男子総合優勝達成!!チーム総活躍でインカレ閉幕

スキー

 悲願達成の時がやってきた。トップと1点差で迎えた全日本学生選手権(インカレ)最終日。男子総合優勝の行方はクロスカントリー4×10キロリレーに託されることとなった。首位・東海大と早大、リレーの結果が上位のチームが総合優勝という状況で行われたこの試合。チームメイトが待ち構える中、フィニッシュに先に姿を現したのは、早大のアンカー宇田彬人(スポ3=福井・勝山)だった。

 4人が全長5キロのコースを2周するこの種目で、1走を任されたのは山口敦史(スポ2=石川・鶴来)。中盤まで先頭集団に食らいつき、トップと22秒差の4位で2走の佐藤太一(スポ4=秋田北鷹)につないだ。佐藤はこのリレーが大学でのラストレース。昨年はリレーメンバーに選ばれず、悔しい思いも経験した。「4年生としての責任を果たさなくてはいけないという思いがありました」(佐藤)。個人種目では結果を残すことができなかった悔しさをぶつけ、4年間の集大成となる渾身の滑りを見せる。一気に2位に躍り出ると、終盤まですぐ後ろにつけていた東海大に前を譲らない。最後は抜かされたものの東海大と10秒差でリレーし、総合優勝を3年のエース2人に託した。

引退レースで力走を見せた佐藤

 3走は30キロフリーで優勝、10キロクラシカルで3位と好調の田中聖人(スポ3=秋田・花輪)。リレーでもその勢いは止まらず、実力を遺憾なく発揮した。すぐに東海大をとらえると、トップを独走していた日大との差をじわりじわりと詰めていく。区間1位のタイムで走りきり、アンカーの宇田へつないだ。田中と同じく2種目で表彰台に上った宇田は、圧倒的なスピードを披露した。序盤からとばし、ついに首位・日大を射程圏内にとらえる。後半は思うように追い上げられず惜しくも優勝には届かなかったが、2位で笑顔の仲間達が待つフィニッシュへ。ゴールした宇田に真っ先に駆け寄ったのは佐藤だった。「頑張った後輩達に感謝を伝えることしかできません」(佐藤)。最終種目のリレーで東海大を上回り、6年ぶりに男子総合優勝を達成した。

フィニッシュした宇田に、佐藤は真っ先に駆け寄った

 全ての種目の全ての選手が力を尽くし、まさにことしのスローガンである『総活躍』で総合優勝を勝ち取った男子。来年は王者として追われる立場となる。惜しくも男女アベック総合優勝は叶わなかったが、目標に向けて新たな一歩を踏み出した早大。女子は主力が不在ながらも僅差で戦いを終え、1年生の活躍が多く見られた事は収穫だ。次こそ男女ともに頂に立つことを目指して――。新体制のもとスキー部の挑戦は続いていく。

(記事 松富リサ、写真 大庭開、加藤佑紀乃)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

笑顔でインカレを終えたスキー部

結果

▽男子総合順位

1位 早大  105点(リレー上位)

2位 東海大 105点

3位 日大  61点

4位 明大  47.5点

▽クロスカントリー男子4×10キロリレー

2位 早大 1時間48分13秒

1走 山口(クラシカル) 28分54秒5

2走 佐藤(クラシカル) 28分12秒1

3走 田中(フリー)   25分26秒6
 
4走 宇田(フリー)   25分39秒8

一戸剛監督(平11人卒=青森・弘前工)

――男子総合優勝を果たした今のお気持ちを教えてください

男女アベック総合優勝を目指していたので、ちょっと女子の方は残念だったんですけど、男子は6年ぶりに優勝ということで、非常に嬉しいです。全試合とも非常に僅差の試合が多くて、見ている方もとても楽しかったし、選手もいきいきしていたので感動しました。

――男子の勝因はなんだと思われますか

チームのスローガンが総活躍なので、途中棄権した選手もいますけど、みんな思いっきり一人一人戦えて、コンバインドは大量得点もできましたけど、他の種目でもやっぱり頭取ったりもしていますし、そうゆうのが重なってできた優勝だと思います。

――女子が2位という点については

そうですね、やっぱり滝沢こずえ(スポ3=長野・飯山)がアジア大会出てるっていうのが響いてるっていう感じはするんですけど、その中でもリレーで優勝したり、アルペンの方も優勝できているし、全員入賞圏内にいるような状況だったので、しょうがない2位かなっていう感じですね。優勝に値する2位だと思います。

――監督が思うMVPはどなたですか

僕が今回見て思ったのは廣島くんですかね。私はあんまりアルペンの試合は見に行かないですけども、今回行って、4年の最後で優勝して、みんなで雄叫びをあげたっていうのはすごく一体感がありました。彼はそんなに派手な選手ではないけども、本番でああゆう素晴らしいパフォーマンスができるっていうのは、MVPをあげたいと思います。

――きのうの時点で優勝できると感じていましたか

いや、思ってないですね。リレー勝負で、向こう(東海大)のコーチも仲間なので、情報交換したりしながら、いよいよ勝負だなっていう感じで。きのうの時点では勝てる可能性はあるけれども、勝てるとは思っていなかったです。ただ、選手が思いっきりやってくれたので、みんなの応援がほんとに力になったと思う素晴らしい大会でした。

――来年のアベック総合優勝に向けてコメントをお願いします

可能性は十分あると思います。ただ今度は男子が追われる立場になって、やっぱり東海大も追われる立場にいてのぞんだ大会だったと思うので、気持ちの持っていき方っていうのが大事になると思います。追われる立場だけどもっと先を目指したチャレンジ精神を持って、男女共にやってほしいし、それで失敗しても僕は良いと思っているので、男女総合優勝は理想ですけど、選手一人一人が思いっきりやれれば良いと思います。

山元豪主将(スポ4=富山・雄山)

――総合優勝を果たした今のお気持ちを教えてください

大学4年目にしてようやく勝つことができ、とても嬉しいです。

――ご自身が主将の代で果たせたことについてはいかがですか

1年間主将として、チームにしてあげられたことは少ないですが、頼りになる仲間に助けられてやり切ることができました。みんなに感謝したいです。

――勝因は何だと思いますか

今年は前半で大きく点差をつけられ、追う側になりました。この展開は相手チームはプレッシャーを与えられていたと思うし、3日目のコンバインドとクロスカントリー競技の大量得点で早稲田に流れがきていたと感じます。そして最後のリレーでは、2走の佐藤が引退レースで渾身の滑りをして、3年のエースに繋げられた事が、勝因だったと思います。チームのスローガン「総活躍」を実現できました。

――アベック総合優勝とはなりませんでしたがその結果についてはいかがですか

チームとしてはアベック優勝を掲げて1年間やってきたので、とても悔しいです。でも最終日にリレーとアルペンで優勝する事ができたので、来年に期待したいと思います。

――改めてインカレの感想をお願いします

最高に幸せなインカレでした。

――後輩に伝えたいことはありますか

もう伝え切りました。あとは湯本主将に託します。

佐藤太一(スポ4=秋田北鷹)

――リレーに出ると言われた時はどのような気持ちでしたか

去年リレーメンバーに入れなかったので、ホッとした気持ちと同時に、4年生としての責任を果たさなくてはいけないという思いがありました。

――引退前ラストレースであり、総合優勝がかかったレースでもありましたが、どのような思いでレースに臨みましたか

大学でのラストレースということで緊張もすごくありましたが、いつも通り、自分の滑りをしていけば大丈夫だと思っていました。だけど、滑っていても、総合優勝のことは頭の中にずっとありました。

――東海大と10秒差で次につなぎました。自分のレースを振り返っていかがですか

東海の2走の人は力のある選手だったんですけど、コース状況がレーンの外に出てしまうと、滑らない状況だったので、半分以上は僕が前で滑っていました。前の日大を追ってたんですけど、なかなか縮まらず、大変でした。最後はバテバテでラスト1キロくらいは記憶が曖昧でしたが、気力で走りきりました。

――誰よりも早くゴールした宇田選手のもとへ駆け寄っていましたが、その時はどのような気持ちでしたか

リレー優勝はできなかったですけど、総合優勝を決定付けたこと、日大との差もそんなになくて、いい勝負をしたこと、たくさんの思いがあったんですけど、もう頑張った後輩に感謝を伝えることしかできませんでした。

――総合優勝できた実感はありますか

もちろんです。個人では何も貢献できませんでしたけど、スキー部全員で戦って得た総合優勝、こんなにうれしいことはもうないんじゃないですかね?(笑)。

――4年間を振り返っていかがですか

4年間はあっという間でした。強い先輩と練習してきて、すごいなーって思っていましたし、付いていくことが精一杯でした。大きい怪我もして、まともに練習もできなかったこともありました。今年主務という役目を果たすために、いろいろ模索していた部分もあります。でも本当にスキー部の監督はじめ、コーチ、先輩方、後輩たち、何よりも同期に感謝したいです。本当に濃い4年間でしたね。

――後輩に伝えたいことはありますか

当たり前にスキーができることは本当に幸せなことだと思います。それは周りの人の支えがあってこそ、できることです。自分を、スキー部を支えてくれる全ての人に感謝して、来年こそはアベック優勝達成して欲しいです。後輩たちならやってくれると信じています!
本当にありがとう!そして、がんばれ!!