全国各地の強豪が集う、全日本大学王座決定戦(王座)が開幕。春季関東学生リーグ(春季リーグ戦)で3位と納得のいかない結果に終わった早大は、「自分たちらしいホッケー」(安岡裕美子監督、平16卒)を意識し臨んだ。初戦の相手は関西の強敵・天理大。早大は試合開始早々より積極的に攻めるが、徐々に相手のペースに巻き込まれ、前半だけで2失点。後半も勢いに乗る天理大を止められず、結局0-4と完封負け。悔しい初戦敗退となった。
華麗に攻める小澤
開始直後より両校の一進一退の攻防が続いた。素早いパス回し、そして正確なドリブルで攻め上がる天理大に対し、FB長谷川彩花(スポ4=富山・石動)やFB八木澤江里(スポ3=栃木・今市)らが対抗。反撃に転じたい早大はMF小澤眞帆(教2=埼玉・飯能)とFW瀧澤育未(スポ2=滋賀・伊吹)を中心に果敢に攻め上がるも、相手の堅固な守備陣を崩すことはできない。中盤にさしかかると、次第に試合の流れは天理大に傾く。そして前半16分、相手の猛攻を退けることができず、ペナルティーストローク(PS)を与えてしまう。ここでGK南有紗(スポ1=埼玉・飯能)は相手のストロークに俊敏な反応を見せるが、無情にもボールがゴールネットを揺らした。その後にも点を許した早大は、0-2で前半を折り返す。
ゴールを死守する長谷川と南
後半も苦しい展開が続いた。開始8分、相手の速攻に対処できず、ペナルティーコーナー(PC)のピンチを迎える。勝利のため、絶対に防ぎたい場面だったが、守備陣の奮闘及ばず決められてしまう。その後も天理大は攻撃の手を緩めない。悪い流れを断ち切ろうと、MF高橋可奈主将(スポ4=栃木・今市)がカウンターを仕掛けるも、得点には結びつかず。再び防戦一方となるが、南が体を張ってPSを食い止めるなど、個人技が光る場面も多く見られた。このまま守りを固め、少ないチャンスをものにしたい早大だったが、27分。ゴール前の混戦を押し切られ、痛恨の4点目を奪われる。一矢報いようと、終盤に長谷川、高橋、そしてFB藤本晴菜(スポ2=栃木・今市)がパスでつなぎ、サークルに運んだが、ゴールまではあと一歩届かず。結局、1点も取ることのできぬまま、試合終了を告げるホーンが会場に鳴り響いた。
春季リーグ戦終了後、今大会に標準を合わせ約一ケ月、練習を重ねてきた早大。それだけに、試合後、選手たちの表情からは悔しさがにじみ出ていた。その一方、既に目線は秋シーズンへと向けられている。夏の間のトレーニングで「早大らしいホッケー」(高橋)をさらに磨き、そして秋季関東学生リーグで宿敵・駿河台大へのリベンジを狙う。彼女たちの戦いは、まだ終わらない。
(記事、写真 落合修平)
全日本大学王座決定戦 | ||||
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早大 | 0 | 0-2 0-2 |
4 | 天理大 |
コメント
安岡裕美子監督(平16卒)
――この大会に向け、一ヶ月間どのようなことを意識してトレーニングを進めましたか
相手が強豪なので、自分たちのホッケーができるように意識しました。具体的には、守りを固め、カウンターを狙うホッケーですね。
――実際の試合ではどうでしたか
前半の最初の15分くらいで攻めることができたので、そこで点を取ることができていれば、結果も変わっていたと思います。
――秋に向けての意気込みをお願いします
夏に天理大と合宿をさせてもらえるので、強豪校とのトレーニングを経験し、秋は2位になりたいです。
MF高橋可奈主将(スポ4=栃木・今市)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
いつもやっているグラウンドでないとなかなかリズムを作れなくて、そこを課題としてずっとやっていたのですが、今回もなかなかパスを回すことができませんでしたね。
――具体的な内容はいかがでしたか
相手の間合いを利用しようと思っていたのですが、逆に相手の思うつぼになってしまいましたね。具体的には、ショートパスでなく、ロングパス主体となっていました。それと、ディフェンス面でもっとカバーリングができれば良かったですね。人数の関係上、なかなか厳しいのですが、走り込みで培ったものを発揮したかったです。
――秋に向けて、夏の間にどうトレーニングを行いたいですか
早大らしいホッケーがもっとできるように、ミーティングを含め、進めていきたいと思っています。春は駿河台大に負けてまったので、秋こそは勝ちたいです。