悲願の2連覇!大学女子日本一

ウエイトリフティング

 男子に引き続き大学女子日本一を決める全日本大学対抗選手権(インカレ)。前回大会で優勝を決めた早大は2連覇を掛けチーム一丸となって1年の集大成を発揮。拮抗(きっこう)した展開となるも、全員が実力を発揮し見事総合優勝を獲得。悲願の全国制覇を飾った。

 大会1日目、トップバッターとして45キロ級に出場した鈴木莉乃(スポ4=岩手・盛岡工業)。「私が早稲田大学の1番手として、良いスタートを切ることができるように」と意気込んだようにトータルで138キロを持ち上げ総合優勝を決めた。自身が目標としていたスナッチ、C&J両方の完全優勝には届かなかったものの、チームに確かに勢いをつけた。続く55キロ級では吉田いぶき(スポ3=香川中央)も総合4位を記録。同階級で堤茉央(スポ1=滋賀・安曇川)は「いける自信があった」と、全ての試技を着実に成功させ、トータルで188キロの大会新記録を樹立した。59キロ級、64キロ級でそれぞれ原志歩(スポ2=群馬・前橋育英)と橋本夏実(スポ2=東京・日大鶴ケ丘)が2位、4位を獲得しチームに貢献をし、2日目へ優勝への希望を繋げた。

笑顔で試技を決める鈴木

金メダルを首に表彰台に立つ堤

 1日目終了時点で団体の総合得点において東京国際大と激しい首位争いを繰り広げていた早大。2連覇のため全員が力を合わせた。2日目最初に出場したのは伊藤紗彩(スポ3=埼玉栄)。スナッチで優勝、C&Jで3位と好記録を見せ、総合でも3位と表彰台に。続く田中美奈(スポ3=香川中央)は「失敗する気はしなかった」と6本全ての試技を着実に成功させスナッチ、C&J、トータル全てで優勝する完全優勝を成し遂げ、ガッツポーズを見せた。最後に+87キロ級で吉田琴乃(スポ3=岩手・盛岡工業)が2位に。全ての階級の試合が終わり、チーム内の点数の合計は115点。優勝争いをしていた東京国際大を4点上回り、早大の団体優勝は確実なものとなった。悲願の2年連続全国制覇を手にした早大。歓喜の声がチーム内に沸き起こった。

最後の試技に挑んだ田中

優勝カップと優勝旗を手にする女子部員たち

 優勝旗を手に笑顔で表彰式を終え、4年生を含めた選手たちの胴上げが起こった。感極まって涙する選手もいた。これで今年度全ての大会が終了した。来年のインカレにさまだ成し遂げたことのない3連覇がかかっている。全国王者となった早大女子ウエイトリフティング部の更なる躍進に期待したい。

(記事 池上楓佳、写真 池上楓佳、髙田凜太郎、野中美結)

結果
45キロ級

鈴木莉乃  スナッチ58キロ C&J80キロ トータル138キロ 1位

55キロ級

吉田いぶき スナッチ74キロ C&J101キロ トータル175キロ 4位 堤茉央  スナッチ84キロ C&J104キロ  トータル188キロ 1位

59キロ級

原志歩 スナッチ86キロ C&J108キロ トータル194キロ 2位

64キロ級

橋本夏実 スナッチ88キロ C&J109キロ トータル197キロ 4位

76キロ級

伊藤紗彩  スナッチ87キロ C&J106キロ トータル193キロ 3位

81キロ級

田中美奈 スナッチ90キロ C&J117キロ トータル207キロ 1位

+87キロ級

吉野琴乃 スナッチ78キロ   C&J103キロ  トータル181キロ 2位

コメント

鈴木莉乃(スポ4=岩手・盛岡工業)

――最高学年として、最後のインカレであったと思います。どのような思いで臨まれましたか

まずは私が早稲田大学の1番手として、チームに良い流れを持ってこれるように、また、良いスタートを切ることができるように、ということを意識していました。

――今日のコンディションはいかがでしたか

コンディションは実はあまり良くなくて。スナッチでは立ちくらみがしてくらくらしていました。終わって休んでからは体調も良くなってきたので切り替えて、そこからは自分の得意なC&Jをやり切ったという感じです。

――総合優勝おめでとうございます。目標とされていた完全優勝には届きませんでしたが、振り返ってみていかがですか

やはりスナッチを含めた完全優勝をしたかったという部分は大きいのですが、まずは総合で1番になってチームに良い流れを持ってくることができたので良かったです。

――早稲田での4年間はどのような4年間でしたか。

楽しかったことと辛かったり悲しかったりしたことの割合で言えば、半分以上が辛かったり悲しかったりすることでした。楽しい4年間だったとは言えないのですが、でもその中でも1・2年生の時にインカレ準優勝となり悔しい思いをしたり、3年生で優勝をさせて頂いたり、今年のインカレも優勝が狙えるくらいいい選手が揃っているような環境でこのような経験ができたことは、今後の自分の人生にとって良い財産になったと思います。

――どのような経験が辛かったり悲しかったりしたのでしょうか

部内で学年が上がるにつれて自分の立場も上がっていき、そこでその学年らしい振る舞いを自分ができているのか考えることがありました。また、4年生になったら本当にやることが増え、就活や卒論がある中で大会を迎え減量しなくてはならなくて。精神的にも身体的にも辛いことは多かったです。

――そのような中で後輩へ残したい思いはありますか

本当に、大学生活というものはあっという間なので挑戦できることに挑戦して悔いの残らないように大学生活を謳歌して欲しいと思います。

――最後に同期への思いをお願いします

4年間、自分の至らないところをたくさん支えてもらったり注意してもらったり、時には褒めてもくれました。本当にかけがえのない存在だと思います。

堤茉央(スポ1=滋賀・安曇川)

――今の率直な感想をお願いします

1年生ということもあって、早稲田は昨年1位だったので連覇を目指しているので、6本プラス新記録を取れてうれしい気持ちです。

――今日のコンディションはいかがでしたか

少し腰が痛くて不安だったのですが、アップ場に行ったらアドレナリンが出て軽くいけました。

――ご自身の試技を振り返ってみていかがでしたか

自己新を取ることができてうれしかったですし、これからは個人の4連覇を目指して頑張っていきたいです。

――4年生の原選手(原沙織、スポ4=群馬・前橋育英)が出場できなかったことの影響はありましたか

沙織さんの分も自分が受け継いで頑張っていきたいと思っていたので、1位を取れて良かったです。

――大会新記録を樹立されましたが、大会前から手応えみたいなものはありましたか

なかったです。ただ今日の調子的にいけるかなと思って、プラット上がったら軽かったのでいける自信はありました。

――今大会の結果を受けて、来年以降どのように競技と向かっていきたいですか

これから下(の代)ももっと強くて、ライバルも増えてくると思うのですが、それに負けないような選手になりたいです。

田中美奈(スポ3=香川中央)

――今日の調子はどうでしたか

練習でもすごく調子が上がってきていて、やってやるぞという気持ちでいっぱいでした。有言実行することができたのでとても良かったです。

――6本全ての試技を成功されていましたが、振り返ってみてどう思われますか

ここまで記録を伸ばすにはすごく時間がかかって。3年くらいかかったので、本当に嬉しいです。

――C&Jの3回目の試技において他大学の選手の結果を踏まえて120キロから117キロへ重量変更をしたと思います。その時の心境はどのようなものだったのでしょうか

あそこまで(他大学と)競ることになるとは思っていなかったので緊張しました。しかし、本当にコンディションが良かったし調整も上手くできていたので「やってやるぞ」という気しかしなくて。失敗する気はしませんでしたね。

――早稲田大学、団体優勝ということでチーム戦を振り返っていかがでしょうか

去年は自分が思った以上の点数を取ることができなかったのですが、今年はチームの力になることができたので良かったです。

――来年は最高学年として更にチームを牽引していく立場になります。次への意気込みを教えてください。

今回はすごくひやひやする展開だったと思うので来年はもっと楽に、余裕を持って勝つことができるように実力をつけていきたいと思います。