全日本学生選手権(インカレ)は後半戦に突入。男子のアルペン競技スーパー大回転と、女子のアルペン競技スーパー大回転、クロスカントリー競技5キロフリーが行われた。女子は大平麻生(スポ1=新潟・十日町)がクロスカントリー競技5キロフリーで優勝し、二冠を達成。アルペン競技スーパー大回転でもポイントを加算し、総合暫定順位首位をキープした。男子も、アルペン競技スーパー大回転で安藤佑太朗(スポ2=北海道・北照)が優勝するなど、大量ポイントを獲得。逆転総合優勝へ一歩近づいた。
★多数入賞で逆転へ弾みつける
優勝し、チームに勢いをもたらした安藤
インカレでは2年ぶりの実施となった男子スーパー大回転。この種目では速いスピードで滑ることが求められる。早大は4人が入賞し、安藤と清野嵩悠(社2=山形中央)が表彰台に上がる活躍を見せた。活躍が光ったのは、大回転でも6位にランクインし、勢いに乗る安藤。序盤は、順調な滑りを見せたものの、ゴール手前で体勢を崩してしまい、そのままフィニッシュ。しかし、結果は見事に優勝。これには「びっくりしました」(安藤)と素直な感想を語った。安藤は思い切りよく滑れたことを勝因として挙げる。逆転総合優勝を目指す早大にとって、今回の多数入賞は吉報といえるだろう。2位の清野は「いつも通り滑っていました」と得意のスーパー大回転でも、気負わずに自分の滑りを見せた。優勝候補と目された井上賢之介(スポ4=福島・猪苗代)は惜しくも失格。アルペン競技最終種目である、あすの回転にチームの命運を託した。
(記事、写真 副島美沙子)
★過酷なレースも二人が入賞
強気の滑りを見せた向川
午前中に行われたアルペン競技の女子スーパー大回転。スーパー大回転は、山頂から麓までを一気に滑り降りるコースで実施された。この種目は回転や大回転と異なり、1本のみで競われるため、選手たちは文字通りの『一本勝負』に挑むことになる。風が吹き付ける悪天候の中、向川桜子(教4=秋田・角館)は「誰よりもスピードを出していこうと気持ちだけは強く持っていきました」と攻めの滑りを見せる。ゴール直前で悔しいミスもあったが、3位に入賞した。後藤悠子(教4=長野・白馬)はコンディションに苦しめられながらも、全力を出し切り7位につける。さらに今季引退を迎える後藤は、あさっての回転に向けて、「スキー人生の集大成として全力で滑りたい」と意気込みを語った。
(記事、写真 丸山美帆)
★大平が二冠達成!村田も入賞
圧倒的な速さで優勝した大平
クロスカントリー競技の女子5キロフリーは、早大から5人の選手が出場。コース1周分という短い距離のレースながらも、選手たちによる熱戦が繰り広げられた。中でも圧巻の走りを見せたのはルーキーの大平。「前半から速いスピードで入るようにイメージしていました」と語ったように、前半に勝負をかけた滑りで後半につないだ。2位に14秒以上の差をつけ、13分39秒0のタイムで優勝。これで大平は女子10キロクラシカルに続いて二冠を達成した。また「本当に入賞したかった」と語った村田愛美(スポ3=新潟・小出)も10位で入賞を果たしている。この結果、早大は総合ポイント首位を維持し、総合優勝3連覇へまた一歩近づいた。
(記事 細川香衣、写真 松下優)
結果
▽男子暫定総合順位
1位 東海大 55点
2位 早大 45.5点
3位 明大 43.5点
4位 日大 37.5点
5位 中大 26点
▽アルペン男子スーパー大回転
優勝 安藤 1分31秒43
2位 清野 1分32秒39
9位 廣島聖也(スポ1=北海道・双葉) 1分33秒62
10位 尾形峻(スポ3=群馬・嬬恋) 1分33秒87
24位 長沢祐(スポ3=北海道・滝川)
DNF 井上
▽女子暫定総合順位
1位 早大 55.5点
2位 東海大 51点
3位 日大 45.5点
4位 法大 16.5点
5位 専大 13点
▽アルペン女子スーパー大回転
3位 向川 1分38秒28
8位 後藤 1分40秒63
16位 太田好美(スポ2=北海道・網走桂陽) 1分41秒84
18位 眞田ひばり(スポ4=北海道・北照) 1分41秒85
27位 石栗優(スポ2=北海道・双葉) 1分43秒43
▽クロスカントリー女子5キロフリー
優勝 大平 14分39秒0
10位 村田 15分49秒2
14位 重田結歌(スポ1=群馬・長野原) 16分4秒6
17位 有路杏子(スポ2=山形・新庄北) 16分9秒5
18位 半藤成美(スポ2=長野・飯山) 16分13秒9
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コメント
◇男子アルペン競技
尾形峻(スポ3=群馬・嬬恋)
――きょうのレースを振り返って
とりあえずポイントが取れたので安心したなという感じです。
――コースのコンディションは
コースは問題ない感じで、セットも真っ直ぐだったので滑っていて楽しいなというのはありました。
――レースプランや勝負どころは
僕は緩斜面が苦手なので、このコースは緩斜面が40秒くらいあって、そこで板をとにかく真っ直ぐというのは考えていました。あとはクローチングをとかないで下まで滑ろうと思っていました。
――全日本学生選手権(インカレ)では初めてのスーパー大回転でしたが
インカレ自体、回転と大回転には出られないので、この種目だけでなんとかポイントを稼ぎたいと思っていました。
――10位という結果については
悔しいですけど、安心はしました。でもやっぱり悔しさはあります。
――今後に向けて
3月の頭に同じ会場で、スーパー大回転の大会に出るのでそこで表彰台に上がりたいと考えています。
安藤佑太朗(スポ2=北海道・北照)
――きょうのレースを振り返っていかがですか
びっくりですね。最後の斜面で転んでゴールしてしまったので。電光掲示板で前の人と僕のタイムがなかなか切り替わらなくて、(1分)35秒って出て、スタートする前に1位が(1分)32秒と聞いていたので、失敗したから3秒も落ちたのかと思いながらゴールエリアを出ました。そうしたら、「速いじゃん」と友達から言われて、見てみたら1位で。しかも1秒くらい(2位と)違ったので、びっくりしました。
――自信はありましたか
自信は正直なかったです。スピード系はちょっと怖いというのがまだあります。インカレの前に韓国のレースでスーパー大回転があったのですが、その日は男女同一のセットでした。それで妹も出場していたのですが、妹に100分の3秒くらいでしか勝てていなくて。日本人で10番くらいでした。あまり得意な種目ではなかったので、自信はありませんでした。
――きょうの勝因は何でしょうか
高速系だとインスペクションが大事で、ゆっくり見るのも非常に大切だと思うのですが、僕の場合はゆっくり見すぎると逆に警戒してしまってだめだと思うので、要所要所はしっかり見て、あとはそんなに気負わない程度に見てチェックしました。それで思い切り上からスタートできたことが、良い結果につながったと思います。
――きょうのコースのコンディションはいかがでしたか
初日(男子大回転)よりは全然滑りやすく仕上がっていたと思います。天気もこの間よりは晴れていましたし、雪面がしっかり見えていたので滑りやすかったです。
――あすの回転に向けて意気込みをお願いします
回転は2本あるので、1本目も2本目も気負わずに、練習でコーチに言われていることをしっかり頭で整理しようと思います。スタートしてしまったら意識ができないので、スタートを切るまでに、思いっきりスタートをきれるように準備することが大切だと思います。
――男子総合優勝への思いは
開会式のときに前年度の優勝者が前を歩くのを1回は経験してみたいので、それをモチベーションに、みんなでどの種目も頑張りたいと思います。
清野嵩悠(社2=山形中央)
――きょうのレースを振り返っていかがですか
スタートが3番で早かったので、結構コースがキレイで気持ちよく滑れることができました。ゴールした時点で、いつも早い2番の成田(東海大)に勝ったので、これはきたと思いました。そのあと同じワセダの安藤が来たので、チームとしては嬉しかったのですが、ちょっと悔しかったです。コースの途中で少し内側に乗りすぎてバランスを崩したところもあったのですが、それ以外はうまくいったかなと思います。
――スーパー大回転は得意な競技なのでしょうか
きょねん、ここ(雫石スキー場)で日本選手権があったのですが、それでも入賞できているので、得意なんだろうなとは感じています。でも、得意だからと思うのではなくて、いつも通り滑っていました。
――男女アベック優勝に向けて意気込みをお願いします
女子はたぶん優勝してくれると思います。男子がいま厳しい状況で、きょうでちょっと(差を)縮められたと思うので、あしたのアルペンの回転でみんなでしっかり入賞して、ことしはアベック優勝したいと思います。
廣島聖也(スポ1=北海道・双葉)
――本日のレースはどのようなお気持ちで臨まれましたか
自分はまだ1年生なので、チャレンジャーという気持ちで臨みました。
――本日のコンディションはいかがでしたか
雪は固くもなく、柔らかくもなかったので、そんなに難しいとは感じませんでした。コース自体も、きょねんの全日本選手権で同じコースを滑り、入賞しているので、難しいとは思いませんでした。
――本日のレースを振り返って
きょうの滑りは、まだ勢いというか、攻める気持ちが足りませんでした。気持ちの面で周りの人より劣っていたという感じですね。
――スーパー大回転と他の競技との違いは
やはり、スーパー大回転は一本勝負なので、GSやスラロームより集中しなくてはいけない場面が多いです。後で取り返しがつかない失敗もすべて響いてくるため、集中が必要とされる種目だと思っています。
――ご自身の順位についてはどのように受け止めていらっしゃいますか
自分の感覚としてはもっと悪くて、入賞にも届かないと思っていました。そのため、結果的には良かったと思います。
――回転へ向けての意気込みをお願いします
回転は、きょうの勢いがなかったという反省を生かし、もっと勢いのある滑りをして、最後の締めにしたいと思います。
◇女子アルペン競技
後藤悠子(教4=長野・白馬)
――きょうのレースを振り返って
きょうは天候も良くなくて、前の走者が何回も再レースになったりして競技が遅れたので、不安もあったのですが、思った通りに滑れない中でも全力が出し切れたと思います。
――天候の影響は大きかったのでしょうか
風も強かったですし、雪も降っていて、みんなが滑っているところは滑れるんですが、そこから外れてしまうと滑らなくなってしまうのですが、そこに何回か入ってしまったので、そこは反省点かなと思います。
――インカレでは久々のスーパー大回転でしたが
私はもともとスーパー大回転が得意なので、久々にスーパー大回転が復活してうれしい気持ちで臨みました。
――先日の大回転なら4つ順位を上げましたが
もともと自分がスーパー大回転が得意というのがあるので、この種目で入賞しなくてはいけないという気持ちがあったのでその気持ちですかね。
――7位という結果については
私は中学3年生の時の全日本選手権のこの種目で優勝しているので、本当は優勝を狙っていて、悔しい気持ちもあるのですが、みんなが応援してくれて、がんばれたので良かったです。
――あさっての回転に向けて意気込みを
私はことしで引退で、回転はインカレが引退レースになるので4年間、そしてスキー人生の集大成として全力で滑りたいと思います。
向川桜子(教4=秋田・角館)
――本日はどのようなお気持ちでレースに臨まれましたか
スーパー大回転は気持ちが大きく影響するので、誰よりもスピードを出していこうと気持ちだけは強くもっていきました。
――スーパー大回転は他の競技とどのように違うのですか
スーパー大回転は、すごくスピードが出るため、その中で斜面の変化や小さいうねりにしっかり対応していかなければいけません。スピードに対して、怖がってしまうと、姿勢を低く保てず、風の抵抗を受けてしまいます。そのため、どこまで姿勢を低くして攻めていけるかだと思います。
――本日のレースをふり返って
上では思ったよりスピードが出て、その中でも気持ちを強くもっていけました。しかし、最後はコースの読みが甘く、ゴールの前で失敗してしまいました。コースの読みは次に生かしていきたいと思います。
――ご自身の順位について
1位を取りたかったのですが、とりあえず点数は稼げたので良かったです。次のスラロームに向けてしっかり準備していきたいと思います。
――回転へ向けての意気込みをお願いします
回転は、三度目の正直で優勝します。
◇女子クロスカントリー競技
村田愛美(スポ3=新潟・小出)
――レースを終えたいまの気持ちを聞かせてください
本当はもうちょっと上位で入賞したかったです。でもとりあえず10番に入って、ワセダのためにポイントを取れたのは大きいと思います。ひとまず喜びたいです。
――コースの感触はいかがでしたか
アップダウンがある方が好きなので、このコースは結構好きなコースです。前半はなだらかなので苦手なところだったんですけれど、後半ペースを上げなきゃと思って、後半はしっかり走りました。
――途中経過の順位を聞いたときはどのような気持ちでしたか
あの時、途中経過で16番と言われて、言われた時は落ち込みました。ですが後半勝負だと思っていて後半しっかり粘れたので、ギリギリ10番に入れて良かったなと思います。
――ゴール後は応援の方と一緒に喜んでいる様子でしたが
クラシカルが得意な同期の子がいるんですけど、この前入賞できなくて、きょうはその子が出ていなくて私が出たので、その子の分も入賞しなきゃなっていうのはありました。あとは本当に入賞したかったので、入賞できたことにほっとして。
――次の目標は
国体が3日後にあるので、そっちに向けて頑張りたいと思います。
大平麻生(スポ1=新潟・十日町)
――優勝したいまの気持ちは
スタートの前にとても緊張していて、自分の思い通りの滑りができるかすごく不安でした。でもゴールして優勝っていうことは自分の中で分かったので、ほっとしました。
――きょうのレースを振り返って
結果的には良かったんですけれど、前半ちょっと力んでしまって後半まで元気良く動けませんでした。自分の中ではタイム差をつけて優勝したかったのですが、なかなかそれができなかったので、もうちょっと滑りたかったというのはあります。
――同じコースで優勝したことは自信につながりましたか
自信になれば良かったんですけれど、すごくプレッシャーになっていて。次も取らなきゃいけないということを自分で思ってしまって、きのうは本当に緊張していました。
――きょうのレースの勝負どころはどこでしたか
5キロで1周だけだったので、前半から長い上りまでしっかりトップをキープしようと思いました。その後の2キロは粘ろうと思っていて、とにかく前半から速いスピードで入るようにイメージしていました。
――最終日のリレーへの意気込みをお願いします
リレーはたぶん走ると思うんですけれど、まだ何走かは分からないんです。だけど自分は今回二冠で戦うので、どこを走っても必ず後ろを突き放してトップで帰ってくるつもりです。それで点数をしっかり取って貢献したいと思います。