山元が団体で銅メダル!

スキー

 イタリア・トレンティーノで行われていた第26回ユニバーシアード冬季大会の全日程が終了した。学生世界一を決めるこの大会に早大からは現役7人、昨年度の卒業生4人の総勢11人が出場。それぞれの競技を戦い抜き、大きな経験を得た。

銅メダルを獲得した複合日本チーム(山元は左から2番目)

 

 中でも、活躍が光ったのはノルディック複合(複合)競技の山元豪(スポ1=富山・雄山)。18日に行われた団体グンターセンに出場し、銅メダルを獲得した。山元が得意とする前半のジャンプでは99.5メートルを飛び、全体でも2番目の高得点を獲得。他のメンバーも良い結果を残し、後ろに続くポーランドに5秒の差をつける首位に立つ。後半のクロスカントリーでは山元は1走でスタート。後続を振り切り、先頭を譲らず次走者につなぐ。アンカーがゴールする直前まで先頭集団を維持した日本だったが、スパートをかけようとしたところで他の選手と接触し転倒。金メダルが見えていただけに悔しい3位に終わる。しかし、山元は日本のメダル獲得に大きく貢献し、今シーズンを幸先よく滑り出した。その他に出場した個人戦では8位、10位。「最低メダル獲得を目標にしていたので、2戦とも不甲斐ない結果に終わりました」と語るように、満足のいく結果は得られなかった。今後の課題となるのはクロスカントリー。全てのレースにおいてクロスカントリーで順位を落とす結果となり、さらなる成長のためには集団でも競り負けない走力が必要であることが浮き彫りとなった。

出場した早大関係者

 

 多くの選手が出場した今大会だが、早大から表彰台に上ったのは山元のみ。全体としては世界とのカベを実感する結果となってしまった。しかし、この大会で得た経験は選手たちの飛躍の糧となるだろう。『ワセダから世界へ』。この目標を遂げる日もそう遠くはないはずだ。

(記事 辻玲乃、写真 スキー部提供)

結果

●アルペン競技
▽男子回転
河野 24位 1分35秒61
▽男子大回転
河野恭介(スポ4=長野・飯山北) DNF
▽女子スーパー大回転
向川桜子(教4=秋田・角館) 27位 1分34秒86
▽女子回転
向川 26位 1分45秒39
▽女子複合
向川 6位
▽女子滑降
向川 13位 1分21秒03

●クロスカントリー競技
▽混合フリースプリント
レンティング陽(平25スポ卒=現TEAM AKIRA)・柏原理子(平25スポ卒=現中日本エンジ名古屋)4位 18分01秒62
▽男子スキーアスロン7.5キロ/7.5キロ
レンティング 4位 38分43秒2
西田順風(人3=北海道・留萌) 20位 39分57秒8
▽男子リレー4×10キロ
日本 4位 1時間43分31秒0
1走 宇田崇二(東海大)、2走 西田、3走 児玉翔平(日大)、4走 レンティング
▽男子クラシカルスプリント
西田 31位 3分36秒79
▽男子30キロクラシカル
西田 15位 1時間25分46秒<
レンティング 29位 1時間28分43秒2
▽男子10キロフリー
レンティング 15位 24分48秒0
西田 31位 25分19秒8
▽女子スキーアスロン5キロ/5キロ
柏原 15位 30分18秒6
大平麻生(スポ1=新潟・十日町) 36位 31分45秒4
半藤成美(スポ2=長野・飯山) 48位 32分45秒9
▽女子リレー3×5キロ
日本 8位 44分07秒0
1走 大塚裕華(国学院大)、2走 柏原、3走 大平
▽女子クラシカルスプリント
半藤 35位 3分44秒79
大平 65位 4分02秒07
▽女子5キロフリー
柏原 18位 13分51秒9
大平 52位 14分35秒6
半藤 64位 15分09秒8
▽女子15キロクラシカル
柏原 14位 44分02秒3
半藤 39位 47分11秒3
大平 44位 48分21秒6

●ノルディック複合競技
▽団体グンターセン3×5キロ/ノーマルヒル
日本 3位(前半飛躍 1位)
1走 山元、2走 堀米翔大(日大)、3走 清水亜久里(専大)
▽個人マススタート10キロ/ノーマルヒル
山元 8位(前半距離 18位)
▽個人グンターセン10キロ/ノーマルヒル
山元 10位(前半飛躍 5位)

●スノーボード競技
▽男子パラレル大回転
神野慎之介(スポ2=山梨・韮崎) 16位 1分25秒62

●バイアスロン競技
▽女子7.5キロスプリント
古谷沙理(平25スポ卒=現陸自冬戦教) 30位
▽女子10キロパシュート
古谷 25位
▽女子12.5キロマススタート
古谷 20位
▽女子15キロ個人
古谷 27位

●ジャンプ競技
▽混合団体
日本Ⅱ 10位
原田侑武(平25スポ卒=現雪印メグミルクスキー部)・松橋亜希(東海大)
▽男子団体
日本 4位
原田・細田将太郎(北翔大)、小林潤志郎(東海大)
▽男子個人ノーマルヒル
原田 5位
▽男子個人ラージヒル
原田 10位

コメント

倉田秀道監督(昭59社卒=東京・早実)

スキー代表選手の約40%弱を占める11名の早大関係選手が出場した大会でした。私はスキー全体のチームリーダーとしての派遣でしたが、チームジャパンとしても、早稲田としても、戦績は当初予測より下回りました。早稲田で見れば、メダル3、入賞10を獲得できるパフォーマンスを持つメンバーだったと思いますが、今大会はワールドカップ選手が多く参戦した近年で最もレベルの高いユニバーシアードであったことを考慮すると、選手たちは内容の濃い試合をし、健闘に値するものと思います。今シーズンはオリンピックイヤーということもあり、ユニバーシアードでの戦績も加味されることから緊張感を持って戦ってきました。この中からソチ五輪に選考されることもあり得ると思います。また、国内シーズンはこれからですので、この経験を活かして、インカレ・全日本などを視野に入れ、選手は次につながる試合をしてほしいと思っています。

山元豪(スポ1=富山・雄山)

――ユニバーシアードに出場した感想は

大学生になってシーズン初戦なので、楽しみな反面、内心オフシーズンのトレーニングが発揮できるか不安もありました。

――世界の選手と戦ってどのように思いましたか

前回大会のユニバーシアードを見る感じだと、あまりレベルが高くなかったですが、今回の大会はかなりハイレベルでした。コースもとてもテクニカルで、すごく頭を使うレースとなりました。

――日本との違いで印象的なことはありましたか

やはり、観客の盛り上がり方が大きな違いだと思います。マイナーな選手が多くでているにもかかわらず、多くの観客が入り、試合を盛り上げてくれました。

――団体では銅メダルを獲得しましたが率直な感想は

率直な感想は悔しい気持ちでいっぱいです。本来なら金メダルを取れてもおかしくない日本の戦力でした。なのに、銅メダルだったというのはどこか満足できないです。

――個人戦の結果については

個人戦に関しても最低メダル獲得を目標にしていたので、2戦とも不甲斐ない結果に終わりました。

――今大会での課題と収穫は何かありましたか

クロスカントリーが今後の課題です。今回の大会ではマススタートのレースがあり、大きな集団で走る場面が多くありました。その中で周りのペースに惑わされてしまい、自分の滑りをすることができず、結果的にメダルへは手が届きませんでした。このように、自身の課題を見つけることができたことは、大きな収穫だと思います。

――今後に向けた意気込みを

世界ジュニア選手権以外は国内の試合なので、全部勝ってワールドカップに出場することが目標です。