逆転勝利、笑顔で今季を締めくくる

女子ホッケー

 今季最後の締めくくりとして行われた早慶定期戦。絶対的守護神としてゴールを守ってきたGK堀部晶瑠主将(スポ4=大阪・羽衣学園)、そして広い視野でチームを支えてきたFB三柴明日香副将(文4=東京・鴎友学園)。2人の引退試合となった一戦は、早大が終始ゲームを支配するも、後半に入り慶大に先制点を許す予想外の展開となった。しかし、後輩たちが奮起し2得点。2-1と逆転勝利を収め、笑顔で4年生を送り出した。

 慶大・日吉の地でアウェイ感が漂う中、早大も応援団や多くの学生、関係者が駆けつけ、盛り上がりを見せた伝統の一戦。開始から早大がボールをキープしゲームを支配した。しかし前半計4回あったペナルティーコーナー(PC)のチャンスは、相手ディフェンスとGKに阻まれ先制することができない。MF高橋可奈(スポ3=栃木・今市)のパスカットやFW青山睦実(スポ3=愛知・向陽)のゴール前でのドリブルも光り、流れを作るも、両校無得点のまま後半を迎える。

この日活躍を見せた荒川

 得点がほしい早大は開始直後から積極的なプレーを見せる。1年生のFW瀧澤育未(スポ1=滋賀・伊吹)とMF小澤眞帆(教1=埼玉・飯能)がパスをつなげゴール目前に迫るシーンも見られた。ようやく試合が動いたのは後半13分。だが先制点を挙げたのはゲームを支配していた早大ではなかった。ゴール前でパスをつなげられ、堀部主将が反応を見せるも、叩き込まれ失点。その後早大はすぐに反撃にでる。高橋がゴール前で粘りPCを獲得すると、DF荒川千里(スポ3=島根・横田)のダイレクトシュートがゴールに突き刺さった。さらにその6分後には、荒川がサークル外から中に打ち込んだボールが相手GKに当たりながらゴールに吸い込まれた。終盤にはケガで今季絶望だったDF八木澤江里(スポ2=栃木・今市)が走れないながらも姿を現した。こうして部員の強い思いがかかった戦いは、早大の逆転勝利で幕を閉じた。

勝ち越してハイタッチする4年生2人

 得点を決める度、選手たちはバックコートの堀部のもとまで駆け寄った。ホッケー部での4年間にピリオドを打つ2人に笑顔で引退してもらうため、全員ホッケーで試合を目いっぱい楽しんでいる選手たちの姿が見られた。大きな柱を失ってしまうことになるが、全国ベスト4達成という夢を受け継ぎ、早大ホッケー部はさらなる躍進を遂げる。

(記事 加藤恵、写真 落合修平)

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早慶定期戦
早大 0-0
2-1

慶大
【得点者】(早大) 後半15分・荒川
コメント

GK堀部晶瑠(スポ4=大阪・羽衣学園)

――現役最後の早慶戦を終えて感想をお願いします

きょうの試合は先制されてすごくドキドキしたのですが、後輩たちが点を取ってきてくれて勝つことができたので終わりにしてはよかったと思います。

――チームのみなさんが点を取った後に堀部選手のところまで走ってきてくれましたね

もう本当にうれしくて。うれしいだけでした(笑)。

――最後はケガをされていた八木澤江里選手(スポ2=栃木・今市)も出場されていましたが

本人も考えて最初は出ない予定だったのですが、監督(澤谷保典監督、明大OB)がやっぱり出してあげたいということだったので、最後少しでも出られるようにという感じでした

――ホッケー部で過ごした4年間はいかがでしたか

ホッケーだけでなく学ぶことが多かった4年間だったと思います。やっぱりホッケー部と過ごした時間が長かったので、きょうみんなと笑顔で終われてよかったです。

――主将としての1年はどのような時間でしたか

私自身チームを引っ張っていくような力はなかったと思うのですが、三柴(DF三柴明日香副将、文4=東京・鴎友学園)の助けもあり、後輩たちがついてきてくれたおかげでチームができて、主将として無事終えることができました。みんなが助けてくれての一年間だったので、後輩たち、同期に感謝です。

――来年後輩のみなさんにはどのようなことを期待していますか

ことしのチームはいつもと変わらず3位で、全国大会でも結果を残せなかったんですけど、来年は全国大会でずっと目標にしているベスト4を目標にして頑張ってもらいたいです。

――最後にチームメートに対してどのような言葉をかけたいですか

頼りない先輩だったと思うんですけど最後までついてきてくれてありがとうということと、後輩が点を決めてくれて勝つことができたので感謝の気持ちでいっぱいです。

DF三柴明日香副将(文4=東京・鴎友学園)

――最後の試合にどのような気持ちで臨みましたか

まずは「楽しむ」ということをチームとして言っていました。場所が日吉ということで、自分たちの雰囲気に持っていくのは難しいと分かっていたので、まず自分たちが落ち着き、楽しもうとしましたね。

――アウェイな雰囲気は、プレーに影響しましたか

審判のジャッジも流されていたし、ヤジもあったので、そういう部分では影響していましたね。それでも、自分たちがやることは変わらないので、集中しました。

――試合全体を振り返っていかがでしたか

先制点を取られた時は焦ったのですが、攻めている場面が多かったので、落ち着けばいける、と思いましたね。先述した「楽しむ」ことができていた試合でしたね。

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

けっこうガツガツ来るのは分かっていたので、できるだけ早めに当たりに行くことを意識しました。それと攻めに関わる部分ですが、自分はサイドなので外から中に攻めることを意識しました。

――ご自身のホッケー人生を簡単に振り返ってください

私はみんなと違い大学からホッケーを始めました。なので、みんなに追いつこうとしてもなかなか上手くいかない部分がありました。ですが、逆に技術面以外でそれを補おうと考えましたね。「ホッケー部に自分がいる意味」を探し続けた四年間でした。

――ズバリ、その「意味」とは何でしたか

第三者の視点と言いますか、組織として動く為にどうすれば良いのか、を考えるのが自分の役割だったのかな、と思います。OG・OBの方々への対応だとか、グラウンドを整備していただいている方への感謝など、ホッケー以外の面でも自分はプラスになれたかな、と思います。

――後輩に向けて、メッセージをお願いします

色々なホッケー歴を持った子たちがいます。ホッケーを上手くやることだけを求めるのではなくて、「ワセダのホッケー部」としての誇りを持って欲しいですね。例えば、この間東伏見であったスポーツフェスタでの地域の方との交流や、保護者の方への感謝といったことを通して成長し、ホッケー以外の何かも掴んで卒業して欲しいと思います。