぱり成績を残しているという部分でも本当にすごい、尊敬できる先輩だと思います。
広瀬 僕もなんていうか、山下さんを尊敬していますね。星野くんも言ったように練習に対する意欲というか考え方というか、本当に尊敬できて、どんどんどんどん吸収していかなくてはいけないっていうのがありますし、目標の1つでもあるので、追い越していけるように頑張ります。
――お二人が出会ったのは大学が初めてですか
広瀬 いや、中3ですかね?
星野 そうですね。中学3年の時の、たぶん広瀬くんが言った印象に残っている(試合の)全中のフリーの時。
広瀬 彼も入賞してたので、その時からですかね。
星野 そうですね。多分(スタートが)隣で。長野とか北海道とか新潟とかばっかりで、お互い自分の県から1人だけ。
広瀬 強豪県ではなかったので、親近感が(笑)
星野 心細い同士で意気投合しましたね(笑)
――第一印象はいかがでしたか
広瀬 んー、まあ速いですね(笑)。速いっていうこと以外覚えていないですね。昔のことなので。
星野 ちょっと忘れてしまいましたね。僕もその表彰式の時に緊張しててよく覚えてないのですが、お互い緊張してるけどどんどんどんどん自分から喋りかけてくれて、すごく打ち解けやすい存在だったと思いますね。
――広瀬選手から話しかけたのですか
星野 そうですね。話しかけてくれました。
広瀬 全然覚えてないですけど(笑)。まあでもすぐ仲良くなったのは覚えています。
――今の印象はいかがですか
星野 広瀬は、やっぱりさっきも話していた通り1年生の仕事っていう部分で、真面目にこなしているという印象があります。ビシッと言えるところも言えますし、僕結構そういうことを言えるタイプではないので、そういうのがビシッと言えるのはすごいと思います。全日本のジュニアチームに入っているということで、競技面でも常に自分が上に行くためには何が必要かっていうのを考えられている、すごい同期だなと思います。
広瀬 (星野が)真面目だっていうことを言っていましたけど、僕も同じで。僕らの学年で教職をとっているのが彼だけなので、自分がこんなんでいいのかっていうくらい彼は本当に真面目に勉強のことをしっかり考えていて。そこはすごい尊敬できるところですし、競技の面でもこれからシーズンに入りますけど、すごい頼りになる存在なので、(一緒に)頑張っていきたいと思います。
――教職の話も出ましたが、星野選手は大学の講義はいかがですか
星野 (星野が)スポーツ科学部なので、スポーツ科学部っていうくらいだから体育ばっかりなのかなと思っていたのですが、意外と座学もためになることばっかりで。教職の中で違う授業をとっていても、別の授業の課題のヒントとかが転がっていたりするので、全部の授業がつながっている感覚がありますね。高校だったら教科ごとに違うじゃないですか。大学は常に耳を傾けていれば思わぬところで(他の授業の)課題の答えが転がっていましたみたいなことがあるので、すごく面白いなと思います。
――面白い授業はありますか
広瀬 藤田先生のコーチング概論ですね。クロスカントリースキーの合宿でもミーティングの時間に、例えば練習に対する考え方とか、試合に対する調整とかを教えてもらったりすることが多いのですが、それとリンクして捉えられるような授業内容だったので、そういうのは聞いてて面白いですし、さっきも言ったんですけど自分の競技につなげられるというか、使える講義の内容もすごいたくさんあって、そういうのも聞いててためになるので面白いですね。
星野 スポ科(スポーツ科学部)の授業も面白いのですが、教職の授業(にある)『特別活動論』が結構面白くて。修学旅行の計画を授業で立てているのですが、いろいろな苦労があって修学旅行に行けていたんだなというのを実感しています。『自分が中学生に戻ったとしたらどのような修学旅行にしたいか』とか、当時に戻った気分で考えられるので、失った青春を取り戻すではないですけど、そういう授業もあったりして、結構面白いですね。
――趣味はありますか
広瀬 ちょっと考えたいんですけど。
一同 (笑)
広瀬 彼(星野)はアウトドアなので(趣味がたくさんある)。
星野 そうですね。趣味といいますか、山に登ったりするのが好きですね。帰省とかしたりすると休みの日とかは山に登ったりしますね。あとはロードバイクに乗ったりとか。
――すごくかっこいいじゃないですか!
広瀬 彼はかっこいいんですよ。
星野 僕はそれ(登山やロードバイク)が趣味だとは思いますね。
――スキー部は合宿などでも山に登られていますよね
星野 合宿でも多分1つは登山のメニューが入っていたりするのですが、僕はもう趣味で山に登っているので、その登山の練習を結構楽しみにしていますね。
広瀬 登山っていう部類になると長時間トレーニングになるので、僕は苦手なのでちょっとおっくうになりますね。僕の趣味自体がランニングがあって。今考えてもランニングしか出てこなかったんですけど(笑)。例えば駅伝に出たりして、仲間と走ったりするのも好きですし、一人で山で走ったりして、景色を楽しむのも好きですね。趣味っていったらそれくらいしかないんですけど。
――オフの日は何をされていますか
星野 家(実家)に帰った時は、地元の友達と遊んだりとか、山に行ったりとか高校に顔を出したりしていましたね。こっち(埼玉)でのオフの時には、(星野が)街に出たいと思っている人なので、電車乗って都内に行って、ただ見て回って帰ってくるみたいなこともしていますね。
広瀬 僕はこの質問を結構いろいろな人にされるのですが、結構困りますね。僕は何もしないタイプなので。何もなかったら練習しますし、練習がなかったら何もしないですね。本当に恥ずかしいんですけど。地元帰った時とかは午前中練習して午後休んで夜ご飯を食べに行ったり、地元の友達と遊びに行ったりしていますね。カラオケとかは好きなのでよく行ったりします。
星野 こっち(埼玉)でも地元の友達は会いますね。僕は群馬出身なのですが、腐っても関東なので、結構こっちに来ている友達もいたり、近くで会える友達もいるので、結構会ったりして多くの人と遊んだりしますね。
――カラオケは誰と行くんですか
星野 (中川)慎さん?
広瀬 うん。もちろんこの寮の先輩方とも行きますし、1番多いのが同年代、地元の友達だったり、今の寮にいる同年代の友達だったりが1番多いかなと思いますね。
――最近ハマっているものはありますか
星野 ハマってるものか…。最近冬季で時間があるので、いろんなことできるので、そうですね…。スマブラ結構やっていますね。解散期間になってからそんなやっていないけど。
広瀬 今は料理をやっていますね。(主に作るのは)鍋ですかね。簡単なものですけど(笑)。あとは、最近はシーズンが近づいてきて、クロスカントリーのスキーのW杯だったり世界大会だったりの動画とかを見ていますね。そういうを見て気持ちを高めています。シーズンに向けて。
星野 モノではないんですけど、最近ラグビーの特番で桐谷美玲さんが出ていたんですけど、そこで『めちゃめちゃかわいいな』と思って。ファンになりました。
広瀬 インスタは結構ハマってますね。実は個人スポンサーの方で契約を切られてしまって。その理由が『インスタグラムのフォロワーが少なすぎる』っていうものだったので、ちょっと最近凝り始めていますね(笑)
「体力は誰にも負けない自信がある」(広瀬)
ジュニア世界選手権での活躍に期待がかかる広瀬
――ここからは競技についてお伺いします。昨シーズンの競技成績を振り返ってみていかがですか
星野 僕はほとんど全部の大会でワーストのリザルトを残してしまいました。夏場の練習は結構全国でも多いほうで終われたと思うのですが、なかなかうまくかみ合わなかったのか、よくわからないまま終わってしまって。とにかく、成績の残せない残念なシーズンでしたね。
広瀬 僕は、リザルトとしては結構成績も残せたのですが、不完全燃焼というか。僕の言葉で言うと『もっといけたな』といったシーズンでした。理由はいろいろあると思うし、自分の中で分析もしているのですが、今年はそういうのを改善して、1つ1つ補強していって、去年の失敗をしっかり今年に生かしていきたいと思っています。今年が結構勝負の年だと思っているんで、全力で。いい結果を残せるようにしたいです。
――その『理由』とは
広瀬 第一に単純な力不足っていうのもあると思うのですが、例えばコンディショニングの面だったりとか、去年はインフルエンザにかかってしまって、結構その後の大会とかはボロボロだったので、そういうのも結構大きいなというのはありますね。メンタル面とかでも、試合に対する考え方だったりとか、試合に向けて、自分の気持ちをどう持っていくかっていうのはスキーとか、スキーに限らずスポーツでは重要になってくると思うので、特に僕はそういうところが弱いと思うので、そういうのが原因かなとは思いますね。
――今年の夏はどのような練習に重点を置いてきましたか
星野 高校時代に比べてローラースキーが本当に多くなったなという印象ですね。今年の夏を振り返ってみると。(高校は)もともとそんなにローラースキーのコースがない場所だったので、ローラースキーができなかったりして、大学来て『ここまでローラーやるんだな』と思いながらローラーしていました。
――高校と大学の練習はどっちの方がキツいですか
星野 高校の練習って、合宿とかだと期間が短くて。本当に練習を詰め詰めでやるんですけど、大学は(練習の)期間を長く取れたりして、精神的に余裕がありますね。単純な練習のキツさで言ったら大学の方がキツいかもしれないんですけど、1回1回が詰められているので、精神的にキツいのは高校ですね。肉体的にきついのは大学です。
広瀬 僕も同じようにローラースキーですかね。全然高校の時と量が違いすぎて。僕はランニングをすごく重点的にやってきた選手なので、例えばですけど3000mのタイムだったりとか、ランニングのタイムトライアルのタイムとかを落としたくない選手だったので、ずっとそういうの、ローラースキーとかは敬遠してきたんですけど、ここまで大学で相当な量のローラースキーの練習に取り組んできて、逆に良くなってきているし、こういうのをしっかりメニューを考えてくれている藤田先生のおかげだなと思って。高校の時と比べると練習量も格段に多くなっていて、本当に。自分はつらくてつらくてたまらないですけど(笑)、でもしっかり『ここは自分のレストにしていいよ』とか『好きな練習していいよ』とかがちゃんとある練習内容なので、そういうとこで自分でしっかり調節して、自分の体調とか、体の状況とかと相談して、その日その日の練習メニューを決められるので、しっかりそういうのがあるから、ここまではすごく順調にできてるなっていうのは思います。
――計れる段階ではないとは思いますが、ここまでの調子はいかがですか
広瀬 ローラースキーの大会とかにも出たので、それはかなり良くなっていますね。きょねんと全く同じ大会でほんとに成績も見違えるように良くなっています。
――大学に入ってから増えた、ローラースキーの練習の成果ですかね
広瀬 ですかね。
――自分のスキーにおけるストロングポイントは
広瀬 僕は体力だと思っています。根性論ではないのですが、気持ちでやっているタイプなので。だからパワーだったりテクニックだったりが足りないと思っているんですけど。体力とかは誰にも負けない自信があるので、大学生になったら距離も伸びたり、長い距離の種目が増えてくるので、そういうところでは、(体力が)自分のストロングポイントだと思います。
星野 そうですね。僕も体力というタイプなのですが、広瀬が桁違いにすごすぎて、ちょっとあんまりそういう風には言えないですね。強いて言うなら長く続けること、ずーっと同じペースで走れるっていうことですかね。10キロとかのレースだと、1キロ『ばんっ』っていった選手が勝つのですが、インカレになると30キロとかあるんですけど、30キロとかのロングレースが入ってきて、そこなら僕もスピードはないけど戦えるんじゃないかなと思っています。あとは、マススタートでごちゃごちゃしてる中で、焦らずに無理に走らないで行ける選手だと自分では思っているので、レースをしているけど自分を客観視しているってうところが自分のストロングポイントなんじゃないかなと思います。あとは地元が標高高かったので、標高高いコースだったら『ドンと来い!』といった感じですね。
――ことしのインカレの会場である鹿角の印象は
広瀬 大嫌いですね。
一同 (笑)
――その理由は
広瀬 短いんですよね、すごく。キツいところがあんまりないというか。
星野 確かに。
広瀬 テクニックがすごく重要になってくると思うので。キツいところだったらごり押しで行けるんですけど、そういう訳にはいかないので。そういうのも今年ポイントで練習してきたので、(練習の成果を発揮)すればいいんですけど。
星野 鹿角は去年、高校3年時のインターハイの会場だったんですけど、僕はそこでインターハイワーストを更新したコースなので、正直そんなに良い思い出のないコースではあります。でもアルペンスキー場とジャンプ台が近くにあって、他の競技の雰囲気も感じられて、会場としてはすごく好きですね。自分の競技の面で考えたらそんなに好きじゃないコースです。標高も低いですし、自分のストロングポイントを全部封じられちゃったみたいな八方塞がり状態のコースだと思います(笑)
――競技生活における最終的な目標は
広瀬 僕はオリンピックでメダルをとることですかね。最終的には世界一だと思っているんですけど。そういうつもりで今はやっています。
星野 一応競技は大学までと決めているので、大学在学中に1度でもいいので、日の丸をつけて広瀬君と海外のレースで世界の猛者たちと戦いたいなっていうのはありますね。それなので、2年生の時は厳しいかもしれないんですけど、4年生の時に迎えるユニバーシアードで絶対代表になって、祖父江(凛、スポ1=長野・飯山)もおそらく代表になると思うので、3人で代表に行って。僕はそこで有終の美を飾れたらいいなと思いますね。
――今年の目標は
星野 今年の目標はどの大会でもいいので、なんでもいいから広瀬くんに1回でもいいから先着していきたいなと思います。
広瀬 今年の目標は世界ジュニアで入賞することです。もちろん出られない可能性はありますし、そういうことを考えながらやっているので、インカレは出たら個人もリレーも両方優勝できたらなと思います。
――インカレの目標は
星野 広瀬くんも山下さんも出られない可能性があるので、『その2人がいなかったら負けた』とかを言われたくないので、しっかり得点を稼げる、インカレ男というかお祭り男というか、(そう)なれるような活躍がしたいです。具体的な結果で言うと、優勝でそろえられたら最高のかたちだとは思うんですけど、1点でも多く稼げることが目標です。
――世界ジュニアの目標は
広瀬 世界ジュニアに関してはすごい神経質というか、じゃあインカレはいいのかと言われたらそういう訳じゃないんですけど、すごい神経質に考えていて。高い目標は入賞なんですけど、最低ラインの目標は20番以内ですね。なんでかって言うと、20番以内に入ったら全日本スキー連盟の強化指定選手に残留できるので。それが今年までなので、僕は今年でそこ(20番以内)に入れないともう上には残れないので、そこはすごい目標にはしてますね。後がないので、そこにすべてをかけるくらいの気持ちで頑張りたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 山田流之介、齋藤里和)
1年生とは思えない、しっかりとした受け答えが印象的なお二人でした!
◆広瀬 崚(ひろせ・りょう)(※写真右)
2000(平12)年11月6日生まれ。富山・雄山高出身。スポーツ科学部1年。169センチ。取材を行った日は広瀬選手のお誕生日でした。お昼は星野選手とラーメンを食べに行き、取材の後は同部屋の中川慎(スポ3=北海道・札幌第一)選手と一緒にご飯に行かれたそうです。先日、地元・富山で行われた国民体育大会のリレーでは、山下陽暉選手と共に『チーム富山』の優勝に貢献しました。29日からは「もう後がない」と語るジュニア世界選手権の戦いが始まります。「20番以内に入る」という目標に『挑戦』する広瀬選手から目が離せません。インスタグラムのフォローもよろしくお願いします!
◆星野 誉貴(ほしの・よしき)(※写真左)
2000(平12)年6月18日生まれ。群馬・利根商業高出身。スポーツ科学部1年。169センチ。早大競争部の千明龍之佑選手(スポ2=群馬・東農大ニ)と地元が一緒だという星野選手。千明選手はスキーもやっていて、星野選手や広瀬選手が1度も勝てなかったほど強かったそうです。色紙にしたためて頂いたのは、所属していた少年野球チームの横断幕に書いてあったという『片品魂』。書き終わった色紙は筆者にプレゼントして頂きました。箱根駅伝での活躍も記憶に新しい千明先輩と共に、地元・群馬県片品村の『星』になります!