大差で勝利するも、課題が残る

女子ホッケー

 前回の立大戦で圧倒的勝利を飾った早大女子ホッケー。勢いそのままに、再び大量得点の目標を掲げ学習院大戦に挑んだ。試合は序盤から点を得るも、相手のプレスに苦しめられる。しかし、事前に行った相手チームの研究が功を奏し、後半にはゴールを量産。目標通り、大差をつけて勝利した。

 試合は前半5分にルーキー片倉優季(スポ1=山形・米沢商)が先制点を挙げ、幸先の良いスタートに見えた。しかし、その後はチャンスを逃し、追加点を奪えない。井上燦(スポ3=福岡・玄海)は「立ち上がりの流れが少し悪かった」と語った。その間、失点の危機を迎えるが、MF梅村雅子(人3=岐阜・可児)の絶妙なパスカットで切り抜ける。得点を決め切れない、苦しい状況が変わったのは23分。井上の軽快なシュートで2点目を獲得する。井上はこのゴールを自身の中で印象的だ、と評した。29分にはFW小澤眞帆主将(教4=埼玉・飯能)、31分には稲田くるみ(スポ3=佐賀・東明館)がゴール。前半を4得点で折り返した。

先制点を奪った片倉

 「このチームは後半から調子が上がる」(小澤)の言葉通り、早大のスティックから放たれるボールがゴールネットを次々に揺らす。2分に小澤主将が強烈なシュートで5点目を奪うと、怒涛のゴールラッシュが始まった。5分にはFW瀧澤育未(スポ4=滋賀・伊吹)が厳しい体勢から、その1分後には井上が追加点をそれぞれ獲得する。8分には再び井上のゴール。開始から10分以内に4得点を挙げた。流れに乗り、グラウンドで躍動し続ける早大。17分にはMF的場朱音(教1=滋賀・伊吹)、22分にはDF瀧澤璃菜(スポ2=岩手・沼宮内)がペナルティコーナー(PC)からが追加点を奪取する。27分に瀧澤育から受けたパスを井上がシュート。華麗な連携プレーでチームに2桁得点をもたらした。

絶妙なパスで得点に貢献した瀧澤育

 流れをつかみ、終始主導権を握り続けた今試合。「1年生が展開の速いプレーをしてくれて、刺激になっている」と、村山副将は語る。11点を奪取し大勝を果たしたが、攻撃、守備両方の面で課題も見られた。次戦の相手は駿河台大。ここ数年で勝ち星を挙げられていない強敵だ。克服すべき弱点と同時に収穫も得た。予選リーグを首位で突破するために、勝利だけを狙っていく。

(記事 榎本透子、写真 森原美紘)

春季関東学生リーグ
早大 11 4-0
7-0
学習院大
コメント

MF小澤眞帆主将(教4=埼玉・飯能)

――きょうの試合を振り返って

結果的に点差はついたのですが、前半の入りでちょっと慌ただしかったのがあって、もう少し落ち着いてできたらよかったかなと思いました。

――後半には得点ラッシュもありました

後半から調子が上がるチームなので、あそこはみんな「自分で点を取る」という気持ちがあってよかったと思います。

――対戦相手の学習院大への苦手意識は

最初はやはり相手のプレスにはまった、というか自分たちが相手のプレスに対応できなくてちゃんとボールを繋げなかったので、相性悪いのかなって周りに伝わる部分もありました。ですが、こっちもこっちで相手のビデオを見てそれなりにやることをやろうと決めていたので、後半からはきちんと対応できていたと思います。

――次の駿河台大戦への意気込みは

駿河台大には私が大学生になってからまだ勝ててないので、関東で上位に入るためにも勝ち切れるように頑張ります。

DF村山侑季副将(スポ4=栃木・今市)

< p>――きょうの試合を振り返って

きょねんケガで試合に出られなくて、久々のフル出場だったので、先発で緊張しました。全体的に言うと、前半はあまりよくなかったかなと思うんですけど、後半はみんなのってきて得点も入ったのでよかったです。

――ディフェンス面での活躍が印象的でした

みんなのカバーに入ろうと思って臨んだんですけど、みんな点を入れてくれて不安はあまりありませんでした。でも、何本か速攻で攻められてしまう場面があったので、そこは直していく必要があると思いました。

――見つかった課題はありますか

ミスをなくす、というのが一番かなと思います。中途半端にボールを展開したり、変なところにボールを出したり、という場面で相手にカットされてしまうことが多かったので、そこをなくしていこうと思います。

――よかった点は

やっぱり、点数がたくさん入ったことですかね。あとは新1年生が入って、スピードのあるプレーをしてくれているので、きょねんまでとは違う、展開の速いプレーがこのチームにとっていい刺激になっていると思います。

――次戦への意気込みをお願いします

< p>個人的にはしっかり試合に出て活躍する、ということです。チーム全体としては、相手が駿河台大なので1つのミスが得点につながってしまったりと厳しい試合になると思いますし、次の試合まで時間があるので、その間にチームで課題を解決していけるかがカギになると思います。しっかり練習していきたいです。

FW井上燦(スポ3=福岡・玄海)

――きょうの試合を振り返ってみていかがでしたか

きょうは大量得点を目指して試合に臨みました。立ち上がりは少し流れが悪かったので前半は4点にとどまってしまったのですが、フォワードとしてはもっと点数を決めたいと思っていました。後半は最初からいい流れを作って得点を重ねることができたのでよかったと思います。

――ご自身の得点シーンを振り返ってみていかがでしたか

自分の中では1点目がすごく印象的でした。ドリブルよりも走って相手を抜くというプレーを押し出していきたいと考えています。小澤先輩の縦に長いパスで相手を抜いて、最後はキーパーをしっかり見て得点できたのがよかったです。

――11点目のようなプレーはいかがですか

最後は相手と2対1の状態でした。普段からそのような状況を想定して練習していたので日頃の成果をきちんと発揮できた場面だったと思います。

――後半の最初にリズムよく点数が入ったとき、チームの盛り上がりを感じましたか

前半苦しんだ分、後半の最初に相手に主導権を渡すことなく自分たちのやりたいホッケーの形で試合を回せたのが気持ちよかったです。その流れに乗ったことでチーム全体の士気も上がって、いい相乗効果が生まれました。

――ハーフタイム中のミーティングで改善点などを話し合い、それが上手く機能した結果だと思いますか

ハーフタイムのミーティングでは、いい声を出すこと、右攻めしていくこと、球離れを早くすることの3点を確認しました。また、ディフェンスは早くパスを出すことなどポジションごとに内容は様々ですが、役に立ったと思います。

――ご自身の動きでよかったと思うものはありますか

自分が走るタイプの選手なので、スペースに走り込む動きを目標にしています。いつもは外にリードしてそのままつぶれてしまうことが多いのですが、今回の1点目のシーンのような外に開いてから中で受けるという、逆の動きができたのがすごくよかったです。

――次の試合への意気込みを教えてください

次戦は毎年勝てていない駿河台戦です。いい試合をしているのに得点を決められないこと、最後の最後に油断して得点を許してしまうことが多いです。チームとしては最後までしっかり気持ちを保つこと、自分としては駿河台相手に得点を決めたことがないので、試合までの間にシュート練はもちろんのこと様々な場面を想定した練習をしていきたいと思います。

DF片倉優季(スポ1=山形・米沢商)

――前回の立大戦同様、大量得点でしたがきょうの試合を振り返っていかがですか

大量得点だったのでそこは良かった点だと思うんですけど、まだそれぞれフォワードはフォワード、ミッド(フィルダー)はミッドでディフェンスはディフェンスでの課題があるので、駿河台大戦までに直せるところは改善していきたいです。

――具体的にその課題というのは

ディフェンスでいうと、まだ展開のときとかに安定した動きができていなくて、判断が悪いところもあるのでそこ。フォワードは打ち込みでのシュートが多いので、もっとバリエーションのある攻撃ができればいいかな、と思います。

――きょうのご自身のプレーの自己評価は

攻撃参加はいっぱいできたんですけど、そっちを意識しすぎてディフェンスでまだ足りないところがありました。一対一のときにちゃんと取りきれていなかったりとかボールの離しどころやパスのタイミングが悪かったりしたので、まだまだだと思います。

――1年生での出場ですが、緊張は

もともとあまり緊張しないタイプなので、きょうはリラックスしてプレーできたんですけど、セットプレーのときに緊張してつい肩に力が入ってしまうので改善していきたいです。

――高校と大学のホッケーの差をどういう部分で感じていますか

高校はただがむしゃらに走って、というような体力的な面で鍛える感じだったんですけど、大学はもっとスキル的なところが大事なのかな、って個人的に感じています。体力も大事なんですけど、個人個人の技術が大事だなって思います。

――次戦の駿河台大戦に向けての意気込みをお願いします

駿河台大に勝つのも一つのワセダの目標なのかな、と後輩の目線から感じているので、勝ちにこだわっていきたいというのと、ディフェンスからどんどん声を出して、良い声掛けと良いパスでディフェンスから盛り上げられるゲームにしたいです。