早慶戦直前対談の第4回は、女子部のMG足立夏保(国教4=京都・同志社国際)、MG亀田菜月(スポ3=鹿児島・鹿児島中央)と、男子部のTR永澤由衣(スポ3=岩手・釜石)、TR塚谷朋香(スポ1=埼玉・順天)を特集する。 チームを支えてきた4人が語る、チームに対する思い、早慶戦へかける思いとは。
※この取材は11月13日に行われたものです。
今季のチームについて
仲良く話す4人
――女子部の方はマネージャー、男子部の方はトレーナーという形だと思うのですが、なろうと思った理由を教えてください
亀田 私は、1回ホッケーを見にきて、ホッケーってこんなに面白いんだと思ったのが1番のきっかけです。マネージャーになろうと思ったきっかけは、本当は私は選手になりたかったんですけど、ラントレが結構きつくて(笑)。
一同 言うねえ(笑)。
亀田 でもホッケーというスポーツがすごく見ていても面白かったですし、このホッケー部の雰囲気がすごく好きでした。ホッケーを本気でやりつつ、でも楽しみつつ、みたいな雰囲気がとても好きだったので、マネージャーとしても頑張ろうと思って、入部しました。
――ホッケーは中学校頃までやっていたりしたのですか
亀田 いや、全くやってないです。
足立 私は友人の紹介です。学部の友達がホッケー部でプレイヤーをしていたので、それをきっかけに見学にきたんですけど、その時に、初日にも関わらず、先輩後輩関係なくすごく絡んでくださって…。なんかもう、初日からいじりだったりツッコミだったりっていうのが沢山あって、それがすごく自分に馴染んでいたんです。ああこういうチームで楽しく真剣にスポーツできたらいいなと思って、このチームでマネージャーとして支えられたらいいな、という本当に率直な思いで入りました。
――亀田さんと足立さんはなぜ男子部ではなく女子部にしたのですか
亀田 私の場合は、最初は選手という選択肢もありつつ、でも入るときに、もしかしたらマネージャーも考えています、ということでどっちの選択肢も取れるということで女子部にしました。
足立 私の場合は本当に…そうですね。うーん何でだろう(笑)。なんか、女子校ノリみたいな雰囲気の方が自分に合っているなあとはずっと思っているので(笑)。まあ連れてってくれた友人が女子ホッケー部に所属しているっていうのがきっかけだったので、男子ホッケー部は最初から考えていなかったですね。
永澤 私はもともとトレーナーの勉強をしたくて大学に入りました。それで学生トレーナーという制度があるのを知って、その時に学生トレーナーの勧誘という感じでいろんな部活の説明会のブースみたいなものが開かれていて。なのでそこで10部活くらい回って色々な部活の話を聞いた中で、そこに去年卒業された二個上のホッケー部のマネージャーさんがいらっしゃったんですけど、その先輩の人柄が何よりも良くて、この方と一緒にトレーナーとして頑張っていきたいなと思ったのが一番のきっかけです。また体験で来た時に、他の先輩方もすごく優しくて、すごくアットホームな雰囲気がいいなと思い入部しました。
――ではもともとホッケーのマネージャーやトレーナーをやりたくて入ったわけではないということですね
永澤 そうですね、もうトレーナーをやりたくて、色々な部活を見たうえで、最終的に選んだのがホッケー部だった、という感じですね。
塚谷私もほとんど由衣さんと同じになってしまうんですけど、私も中学校の時からトレーナーになりたいという気持ちがずっとあったんです。それで早稲田受かった後に、春休みの間とかにSNSでトレーナーのサークルがあって、そこで色々な部活が紹介されていたんですけど、それで何個か見に行ってみようと決めて、そのうちの一つがホッケー部でした。それで見学にきたら、もう既に皆さん言っているんですけど、すごく雰囲気が良くて。ここだったら楽しくやっていけそうだなと思ったのと、私の中では由衣さんがいたのが結構大きくて。この先輩に教えてもらえたらすごくいいな、と思い…。こんな感じで決めました。
――せっかく皆さん先輩後輩関係なので、出会ったときの印象をお聞かせください
一同 ええ~(笑)
足立 覚えてないよね?(笑)
――もし難しいようでしたら、今客観的に見て、または先輩として、後輩として見てどういう印象をお持ちか、教えていただけたらと思います
亀田 自分が初めてホッケー部に体験に来た時に、私は体験の子たちと一緒にいたのですが、(足立さんが)タイムとか測ってくれたりしていて、その時に、人に対する接し方がとても上手だなと思いました。なんか優しくてしっかりしていて頼りになって、という印象がすでにあって…上級生だな、と思いました。
足立 態度がでかかったってこと?(笑)
一同 (笑)
足立 (亀田の)第一印象は…結構静かだったんですよね。今だとこうやって結構大きい声で笑ったりしていますし、色んな話をして一緒に笑っているんですけど、最初の方は結構、「はい。はい。」って何でも受け止めてくれる感じで、私ちょっと嫌われてるのかな、なんて思いつつ(笑)でも最初からすごく一生懸命真面目にやってくれていて、仕事覚えるのが本当に早かったですね。それが第一印象です。
永澤 (塚谷の)第一印象は、初めて見学に来てもらった時に、すごくいい子そうだな、と思いました。勧誘している時に、正直どんな子がくるのか怖くて、なんかすごく怖い子とか来たらどうしようみたいなのがあったんですけど(笑)。でも(塚谷は)めちゃめちゃいい子そうな感じで、実際にその通りで凄くいい子で色んなこと一生懸命頑張ってくれています。たまにちょっとおっちょこちょいなところもあるんですけど(笑)、そこもすごく可愛らしいです。本当に朋香ちゃんが入ってきてくれて良かったなと思っています。
塚谷 めっちゃ嬉しいです(笑)。
――塚谷さんもやっぱり(永澤に)良い印象をお持ちで
塚谷 そうですね。最初は優しそうというのが一番の印象で、私が初めて行った時に、練習前特に忙しい時期で、テーピングとか巻いていて余裕もおそらくそんなになかったと思うんですけど、時間を見つけて声をかけてくれました。最初から、ああ素敵な先輩だな、ていうのは思っていました。そしてやっぱりその印象通りの人で、よく同期の間では、仏のような人だっていう表現を使うんですけど(笑)、みんなに優しくて、怒らないし、私だったら怒っちゃうなというところでも冷静で、本当にすごい人だなと思います。
――塚谷さんはちょっと選手に怒ったことがあったりするのですか
塚谷 いや、心の中で、「え?!」と思うことはあったりしますね。
一同あ~それはある(笑)。
――説教したりとかは特になく?
塚谷 まだ1年生なのでそんなことは出来ないです…(笑)
――とても雰囲気が良さそうですね、普段みんなで食事行ったり、遊びに行ったりするのですか
一同 意外とないですね…。
足立 コロナというのもあって、試合後の打ち上げとかも出来なくなっちゃって、なかなか男女部で一緒に、とかはなくなっちゃいましたね。
――男女で練習することはないのですか
足立 一緒に練習することは基本的になくて、でも女子部の人数が足りない時に男子部から何人か応援で参加してくれたりします。
――出身校を見る限り、塚谷さん以外は一人暮らしですか
足立 ここ(亀田と永澤)は一人暮らしですね。私は高校は同志社だったんですけど、その時は転勤で今は実家が東京なので。
――大学を早稲田にした理由は何かあったりするのですか
永澤 私はトレーナー関係のことを学びたいと考えた時に、いくつか大学を探していて、その中の一つが早稲田でした。それでちょうど私の祖父母がこちらの方に住んでいて、高校2年生の夏休みに遊びにきた時に、ちょうど(早稲田の)オープンキャンパスがあったので、良い機会だと思って行ってみてみました。それでテーピングの模擬授業みたいなのを受けて、あと先生の話とかも聞いて、凄く面白いなと思ったんです。ここで色々勉強してみたいなと思って、もうその時から早稲田を目指して一生懸命勉強して入りました。
塚谷 私もトレーナーになりたいと思っていて、じゃあどこで学べるんだろうと考えた時に、専門学校も含め結構見たんですけど、この先なにが起こるかはわからないから、やっぱり大学は出といた方がいいかなっていうのはあって…(笑)それで何個か出てきた大学の一つが早稲田でした。特に私の父が早稲田出身なので、そこは少し親しみ深いというのもあったし、あとはやっぱり、スポーツ科学を学べる大学だったらやっぱり早稲田が1位2位を争うので、ちょうど家からもそんなに遠くないし、埼玉県内だし(笑)。そこがいいかな、と思い目指していました。
足立 私は国際教養学部なんですけど、第一の理由としては、高校が同志社国際高校だったので、やっぱり国際系の勉強をしたくて、かつ早稲田っていうのは4年間の間で、学年を落とさずに1年間自由に留学に行けるというのがあったので、それが1番の理由ですね。私も父が早稲田大学出身なので、何となく親しみを持っていて、かつ誰が聞いても影響力があるような大きな組織に所属することにやっぱり一種の憧れを持っていたので、そういった意味で、早稲田の国際教養学部を選びました。
亀田 私はスポーツ系の学部に入りたいと思っていて、自分で調べた中で、1番幅広くスポーツに関することを学べるのが早稲田のスポーツ科学部だなと思ったので、そこを志望して入りました。
――マネージャーとトレーナーの違いって具体的にどんなものが挙げられるのでしょうか
足立 マネージャーは正直言って、怪我とかテーピングに関しての知識は全くと言っていいほどないので、やっぱり怪我のケアというのはトレーナーにお任せしないといけないので…。マネージャーは底上げできるようなサポート、全体的なサポートで、トレーナーさんはそれもしつつ、かつ集中的な怪我のサポートだったりとかの違いがあると思います。
永澤 男子部は、今はマネージャーとトレーナー合わせて5人いるんですけど、それまでは、私と1個下の土師ちゃんの2人しかいなくて、正直そこで分担とかはちゃんと出来ていなかったです。私が主に怪我を見て、土師ちゃんはSNSとかの広報系をやっていたんですけど、今は人数も増えて、トレーナーは今まで以上に選手の怪我とかトレーニングに関することに集中出来てはいるので、そのようなことを中心にやっています。今年は早大学院出身の男の子が1人マネージャーで入っているので、その子が主に分析をやってくれてたりだとか、あとはマネージャーには引き続き広報や普段の選手の練習のサポートだったりとかを中心にやってもらっています。
――やっぱりトレーナーが積極的に怪我を見たりするのですね
永澤 そうですね、多分それなりに勉強をしないと難しいというか、わからないというか…。私も全然無知のまま入部して、大学入って勉強を始めて、まだまだわからないことも沢山なので、勉強しながら、という意味では怪我の方を中心に見てはいますね。
――今季のチームの成績については率直にどう考えておられますか
亀田 (女子は)春は5位で、秋は3位だったんですけど、今年のチームは試合を重ねるごとに、自分たちも成長しようという気持ちが強いし、それを自分たちで実感しながらどんどん成長してきているチームで、実際春は5位で秋は3位という風に結果がすごく上がっています。チャレンジャー精神もとても強く、特に秋の3位決定戦は、相手は経験者ばかりの農大で、こっちは初心者が多いんですけど、やっぱり強い気持ちを持って、最初から勝ちに行くという気持ちが強かったので、最後SOで勝ち切れたんだと思います。どんどん成長していったことで結果も最後についてきたという形で、本当に私的にはすごく満足できる結果になったなと思っています。マネージャーをやっていて、やっぱりチームが勝つことが1番のモチベーションなので、今後も期待できるチームになっていくんじゃないかなと思います。
――足立さんは最終学年というのもあって、思いも強いと思いますが
足立 そうですね。私たちの代は、チームが始まる前からずっと、関東3位になるという目標を掲げて頑張ってきたので、それが実際に実現出来たっていうのは本当に大きな自信になりましたし、やっぱり3位になるか4位になるかで、来年当たるチームとかも変わってくるので、今年だけではなくて来年にも影響が出てくる部分で、まあ勝ち切れたというのはみんなの自信になったんではないかなと思いますね。
永澤 私が入ってきた入部してきた時は、結構スポーツ推薦の人も多くて、全国各地の強豪校の先輩方が多くいる状態のチームでした。でも年々推薦の数も減ってきていて、今では早大学院出身の選手が多いチームになっているので、上位のチームとの戦い方とかも変えていかないといけないと選手たちも言っていました。そういうわけで、今年は例年よりも相手チームの分析などを特に一生懸命行っていて、そういうのに取り組む姿勢などはすごいなと思います。学年ごとに分析した結果を全体で共有して、この試合はこういう風に戦っていこう、と、そう言った準備をしっかりやっていました。でもそれでもやっぱりここ最近は勝ちきれないことが多くて、私自身もすごく悔しい気持ちになりました。男子部はリーグ戦がまだ終わっていないので、残りのリーグ戦と早慶戦で、今までの悔しかった面とか反省点とかを生かして、4年生は悔いのないように戦って、最後の試合は勝てるよう期待しています。
塚谷 今までのホッケー部を知らないので、これが初めての結果になるんですけど、正直私もまだホッケー部に入ってから半年くらいなので、経験している試合数も少ないし、あんまり知識もすごいあるわけではないんですけど、やっぱり負けたときは悔しかったです。練習終わったあとに皆がすごく自主練している姿とか色々見てきたし、やっぱり同期とかで話していて、例えばご飯に行った時とかに試合でこうすればよかった、とか話していて…そういう姿を見てきたので、やっぱり頑張っているのが中々勝ちにつながらなかったという点ではちょっと悔しいところはありました。でも毎回次の試合に向けてみんなが集中して頑張っているので、早慶戦とリーグ戦は勝ってほしいなと思っています。
早慶戦への思い
早慶戦への熱い思いを語る足立
――今まで経験してきた早慶戦で、何か印象に残っていることはありましたか
亀田 私は去年の早慶戦のPCで得点したシーンがすごく印象に残っています。私の同期の山口永恋(国教3=神奈川・洗足)が相手の反則を取ってPCになって、PCもずっと練習してきた形での得点だったので、練習していたことが得点に結びついたなと実感できたので、その得点シーンですごく感動したのを覚えています。
足立 早慶戦って毎年すごくグッと雰囲気が変わって、みんなの緊張感だったりだとか、かける思いというのが他の試合とちょっと違ってくるんですよね。多分それは慶應側も一緒だと思います。女子部に関してはずっと慶應相手に連勝していたのですが、去年は引き分けという結果になってしまって…まだその代は、経験者ですごく引っ張っていってくれる方がいたので、何とかなるだろうという気持ちが後輩たちの中ではあったんですけど、いざ自分たちの代になった時に、どうなるんだろうという不安はずっとありました。ただやっぱり先日の関東3位というのがすごく大きな自信になるので、きっとみんなも早慶戦自信を持って臨んで、満足のいく結果を得ることができるんじゃないかな、とは思っています。
永澤 先輩たちの雰囲気がいつもと全然違くて、もちろんリーグ戦とかインカレとかでも、1試合1試合真剣に取り組んでいるのは伝わってくるんですけど、やっぱり早慶戦はみんなの雰囲気が違くて、この試合にかけているんだ、というのが伝わってきます。私自身も、普段何気なく巻いているテーピングも、なんか早慶戦のときはすごく緊張しちゃって手が震えちゃって(笑)なんかそれくらいみんなが強い思いで戦っているんだな、というのがすごく印象に残っています。早慶戦は1年と2年の時に見てきて、男子部はどちらも引き分けていて、その引き分けもなんか、点取って取られて…みたいな感じでとても緊迫した試合が2年間続いています。去年は、今年こそは勝ってほしいなと思っていたもののまた引き分けで、みんなが悔しそうにしている姿を見てきたので、今年こそは絶対に勝ってもらって、みんなが喜んでいる姿が見れたらいいなと思います。
――今回の早慶戦で選手に言いたいこと、期待することなどありますか
塚谷 とにかく勝って喜んでほしいというのはあります。初めての早慶戦でもあるので、どんな感じなのかはあんまり正直想像ついてないんですけど、話を聞いている限りだと、めちゃめちゃ盛り上がるとは言っていたので、そこで勝っていい感じで1年を終われたらいいなと思います。とりあえず勝ってほしいですね。(笑)
永澤 まあ1番思うことは、やっぱり勝ってほしい、ということです。1年目2年目と、先輩たちや同期の悔し涙しか見れてこなかったので、今回の早慶戦では、勝ってみんなの嬉し涙が見たいなというのと、あとは4年生に限らず、みんな怪我なく思い切って最後までプレーしてほしいな、という思いがあります。
足立早慶戦で女子部の4年生は引退という形になるので、やっぱり引退は笑顔で引退したいな、と思います。みんなが笑顔で満足のいく結果で引退できるのが1番だと思うので、きっとこのチームなら大丈夫だと思うので、本当私からなんか言うなんてことなくて(笑)。 みんなが一生懸命に頑張っていて、力を合わせて毎日汗水垂らしながら頑張っているのを知っているので、とにかく最後は一分一秒気を緩ませずに、絶対に勝つという気持ちで頑張ってくれたら、私はもうその背中を見つめるだけなので…最後バシッと背中叩いて応援できたらいいなと思います。
亀田 早慶戦ということで、皆さん最初は緊張してしまうと思うんですけど、でもそれでもやっぱり自信を持って、今まで沢山練習をしてやるべきことは全部やってきているので、もうそこは心配せずに試合で思いっきり力を出し切って、やっぱり最後は嬉し涙で、今年1年間いいチームだったなと思って終わりたいなと思います。あと、自分もマネージャーですけど、勝ちたいという気持ちを強く持って、試合の最後の最後まで声を出して頑張りたいなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 伊勢崎晃、坂田真彩)
早慶戦では選手だけでなく、4人がメンバーを支える姿にも注目です!
◆足立夏保(あだち・かほ)(※写真中央右)
1999(平11)年7月27日生まれ。163センチ。京都・同志社国際高校出身。国際教養学部4年。
◆亀田菜月(かめだ・なつき)(※写真右)
1999(平11)年11月25日生まれ。161センチ。鹿児島・鹿児島中央高校出身。スポーツ科学部3年。
◆永澤由衣(ながさわ・ゆい)(※写真中央左)
2001(平13)年2月11日生まれ。161センチ。岩手・釜石高校出身。スポーツ科学部3年。
◆塚谷朋香(つかたに・ともか)(※写真左)
2003(平15)年3月29日生まれ。156センチ。埼玉・順天高校出身。スポーツ科学部1年。