夏の成果を実感し、いざシーズンへ!

スキー

 爽やかな秋空の下、全日本学生夏季競技会が行われた。昨年は天候不良のため中止となり、ことしは2年ぶりの開催となった。陸上競技で構成される同大会。男女駅伝スプリント、男女駅伝の2競技4種目に多くの選手が出場した。女子駅伝スプリントで1位に輝くなど、好成績を連発。充実した内容で、これから幕が開けるシーズンに向けて弾みをつけた。

 男子駅伝は総勢14チームで競われた。第1走者を任された佐藤友樹主将(スポ4=新潟・十日町)は6位でたすきをつなぐ。第2走者の宇田彬人(スポ2=福井・勝山)が快走を見せた。途中に急こう配な上り坂が現れるなど、起伏の激しいコースに苦しい表情を浮かべる選手が多い中、最後まで宇田のペースは落ちない。佐藤太一(スポ3=秋田北鷹)に「2走の宇田がMVPです」と言わしめるほどの見事な走りを披露した。後半2人も勢いに乗り、最終走者の田中聖土(スポ2=秋田・花輪)が2位でフィニッシュ。1位の日大にはわずか及ばなかったが、一人ひとりが全力を出し切った。

チームに大きく貢献した宇田

 参加チームは少ないながらも女子の活躍は目立った。1500メートルを1周するスプリント。Cチームの第1走者、仲村ひかる(教4=埼玉・早大本庄)が先頭に出ると続く大森芽萌(教2=北海道・藻岩)もその座を守る。最終走者の牧野レナ(スポ1=新潟・八海)が2位に1分以上の差をつけてトップでゴール。「優勝のイメージしかしていなかったので、それが現実になって最高の気分です」(牧野)と喜びに浸っていた。その後行われた駅伝には2チームが出場。選手それぞれが実力を十分に発揮し2位と3位に輝いた。

Cチームのアンカーを任された牧野

 スキー部にとってはこれからの本格的なシーズンに向けて試金石となるこの大会。スキー競技を行っていく上で基礎体力は欠かせない。そのため8月、9月は陸上でのランメニューを数多くこなしてきたという。佐藤太は「夏は量と質ともに高い練習ができた」と結果ともにトレーニングの成果を実感できたようだ。厳しい夏場の練習もすべては全日本学生選手権で男女総合優勝を果たすため。一回り成長した姿を見せた選手たちのこれからの活躍に注目だ。

(記事 井口裕太、写真 松本理沙、副島美沙子)

結果

●男子

▽駅伝スプリント(1500メートル×3人)

9位 早大C 松本達希(スポ2=北海道・札幌第一)、長谷部尚仁(社1=福島・猪苗代)、

       荒井章吾(スポ4=北海道・富良野)

12位 早大D 吉田圭汰(スポ1=北海道・北海学園札幌)、成田伊織(スポ3=北海道・札幌第一)、

        廣島聖也(スポ3=北海道・双葉)

▽駅伝(3×1500メートル×4人)

2位 早大A 佐藤友樹主将(スポ4=新潟・十日町)、宇田彬人(スポ2=福井・勝山)、

       佐藤太一(スポ3=秋田北鷹)、田中聖土(スポ2=秋田・花輪)

●女子

▽駅伝スプリント

優勝 早大C 仲村ひかる(教4=埼玉・早大本庄)、大森芽萌(教2=北海道・藻岩)、

       牧野レナ(スポ1=新潟・八海)

5位 早大D 根本風花(スポ3=長野・飯山)、望月絵里菜(社3=北海道・双葉)、

       折口美穂(教2=大阪・明浄学院)

▽駅伝(2×1500メートル×3人)

2位 早大A 渡邉祐佳(スポ1=長野・飯山)、滝沢こずえ(スポ2=長野・飯山)、

       境美月(社1=富山・南砺平)

3位 早大B 有路杏子(スポ4=山形・新庄北)、重田結歌(スポ3=群馬・長野原)、

       半藤成実(スポ4=長野・飯山)

コメント

佐藤太一(スポ3=秋田北鷹)

――男子駅伝に出走されましたが、レースを振り返って感想をお願いします

夏の練習の成果を試せる良い機会だと思って臨みました。2位という結果は悔しいですが一人一人が全力を出していけたという点は、冬に向けてモチベーションになるのではないかと思いました。

――駅伝のメンバーはどのように決められたのでしょうか

ランナー(クロスカントリー部門)は6人いるのですが、その中でいままで走る練習をして上位4人を選出した上で、どの人がどの走順にふさわしいかというのを前から話し合って決めました。

――アップダウンが激しく、階段などもあるコースでしたがいかがでしたか

こんなに起伏が激しいと思っていなかったので、正直かなりきつかったです。3周となると、心がかなり追い込まれましたね。

――チーム全体の走りを振り返っていかがですか

1走の友樹さん(佐藤主将、スポ4=新潟・十日町)もしっかりと走ってくれていましたし、2走の宇田(彬人、スポ2=福井・勝山)がかなり巻き上げてくれたので、僕もいつも通りの走りをすればいいと思って走りました。もう少し離すことができれば聖土(田中、スポ2=秋田・花輪)にもっと楽をさせてあげられたかなという思いはあります。

――宇田選手からタスキを受け取ったときはどのような気持ちでしたか

頑張ったな、褒めてあげたいなという気持ちでした。僕も頑張らなきゃという気持ちになりましたね。

――今大会のMVPを挙げるとすればどなたでしょうか

2走の宇田くんと、牧野ちゃん(レナ、スポ1=新潟・八海)かなと思います。かなり良い走りをしていたと思うので、冬も楽しみです。

――夏の練習はどのように行いましたか

ことしに入ってからコーチがワセダに講師として入ってきたので、かなり近い距離で練習を見てくれたり練習のメニューを出したりしてくれました。ランのメニューがきょねんに比べてかなりボリュームアップしたというか、かなり走る練習をしてきて追い込まれていて、夏休みもフィンランドに行ったりしたので量とともに質の高い練習ができていたのではないかと思います。専門的なローラースキーなどの練習もしたのですが、走るというのは一番基礎となるところだと思うので、そこをしっかりやれたことが良かったと思います。

――夏の練習が冬に生きる部分は大きいのでしょうか

冬になると大会続きで調整ばかりになってしまうので、追い込める期間となると夏なのかなと思います。

――シーズンに向けて個人の目標を教えてください

きょねんインカレでは14位で入賞を目前で逃してしまいました。ことしはきょねんよりかなり練習量も増えていますし自信を持っていけるのですが、焦らずにしっかりと自分の滑りをすることだけを心がけて、それに結果がついてくればいいなと考えています。インカレはチームとしての目標が男女総合優勝なので、それに少しでも貢献できればと思っています。

牧野レナ(スポ1=新潟・八海)

――今日のレースを振り返っていかがですか

最高ですね。私が最後に走ってしまっていいのかなと思いました。

――どうしてそう思われたのですか

毎年優勝していると聞いていたので、優勝のイメージしかなくて、最初は1位でゴールするのが私でいいのかなと思いました。それが現実になって最高の気分です。

――アップダウンの激しいコースでしたが、きつかったですか

はい、きつかったです。ですが、1走のひかるさん(仲村、教4=埼玉・早大本庄)も芽萌さん(大森、教2=北海道・藻岩)も二人とも1位だったので、楽しく走れました。

――走っていて、コースにある階段はやはりきつかったですか

階段一番嫌いです(笑)。

――ここの会場は走りやすかったですか

いいえ、全然走りやすくないです(笑)トラックのようなイメージをしていたので、こんなにアップダウンあるのは初めてでした。

――普段の練習でこういった風にを走ったりしますか

なかなか本気で走る時はないです。あまり慣れてなかったです。

――最後に、シーズンの目標や抱負をお願いします

1年ですが、チームの力になるように頑張っていきたいと思います。