悲願達成へ、インカレ開幕!!

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 第89回全日本学生選手権(インカレ)が秋田県の鹿角市で始まった。昨年は男子が総合2位、女子が総合4連覇を達成。ことしの目標はもちろん男女アベック総合優勝だ。1週間にわたる壮絶な戦いは共にアルペン競技のスーパー大回転からスタート。天候や雪の状態も大きく左右するアルペン競技。初日のきょうは早大から多数の選手が入賞し、これから続くレースに弾みをつけた。

 男子は成田伊織(スポ3=北海道・札幌第一)が2位、安藤佑太朗(スポ4=北海道・北照)が4位、松本達希(スポ2=北海道・札幌第一)が7位、清野嵩悠(社4=山形中央)が9位入賞を果たした。安藤は、「4人が入賞できてほっとした面もある」とこの結果を評価。中でも好成績を残したのは、久しく表彰台から遠ざかっていた成田だった。1位の須貝(近大)に0.48秒差に迫る2位という順位を「やっと成績を出せた、率直にうれしい」と振り返った。

成田はインカレで初めて表彰台に上った

 女子は5名が出場。うち、小川彩也香(社2=北海道・札幌第一)が4位、石栗優(スポ4=北海道・双葉)が10位に入賞した。かなりのスピードが出るため技術面、精神面ともに問われるこのスーパー大回転。小川は「恐怖心もあったがいまできる精一杯の滑りができた」と自身を評価した。一方で石栗は「満足はしていない」と振り返り、あさっての大回転での挽回を目指す。

昨年から順位を一つ上げ、4位に入った小川

 インカレの大きな特徴は個人の結果が大学のポイントとして換算されることだ。アルペン、クロスカントリー、ジャンプ、ノルディック複合競技とそれぞれの大学の得意分野が表れる。アルペンチーフを務める安藤は「チームとして頑張っていきたい」と4年生最後のインカレを意気込んだ。近くて遠い男女アベック総合優勝、1点でも多くのポイントを稼ぐために選手は懸命に戦う。そのためにはきょうの勢いをあす以降も大切にしていきたい。

(記事 難波亮誠、写真 大庭開、寺脇知佳)

結果

▽男子暫定総合順位

1位 早大 10.75点

2位 東海大 9.25点

3位 近大 5.5点

4位 日大 2.5点


▽アルペン男子スーパー大回転

2位 成田 1分0秒87

4位 安藤 1分1秒49

7位 松本 1分2秒39

9位 清野 1分2秒45

14位 吉田圭汰(スポ1=北海道・北海学園札幌) 1分2秒74

25位 廣島聖也(スポ3=北海道・双葉) 1分3秒20


▽女子暫定総合順位

1位 法大 8.5点

2位 日体大 8点

3位 日大 6.5点

4位 早大 4点

5位 専大 1点


▽アルペン女子スーパー大回転

4位 小川 1分6秒03

10位 石栗 1分6秒90

12位 大森芽萌(教2=北海道・藻岩)1分7秒07

17位 太田好美(スポ4=北海道・網走桂陽)1分7秒80

24位 波多野希美(スポ4=長野・小海)1分9秒34


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コメント



◇男子アルペン競技

安藤佑太朗(スポ4=北海道・北照)

――4位という結果についていかがですか

僕がこの3日間で競技を引退するということ、アルペンがワセダの先陣を切るということ、そして最後に優勝したいということがあり、きのうの夜からけっこう緊張していました。思い切ってスタートできましたが細かなミスもあって滑っている時は微妙かなと思いましたが、結果を見てまあまあ良かったんだなと少しホッとしました。ただきょねんは全種目で表彰台に立っていて当然ことしも全ての競技で表彰台に上るというのを最低限の目標にしていたので、それが達成できなくなり残念だなという思いはあります。

――きょうの体調はいかがでしたか

体調はばっちりでした。

――雪の状態はどうでしたか

インスペクションの時はけっこうよかったのですが、実際に滑った時はコース状況が違っていて難しい雪質でした。

――アルペンチーフとして4人入賞という結果をどう捉えていますか

6人全員が入賞できれば申し分ないですが、やはりそれは現実的に難しいと思っていました。まずこの種目で4人が入賞できてほっとした面もありますし、あす以降の大量得点が期待できる種目でもチームとして頑張っていきたいです。

――今のチームの雰囲気はいかがですか

例年は常に得点を気にしながらインカレ期間中過ごしていたのですが、ことしは全体的にあまり張り詰めた空気はなくリラックスできていると思います。

――一番得意としている種目は何ですか

個人的にはスーパー大回転と大回転が好きなのですが、もう残り2日間なので得意・不得意関係なしに自分の持っている力を最大限発揮出るように準備していこうと思います。

――あすへの意気込みをお願いします

残り競技人生が2日間しかないので、もちろんいい結果を求めるのは当たり前なのですが、固くなり過ぎずに練習通りリラックスして滑りたいです。

成田伊織(スポ3=北海道・札幌第一)

――2位という順位に関してどのように考えていますか

素直にうれしかったです。今シーズン一度も表彰台に上っていなかったので。練習で良くても大会で結果が出せないということが多いです。やっときょうインカレの舞台で2位という成績を出せて自分自身とてもうれしかったです。インカレで上級生になって初めての年で大学に貢献できて良かったです。きょねんはこの種目で8位だったので、それ以上の成績を出せて本当に良かったです。

――調子はいいですか

そうですね。だんだんシーズン後半に向けて上がってきているので調子はいい時期だと思います。

――コースの状態は

急斜面で難しいコースなのと、きのうの雪の影響もありコースが荒れやすい状況でした。

――前の選手の滑走の影響も受けやすいということですね

自分は15番目だったのですが、すでにコースは荒れていて下から情報とかもらっていたので対応できました。そこのサポートはきょうは大きかったと思います。

――普段2本滑るところはインカレでは1本ということで滑りに違いはありましたか

普段は二本滑るところを一本ということで、これで決まってしまうのだと思うととても緊張しました。最近国体があったんですけど1本競技で緊張してしまったんですけど、きょうは意外と楽にスタートに立てました。

――時間の遅れは影響しましたか

男子はそこまで遅れはなかったので影響しませんでした。

――強化している部分は発揮できましたか

きょねんはシーズンを通して滑りが安定していなくて失敗が多くて。1レースで1回失敗してしまうという感じだったのですが、ことしは修正して安定感を求めていました。きょねんに比べて安定感を出せているのかと思います。

――得意な種目は

あしたやる大回転です。

――そこでの目標は

目指すところは1位なのですがインカレはチームでやってる大会なのでポイントをとれるように頑張ります。

――あしたの意気込みをお願いします

ことしすごくいいので、あしたもこの調子で頑張ります。チーム全体に勢いをつけられたらいいと思っています。


◇女子アルペン競技

石栗優(スポ4=北海道・双葉)

――きょうを振り返って

今シーズン初めてのスーパー大回転のレースだったんですけど、コースの斜度や状況が結構難しく失敗もしたんですが最後まで滑りきってギリギリ10番に残れたので、最低限の結果は残せたのではないかなと思います。

――雪のコンディションは

コース序盤に難しいS字の部分があるんですけど、そこは結構アイスバーンで固くなっていたし男子が先にやってたので多少荒れてた部分もあって、難しかったです。

――ギリギリ10位ということですが、全体的に見てどういう位置付けなのですか

自分の得意種目なので、きょうの目標としては最低5番以内で表彰台を目指していて何度もイメージしてやってたんですけど、ちょっと失敗が多くなってしまったので満足はしてないですね。でも少ないポイントですがチームに貢献できたのは良かったです。

――失敗が多くなってしまったということですがご自身のきょうのコンディションは

アップもきょうは雪不足で十分にできる状況ではなかったんですけど、今シーズンの調子は良いので、きょうのコンディションも良かったと思います。

――あさっての大回転に向けて意気込みをお願いします

あさっての大回転はまたコースも急だし難しいコースなんですけど、その中でもしっかり自分の滑りをして入賞したいと思います。

小川彩也香(社2=北海道・札幌第一)

――きょうを振り返って

3位以内を目指していたので正直4位という結果は悔しいですけど、いまできる自分の精一杯の滑りはできたかなと思います。

――雪のコンディションは

良くもなく悪くもなく、特に気にすることなく滑れました。

――ご自身のきょうのコンディションは

スーパー大回転といって今回のインカレの中では一番スピードの出る種目なんですがあまり練習もしていなくて、スピードに対する恐怖心もあってどこまで滑っていけるかということでメンタル面でちょっと緊張したんですけど、スタートしてしまえば気にすることなく滑ることができました。

――チームの雰囲気は

女子も男子も良いメンバーがそろっていて、どのメンバーが選ばれても良い成績が残せると思うんですけど、その中から選ばれたという、そういう面で気持ち的にも良い雰囲気になってると思います。

――あさっての大回転への意気込みをお願いします

得意種目なんですけど、いま調子が上がってきてるので、優勝したいです。