長きにわたり激闘が繰り広げられてきた秋季関東学生リーグ(秋季リーグ戦)もついに最終戦を迎えた。前回、山梨学院大相手に黒星を喫した早大。その結果を受け、東農大との3位・4位決定戦に臨む。ゲームは序盤我慢の時間帯が続くが、この試合で引退となるMF高橋可奈主将(スポ4=栃木・今市)が生み出した先制点を皮切りに点を積み重ねていく。終盤には1点返されるも、その後の反撃はシャットアウト。3-1で勝利し、4年生の引退に華を添えた。
この1年、最高学年としてチームを引っ張ってきた高橋、FB長谷川彩花(スポ4=富山・石動)、FB荒川知里(スポ4=島根・横田)、そしてFW青山睦実(スポ4=愛知・向陽)の4人。有終の美を飾ろうと、試合開始直後より4年生の表情は燃えていた。負けじと下級生たちも果敢に攻め込むが、同じく強い気持ちで立ちはだかる東農大の固い守りに阻まれ、なかなか先取点に手が届かない。フィールドに漂う停滞ムード。これを吹き飛ばしたのは高橋の一振りだった。26分、サークル内に転がった球を逃さずネットへと押し込み、先制を決める。これで勢いに乗ったのか、早大は相手を攻め立てる。そして32分、守備が崩れがら空きとなったゴール前からFW瀧澤育未(スポ2=滋賀・伊吹)が一閃(いっせん)。貴重な追加点を挙げた。前半終了直前にはペナルティーコーナー(PC)のピンチを迎えるも、守護神・GK南有紗(スポ2=埼玉・飯能)が落ち着いて処理。良い流れのまま折り返した。
1年間チームをまとめてきた高橋主将
後半に突入しても早大は主導権を握る。厳しく相手守備陣を崩しにかかると、早い段階でPCを獲得。この好機をものにしたのは青山だ。サークル右方に転がった球をすくい上げると、柔らかにゴールネットに吸い込まれる。3点目を加えた。その後もPCなどで攻め続けるも、なかなか東農大を突き放すことができない。逆に自陣が手薄となった時間帯を襲われ、失点を喫してしまう。だが、これ以上の得点は相手に許さない。反撃の芽を守備陣が摘み取り、この点差を維持。3-1のままタイムアップを迎えた。
見事得点を挙げた青山
秋季リーグ戦の最終戦、そして4年生の引退試合となるゲームで白星を手にした早大。順風満帆とは必ずしも言えない1年だったが、いい形で締めくくることができた。そして、ことし達成することのできなかった『打倒・駿河台大』の目標は、次代へと受け継がれる。長年の宿敵を下し、その先へと進むことができるか――。来季の早大に期待がかかる。
(記事、写真 落合修平)
秋季関東学生リーグ | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 3 | 2-0 1-1 |
1 | 東農大 |
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コメント
MF高橋可奈主将(スポ4=栃木・今市)
――大学生活を振り返っていかがでしたか
ホッケー経験者が多い中でやってきた高校とは違い、大学では初心者の子も居て、今まで当たり前だと思っていたことが当たり前ではなくなり、個人的とても新鮮でしたし、学ぶことも多かった大学生活だったと思います。
――主将として走り抜けたこの1年間はいかがでしたか
主将という立場は今まで何度か任せられてきたのですが、自分の中で納得できる主将の働きができなかったと感じていました。なので、大学でも不安はありましたが、周りのサポートのおかげでここまでやって来られました。特に、同期のサポートが1番大きなものだったので、同期には本当に感謝しています。
――早大というチームの良さはどういった部分なのでしょうか
他のチームと比べると人数が少なく、技術も足りないかもしれませんが、それをカバーできる力が早大にはあるのかな、と思います。
――後輩に向けてメッセージをお願いします
私たちが掲げていた、駿河台大を倒すという目標は達成できなかったので、来年もそれは目標にしていって欲しいです。また、色んな方に支えられているチームなので、その方々に恩返しができる結果を残していって欲しいです。
FB長谷川彩花(スポ4=富山・石動)
――大学生活を振り返っていかがでしたか
目標を打倒駿河台大と定めていて、その目標は達成できなかったのですが、副将としてみんなと毎日、練習や試合を含めて充実した時間を過ごせたと思います。
――4年生となって過ごした1年間はどうでしたか
副将として、みんなのことを広い目で支えることが多かったです。そういう視野を持ち、1人1人との距離を縮めようとしたことなど、そういったプレー面以外の部分でも意識して頑張りました。
――早大の良さはどのようなところでしょうか
高校の頃からホッケーをやっている選手ばかり集めているチームもあるのですが、早大には初心者の子も入ってきてくれています。そういった子の意見も聞くことで、逆に私のホッケーに対する視点も変わりました。ホッケーをより深く、楽しく理解することができましたね。
――後輩に向けてメッセージをお願いします
これで私たちは引退となりますが、今後はOGとしてできる限りサポートしていくので、上位目指して頑張って欲しいです。
FB荒川知里(スポ4=島根・横田)
――4年間を振り返っていかがでしたか
長いようで短かったです。生活や勉強面で高校と違うことが多く、最初はとても戸惑ったのですが、なんだかんだ楽しい4年間でしたね。
――最高学年となって迎えたこの1年間はいかがでしたか
行動の重みや責任感がついてきたので、常にチームのことを考えて行動する意味では難しい1年間でしたね。
――早大ホッケー部の良さは
学年関係なく何でも話せたり、遊びに行ったりできるところです。あとは初心者や海外帰りのチームメイトとも交流できるところも、個人的に刺激を受けました。
――後輩に向けてのメッセージをお願いします
学生生活は限られているので、その限られた時間の中で、勉強も遊びも部活も、頑張って欲しいです。
FW青山睦実(スポ4=愛知・向陽)
――ホッケー部として過ごした4年間を振り返っていかがでしたか
自分はホッケーの経験が浅い中で入部したので、周りの強豪校から来た子にもまれていき、苦しい時期もあったのですが、様々な人に恵まれたおかげで最後まで頑張ることができました。感謝したいです。
――4年生として過ごした1年間はどうでしたか
プレーが上手くいかずに悩んだ時期もあったのですが、後輩含めみんなが支えてくれました。自分はFWでしたが、それも自分が引っ張っていったというより、みんなの力でまとめることができました。とても充実した1年だったと思います。
――早大の良さはどういったところだと思いますか
初心者も経験者もごちゃ混ぜになっているので、みんながまとまらないとなかなかチームプレーは難しくなります。ですが、それをできるのが早大の強みだと思います。
――後輩に向けてメッセージをお願いします
みんな1人1人を気遣えるし、相手の立場を考えられる子も多いので、プレーもそうなのですが、私生活でもそういった長所を発揮して、良い大学生活を送っていって欲しいです。