【早慶戦】直前対談『Believe in yourself』第二回 MF堀山夏帆 FW國岡千乃 DF吉野真啓 

女子ホッケー

 早慶戦直前対談の第2回は、女子部のMF堀山夏帆主将(教4=東京・早実)、FW國岡千乃副将(政経4=神奈川・桐蔭学園)、DF吉野真啓副将(スポ2=富山・石動)の3人を特集する。 主将、副将としてのチームに対する思い、早慶戦へかける熱い思いが伺えた。

※この取材は11月14日に行われたものです。

今季のチームについて

とても楽しそうに話す3選手

 

――まず最初に、お互いの印象をお聞かせください

國岡 夏帆は、早慶戦のパンフレットの紹介に「先生みたい」と書かれているように、教師を目指しているということもあって、すごく先生感が強いです。今年主将を決める際も、満場一致で皆が夏帆に主将をお願いしたいと言っていて、プレー面でも一人一人の細かいところに気づいたりして、本当に頼れる主将だなと思っています。ちょっと恥ずかしい褒めたことないのに(笑)。でも4年の中では1番しっかりしています。  

堀山 ありがとうございます(笑)。

吉野 夏帆さんはやっぱり…先生(笑)後輩からしたらなお先生(笑)。でも大学からホッケーを始めたのにポテンシャルも違うし、ホッケーに対しても熱い感じがして、すごい…やっぱり大先生です(笑)。ホッケー大好き大先生。  

一同 (笑)

 

――では國岡さんの印象は

堀山 千乃さんの印象は…大学1年生の時よりもしっかりしたよね。

國岡 それは何より(笑)

堀山 うちの学年は留学する人が多い中で、ここ(堀山と國岡)2人はずっといたので、ホッケー歴4年目同士です。最初のうちは全然この人合わないなとか思っていたけど、4年になって、なんか悩みとかあった時には話したりする仲で、やっぱりチームのことを私とは違う視点で見てくれるのがすごくありがたいなと思うので、頼れる副将です。

國岡 よし。

吉野 千乃さんは、もう癒しキャラ(笑)チームの癒しなので、そこは最強だなと思うのと、そんなキャラだけど、最後の終礼とかになると確信をつくようなことを言ってくれたりするので、とても頼りになります。

 

――吉野さんについてはいかがですか

國岡 真啓は、小1の頃からホッケーをやっているということで、この部活の中では、長くホッケーを続けているという点で、ゲーム見てもらったらわかると思うんですけど、本当に司令塔というか…真啓がいるからチームが成り立っているなっていうことを本当に感じています。真啓とはポジションが同じなので、たくさん頼っているところはあるなと思うんですけど、ボールも絡むところにどこでも顔を出せているのが本当にすごいと思います。同級生には多分強豪に行って活躍している子とかもいるだろうに、その中でこのチームに来てくれて、こんなにやってくれていることが本当に嬉しいです(笑)。ホッケーに関しては私と夏帆よりも知識があるので、そういった面でとてもお世話になっています。

堀山 本当に、ムードメーカーしてくれているなあ、と思います。やっぱりゲームメイキングの面でも、試合やっている中でも、1番後ろのポジションからどんどんボールを前に繋いだり、声出しという点でもゲームメイクしてくれています。実際、普段は絡んできたりとか絡んだりとかで…(笑)。楽しくやっています。2つ下だけど、それを感じさせないくらい一緒にホッケーのこと考えて、一緒に勝ちにいこうと考えれるのが、すごく尊敬していし、真啓副将でいてくれてありがとうって思いますね。

 

――とても仲が良さそうですが、先輩後輩の仲はどうですか

吉野 学年カラーがあるので…どことどこが仲良いとかではなくて、個人個人で仲が良いって感じですかね。

堀山 結構仲の良い先輩後輩とかもいるので、近年稀に見る風通しの良さを感じますね(笑)。結構仲良くやっていると思います。 

 

――今年のチームの印象を聞かせていただきたいです

國岡 プレー面で言うと、1年生の天海(山下天海、スポ1=京都・須知)ってすごい上手い子が入ってきてくれたので、上手い先輩方が抜けてどうしようとなっていた時に天海が入ってきてくれて、全員がボールを持たなきゃいけないという思いが強くなりました。経験者に頼るだけではなく、他の子も一生懸命やらないと、チームとして回らないよね、といったような印象があります。 

堀山 当初4年生が全員初心者スタートっていうのと、部の8割以上が初心者というところで、今までの先輩たちと同じことをやってはいけないと代替わりした瞬間強く思いました。初心者が多いチームだからこそ出来ることとか、今までとは違うことをやっていきたいなと代替わりの時に思っていました。 

吉野 去年より、相手への対策など、チームで自分たちの分析をしっかり行うようになりました。あと去年は先輩方に経験者が2人いてすごく頼っている部分が多かったけど、今年は一人一人が自分の力を精一杯出し切るぞという気持ちでやっているのがすごく伝わるチームだな、という印象です。 

 

――なぜ早稲田のホッケー部に入ろうと思ったのですか

國岡 私最初は早スポに入りたくて(笑)

堀山 急に(笑)。

國岡 でもそこで色んな体育会があることを初めて知って、せっかくだから大学からでも始められるような部活を探してみようと思いました。最終的に、早スポとホッケー部で悩んで…。でもやっぱり自分もプレーしたいな、と思いホッケー部にしました。 

 

――そもそも早稲田大学を目指した理由というのは

國岡 お兄ちゃんが早稲田を目指していて、一回だめだったので浪人していたんですよ。その時に、家で校歌とか流されて(笑)。それで私もそこ目指そうって思うようになりました。

堀山、吉野 洗脳じゃん(笑)。

堀山 私は中学校の時から早稲田実業に入っていました。ホッケー部の一個上に早実出身の方がいて、高校時代その先輩のインスタを見ていたので早稲田ホッケー部の存在は知っていました。大学から始めても活躍しているっていうのに憧れを持っていて、高校卒業前の3月に先輩に連絡をとって体験に来て、もうそのままの勢いで入部しました。体験した時のホッケーがすごく楽しくて、もう4年間ここに捧げようという気持ちを持って、入学式の次の日から練習に参加していました(笑)私新歓した側です。

國岡 されました。 

堀山 一緒に帰って、その時に入らない?って誘いました(笑)。 

――高校の部活は?

堀山 高校の時はバトミントンです。全然違うことを始めました。大学生が、部活とかに熱中出来るのも最後なのかなと思い、新しいスポーツにも挑戦する最後のチャンスだと思いホッケーを始めました。

 

吉野 私は高1の時に、早稲田大学が福井県のコートで試合をしているのを見て、すごく楽しそうな雰囲気で、もうその時にああ早稲田にいこう、と決めました。高校の時は勉強も好きで得意だったから、これを活かして、あとはスポーツの競技歴を使って入ろうと高1の時に決めて入りました。

 

――他の大学に行く選択肢もあったと思うのですが、それでも早稲田に

吉野 自分の高校の同期は、ほぼみんな強豪校に進学する中で、やっぱり自分はそういうところでやるのではなくて、やらされるホッケーより自分たちで考えるホッケーをしたくて早稲田大学に入りました。

 

――そんな早稲田ホッケー部から辞めたいと思ったことや、辛かったエピソードなどがあったら教えてください

國岡 下級生の頃は、先輩が上手い方ばかりで、自分が成長している実感も全然ないし…そう思ってちょっと辛い日々もあったんですけど、でも先輩方が、出来るようになったことをしっかり褒めてくださったのでまだ…いやでもやっぱりキツかったです(笑)先日たまたまその上手かった先輩方が、早慶戦の激励ということで来てくださったんですが、やっぱりすごく上手いなと思って。こんな上手い方達と一緒にプレーしていたんだなあと改めて感じましたね。 

堀山 やっぱり試合に負けたりすると、悔しかったりとか、次の練習行くの憂鬱だなとか思うことが多かったんですけど、でもシンプルにホッケーやるのが好きで楽しかったから、頑張ろうって気持ちになれたし、面白い同期がたくさんいるので、スタートラインが同じ状況で頑張っている同期たちを見るとやっぱり刺激になりました。多分思い返せば辛いこととか結構あったと思うんですけど、結局のところは、楽しかったなあという印象の方が大きいです。

吉野 入った時に、1年生が私1人で、もうほんとに寂しくて、どうしよう…て感じで(笑)。寂しすぎて、うわあホッケー辞めたいなって思っていたんですけど、温かい同期が入ってきてくれて、それでもうホッケー辞めたいという気持ちはなくなりました。でも今は4年生さんが抜けた時が不安で、一緒に引退したいな~って(笑)

一同(笑)

吉野 まあまあ、半分嘘って感じですが(笑)

堀山  愛が強いってことね。ありがとありがと。

 

――今年のチームの成績について思うことを率直に教えてください

國岡 最初の目標は関東3位、全国大会でベスト8、早慶戦優勝という風に決めていて、インカレは初戦が立命館だったので少し難しかったんですけど、2個上の上手い先輩方が揃っている代で獲っていた関東3位を今年達成できたというのは本当に良かったなと思っています。あとは早慶戦に勝つだけです。もう満足です(笑)。

堀山  私の中ではやっぱり初心者が多い代というのと、女子部が30周年というところで、結構記念の年になっているので、良い成績を残したいなという気持ちは強く持っていました。そんな時に関東3位を獲れたのがすごく大きいかなと思います。でも秋に決勝戦行きたいなとは言っていたので、いけなかったのは非常に残念ですが、3位という結果が残せたのは凄く自信にもなったし、4年間続けていてよかったなと思えた瞬間でしたね。

吉野 …以下同文です(笑)。

 

――秋季リーグの3位決定戦は、コート外から見ていても緊張するような試合でしたが、実際3人はSO戦のシューターとして、当時はどのような心境でおられましたか

國岡 練習はしていたので、練習通りやりたいなと思いながら…練習でのミスがそのまま出てしまいました(笑)。あまり緊張とかはしなくて、いつも通りやろうと思って臨みました。

堀山 SO戦を外してしまったのでそんなでかいこと言えないんですけど(笑)。でも4Qで2点を取り返していたところでこっちのペースで来てたので、1番目の私は外してしまったんですけども、流れは早稲田にあるかなというところで、あとは私は信じるのみでした。キーパーが止めてくれたし、真啓さんがしっかり決めきってくれたので、感謝です(笑)。

吉野 私はSOあまり苦手ではなくて、高校の時とかもSO戦をいろいろ経験してきたので、自分の中でやること決めたらもうそれって感じで相手に合わせないでやることで、緊張することなく決めることが出来ました。

 

早慶戦にかける思い

秋リーグを振り返る堀山

 

――次回の早慶戦への思いを聞かせてほしいです

國岡 去年の早慶戦は引きわけで、リーグ戦では負けてしまっていて、この代も春のリーグは負けて、この間も引き分けだったので、最近は勝てていない相手かなと思っています。私たちと大きく違うのは、取れないと思っていたボールもしっかり残したり、気合の入ったプレーだったりが慶應の特徴だと思うので、相手のペースにされる前に、落ち着いて自分たちのペースに出来たら必ず勝てる相手だとは思います。 

堀山  守備の面でも攻撃の面でも、1年を通して凄くいい形に仕上がってきているかなと思っています。最後の早慶戦というところで、昨年は連覇は途絶えてしまったんですけど、今年は、何連覇の初っ端の年になれたらいいなと思っています。勝つのみだと思うので、私たちのホッケーをして、楽しく笑顔で勝ちにいきたいです。

吉野 早慶戦は4年生さんと出来る最後の試合で、副将になった時から、もちろん他の大会もですが、早慶戦だけはもう4年生さんを担ぎ上げる気持ちで絶対勝ってやると思っていたので、だから早慶戦は後輩が4年生さんのために足なくなるまで走ろうという感じで(笑)。絶対に勝ちます、頑張ります。

 

――4年生は最後の試合になると思いますが、今までの4年間での1番の思い出や、印象深かったエピソードがあれば教えていただきたいです

國岡 嬉しかったのは先日の農大戦で、SO戦で勝てた時が嬉しかったです。同様にSO戦でかなり記憶に残っているのは、2年前のインカレと、これも農大との3位決定戦で、自分はチームにあまり貢献できてなかったんですけど、やっぱり格上相手に勝つ喜びというものを感じられたので、凄く印象に残っています。

堀山 私たちの学年は、国際教養学部で留学にいってしまう人が何人かいたんですが、途中で抜けてまた帰ってきてくれたのが私の中でとても大きな出来事だったかなと思います。最初のメンバー、留学以外の残っているメンバー、留学から帰ってきたメンバー、という風にどんどん濃い人が集まってきて、それで今ようやく最終形態になったなあって思います。私としては一人一人に思い出もあるので、やっぱり留学組が帰ってきてくれたのが大きな出来事かなと思います。

――吉野さんは4年生との最後の試合になると思いますが、先輩方に抱いている思いなどありましたら教えてください

吉野  副将になったことで、4年生さんがいっぱい悩んで、たくさん努力しているのをそばでひしひしと感じているので、本当に全身全霊で頑張るというのと、あと来年のことも考えなければならないので、今の段階で偉大な4年生さんから沢山のことを吸収して、最後の試合ではその吸収したものを含めて、気持ちや技術全てを出し切って4年生さんを勝たせてあげたいなって思っています。

――4年生の同期へのメッセージをお願いします

國岡 同期は6人いて、留学であったり途中入部だったりで、全員が同じタイミングに入って同じタイミングで抜けるわけではないんですけど、この6人だったからこそ今のチームが出来上がったのかなと思います。加藤清香(法4=東京・早実)は、後輩育成と、自分が決めてやるという気持ちが本当にずば抜けているなってのと、ホッケーに対する思いが、途中入部にもかかわらず私たちを上回るくらいあるので、最後は清香が決めて、早慶戦勝って終われたらなと思います。キーマンは清香ちゃん。他の人は…って言い方だと後付け感出ちゃうから辞めときます(笑)。

堀山 私が1番最初に入部して、どんどん同期が増えていくという感じだったんですが、みんなのキャラクターはやっぱり凄いなって思って。みんな個性的で、多分私も個性的だとは思うんですけど(笑)。同期遍歴がすごかったんですが、それでもみんなが同じように思っていたのは、ホッケーが好きでホッケー上手くなりたい、勝ちたい、という気持ちで、ホッケー歴関係なくホッケーへの思いとホッケー部への思いを強く持っていてくれたからこそ、今こうやって同期6人で完成形になれているなと思います。だから、ああ終わりかあ、という気持ちがやっぱり強いんですけど、最後は全員が自分たちの3、4年間を出し切って、今日が一番良かったよねという形で終われたらいいなと思います。反省会ではなく、褒め合い会をして引退したいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 坂田真彩、前田篤宏)

4年生が最後の試合である早慶戦で勝利を手にし、笑顔で終わることが出来るのか。注目です!

◆堀山夏帆(ほりやま・かほ)(※写真中央)

1999(平11)年7月28日生まれ。162センチ。東京・早稲田実業高校出身。教育学部4年。

◆國岡千乃(くにおか・ちの)(※写真右)

1999(平11)年11月6日生まれ。164センチ。神奈・桐蔭学園高校出身。政治経済学部4年。

◆吉野真啓(よしの・まひろ)(※写真左)

2001(平13)年5月12日生まれ。164センチ。富山・石動高校出身。スポーツ科学部2年。