関西の雄・立命館大の壁高く 大量失点でインカレ初戦敗退

女子ホッケー
結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
立命館大 14

 第45回女子全日本学生ホッケー選手権(インカレ)1回戦、早大は関西屈指の強豪校・立命館大と対戦。実力差のある相手に粘り強い守備で対抗したが、前半で5失点し劣勢に立たされる。3クオーター(Q)にMF山下天海(スポ3=京都・須知)が負傷交代するアクシデントもあり、さらなる苦境に立たされた早大は、計14失点の大敗。早大のインカレは、1回戦で敗退となった。

 

今季最後の公式戦は悔しい結果に

 試合開始直後から、立命館大の強烈な攻撃は続いた。2分に相手ペナルティコーナー(PC)の流れから押し込まれ失点。4分にもダイナミックな攻撃から失点する。しかし9分には山下(天)が長い距離のドリブルからFW内田透子(政経3=埼玉・早大本庄)へ。内田が1人かわしたが、サークルわずかに手前で相手ディフェンスのブロックに遭いシュートを打てない。その後も2失点を追加されたが、2Qに入ると守備が安定。個人技のある相手に粘り強くプレッシャーをかけ、DF吉野真啓主将(スポ4=富山・石動)、DF鈴木悠(スポ3=愛知・向陽)を中心とした守備陣が奮闘。しかし14分に1点を奪われ、0-5で前半を折り返す。

 

吉野はこの日も守備で奮闘

 2Qまでの流れを継続したい早大だったが、立命館大の攻撃は休むことなく襲い掛かってくる。3Qの1分にカウンターから失点すると、5分にも相手の個人技から失点する。痛かったのはエース・山下(天)の負傷交代。同じくチームの核として、守備のフリーマン的役割を果たす吉野は試合後、「天海(山下)が抜けた時点でもう一人フリーマンをしっかり確立すべきだった」と振り返った。13分、15分と失点を重ね、4Qにも4失点。7分、11分とPCのシーンではGK坂本智美(文構3=福岡・小倉)がいずれも右足1本ではじき出すなど好プレーを見せたが、及ばなかった。

 

ボールを運ぶFW三宅美由紀(スポ3=埼玉・川越女)

 この日の試合で、早大の2023シーズンの公式戦には区切りがついた。吉野主将は「結果としては、最初は良くてどんどん下がってきているということは悔しく思い」と苦い表情。関東大学リーグでは4季連続の4位となった上、インカレでは相手校の引き運が悪かったというのもあるが、結果的には初戦敗退と悔しい結果に終わった。しかし、早大にとってのシーズンはまだ、終わりではない。23日、宿敵・慶大との大一番が待っている。今季の締めくくりとしても、来季への展望を問う意味でも大きな試合になる。『常笑常勝』をスローガンに掲げた今季。笑って終わるためには、最後にただ1つ、勝利が必要だ。

(記事 大幡拓登、写真 星野有哉、水平櫻子、高岡紗也)

コメント

安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)

――試合展開を振り返っていかがですか

 立命館大の個人技やパスワークに圧倒されて、失点が思っていたより多くなってしまいました。

――この試合において目指していたもの、目標はありますか

 無失点のクオーターを作るというのを想定していたのですが、2Qの最後1分半くらいで入れられてしまったので、そこは課題だと思います。

――2Qのまま後半も戦えていれば、とも思うのですが、前半も含めてクオーターごとの入りに関してはいかがですか

 試合の入りが最近よくなくなってきているので、流れを切るプレーヤー反則で止めるプレーができてくれば、また違ったのかなとは思いますね。

――山下選手が負傷交代のアクシデントもあって難しくなったと思いますが、守備戦術において声をかけたことはありますか

 ほなみ(野中)を真ん中で使うのは前にもやっていたので、そこまでは大丈夫でした。ただフォワードの交代が無かったりというところで、疲労が溜まってしまったかなと思います。

――公式戦にはこれで区切りがつきましたが、今季を振り返っていかがですか

 吉野(主将)の代でなんとか上にいきたかったんですが、中々結果がついてこなかったかなと思います。

――早慶戦に向けてどのように準備していきたいですか

 早慶戦は本当に勝つだけなので、早めに得点することを大事に、集中してやっていきたいです。

 

DF吉野真啓主将(スポ4=富山・石動)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 私たちは無失点のクオーターを作ろうという目標でこの試合に臨んだのですが、2Qのラスト1分半で決められてしまって、目標を達成できないという試合になりました。

――チームとして守備から入る試合だったと思いますが、どのようなことを意識してプレーしていましたか

 立命館大はドリブルしてくる選手が多いので、1人で守備をするのではなく必ずダブルでディフェンスすることを課題にプレーしていました。ただやっぱり2枚目が出るタイミングが遅れたり、誰がいくという指示が飛ばなかったりして、結局そういった課題が解決されないまま終わってしまいました。

――3Qの山下選手の負傷交代以降、守備戦術的には難しくなりましたか

 基本私と天海でコートを半分ずつに分けて、フリーマンというか、マークにつかない選手を必ずいる状態にしているんですが、天海が抜けたことでコート内フリーマンが私1人しかいなくなって、2枚目として出る選手が私だけになって遅れてパスをつながれる、という展開になってしまいました。天海が抜けた時点でもう一人フリーマンをしっかり確立すべきだったと思います。

――攻撃の時間は少なかったですが、前半はいくつかチャンスもありました。この試合で得た収穫はありますか

 攻撃の部分で言えば、いつもは天海がドリブルでもっていった時にみんなついていくかたちになってしまうのですが、透子やほなみ、何人かがリードとして前に出ていけたのは、収穫じゃないかなと思います。

――公式戦としてはこれで終わりになりましたが、どんなシーズンになりましたか

 関東リーグ2位と全国大会でベスト8という目標でやってきたのですが、王座でベスト8にはなったけれど、インカレではベスト16で敗退してしまい、結果としては最初は良くてどんどん下がってきているということは悔しく思います。公式戦は終わりましたが、早慶戦に向けて立て直さなきゃな、という気持ちです。

――早慶戦に向けてどのように準備していきたいですか

 まずは得点力という部分で、春は5-0だった慶大戦で、秋は1-0という結果に終わってしまっているので、そこについては強化したいです。あとは私と天海の部分は相手が抑えてくるポイントだと思うので、それ以外の選手が主体的にプレーできる組み立て方や練習をして、勝ちに行きたいと思います。