ポイントを伸ばせず、男子総合優勝消える

スキー

 15日に開幕した全日本学生選手権(インカレ)も5日目を迎え、大会は佳境に。この日は男子のクロスカントリー競技10キロフリーとアルペン競技回転が行われた。クロスカントリー競技では先日の30キロクラシカルで3位となった佐藤友樹(スポ2=新潟・十日町)が2位。またも表彰台に上がる躍進を見せた。しかし、他の選手が結果を出せず、暫定総合1位の東海大に差を広げられてしまう。さらに、アルペン競技では降雪の影響もあり、主将の河野恭介(スポ4=長野・飯山北)など3人がコースアウトで失格。一人の入賞者も出せず、痛恨の無得点に終わる。この日が終わった時点で、東海大との差は29.5点。最終日のリレーの結果を待たずして、男子の総合優勝、そして悲願の男女アベック総合優勝の可能性が消滅してしまった。

★チーム内で明暗分かれる

積極性のある走りで2位に入った佐藤友

 きょうのクロスカントリー競技では男子10キロフリーが行われた。このレースは、おとといの男子30キロクラシカルと比べて距離が短い。その分、序盤から激しい競り合いが繰り広げられる。きょうポイントを稼ぎ、逆転総合優勝へ王手をかけたい早大。30キロクラシカルでは振るわなかった選手にも期待がかかっていた。しかし、入賞したのは佐藤友のみ。チームとしては悔しい結果に終わった。佐藤友は期待に応え、1周目をトップのタイムで快走。優勝も目されたが、「キレがなかった」(佐藤友)と2周目に早大のライバル東海大の選手に抜かれてしまう。佐藤友が「途中からは必死に詰めよう詰めようと思ったが体が上がらなかった」と語るように、再逆転とはならず。2位でフィニッシュした。その他の選手は、またも結果を残すことができず。西田順風(人4=北海道・留萌)は24位とおとといに引き続き入賞を逃し、悔いの残るレースに。チームはまだ早大らしさを発揮できていない。男子総合優勝の可能性はついえたが、あしたのリレーではチーム一丸となって有終の美を飾りたい。

(記事 丸山美帆、写真 荒巻美奈)

★回転で入賞果たせず 優勝の夢散る

無念の失格となった河野主将

 男子アルペン最終種目となった回転。早大は巻き返しを図るも、まさかの失格続出という結果に。この種目でまさかの獲得ポイント0となり、男子総合優勝の希望が絶たれた。1本目でいきなり3人がDNF。前日にヨーロッパ遠征から帰国した河野主将の活躍が期待されていたが、完走することはできなかった。2本目に進んだ3人も、入賞には至らず。大敗を受けて、倉田秀道監督(昭59社卒=東京・早実)は「きょうの回転は自滅してしまったなと。ミスしたところが負けなので、自らミスして負けていたと思います」と冷静に振り返る。新雪が積もったコースはコンディションが悪く、それぞれ思うような滑りをすることはできなかった。かなわぬ夢となった男女アベック総合優勝。悔しさを忘れず、次なる目標へ。まずはあす、クロスカントリー競技のリレーを首位で締めくくることを目指す。

(記事、写真 副島美沙子)

結果

▽男子総合暫定順位

1位 東海大 85点
2位 早大 55.5点
3位 中大 54点
4位 日大 51点
5位 明大 43.5点

▽クロスカントリー男子10キロフリー

2位 佐藤 25分1秒3
28位 西田 26分59秒2
53位 佐藤太一(スポ1=秋田北鷹) 28分25秒8
57位 藤田佑平(スポ3=北海道・旭川大高) 28分58秒7

▽アルペン男子回転

11位 廣島聖也(スポ1=北海道・双葉) 1分35秒34
16位 長沢祐(スポ3=北海道・滝川) 1分35秒70
DNF 河野
DNF 荒井章吾(スポ2=北海道・富良野)
DNF 安藤佑太朗(スポ2=北海道・北照)
※タイムは2本合計

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コメント

倉田秀道監督(昭59社卒=東京・早実)

――男子の総合優勝の可能性が消えてしまいましたが

男子は残念ですね。きのうまで追い込んでいたので、射程圏内だっただけに残念です。

――東海大に負けてしまった一番の要因は何だと思いますか

自滅ですね。クロスカントリーと、ここまで比較的順調に来ていたアルペンのきょうの回転は自滅してしまったなと。ミスしたところが負けなので、自らミスして負けていたと思います。

――海外で戦う選手もいる中で、インカレの位置づけは

早大スキー部としてはインカレ100パーセントです。個人競技なので、五輪は五輪、日の丸は日の丸でがんばってもらって、インカレは毎年100パーセントです。

――らいねん以降アベック優勝を目指す上で強化していくべき点は

毎年同じなのですが、ここ一番というところで、パフォーマンスを発揮するというのは、技術だけではなくて、思いやメンタルの部分が負けているような気がしているので、もっと強くインカレで勝つということがどういうことかということを考えさせるようなチームにしたいと思います。

――あす優勝の懸る女子について

アルペン競技の回転がポイントです。それで大体決まります。4年生がどれだけ表彰台に絡むレースをするか、下級生が何人入賞できるかこの二つです。あしたは男子も女子もすべての競技で頭を取って良い形で終わりたいと思います・

◇男子クロスカントリー競技

西田順風(人4=北海道・留萌)

――どのような気持ちでレースに臨みましたか

きょうはもう「やってやるぞ!」って感じでした。

――きょうのレースプランは

最初からがっつり行って、後半我慢して走ろうと思っていました。

――実際に走ってみていかがでしたか

思った以上に体が言うことを聞いてくれませんでした。

――きょうの順位をどう受け止めていますか

こういうときもあるかな、って感じですね。

――あすのリレーに向けて意気込みをお願いします

とりあえずあしたは気持ち良く滑れるように、きょうちゃんと準備をしたいと思います。

佐藤友樹(スポ2=新潟・十日町)

――本日はどのようなお気持ちでレースに臨まれましたか

優勝したいと思って出場しました。

――本日のレースを振り返って

最初はあまり体の調子が良くなく、少し重たいと思って入りました。しかし、意外と1周目は疲れなかったため、良いのかなと思っていたら、2周目はキレがなく、終始だらっとした感じで終わってしまいました。最初のタイムチェックでトップ通過と言われていたのですが、2周目のタイムチェックで、4秒負けの2位と言われてしまいました。本当ならそこから上げたかったのですが、きょうは全然体が上がりませんでした。途中からは必死に詰めよう詰めようと思ったのですが、体が動かなかったです。

――本日は10キロという短いコースでしたが

30キロと比べたら10キロは短いのですが、10キロ自体は別に短くないんですよね。とにかく、最初にリズムだけは良くしようと思いました。力まないことと、リズムよく上りを上っていくこと、さらに上り切りの平地のような繋ぎで頑張ろうと思っていました。しかし、それが出来なかったですね。

――レース中に一番辛いのはどのような時ですか

体の調子が悪い時とか、板が滑らない時が一番辛いですね。上って下ってというコースなら下りで休めるので良いのですが、ここのコースのようにだらだら上りが続いてさらに上り、というところは休めないので辛いですね。

――周りの応援は聞こえるのですか

レース中はすごく聞こえます。調子の良い時の方が周りが見えます。きょうも応援部の方とか、他のスキー部の人に応援してもらって、すごく力になりました。

――本日のご自身の順位についてはどのように受け止めていらっしゃいますか

密かに1番を狙っていたので、とても悔しいですが、きょうは差が20秒もあるので、もう完敗です。しかし、改善点は自分でも分かっているので、そこを改善して、あしたとそれ以降のレースに生かしていけたらいいと思います。

――その改善点とは

とりあえずきょうはキレが本当に悪かったので、キレを出すための練習をすることと、あとはフォームが乱れはじめているので、もう一度技術をしっかりして、良かった時の自分に戻せるようにしていこうと思います。

――あしたのリレーに向けての意気込みをお願いします

いまのところ、クロスカントリー全体としてあまり良い流れではないので、最後くらいはしっかり締めたいです。いま、一人一人ができるベストな滑りをして、最後に笑って終われるように頑張りたいと思います。

◇男子アルペン競技

河野恭介主将(スポ4=長野・飯山北)

――DNFという結果に終わりましたが、きょうのレースを振り返っていかがですか

(雪が)掘れていたので、溝ができていて、スキー板が溝の内側に引っ掛かって、ポールをまたいでしまうというミスで、そのまま転んでしまいました。

――コースのコンディションが良くなかったのでしょうか

そうですね。きょう日本でことし初めての滑りだったのですが、雪が降っていた関係もあって、インスペクションの時点で大分掘れている状態だったので、ことしはそういう条件であまり滑っていなかったので、僕にはちょっと難しい条件でした。

――ヨーロッパ遠征に行かれていたと思いますが、現地の雪はいかがでしたか

ことしはヨーロッパの雪も暖かくて、あまり安定はしていなかったのですが、帰る直前のレースは氷になっていたので、良い条件でした。

――ヨーロッパのレースでできていたことが、日本のレースでは噛み合わなかったのでしょうか

僕の実績の問題でもあるのですが、目指している滑りが(雪が)掘れているとなかなかできませんでした。掘れている中ではなおさら(板の)内側が高いので、外側に意識を持っていかなければいけないので、そこが足りないところでした。

――インカレに懸ける思いを教えてください

インカレというのはチームとしての総合(優勝)がかかっていますが、レースとしてはひとつのレースなので、きょうのレースに関してはいつも通り優勝を目指して走りました。

荒井章吾(スポ2=北海道・富良野)

――今回は2度目のインカレとなりますが、どのような気持ちで臨んでいますか

今回のインカレは最初の方で主将が不在だったので、2年生ながらもできるだけチームに貢献しようと思っていました。チームをまとめるというよりは主将の穴を埋めるという感じで、チームが一つになるような努力をしていました。その気持ちが大きかった分、レースでの気持ちの入れ方はきょねんよりも強くなりました。

――おとといの男子クロスカントリー競技での応援は、その意識の表れですか

そうですね。

――回転に向けての調整はいかがでしたか

調整というのはあまりしませんでした。回転を迎える前に他の種目も見て刺激を受けました。スキーを滑らない日を作ってその日はクロカンを見に行って全力で応援して。前日に練習はできたんですけど、技術というよりも仲間からもらう力というか気持ちの面を重視しました。

――1本目を終えて5位という結果でした

上の方で転んじゃって、それでも5位のタイムで降りることができました。きょうは僕の長所でもある攻めの滑りでいこうと思っていたんですけど、雪面がぼこぼこで荒れていてミスをしてしまいました。それは大きな減速につながったんですけど、それでも5位のタイムで降りることができたので、2本目もいけるかなと思いました。正直僕は1番が欲しかったので、もう散るか散らないか。結局転んでしまいましたが、もともと攻めようと決めていました。

――全体的にDNFが多発していたように感じます

ちょっとした斜面変化がすごく多くて、なだらかなコースに見えるんですけど、コブだったり斜面が傾いたり細かい溝があって。雪面の雪質もすぐ掘れてぼこぼこしていて。その二つが重なって、見た感じは簡単そうに見えても、滑ったり近くで見たりするとうねうねしているコースでした。

――今大会で見つかった課題はありますか

どんな状況でも自分の目指している技術で滑れるようになりたいです。でも今回のレースは、結果は結果だったんですけど、自分の中で自信にもつながったというか。あえて自分にプレッシャーを与えて、下級生ながらみんな応援しましょう、みんなで頑張りましょうという雰囲気を自分から作っていました。滑るときも僕がそういうふうにしているという責任を感じながら滑っていて、それでも1本目も普通に滑れて2本目もしっかりと滑れました。メンタルの面で成長できたかなと思います。

――次の大会への意気込みをお願いします

次はジャパンシリーズっていう大会が野沢であるんですけど、僕が目標としているのはそこと全日本選手権で。雪面がぼこぼこになって、たぶんきょうみたいなレースになりますね。そこに標準を合わせて調整して、自分が持つ最大限の力を発揮できるようにしたいと思います。次は自分のためだけに頑張れば良いので、今回学んだことを生かしていきたいと思います。

廣島聖也(スポ1=北海道・双葉)

――きょうのレースの感想は

きょうは思ったより体が動かなくて、自分が想像していた滑りっていうのかできなかったです。全体的にはあまり良くなかった試合だと思います。

――コースはの状態は

雪が柔らかくて、溝がついたり掘れていたりしたので、溝に合わせていったりとか、技術的な面でも難しかったです。

――きょうの課題と収穫

きのうのスーパー大回転から、自分の気持ち次第で滑りも変わってくるというのがあったので、きょうはもっと前に行くという気持ちで滑ろうと思っていました。きょうはその気持ちはあったのですが、まだ技術的な面で足りない部分が多かったかなと思いました。

――11位という結果について

1本目で失敗してしまったので、それを考えたら良かったのですが、11位でポイントも取れなくて、内容的には滑りも悪くて、課題も多く残りました。

――今後に向けて

今季はまだファーイーストカップなどが残っているので、そこで上位にいけるような成績を残せるように、まだ練習期間もあるので、たくさん技術を磨いていきたいと思います。