【特集】インカレ直前幹部対談

ウエイトリフティング

 12月23~25日にかけて行われる全日本大学対抗選手権(インカレ)に臨む早大ウエイトリフティング部。現体制で行われる最後の大会を前に、この一年チームを支えてきた3人に意気込みを伺った。

※この取材は11月29日に行われたものです。

「周りと一緒にやっていく(武田)」

この一年を振り返る武田

――4年生最後の大会でもある全日本まで残り1ヵ月を切っていますか、最上級生としてのこれまでを振り返っていかがですか

武田 ちょうど1年前のこの時期に先輩から主将に任命されました。最初はどうしたらいいか全くわからなかったし、主将という立場にも今までなったことがなかったので、自分がどうしていけばいいのかを考えながら1年間やってきました。ただ結局その方向性を最後まではっきりすることができずにここまで来てしまったかなという気持ちが大きいです。

高橋 4年生は何事も最後で、「この試合でここに来るのも最後だな」とか思いながら1年間過ごしてきました。やっぱりインカレは1年の集大成なので気持ちよく終わりたいなと思っています。そのためにあと少し、できることはしていこうと思います。

野本 競技自体は大学に入ってから始めたので、競技歴は浅いです。ただその分練習は頑張るっていうことと、最上級生なので周りを見るということは心がけてきました。

――主将としての方向性がはっきりしていないということでしたが、『言動で引っぱる』や、『背中で引っぱる』などキャプテンシーにも様々なかたちがあります。なにか方針などは決めていらっしゃいましたか

武田 そうですね。自分にはどういうかたちが似合うのか考えたときに、背中で引っぱるというよりかは練習中の声出しといったような『周りと一緒にやっていく』というようなかたちが一番合っているかなと思ったので、そうやってきたつもりです。

――そんな主将の姿はお2人にはどう映りますか

高橋 チーム的には方向がばらついているかなとは思います。チームとしての着地点が見えないので、残りの期間でしっかり着地してほしいです( 笑 )。

野本 練習中は声出しもしているので、チームを引っぱっているなとは感じます。あとは積極的に高重量を触ったり、後輩に負けないように頑張っていたのかなと思います。

――最近はどういった練習をされていますか

武田今は追い込みですね。大会2週間前あたりになったら抜きに入る予定です。

野本とにかく高重量のセットを繰り返しています。

――時間はどれくらいですか

武田、野本2時間ぐらいです。

――今年のチームはどういったチームですか

武田 練習中の学年関係が無いです。後輩から先輩に対して何か気づいたことがあれば指摘できるような環境ではあります。一方でモットーである『自由』を悪い意味ではき違えている人もいるというのが悪い点ですね。そういう点でまとまりに欠けたのかなとは思います。

野本 女子はわりかしメンバーが決まってからは意識が変わったなと思います。みんなで「一本一本大事にしよう」という声掛けもしているので、団体戦を意識した練習はできています。

――今メンバーの話が出ましたが、インカレのメンバーはどう決めていらっしゃるのですか

武田 女子はそもそも人数が少ないですし、得点を取れるのが5位までなので、他大学との兼ね合いも考えてですね。男子は、女子と違ってスタート時の最低重量が設けられているのですが、そこを超えられるのが7人しかいません。8人目をどうするかで悩みました。最終的にはケガもあったのですが、最低重量はクリアできるのではないかということで田中を選出しました。

――苦しい状況ではあると思いますが、団体での目標順位を教えてください

武田 昨年同様4位です。3位を目指していましたが、日大、法大、九国大の三強を倒すのは実際難しいので4位はきっちり取っていこうということになりました。

――大会で期待できる選手は誰ですか

武田 男子は56kg級の知念勇斗(スポ2=沖縄・豊見城)、62kg級の千葉健介(社3=岩手・水沢)、69kgの生頼永人(スポ3=兵庫・明石北)。女子は48kg級の安嶋千晶(スポ2=茨城・大子清流)、75kgの柏木麻希(スポ2=京都・鳥羽)です。彼らは最高得点の狙える選手たちなので、軸になると思います。

「(武田主将は)女子みたい(野本)」

互いの印象を語る野本

――お互いの印象はどうですか

武田 野本は負けず嫌いなので、練習をよくしますし、言い方が小学生みたいですけど頑張り屋さんですね。それだけ(練習を)やっているのも後輩へのいいお手本になってると思います。すごく上からみたいになりますけど。(一同爆笑)高橋はなあ(笑)。3年生の時から主務として一番上に立っているので、色々怒られることもあるんですけど、事務の面では本当に助かっています。

高橋 武田はケロッとしてて切り替えが速い( 笑 )。後輩に対しても敷居が低くて接しやすい先輩だと思います。野本は毎日のようにポケっとしてて適当なんですけど、練習に対してはすごいストイックですね。あとは毎日LINEで私の色んなグチ聞いてくれるので助かっています( 笑 )。

武田 多分それ全部聞き流してるよ!

高橋 面倒なことは上手にすり抜けてるもんね( 笑 )。

野本 武田くんは・・・

武田、高橋 普段そんな呼び方しないだろ( 笑 )。気持ち悪いわ!

野本 けど主将感は出てると思います。ただ考えすぎちゃうところがあって、そこは女子みたいだなと思います

高橋 わかる!ガラスのハートなのかもね( 笑 )。

武田 繊細なんですよ繊細!

野本 高橋はすぐキャパオーバーになる。意外と頭良いんでよく考えてると思います。

武田 小学生みたいなコメントだな(笑)。

一同 (爆笑)

野本 あとは怒るくせに後で「あの時怒っちゃったー」みたいになるんですよ。後から反省し始めるみたいな。

高橋 結構引きずるよね。

野本 二人とも女子みたいなんですよ。

高橋 いや私女子だし!

――今ここにはいらっしゃいませんが、早慶戦では春田賢秀トレーナー(スポ4=神奈川・鶴嶺)を大きく取り上げさせてもらいました。そういったトレーナーの存在も大きかったですか

武田 4年間ケガが多かったので、春田に相談することも多かったです。トレーナーとしてみんなに信頼されているし、チームとして欠かせない存在だと思いますね。

高橋 下級生含めてトレーナーは4人いますけど、やっぱり春田が一番しっかりしてるし、一番(選手のことを)見ているなと思います。

野本 選手のことよく見ているなと思うし、ケガになった選手に対してはすごく寄り添うなと思います。

「インカレはすっきりした気持ちで終えたい(高橋)」

高橋の主務としての苦労話は尽きない

――ここからは個人個人の質問をさせていただきます。まずは高橋さん。主務の仕事で特に大変だったことは何ですか

高橋 昨年も主務をしていたので、今年は大丈夫だろうと思っていたのですが、なかなか後輩に(仕事内容を)伝えるのが難しいです。私は専属だったのでいいのですが、選手兼となると練習で忙しいこともあって教えきれなくて。そこの関係が難しくてずっと悩んでいます。あとは今チームにとって何が必要なのかを考えるのも常に悩みです。一番大変なのは会計ですね。この時期はとてもイライラします( 笑 )。

――一方でやりがいはありましたか

高橋 色々な経験ができるという点ではものすごくためになります。部以外でもアルバイトなどで生かせる場面がたくさんあるので(そういった点で)よかったなと思っています。

――そもそもウエイトリフティング部に入ったきっかけは何ですか

高橋 勧誘ですね。入学式のときに梶田さん(大和前主将、平28スポ卒)に捕まってウエイトの動画を見せられたんですよ。ぶっちゃけると最初は全く興味なかったんですけど、サークルのノリが怖かったので1回練習に見学に行きました。そうしたらその時はみんな歓迎してくれたっていうのと、当時は「週3でいい」と言われたのでいいかなと思って入りました。

――次は武田さん。自身の階級である105kg級、+105kgは他大学の強豪選手が多く集います。その点についていかがですか

武田 やっぱり強いですね。特に+105kgのほうは天性だと思っています。自分が+105kgになる時はただ食べて増量するんですけど、そこからまず違いますね。105kgに階級を落としたのも主将になるということである程度の記録が望めると思ったからです。クリーンアンドジャークに関しては3位を狙える位置にはいますし、強い選手は多いですけどその中(105kg級)だったらある程度やっていけるかなとは思っています。

――同階級の後輩、池田選手(祐介、社2=滋賀・安曇川)はこの1年で大きく成長したように感じました。そういった後輩の姿はどう映りますか

武田 かなり頼もしいです。本当にここまで伸びるとは思ってなかったです。特にここ半年程度でそこまで伸びるか、というぐらい成長しています。それこそインカレメンバーの7、8人目ぐらいに考えていたのが、もっと上の立場になりましたし、点数も池田に期待する部分がかなり大きくなったという点では頼もしい存在ですね。

――競技は卒業後も続行されますか

武田 とりあえずはインカレで引退とは考えているのですが、地元に帰ってからも少し練習して、国体で宮城県のために(出場したい)という気持ちもあります。

――次野本さん。女子は男子に比べ人数が少ないとは思うのですが、毎回入賞者を輩出しています。その要因としてチームとしてのまとまりがあるということですか

野本 ワセダに入ってきている人たちは高校時代からトップレベルの選手も多いので、そこが要因かなとは思います。あとは、環境面も良いですし、各自が自分の欠点をわかっていて、そこを自主練で補っているというのも強みだと思います。

――野本さんも競技自体は大学から始められたということですが、入ったきっかけは何ですか

野本 高校時代の陸上部のコーチが、たまたま早大ウエイトリフティング部のOBの方だったというのが大きいですね。そこで興味持ったら、「行けよ!」ということで( 笑 )。

――女子は昨年と比べると今年の方が強いですか

野本 そうですね。今年の方が強いです。

――皆さん所沢キャンパスで学ばれていますが、練習の際の早稲田キャンパスへの移動は大変ではないですか

野本 大変です。ただ帰り道ではあるので大丈夫です

武田 まあ慣れましたね。1年生の頃は教職の授業も取っていたので、どちらにせよこっちには来ていたので。

――練習後やオフの日は何をされているのですか

武田 練習後はお風呂に入ります。

高橋 練習後は基本帰ります。元気ある時はみんなでご飯行きます。オフの日は、バイトしたり友達と遊んだり、『普通の大学生』しています( 笑 )。

野本 オフの日は家でゴロゴロしていることが多いです。ゲーム好きなので( 笑 )。

高橋 すごいんですよ!(指をさしながら)

野本 携帯ゲームが好きなので、ずっとツムツムとポコパンを交互にやっています( 笑 )。

武田 オフの日はずっと部屋で寝てますけど、最近は卒論を書いています。

高橋、野本 それはあるね!卒論だね。

――それでは最後に改めて抱負をお願いします

武田 本当に最後の大会なので、悔いの残らないよう精一杯頑張ります。

――ありがとうございました!

(取材・編集 田原遼、川浪康太郎)

終始笑顔の絶えなかった3人

◆高橋まどか(たかはし・まどか)(※写真左)

1993年(平5)4月5日生まれ。身長155センチ。神奈川・フェリス女学院高出身。人間科学部4年。他大学ではあまり見受けられない専属の女子マネージャー。昨年から主務の仕事をしている高橋さんですが、この1年の様々な苦労も笑顔で話してくれる姿が印象的でした!

◆武田健(たけだ・けん)(※写真中央)

1994年(平6)12月31日生まれ。身長180センチ、体重105キロ。宮城・石巻高出身。スポーツ科学部4年。今年度ウエイトリフティング部をまとめてきた主将。高校生のとき地元宮城で震災。大きな被害に遭っただけに地元への強い思いが感じられました。また、歌手のmiwaの大ファンでもある武田主将。何回もライブに足を運んでいるそうで、「一緒に行ってくれる人が部にいない」と嘆いている様子でした(笑)

◆野本なつみ(のもとなつみ)(※写真右)

1994年(平6)5月10日生まれ。身長152センチ、体重63キロ。埼玉・草加高出身。スポーツ科学部4年。最上級生となったことしは女子主将として練習メニューの考案などを任されてきたという野本選手。主将の下で練習に励んだ後輩たちがどんな結果を残してくれるか楽しみですね!