開幕連勝!! MF山下2発完勝で秋リーグ準決勝進出確定

女子ホッケー

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)は、ホーム東伏見で第2節を迎えた。試合は開始直後から早大がペースを握る展開。迎えた3クオーター(Q)の9分、ペナルティコーナー(PC)のこぼれ球をMF山下天海(スポ2=京都・須知)が叩き込み先制に成功した。3Qの10分には、再び山下が自らドリブルでゴール前に持ち込み2点目を決める。結局最後まで主導権を握った早大が、危なげなく試合をクローズし、2-0。後期開幕2連勝を飾り、秋季リーグの上位フィニッシュを確実なものにした。

 

試合前、円陣を組む早大イレブン

 強い日差しの降り注ぐ東伏見グラウンドで、試合はスタート。プール戦終了後に待つ、順位決定戦での上位進出に向けては決して落とせない相手との対戦となった。試合は開始直後から早大がボールを握ったものの、相手のかたい守備に苦戦しなかなか先制点は生まれない。11分のPCの場面では、山下から受けたパスをDF吉野真啓(スポ3=富山・石動)がシュート。ブロックされたボールを、山下が再び浮かしてゴールを狙ったがバーの上に外れた。2Qに入っても流れは変わらず早大ペース。4分のPCでは相手のディフェンスを欺くパスから、最後はMF小川紗知(スポ3=東京・日比谷)が狙ったがシュートは上にそれた。そんな中、ついにエースがみせる。9分に獲得したPC、こぼれたところを落ち着いてコースに叩き込み1-0。「なかなか得点が入らない場面で、1点目を決めることができたのは大きかった」と山下。チームの勝利を引き寄せる貴重な先制点となった。

 

山下と吉野はこの日も攻守にわたって大車輪の活躍

  前半を1―0で折り返し、勝負は後半へ。早大は攻撃の手を全く緩めず、6分にはカウンターからFW鈴木千心(社3=東京・東学大付国際中教校)がシュートまでいくが、惜しくもブロックされる。そして10分には、山下が得意のドリブルでゴール前に侵入。そのままあっさりとゴールを決め2-0とした。15分には山下の精密機械のようなスクープパスに、呼応するように飛び出したのは吉野。シュートまではいけなかったが、PCを獲得しチームをけん引する。4Qに入っても早大ペースが続いたが、カウンターからあわやというシーンも。4分には最終ラインのパス回しをカットされてしまう。それでも守備の要、DF高橋佑瑠(教4=早大本庄)がすぐに取り返し事なきを得た。疲れも見え始めた終盤、今度は中盤で奪われたボールをゴール前に運ばれピンチに。しかしここはGK山口永恋主将(国教4=神奈川・洗足)が意地を見せ、左足一本のビッグセーブで難を逃れた。結局試合は2-0で終了。終始アグレッシブに攻め続け、力の差を見せつける結果となった。

 

高橋は早大の守備を支える

 「前回の慶大と今日の上智大には絶対に勝たなければいけなかったので、まず2戦勝てたのは一安心」と安堵の表情を浮かべて語ったのは山口主将。プール3戦目で強豪・山梨学院大との対戦が決まっている秋季リーグの状況を考えれば、開幕2連勝はチームにとって至上命題であった。3戦目はもちろん勝ち筋の少ない相手との対戦ではあるが、割り切ってチャレンジしにいけるという意味では良い経験になる。ただ「目標はやはり決勝進出」と指揮官。今選手たちが見据えるのは、春には越えられなかったその先の景色だ。秋季リーグこそは決勝、そして全国での勝利へ。早大の「進化の秋」は続く。

(記事 大幡拓登、写真 坂田真彩)

結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
上智大

安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)

――後期開幕2連勝と良い滑り出しですが、チームの調子はいかがですか

 まずは1戦目の慶大戦で勝てたのがとても大きかったです。そこから上智大戦では得点して勝利できれば上位(順位決定戦、準決勝)にいけるということだったので、とりあえず勝利できて良かったと思います。

――夏の期間はどういったコンセプトでトレーニングされましたか

 チームとして軸となる選手はいるものの、全体としてもっとレベルアップしていかないと秋は戦えないので、未経験者もFW中心に戦えるように仕上げていきました。

――実際ベンチメンバーの数も増えてきたと思います

 だいぶ入れる選手も増えてきました。ただ試合終盤後ろの選手はかなりきつくなってくるので、もう少し後ろでもプレーできる選手など、入れるポジションのバリエーションを増やしていかなければいけないと思っています。

――次戦は山梨学院大との一戦です。チームとしてどのようなことをもって試合に臨みたいですか

 守備に関してはだいぶ夏期間でもかためてきたので、まずは守備からしっかりやりたいですね。囲んで奪うことなど、コミュニケーションをとりながらやらなければいけないと思います。あとは攻めにも転じたいというところ、経験者を中心にしっかりカウンターを狙っていきたいですね。

――守備に関しては2戦完封と安定していますし、前からの守備もかなりはまっているという印象です

 プレスのところはミーティングでつめてきている部分ではあります。あとはピッチ内でどれだけできるかだ、という話はしていますし、誰が入っても同じようにプレスをはめられるように練習しています。

――山梨学院大戦後にもっと勝ちたい試合が続いていくと思いますが、そこに対しての目標や意気込みを聞かせてください

 目標はやはり決勝進出です。その前のところが一番の山場だとは思うので、そこを目指してやっていきたいと思います。(対戦相手は)どちらがきても対策はしっかりできると思うので、得点を取れるように練習していきたいですね。

GK山口永恋主将(国教4=神奈川・洗足)

――秋季リーグの調子はいかがですか

 プール戦で2勝して上位に上がり、決勝に進むことがチームの目標なので、予選で勝つことが最低条件となるのですが、その中で前回の慶大と今日の上智大には絶対に勝たなければいけなかったので、まず2戦勝てたのは一安心です。今日に関してはチーム目標を1クオーターにつき2点取る、としていたので、勝つ事はできましたが目標通りに勝ててないというところは少し残念なポイントかなと思います。

――終盤良いセーブがありましたが

 残り1分を切っているような段階で、最後の最後に失点してしまったら後味が悪いと思いました。なによりここでの失点は、より高いレベルでの戦いが求められる準決勝への不安要素となってしまうので、今日は絶対失点できないなと思って頑張りました。

――夏の期間はどのような練習を積まれましたか

 トラップ、ハーフからの攻め方、対人スキル、この3つのポイントのレベルを上げる練習を中心に行いました。今季は秋リーグの始まりが早かったのもあり、8月の後半からは秋リーグに向けた練習をしていました。最初が慶大と上智大という必ず勝たないといけない試合だったので得点力にフォーカスし、ゴール前で決めきるところ、そしてプレスで取りきるところから、取ってからどう組み立てていくかというところまで、とにかく攻めの練習を中心に行っていました。

――今日はその練習が活きていた様子でしたがいかがですか

 慶大戦に関しては、相手のキーマンを抑えたプレスをしっかり対策したので、得点こそ1点しか取れていないのですが、かなり練習通りにできたなと思いました。今日に関しては、練習の時点でも完璧に決め切れている状態ではなかっため、それが表れてしまったかなと思います。もっと詰められるかなと感じています。

――残りの1試合は山梨学院大ですが

 結果がどうであれ上位にはいけるのですが、せっかく対戦できますし、山梨学院相手でしっかり守備を固めることができれば、その後対戦する、本当に勝ちたい強い相手に対して守備力を持った状態のまま、得点をどう取るかというところまで考えられると思うので、山梨学院との対戦後も見据えて守備を固めていけるといいなと思います。

――部員が増えたと思いますが、チーム全体として成長は感じていますか

 春季リーグの時に私達の成長できるポイントとしてそこを挙げたと思うのですが、夏休みを通して個人差はあれど成長してくれたなと感じています。今日も交代で何人か1年生の子が出場していて、プレスなども理解しているし、1年生ながらシュートまで持っていくことができているので、戦力が増えたなと思っています。

――今後に向けての目標をお願いします

 次戦は山梨学院大ですが、1番の目標はその次の準決勝で確実に勝つことです。勝つためには点を取らないと始まらないのですが、今日の得点力だと強い相手に対して点が取れずに負けてしまうのが目に見えているので、引き続き得点力を固め、キーマンが潰されても得点源があるようなチームにしていけたらと思っています。

MF山下天海(スポ2=京都・須知)

――まずは今日の2得点、振り返っていかがですか

 今日は攻めている場面が多く、その分選手が密集してしまい得点が入らないことが多かったと思うのですが、そういった局面で1点目を決めることができたのは大きかったと思います。

――2点目は得意のドリブルからのゴールでした。ご自身のドリブルに対する評価はいかがですか

 自分の中でドリブルは武器だと思っています。ただその上でチームとして勝つためには、そこからのパスなど連携が必要になってくると思いますし、そういった意味では今日はもう少し連携してみんなで点を取りたかったなと思います。

――開幕2連勝ということで良い滑り出しだと思いますが、チームのコンディションはいかがですか

 得点はあまり多くないですが、しっかり勝ち点は取れている、勝てているということで良い流れはきていると思います。この勢いを持ち続けていきたいです。

――夏の間はどういったことを練習されていましたか

 チーム全体での連携プレーであったり、得点面でのレベルアップだったりの部分をキャプテンからも言われて取り組んできました。今後はそういった部分をもう少し強化して、次につなげられたらいいなと思います。

――次戦は前期に引き続き、山梨学院大との対戦です。意気込みを聞かせてください

 やはり強いということは分かっているので、その分チャレンジ精神で挑めることはプラスだと思います。思い切ってプレーしたいです。

――プール戦終了後の試合が、本当に勝ちたい試合になってくると思います。そちらに対してどんな思いで臨みたいですか

 やはり早大は最初から強いチームではなく、チャレンジ精神で下からどんどん挑んでいけるチームだと思います。それを軸に考え、今後も頑張っていけたらいいなと思います。