全員ホッケーで掴み取った3位

女子ホッケー

 春季関東学生リーグ(春季リーグ)の最終戦を迎えた。3位決定戦の相手は東農大。昨年と同じ顔合わせとなった。互いの意地がぶつかった試合は70分では勝負が決まらず、シュートアウト(SO)戦へ。3人連続でシュートを決め、勝負強さを見せた早大。GK高橋詩帆(スポ2=栃木・今市)の好守でSO戦を制し、3位を掴み取った。

 早大のセンターボールで始まった前半。序盤から激しいボールの奪い合いとなり、一進一退の攻防が続いた。しかし、一瞬の隙を突かれ、速いドリブルで中央を突破されると、ボールはゴールに突き刺さり先制点を献上。反撃を試みる早大は、丁寧にボールを繋ぎながら敵陣に攻め込み、ペナルティーコーナー(PC)の好機を得ると、このチャンスで、MF的場朱音(教2=滋賀・伊吹)がこぼれ球を冷静に押し込み1-1。試合は振り出しに。さらに、攻撃の手を緩めない早大は、FW稲田くるみ(スポ4=佐賀・東明館)を中心に攻撃を仕掛けていく。しかし、相手のディフェンスを崩しきれず、次の一点に手が届かない。その矢先、早大のパス回しの乱れから相手に攻め込まれたが、人数をかけたディフェンスで相手を封じ、同点で前半を折り返した。

守備の要として活躍した片柳

 後半開始早々、右サイドから果敢に追加点を狙う早大。短いパスを繋ぎながら相手ゴールに襲いかかるが、得点には至らない。その後、高い技術力を持つ東農大に、徐々にボールを支配される苦しい展開に。再三のピンチを迎えたが、高橋の好セーブで相手にゴールを割らせなかった。互いにチャンスを作りながらも決めきることが出来ず、後半を終え1-1。試合の行方はSO戦へ持ち越された。5名ずつのシューターとGKで攻防を行うSO戦。GKに並々ならぬ集中力が求められる。先攻は早大。1本目は惜しくも枠を外れたが、FB瀧澤璃菜(スポ3=岩手・沼宮内)、的場、MF南家未来(教1=京都・立命館)が3連続で決め、勝負強さを見せる。一方、ゴールを守る高橋。「その状況を楽しもうと思った」と、気負わなかった。相手との間を上手く詰め、東農大のシュートを3度阻止することに成功。練習からSOの準備を重ねたことが実を結び、チームを勝利へ導いた。

ゴールを死守する高橋

 試合後、「収穫の多いリーグ戦だった」と、FB片柳陽加主将(スポ4=栃木・今市)は笑みを浮かべた。ケガ人が相次ぎ、万全の状態で挑めなかった春季リーグ。しかし、その穴を全員で補い合い、3位を掴んだ。次なる戦いの舞台は全日本大学王座決定戦。全国の高い壁が立ちはだかるが、春季リーグでの収穫を生かし、さらなる高みへ、歩みを進める。

(記事、写真 成瀬允)

春季関東学生リーグ
早大 1-1
0-0
(3SO1)
東農大
コメント

FB片柳陽加主将(スポ4=栃木・今市)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

全体的に自分たちのプレーが出来ていなかったと思って、苦しい場面がいっぱい続いたので、相手に呑まれた感じはあります。

――相手の速いドリブルは脅威でしたか

東農大は動きながらのプレーや、一人一人の技術力が高いので、一対一で負けないようにしようと思っていたのですが、私が一対一で抜かれてしまうことがあって非常に申し訳なくて、そこが相手の怖いところでした。

――PCからの得点を許しませんでしたが

PCはビデオなどを観て、左右から始めるようにして練習から予測していたので、立ち位置などをしっかり理解することが出来ました。また、相手のミスにも助けられました。

< p>――SO戦での心境はいかがでしたか

SOになるということも想定して練習をしていたので、私はプレーヤーとしてSOはやらなかったのですが、絶対にいけるという気持ちでしたし、その気持ちを出る選手に伝えて、頑張って欲しいという心境でした。

――春季リーグ全体を振り返っていかがですか

メンバーが全員揃って試合をするのがあまりなくて、完全な状態で臨める試合が少なかったのですが、そういう状況でも1点取り返したり、0点に相手を抑えたり、収穫の多いリーグ戦だったと思います。今まで試合に出られるメンバーが決まっていて、経験の少ない子たちがあまり試合に出られなかったのですが、今回は経験を積む機会が多くて、いろいろな経験が出来たと思うので、この経験を全国に繋げられたらいいなと思います。

――王座への意気込みをお願いします

攻撃力を上げないと王座は全国大会なので、どこのチームも強い相手で気の抜けない一戦一戦になると思うので、得点を決められるチームにして、いいところはそのまま繋げて、一勝でも多く勝ち進められるように頑張りたいです。

GK高橋詩帆(スポ2=栃木・今市)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

正キーパーの有紗さん(南、スポ4=埼玉・飯能)やFWの要の燦さん(井上、スポ4=福岡・玄界)がいらっしゃらなくて、全員でその人たちの分も頑張ってやろうということで臨んだのですが、最初の方に失点してしまったのが悔しいです。

――きょうは相手にPCからの得点を許しませんでしたが

東農大は奇策というか、他のチームがやらないことをPCでやってくるのですが、その対策を練習からしっかりやってきた成果が出たのではないかと思います。

――GKから見てディフェンス全体の動きはいかがですか

フィールドでしっかり守ってくれたので、自分がシュートを止められた部分もたくさんあって、ディフェンスが抜かれてもその後ろをカバーをしたり、全員で守れていたので良かったと思います。

――SO戦での心境はいかがですか

正直、緊張はあまりしていなくて、その状況を楽しもうと思っていて、身方も絶対に決めてくれると思っていたので、あとは自分が止めるだけと思って、あまり緊張せずに臨むことが出来ました。

――春季リーグ全体を振り返っていかがですか

ケガ人が出てなかなかチーム全員が揃わなかったのですが、その中でも全員で攻めたり守ったりと、全員ホッケーができたのではないかと思います。

――王座への意気込みをお願いします

この春リーグの結果をしっかり王座に持ち込めるように、これからも王座に向けて練習を頑張っていきたいと思います。