充実の団体3位 柏木と佐藤は大会記録を更新

ウエイトリフティング

 昨年に引き続き男女別で行われる全日本大学対抗選手権(インカレ)。女子に先立って男子が行われた。スナッチ、C&J、トータルの各8位(男子)までに点数が与えられ、大学ごとに合計得点を競う団体戦である。1年間の集大成を発揮する場で早大は昨年と同位の3位で終えた。個人では柏木良太(スポ3=京都・鳥羽)と佐藤康太郎(スポ3=宮城農)が大会記録を更新する活躍を見せた。

 1日目は早大から55キロ級と61キロ級に3選手が出場。55キロ級には家吉理空(社3=熊本一)が登場。スナッチ、C&Jともに3本目を決めることができず、9位という結果に終わった。続く61キロ級では宮下一心(社4=石川・金沢学院)が早稲田に流れをたぐり寄せる。スナッチで105キロを挙上し3位に着けると、C&Jでは141キロを持ち上げ2位となる。トータルでも3位に輝き今大会早大勢初の表彰台に登った。同じく61キロ級に出場した上野大瑚(スポ4=兵庫・明石南)もスナッチ、C&J、トータルの全てで8位以内に入り、確実に点を積み重ねる。1日目は団体で27点を獲得し5位で終わった。

C&Jで大会新記録となる176キロを挙げる佐藤

 2日目最初に登場したのは73キロ級の佐藤。スナッチの1本目で周りを圧倒する135キロを挙上するも、2本目の140キロを失敗。それでも佐藤は目標としていたという大会記録及び自己記録更新に向け、さらに重量を上げ、144キロに挑戦。これを危なげなく成功させると座席から見守るチームメイトにガッツポーズを見せた。さらにC&Jでも大会記録を更新し、トータルでは2位の選手に40キロ近い差をつけて優勝を決めた。この活躍に81キロ級に出場した生頼啓暉(スポ4=兵庫・明石南)と駒阪勇気(スポ2=和歌山・紀北工)が続く。スナッチでは両者ともに1本ずつ失敗してしまうが、駒阪が2位、生頼が3位につけた。C&Jは駒阪が2、3本目を失敗し157キロの4位で終わる。生頼は2本目の時点で他選手の全記録を上回る164キロを持ち上げると、3本目で「挙げたかった」という176キロに挑戦するも失敗。それでもC&Jとトータルで1位に輝き、主将として挑む最後のインカレで表彰台の真ん中に登った。続く89キロ級に西野渓心(スポ4=京都・海洋)、96キロ級に岡村幸尚(社4=兵庫・明石南)が出場。それぞれ6点、8点を獲得し団体得点に貢献。2日目は76点を加算し、4位で最終日に望みをつないだ。

個人優勝を果たした生頼主将

 3日目は109キロ級の柏木が大躍進。スナッチの2本目で大会記録となる144キロを挙上すると、3本目ではさらに記録をのばし147キロを持ち上げた。C&Jでは2位となるもトータルでも大会記録を更新し1位に輝いた。+109キロ級に登場した西堅也(スポ3=茨城・高萩清松)はスナッチで131キロを記録し8位に着けると、C&Jでは166キロを持ち上げ5位となった。トータルでは6位となり、確実に得点を獲得。最終日に31点を追加した早大は最終的に総合134点の3位で大会を終えた。

 目標としていた優勝には届かなかったが、2年連続表彰台に登り、4年生にとっては学生最後の大会にふさわしい結果となった。さらに柏木と佐藤の3年生二人が大会記録を更新するめざましい大活躍を見せるなど、来年につながる内容であったと言えるだろう。今大会の悔しさと収穫を胸に来年の優勝を誓う。

(記事、写真 土生諒子)

コメント

生頼啓暉主将(スポ4=兵庫・明石南)

――個人優勝と団体3位おめでとうございます

ありがとうございます。

――最初に個人のことから振り返っていただきたいのですが、試合を振り返っていかがですか

4年間の集大成になる試合だったのですが、結果にはあまり納得できていません。団体戦に貢献するという意味では点数をとれたのでよかったです。

――どういった点に納得できなかったのでしょうか

欲を言えばC&Jの3本目の173キロをしっかり決めて終わりたかったという気持ちが強くあって、それを失敗してしまったのが心残りなのですが、インカレとして十分な試合にはなったのかなと思います。

――目標などはありましたか

スナッチ、C&J、トータルの3種目で完全優勝するのが目標だったのですが、スナッチは3位で終わってしまったのでそこは少し悔しかったです。

――スナッチでは3位となりC&Jで逆転して1位となりましたが、その間はどのようなことを考えていましたか

スナッチが終わった時点でジャークとトータルは勝てそうだなという気持ちはあって、それで想定通りC&Jとトータルは優勝できたのでほっとしています。

――続いて団体のことをお聞きします。以前団体初優勝を目標にしているとおっしゃっていましたが、今回の結果を受けていかがですか

やはり優勝した法政と準優勝の日大は結構壁が厚いと毎年思うのですが、その差を埋められなかったなというのが正直な感想です。3位という結果は現状の僕たちの出せる力を出し切った結果だと思うので、3位ではありますがよかったと思います。

――今大会では佐藤選手と柏木選手という来年最高学年になる二人の活躍もありました。その点についてはいかがですか

佐藤と柏木は強くて試合でも結果を出してくれる頼もしい後輩ですし、ほかにもたくさんこれから記録をのばして活躍してくれそうな部員がたくさんいるので来年のインカレはさらに上の順位を目指してチーム一丸で頑張っていって欲しいなと思います。

――最後に大学生としての試合はこれで最後になったと思いますが、4年間を振り返っていかがですか

入学した当初は大学では全然通用しないようなレベルの選手だったのですが、早稲田大学ウエイトリフティング部という素晴らしい環境や指導者のおかげで大きく成長させていただけたと思います。最後の方は大学の大会でも優勝することができたのでそういう意味ではとてもいい4年間を過ごさせていただいたなと思います。また、同期や先輩後輩も含めて練習熱心な仲間と切磋琢磨できたのも楽しかったなと思います。

佐藤康太郎(スポ3=宮城農)

――個人優勝おめでとうございます

ありがとうございます。

――今日の試合を振り返っていかがですか

スナッチは今回自己新記録を狙って取り組んできたので取れてよかったなと思います。ジャークは全日本選手権が終わってから練習であまり調子がよくなかったのでそのなかで175キロとれたのは自分の中では結構大きいです。

――目標はありましたか

今日の朝決まったのですが、大会記録がスナッチは143キロでジャークが175キロだったのでそれが取れればいいかなと思っていました。

――スナッチでは2本目140キロを失敗しながら3本目で大会新記録となる144キロに挑戦されましたが、そのときの考えやお気持ちはいかがでしたか

今日の目標が144キロで140キロを失敗してもう1回やってももうどうしようもないので、とりあえず144キロやってみようと思ってやってみたらできたのですが、気持ちは「やるぞ」という気持ちしかありませんでした。また、今回4年生が最後の試合なので4年生にいい流れで試合を回したいなと思ったので144キロに取り組みました。

――ものすごい活躍でしたが、今日の結果は想定内でしたか

想定内でした。

――来年には最高学年になられますが、目標や意気込みなどはありますか

最高学年だからどうというのはあまりなくて、自分の目標である全日本選手権優勝だったり日本記録更新だったり、そこに向けて取り組んでいきたいと思います。