国内のトップを争う全日本選手権(全日本)が開幕し、クロスカントリー競技のレースが行われた。早大はリレー、チームスプリントとスキーアスロンに出場。女子はクロスカントリーチーフの村田愛美(スポ4=新潟・小出)がアンカーを務める3×5キロリレーで3連覇を目指したがかなわず3位に。男子は4×10キロリレーで11位に終わるなど、悔しい結果となった。
出走する2走の有路
冬季ユニバーシアードなど海外遠征組が不在の中、厳しい戦いが予想された女子3×5キロリレー。クラシカル走法である1走を務めたのは半藤成実(スポ3=長野・飯山)。早大として全日本3回目のリレー出場となった半藤は区間2位の好走を見せ、2走の有路杏子(スポ3=山形・新庄北)へ。有路はトップと8秒差でスタートすると、懸命に前を追った。しかし、東海大にかわされ順位を一つ下げて最終ランナーへ。アンカーの村田も必死の追い上げを見せるが前をとらえられず3位でゴール。「滑りとしては悪くなかったのですが、前を滑っていた2チームに追いつくことができず悔しい」(村田)と学生最後となる全日本のリレーを振り返った。
アンカーを務めた村田
昨年4×10キロリレーで3位だった男子は、前回大会に続く出場となった藤田佑平(スポ4=北海道・旭川大高)、佐藤太一(スポ2=秋田北鷹)とルーキー2人によって編成されたチームで出走。昨年のリベンジに挑むも、前半から流れに乗ることができず3走を終えて14位に。アンカーの佐藤太が区間4位と意地の走りで健闘を見せたが表彰台には及ばず11位でフィニッシュ。上位チームとの力の差を実感するレースとなった。
男女とも満足のいく結果を出すことできなかった今大会。クロスカントリー部門は今月末には全日本学生選手権(インカレ)、そして3月には全日本選手権の長距離種目が控えている。今回のレースで見えた課題を受け止め、改善していくことが急務だ。男女共にインカレを制すという目標に向け、「早稲田のために必ず自分の役割を果たしたい」(村田)と気合は十分。頂点をつかむべく、選手たちの挑戦はこれからも続く。
(記事 副島美沙子、写真 スキー部提供)
結果
▽女子3×5キロリレー
3位 早大 46分34秒6
1走(クラシカル) 半藤 15分44秒3
2走(フリー) 有路 15分44秒6
3走(フリー) 村田 15分5秒6
▽男子4×10キロリレー
11位 早大 1時間53分42秒1
1走(クラシカル) 藤田 30分23秒8
2走(クラシカル) 湯本啓太(スポ1=中野立志館) 29分44秒7
3走(フリー) 田中聖土(スポ1=秋田・花輪) 27分31秒0
4走(フリー) 佐藤太 26分02秒5
▽女子スキーアスロン(5キロクラシカル、5キロフリー)
7位 半藤 34分38秒1
16位 有路 36分9秒5
18位 五十嵐優花(スポ4=長野・飯山) 36分13秒6
19位 重田結歌(スポ2=群馬・長野原) 36分22秒1
DNS 村田
▽男子スキーアスロン(10キロクラシカル、10キロフリー)
21位 田中 59分38秒1
31位 佐藤 1時間14秒7
32位 湯本 1時間15秒3
DNS 藤田
▽女子チームスプリント決勝
3位 早大A(五十嵐、半藤) 26分24秒79
11位 早大B(有路、村田) 27分50秒62
▽男子チームスプリント決勝
13位 早大B(田中、佐藤太) 22分18秒20
15位 早大A(藤田、湯本) 22分26秒44
コメント
倉田秀道監督(昭59社卒=東京・早実)
――今大会のリレーをご覧になって感想をお願いします
まず、女子について。主力2選手がユニバーシアード出場のため全日本選手権を欠場しましたが、12月からの試合を見て、それでも優勝争いはできると考えていました。その意味ではちょっと残念です。男子は、1走の藤田が数日前から体調を崩していたので、無理させたくなかったのですが、チームに迷惑をかけたくないという本人の強い意志で出場しました。致し方ないです。
――女子のリレー3位、男子のリレー11位という結果についてはどのように考えていらっしゃいますか
女子リレーについては、主力がいない中での3位は上出来と言ってくれる方もいましたが、そうは思っていません。出場チームを見る限り、本来なら3選手ともそれぞれ区間ラップもしくは区間2~3位を取れる力があるにもかかわらずこの結果は、コンディション調整差が主要因だと感じます。男子については、5~6位くらいと想定していました。1年生の伸びが今ひとつというのも要因の1つと感じています。
――ユニバーシアードにより不在の選手がいたことは、今大会への影響として大きかったのでしょうか
クロスカントリーは3選手不在でしたので、影響はあります。女子で言えば、確実に勝てた。とりわけ、男子への影響が大きいと思っていましたが、その通りになってしまいました。
――今大会で見つかった早大の選手の課題はどのような部分でしょうか
しいて言えば4つあります。まずワセダの選手は、「失うものは何もない」というハングリーさが足りない。そして、ここ一番と言う時の粘り。気持ちの強さの欠如。狙うべきレースに向けたピーキングですね。
――今後の大会に向けて意気込みをお願いします
この後、多くの選手は国内での試合に臨みます。2月は、国体・インカレ、3月はFECジャパンシリーズ、宮様国際、全日本選手権等大事な試合が続きます。その中でも、とりわけ、インカレです。男女で優勝することを成し遂げたい。出場する選手一人ひとりが強い気持ちで粘り強く、自分のパフォーマンスを発揮する努力さえすれば、結果は伴うと信じています。
村田愛美(スポ4=新潟・小出)
――今大会にはどのような意気込みで臨まれましたか
チームのために優勝をしたいという気持ちで臨みました。
――レースを振り返っていかがでしたか
滑りとしては悪くなかったのですが、前を滑っていた2チームに追いつくことができず悔しい思いをしました。
――今後の大会に向けて強化していきたい部分はどのようなところでしょうか
持久力と体幹力を強化していきたいと思います。
――インカレに向け意気込みをお願いします
インカレはまだどの種目に出場できるかわかりませんが、早稲田のために必ず自分の役割を果たしたいと思います。そして、女子総合優勝4連覇を成し遂げたいと思います。