多くの1年生が自己新記録をマーク!

ウエイトリフティング

 次世代を担う下級生たちの登竜門・全日本学生ウエイトリフティング新人選手権大会(全日本新人)が10月23〜25日の3日間に渡って開催された。早大は知念勇斗(スポ1=沖縄・豊見城)を初めとした選手がメダルを獲得。また、多くの選手が自己新記録を打ち立てた。

 初日に行われた男子56kg級に姿を見せた知念。「優勝を狙っていた」という言葉通り、スナッチから好記録をマークし全体1位で折り返す。その後のクリーンアンドジャーク(C&J)においても3本目で大会新記録を樹立し、優勝は確実かと思われた。しかし、後続の妹尾侑哉(東京国際大)が知念の記録を塗り替える132kgを成功させ、逆転。トータル2位に終わった。悔しさが残る結果となったが「負けたことでまた目標が変わった」(知念)という。続く男子69kg級には大原魁斗(社1=山梨・日川)が出場した。同階級ではスナッチでジュニア新記録が生まれ、「(その記録は)意識していました」という大原。表彰台争いには絡めなかったものの、C&Jの3本目で121kgの自己新記録をマークし、トータルで9位となった。

2位で表彰台に立った知念

 2日目には77kg級に永迫竜也(スポ1=宮崎・小林)がエントリー。スナッチでは自己新記録を含む3本を全て決め全体2位となると、C&Jも立ち上がりの1本目を成功させる。そのまま優勝を狙った永迫は143kgのC&J自己新記録へ挑戦。惜しくも成功させることはできなかったが、トータル3位となり見事表彰台へ立った。その後に行われた男子85kg級の神田悠斗(社1=岐阜・海津明誠)はスナッチで最初の2本を失敗し追い込まれる展開に。記録が危ぶまれたが、何とか3本目を成功させる。続くC&Jでは落ち着きを取り戻し、3本目で自己新記録となる重量を見事に挙げてみせた。試合後には「(C&Jの成功は)皆さんのおかげ」と、謙虚にはにかんでいた。

 最終日には、今大会早大で唯一の女子選手となった田中李恵(スポ1=香川中央)が女子75kg級に出場。大学入学後初の公式戦ということもあり、緊張があったという。その焦りが出たせいか、スナッチ、C&Jともに大事な1本目を落としてしまう。どうにか瀬戸際で成功させ記録はついたものの、それぞれ1本ずつの成功という厳しい結果に。そして、最終競技である男子105kg級では池田祐介(社1=滋賀・安曇川)がプラットフォームの上に立った。スナッチを安定して成功させた池田は表彰台を狙い、C&Jではあえて高い重量を申請。果敢に勝負を仕掛けた。しかし惜しくも成功とはならず、トータル5位にとどまった。

永迫は気迫あふれる試技を披露した

それぞれの階級で優勝者は出なかったものの、多くの1年生が奮闘し、自己新記録を連発した今大会。「これからは自分たちが主体。全国の強い選手たちに通用するような力をつけていきたい」(大原)というように、早大の今後を担う若い力の成長に期待がかかる。

(記事、写真 平野紘揮)

コメント

池田祐介(社1=滋賀・安曇川)

――今回の大会に向けて目標はありましたか

自分の新記録と、表彰台を狙っていました。両方とも取れなくて残念でした。

――試技を振り返ってみていかがですか

両方(スナッチ、C&J)ともスタートを取れたのは良かったです、スナッチは2本目もしっかり取れて、そちらは新記録に繋げたのですけど、3本目で取れない試技をしてしまって。C&Jは2本目で自己ベストだったのですがそれもクリーンから崩れてしまって、表彰台に登るための記録にも届かず、悔しい試合になりました。

――次の試合に向けての意気込みはありますか

3月に行われる全日本ジュニアウエイトリフティング選手権に向けて、補助の部分を伸ばしていきたいなと思います。

大原魁斗(社1=山梨・日川)

――ご自身の試技を振り返ってみていかがでしたか

練習ではスタートの一本を取れてたのですけど、スナッチは2本取って、C&Jで一本目を落としてしまって。6本全て取れるようになるまでしっかり練習を積んで、頑張りたいと思います。

――スナッチではジュニア新記録が樹立されましたが、それはプレッシャーにはなりましたか

同じ階級ということもあるので、意識はしていました。まだ自分の記録が追いついていないので、ライバルになるくらいに練習して強くなりたいと思います。

――今回見つかった課題などはありますか

フォームの改善と、試合にもっと強くなるということです。

――全日本新人は下級生主体の大会でした。今後、下級生として意識していくことなどはありますか

これからは自分たちが主体になっていくので もっと全国の強い選手たちに通用するような力をつけていきたいです。

神田悠斗(社1=岐阜・海津明誠)

――ご自身の試技を振り返ってみていかがですか

スナッチでスタート重量が取れなくて、三本目でやっと取れるという状況で、スナッチの精度が悪かったです。C&Jで3本とも取れて、自己新記録も取れましたので、そちらは良かったと思います。

――緊張はありましたか

緊張はありませんでした。ただ、バーベルのコースが悪くて、バーを流してしまうということはありました。

――スナッチでは2本目までを落としてしまい、苦しい展開でした

そうですね、練習不足だったと思います。

――C&Jでの成功の要因はありますか

皆さんのおかげだと思います。

田中李恵(スポ1=香川中央)

――初のワセダのユニフォームを着ての公式戦でしたがどのような心境で臨みましたか

試合が久々だったのでだいぶ緊張していました。本当は6本取りを目指していたのですが、一本一本が思い通りにいかなかったです。

――スナッチでは最初の2本を失敗し、追い込まれる展開となってしまいました

とりあえず挙げるしかないな、と。すごい緊張していました。

――C&Jの方はいかがでしたか

アップの時にはそこまで(申請した重量は)重くないなと感じていました。ただ、体があまり動いていなかったと思います。

――今回出場した女子選手は田中選手だけでした

そうですね。でもそのあたりは特に何も考えていなかったです。

知念勇斗(スポ1=沖縄・豊見城)

――今大会はどのような心意気で臨みましたか

今回の大会で優勝を取られてしまった妹尾(侑哉)選手と久々に対決する時だったので、負けないようにということを考えて臨んだ試合だったのですが、負けてしまって悔しいです。

――全体2位という結果についてはどのように受け止めていますか

この56kg級に出場するときは優勝するというのが自分の中では最低ラインでした。今回負けてしまって2位になったのですが、負けたことで、自分がまた目標にする人、目標がまた変わって、次の大会では優勝できるようにという思いが強くなりました。悔しいというのもあるのですが、新しく頑張ろうという気持ちも生まれました。

――ある意味では、負けたことも今日の収穫なのでしょうか

そうですね。そうなりました。

――チームとしての目標があれば教えて下さい

基本的に今回の大会には1年生全員が出ているので、成功率や順位をしっかり狙ってもらってほしいですし、ワセダは特に成功率を求められるので、そのあたりも意識してやってほしいなと思います。

永迫竜矢(スポ1=宮崎・小林)

――ご自身の結果を振り返ってみていかがですか

スナッチは自己新の119kgを取れて、しかも3本全部成功できたので良かったのです。C&Jの方で1位を狙って最後143kgまで重量を上げたのですが、そこでクリーンまではできたのに差しきれなかったという点で技術的な部分が足りていなかったかなと。パワーは入学時よりも上がってきているのですが、差しきれないというのは技術的なところで問題があるのかなと思いました。

――今大会の目標は

優勝を狙っていました。この前の早慶ウエイトリフティング定期戦にも出場した時に、スナッチは調子が良かったのですが、C&Jでポロポロ落としてしまって、それがまた出てしまったなという感じです。

――結果を受けて、これからの収穫になる点などはありましたか

とりあえずフィジカルの強化をもう一度して、更に技術的なところ…高校とは大学の練習は違います。そういうところも考えて練習していけるようにしたいと思います。