15日に開幕した全日本学生選手権(インカレ)も折り返し地点。3日目のきょうは男子のクロスカントリー競技30キロクラシカルと、ノルディック複合競技が行われた。クロスカントリー競技では佐藤友樹(スポ2=新潟・十日町)が3位に入る快走を見せたものの、入賞者は一人のみ。ノルディック複合競技でも、今季好調を維持していた山元豪(スポ1=富山・雄山)が3位に終わり、ポイントを伸ばしきれない。総合暫定順位では首位東海大を17点差で追う3位となり、総合優勝が遠ざかる結果となってしまった。
★得意種目で厳しい結果に
会心の走りを見せた佐藤友
クロスカントリー競技では男子30キロクラシカルが行われた。今回のレースでは1周5キロのコースを6周する。前半部分の長い上り坂がポイントとなった。「きつい上り坂が勝負どころ。また登り切った後の平地でも休まないように気を付けていた」と佐藤友はしっかりプランを立て、その通りにレースを展開。前を走る選手を次々と追い上げる好走を見せた。結果は1時間28分11秒1。自身初の表彰台となった。一方、昨季3位の実力者で最後のインカレを迎えた西田順風(人4=北海道・留萌)は、体調不良もあり低迷。「30キロ全部が辛かった」とゴール後もしばらく座り込んだ。ルーキーの佐藤太一(スポ1=秋田北鷹)も序盤から遅れ40位。残る男子5キロフリーとリレーでの挽回を誓った。
(記事 松下優、写真 丸山美帆)
★山元が3位、傳田連覇ならず
悔しい結果に肩を落とす山元
早大OBの渡部暁斗(平23年スポ卒=現北野建設)がソチ五輪で銀メダルを取ったことで有名となった、ノルディック複合競技。この競技に、前回覇者の傳田翁玖(スポ2=長野・飯山北)と山元、神島実孟(スポ1=青森・五所川原農林)が挑んだ。しかし、山元は3位、傳田は8位。神島は途中棄権と、それぞれ不本意な結果に終わった。 きのうの課題を克服し、ジャンプでトップに躍り出た山元。しかし、クロスカントリーでは相手と様子を見合って走り、体力を消耗してしまう。さらに選択したスキー板も雪に合わず苦戦を強いられる。最後は振り切られ、3位。今回の結果に山元は「総力不足」と語った。傳田はジャンプもクロスカントリーも、「ふがいない」と納得した成績が残せず、連覇とはならなかった。しかし、出場した3人はまだ1、2年生。今後の飛躍に期待したい。
(記事 松本理沙、写真 建部沙紀)
結果
▽男子暫定総合順位
1位 東海大 52点
2位 明大 43.5点
3位 早大 35点
4位 日大 30.5点
5位 中大 26点
▽クロスカントリー男子30キロクラシカル
3位 佐藤友 1時間28分11秒1
24位 西田 1時間34分15秒7
40位 佐藤太 1時間38分12秒9
▽ノルディック複合ノーマルヒル10キロ
3位 山元 前半ジャンプ1位 101.0点 後半クロスカントリー5位 31分26秒8
8位 傳田 前半ジャンプ9位 76.0点 後半クロスカントリー8位 32分5秒6
DNF 神島 前半ジャンプ20位 60.5点 後半クロスカントリー DNF
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コメント
◇クロスカントリー競技
西田順風(人4=北海道・留萌)
――本日はどのようなお気持ちでレースに臨まれましたか
入賞できると思っていました。
――体調が悪いと伺いましたが、レースに影響しましたか
影響はそんなになかったです。走る前は、身体もおかしい感じはしませんでしたし、大丈夫だろうと思っていました。
――本日のレースの感想をお聞かせください
きょうは6周のうち、2周目からもう10位に入るのは無理だなと思いました。それでも、インカレを走れない選手もいるため、ビブを脱ぐことはしたくなかったんです。最後まで走ろうと思って、頑張って粘りました。
――ご自身の順位についてはどのように受け止めていらっしゃいますか
良くはないですね。きょう良かったことは、完走できたことくらいです。
――ゴールの後に立ち止まっていらっしゃいましたが、ハードなレースでしたか
相当きつかったです。30キロ全部が辛かったですね。
――今後へ向けてはどのようなところを改善していきたいですか
体調ですね。
――今後の種目へ向けての意気込みをお願いします
たぶんこれ以上悪いことはないので、大志(宮沢、スポ4=新潟・十日町)とかいない中でも、頑張ってやるしかないです。
佐藤友樹(スポ2=新潟・十日町)
――レースを終えた感想をお願いします
うれしいですね、3位に入れると思っていなかったので。良くて5位かなと思っていたので、素直にうれしいです。
――きょうはどのような気持ちで臨みましたか
きょねんが11位でポイントが取れなかったので、最低でもポイントだけは取りたいなと思っていました。ポイントのことを意識していたら普段よりも緊張してしまったんですけど、レースではその緊張を引きずらずにできました。思った通りに展開できたので良かったです。
――雪のコンディションはいかがでしたか
結構滑りづらかったですね。朝雪が降って、また気温もそんなに下がらなかったので、コースが固くなったというか、ミラーっていうんですけど、光っててカチカチで。コースの外に出て、滑らせるというよりは走るという感じでした。
――このコースはことし認定されたコースということで、初めて走った感触はいかがでしたか
1キロから2キロ過ぎぐらいにかけてきつい登りが続くので、そこが勝負かなと思っていました。他は普段通りにやれば滑りにくくはないのかなという印象で。やっぱり登りが勝負のポイントかなと思いました。坂はきつかったですね。でもそこは我慢しないと、しっかり走らないと、と思って。あとは登り切りですね。登りはみんな頑張って、登り切ったあとの平地とかに差ができるので、そこで休まないように気を付けていました。
――周りの応援が大きかったように思います
すごかったですね。普段あんなに応援されることないのでありがたかったです。インカレ特有ですね。
――では今後の種目に向けて意気込みをお願いします
フリーはそれなりに滑れているので、またポイントを取れるようにしっかりと調整していきたいと思います。良い滑りできるように頑張ります。
◇ノルディック複合競技
傳田翁玖(スポ2=長野・飯山北)
――今大会を振り返っていかがですか
2年目と言うことで、多少雰囲気にも慣れたと思ったので、今年もしっかり良い成績を出すという心意気で臨んだのですが、気合が空回りしてしまいました。2年生の立場で後輩も入ってきて、上に先輩がいない分、僕が引っ張っていかなければならないということでやってきて、気負いすぎてしまった大会でした。
――前回覇者として挑んだ今大会でしたが、結果についていかがですか
本当にふがいないというか。きょねんはジャンプもクロスカントリーも両方とも1位で優勝だったので、ことしも正直狙っていました。今回、調子も悪いわけではなかったので、その分結果が出なかったということはすごく悔しいです。初の男女アベック優勝に向けて、アルペンのチームの方もしっかり点を取ってくれましたし、そういう面から考えると全然貢献できなくて、本当に悔しい気持ちだけですね。ふがいないです。
――ふがいない結果となってしまったということですが、どこに原因があったと思いますか
単純に実力不足というのがあると思います。
――きょうのジャンプの方はいかがでしたか
ジャンプ自体は悪くはなかったと思うのですが、やっぱりちょっと条件に恵まれなかったかなと。そう言ってしまえばそれまでなのですが。条件が悪い中でも世界で戦っている人たちはしっかり結果を出せるので、その自分のベースとなっている力がまだまだ未熟なのかなと思います。再確認させられました。
――今後の目標は
きょうのような結果を求めるのではなく、自分の細かいところから徹底して、どんな条件でもぶれない結果を出せるようなトレーニングを積んでいって、二度とこんな悔しいふがいない気持ちをしないようにしたいです。また来年は表彰台の一番上に立てるようにしたいです。
山元豪(スポ1=富山・雄山)
――いまの感想は
総力不足でした。
――ジャンプはいかがでしたか
ジャンプは良かったと思います。きのう言った、ジャンプ台に力を伝えるという課題をきょうはできたかな、と思います。
――クロスカントリーは
クロスカントリーはレース中ずっと様子を見あって走っていて。
――渡部剛弘選手(明大)とお互いに見あっているシーンが多くありました
そうですね。やっぱり前を走ると風が強くて辛いんですよね。1、2周目で結構先頭引っ張ってしまってそこで体力を使ってしまいました。3、4周目に専大の清水選手も出てきて、3人で様子見ながら走っていたのですが、1、2周目で体力を消耗したことで、最後のスパートかけるときも引いてしまった感じはありましたね。
――雪の状態はいかがでしたか
きのうに比べたら結構ましでしたね。思っていたよりも滑りやすかったです。ただ傳田さんもそうなんですけど、スキー板のチョイスを失敗したっていうのがあって、板が明大の渡部剛弘さんに比べたら滑ってなかったな、っていう感じはありました。でもどっちにしろ後半スパートかけるときについていけなかったっていうのは自分の総力不足です。
――板はご自分のものから決めるのですか
基本的には自分の持ってるスキー板です。それぞれ目が違って、雪の状態によって使い分けるんですけど、今回自分の中に滑る板がなかったんですね。だから最終手段で傳田さんの2番目に滑った板で出たんですけどやっぱり滑らなかったです。2人とも板の選び方を失敗したかな、という感じです。
――今大会を踏まえて今後の目標
ジャンプは調子はいい方なので、この調子のまま残り2試合に向けて調整していきたいなと思います。クロスカントリーは完全に総力不足なので、もっともっと練習して、ラップタイムでも1番を取るつもりで挑みたいと思います。