秋リーグ準決勝行きをきめるも… 関東王者に悔しい14失点完敗

女子ホッケー
結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
山梨学院大 14

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)も第3節を迎えた。今季2連勝中の早大はこの日、リーグ戦299連勝中の山梨学院大と対戦。絶対王者の破壊的な攻撃力を前に序盤から攻められ続け、防戦一方の展開となる。最終的には14失点を喫し、山梨学院大のリーグ戦300連勝目を献上した。

 

守備の要、DF鈴木悠(スポ3=愛知・向陽)

 プール戦最後にして最強の相手となる山梨学院大。昨季は8点差で屈した相手に1クオーター(Q)から攻め込まれる状況が続く。早大はサークルライン付近を固め、DF吉野真啓主将(スポ4=富山・石動)中心にしぶとく守った。しかし8分、ペナルティコーナー(PC)から先制点を許すと、2分後にはドリブル突破から2点目を奪われた。その後も山梨学院大ペースで試合が進むも、13分、ファウルをもらったMF山下天海副将(スポ3=京都・須知)がリスタートでロングパスをFW野中ほなみ(教2=宮崎・高鍋)に通し、チャンスメイク。惜しくも相手サークルへの侵入はならなかったが、ワンチャンスで確実にボールを前に運んだ。山梨学院大の攻勢が続く2Qも少ないチャンスに活路を見出したいところだったが、相手に厳しくマークされ、エース・山下天はなかなか前を向かせてもらえず。ゴールは遠く、その間にも相手攻撃陣の高い技術を前に失点を重ね、0ー5で前半を折り返した。

 後半も山梨学院大の猛攻は止まらず。「相手の1(人の攻撃)に対して、私たちが2(人でプレッシャーを)かけきれなかった」(吉野)と相手の多彩に展開する攻撃に振り切られる場面が増え、次々に失点を喫する。「(夏場にトレーニングしてきた)体力が発揮できていませんでした」と吉野が振り返るように、4Qになると守備に奔走してきたDF陣にも疲れの色が色濃く見え始める。GK坂本智美(文構3=福岡・小倉)が体を張ってシュートを防ぎ続けるが、相手の衰え知らずの切れ味鋭いドリブルと力強いシュートに押し切られ、後半は計9失点。一方の攻撃陣は4Qの9分に山下天がパスカットからドリブルで一気に駆け上がると、吉野、FW鈴木千心(社4=東京・東学大付国際中教校)とつなぎ、FW長谷川柚希(政経2=埼玉・早大本庄)が相手キーパーと1対1に。カウンターでこの日一番の得点機を作ったが、相手GKのプレッシャーを前にボールを収めきれず。一矢報いることはできないまま、0ー14で完敗した。

 

シュートに反応する坂本。守備陣としては酷な試合となった

 この試合の結果、2勝1敗でプール戦を終え、Aプール2位で順位決定戦準決勝へ駒を進めた早大。初めの2戦を完封勝利で飾り、上々のスタートを切ったものの、リーグ戦57連覇中の山梨学院大相手には今年度ワースト失点を喫し、「点数が入らなかったり、今日の守備の部分でも課題がまだ残る」(安岡由美子監督、平16人卒=山形・米沢商)と今まで見えてこなかった課題も浮き彫りとなった。約1ヶ月後となる次戦で対戦する可能性がある駿河台大、東農大はいずれも昨季の順位決定戦で敗戦している。1ヶ月間で徹底的に課題を潰して雪辱を果たし、優勝決定戦の舞台で山梨学院大と再戦したい。

(記事 星野有哉 写真 小島大典、近藤翔太)

コメント

安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)

――今日の試合を振り返って率直にいかがですか

 少し失点が多かったなというイメージですね。もう少し抑えられたところはあったと思います。

――今日のゲームプランはどういったものでしたか

 守備的なゲームになるというのはわかっていたので、しっかりサイドで追い込んで、取り切れるところを取るということでやっていたのですが、山梨学院さんの方がやっぱりテクニックがあったという感じですね。

――前半から押し込まれる時間帯が続きましたが、ハーフタイムにはどのようなお話をされましたか

 (サークルの)中のマークチェンジや出る部分が違ったので、その点を修正するということと、向こう(相手)は優勝しているチームなので、積極的にやっていこうということで声をかけました。

――予選リーグ全体を振り返っていかがですか

 2勝できて上に行けるのは良かったのですが、やっぱり点数が入らなかったり、今日の守備の部分で課題がまだ残るので、そこを次戦以降に向けて、修正していきたいなと思います。

――今日で山梨学院大がリーグ戦300連勝ということですが、早大にとって山梨学院大というのはどのような存在ですか

 私の現役時代からずっと勝っているチームなので、常勝のチームというイメージはありますね。

――次戦に向けてのどのように準備していきますか

 次の??が勝負だと思うので、しっかり決勝戦に出られるように、そこを勝ち切るっていうところを、少し時間があるので、もう1回見直して、修正していきたいと思います。

 

吉野真啓主将(スポ4=富山・石動)

――春季リーグでの対戦より点差開きましたが、その点に関してはいかがですか

 相手が1対1の場面で、私たちが簡単に抜かれてしまったっていう部分と、相手の1(人の攻撃)に対して、私たちが2(人でプレッシャーを)かけきれなかった、全体的に相手の選手に対して、 ポジションをずれなかったところが反省点だと思います。

――今日の試合はどういった目標で臨まれましたか

 今日は失点を6点以下にするというのが目標だったのですが、結果が14対0という(失点が)倍以上の結果になってしまいました。点数以外だと、一人一人が一つ一つのプレーに責任を持つというサブ目標があったのですが、全員が少し他人任せなプレーになってしまったかなという風に思います。

――4Qのカウンター攻撃の場面を振り返っていかがでしたか

 いつも練習試合でああいった形で山下(天海)が持っていった時に、私と野中(ほなみ)ぐらいしかついてこないことが多いのですが、今回は左サイドに鈴木千)と柚希(長谷川柚希)が一緒についてきてくれて、カウンターで人数をかけられて、すごくカウンターの形もよかったなという風に思います。最後、ゴール前でトラップしてシュートのところまでできたら本当に良かったかなと思います。

――ハードな展開で、チーム全体として疲れの色が濃いように見えますが、体力面はいかがでしたか

 今日は本当にみんなが体力なくて、せっかく夏場トレーニングしてきたのに、その体力が発揮できていませんでした。アップで体の方もちょっと温められたら良かったかなという風に思っています。

――今日で秋季リーグ戦の予選リーグが終わったと思いますが、予選リーグ全体を振り返っていかがですか

 1番よかったのが初戦の学習院戦で、その時はみんなが気持ちで勝って入れてたのですが、慶応の時は相手の応援団に気持ちが怯んでしまい、山学(山梨学院大)の時は相手が経験者ばかりということで、 もう最初から負けに入っているという形で入ってしまったので、次のリーグでは最初から気持ちで勝つプレーができたらいいかなと思います。

――次戦の上位リーグへの意気込みをお願いします

 次戦は駿大(駿河台大)か農大(東農大)と当たると思うのですが、そこで自分たちが勝ち気で、最初から試合に入って、早稲田らしく、一人一人で個人技で持っていくプレーというよりかは、一人一人がパスをつないで、シンキングホッケーでプレーできるように頑張っていきたいと思います。

 

坂本智美(文構3=福岡・小倉)

――山梨学院大の攻撃はどのような印象でしたか

 想像通り強かったです。山梨学院大戦に向けて分析し対策してきたため、はまったところもありましたが、後半は勢いに負けて多くの失点を許してしまいました。山梨学院大が極めて強かったというよりも、私たちの粘りが最後は足りなかったという印象です。

――春に対戦した時と変わった部分は何かありましたか

 プレスやボールを取った後の攻撃で、サークル内の近くまで行くことができたところが成長した点です。課題は最後まで粘りきることです。1人が抜かれた時に誰かがフォローすることや抜かれた人が戻ってくるという、あと1つがなかなかできませんでした。私もリバウンドを1回弾いても、その後のリバウンドで点を入れられることがありました。こういったあと1つというところが、この前の試合でも課題だったと思うのですが、やはりまだ残っているなと思います。

――DF陣との連携はいかがでしたか

 今まで夏の練習試合などを通して、春よりはディフェンスとの連携をできるようになったのですが、何回か連携ができずに取られた点がありました。やはりまだチームワーク、チームプレーが100に至っていないと感じました。

――今日の試合から課題と収穫はありましたか

 チームとしてはチームワークです。声をかける人が限られていて、抜かれた時に声をかけるのが私やディフェンス陣の特定の人だったため、もう少し全体から声をかけて守備や攻撃を組み立てることができると思います。あとは他人任せにしないプレーをみんながするのが今後の課題です。私自身の課題として、もう少し足元を練習して次に山梨学院大と対戦したら0点で抑えたいと思います。

――予選リーグ全体を振り返ってみていかがですか

 私的には不完全燃焼です。もう少し点も取れたし、もう少し失点も防げたんじゃないかなと感じています。この後は大事な順位決定戦があり、私たちはこの試合に向けて頑張ってきたため、 そこでは悔いが残らないように100の力を出し切るために今から練習を頑張ります。