約1ヶ月にわたって戦われた関東学生春季リーグ(春季リーグ)も最終戦を迎えた。3位決定戦の相手は東農大。第1クオーター(Q)は両校共に攻めあぐね得点は決まらない。しかし第2Q終盤でペナルティコーナー(PC)から球を押し込まれリードを許してしまう。その後追加点を許すことはなかったが1点が遠かった早大。0―1で試合を終え春季リーグ4位という結果になった。
早大のセンターパスで開始した3位決定戦。東農大の攻撃を前に自陣でのプレーを強いられサークルに迫られる場面が続くが一方的に試合を進められる早大ではない。DF片倉優季(スポ3=山形・米沢商)が起点となりボールをキープし敵陣へ攻め込む。サークルへ侵入したいところだったが相手の守備も粘りをみせ自陣へ押し戻されてしまい守備と攻撃が交互に入れ替わる展開で試合は進む。後半隙を突かれ一気に抜けられる場面もあったがDF片倉の好守がひかる。また終了直前シュートを打たれるもGK高橋詩帆(スポ3=栃木・今市)の好セーブで失点は許さない。第2Q、先制して試合を優位に進めたいワセダはMF的場朱音(教3=滋賀・伊吹)がシュートを打つも惜しくも外れてしまう。数分後再びチャンスを迎えるが得点まで繋がらない。試合前半終了間際相手にPCの機会を与えてしまい、こぼれ球を押し込まれ先制点を奪われてしまった。
好セーブをみせたGK高橋
1点ビハインドで始まった第3Q、MF南家未来(教2=京都・立命館)がボールを持って駆け上がり好機を演出するがゴールに球を押し込めない。その後連続でPCを獲得するも鉄壁の守備を前に機会を生かせない。東農大の反撃が始まるも早大も意地をみせ点差を広げさせない。第3Q終盤グリーンカードで相手が1人少なくなり人数的に優位な状況を迎えるが1点が遠かった。点差が縮まらないまま最終Qを迎え、なかなかセンターラインを越えられず敵陣へ侵入できないもどかし時間が続いた。同点に追いつきたかった早大だったが試合終了の合図が鳴り響き黒星を喫した。
攻めることに苦戦した早大
瀧澤璃菜主将(スポ4=岩手・沼宮内)がシーズン序盤から怪我のため欠場という苦境を迎えた女子ホッケー部。その中で「自分がやらなくてはいけないという意識が生まれた」とFW中村咲副主将(教4=東京・成城学園)が話すように選手たちの中で意識の変化があった。このシーズンを通して経験したことを糧にさらなる進化を遂げてほしい。1ヶ月後に控えた大学王座決定戦へ向けて動き出す。
(記事、写真 新藤綾佳)
結果
TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
東農大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
コメント
安岡裕美子監督(平16卒)
――きょうの試合を振り返ってみていかがですか
得点が取れるところがなくその点が残念かなと思います。
――東農大の攻撃や守備の印象はいかがですか
中盤があつく強いチームなのでそこを打破しようと戦いました。
――春季リーグ全体を振り返ってみてはどうでしょうか
途中から瀧澤主将(璃菜、スポ4=岩手・沼宮内)が怪我をしてしまったのでそこからは全員でやるしかないということで、もう一度フォーメーションなどを組み立てたのですが4位という結果で終わってしまったのは残念です。新入生は初心者になるのでこれから育てて行きたいなと思います。
――春季リーグでの成果や課題がありましたら教えてください
成果としては守備で共通理解を持てば山梨学院大ともしっかりできるということがわかりました。課題の方は攻撃力、得点を取りきるという点を全体で力を押し上げて行きたいです。
――大学王座決定戦(王座)へ向けてどのように修正していきますか
ゲームにより近い形で実践出来るように練習をもう一度組み立て直して、得点を取れるチームにしていきたいです。
――王座への意気込みを聞かせてください
まず一戦一戦勝たなくてはいけないと思うので、相手校の対策を練り目標としている四強以上というところに勝ちたいと思います。
FW中村咲副将(教4=東京・成城学園)
――きょうの試合を振り返ってはいかがでしょうか
きょうはディフェンスからミッドまではボールが繋がったのですがフォワードがなかなか上手く機能せず攻めきることができなかったかなという印象です。
――戦ってみて東農大のフォワードはいかがでしたか
東農大は(ボールを)持てる人が多いのでそこで崩されていたかなと思います。
――主将が怪我のため欠場する中で他の選手たちの意識などの変化はありましたでしょうか
最初に出られなくなってしまったのが山梨学院大戦だったのですがそこでは主戦力だった主将がいなくなったことで誰にも頼れない、自分がやらなくてはいけないという意識がみんなの中で生まれたのかなと思っています。そういったところで今までできる人に任せがちだったところが一人一人自分がという気持ちを持ってプレーできたのが山梨学院大戦だったと思います。
――春季リーグ全体を振り返ってみてはいかがですか
やはり一言、悔しい結果だなと思います。主将が居た居ないに関わらずもっと自分たちにできたことはあったと思うので今後に向けて課題が多く残るリーグでした。
――春季リーグでの成果や課題がありましたら教えてください
課題としては得点力が挙げられると思っています。フォワードのキープ力やシュートを打つといったところがまだ弱いのかなと思っているのでサークルまで繋いできたボールをいかにシュートに持っていくかが1番の課題かなと思います。
――見つかった課題をどのように修正されていきますか
山梨学院大戦の時も同じだったように誰かに頼るのではなく自分がやらなくてはという気持ちを一人一人維持したまま王座には臨みたいなと思っています。また点数を取らなくては試合には勝っていけないので全員で1点、2点取って勝利に繋げていきたいです。
――現時点での王座への意気込みについて聞かせてください
私としては最後の大学王座決定戦なので絶対悔いの残らないようにプレーしていきたいです。見つけた課題を解消して王座を気持ちよく終わります。